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Note

LIVE = コミュニティ】 2024.4.14



こんにちは。


Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




みなさん、お花見いかれましたか。
今年は各地で開花のタイミングがちょっとずつずれる
珍しい年でしたので、長い期間美しい桜の花の姿を
楽しめた方が多かったのではないでしょうか。



わたしも少し前まで控えていた大好きな散策を
やっと解禁しましたので(これまでの反動もあり・・)
お天気のいい日にふらりと見にでかけておりました。




街なかも、山や海に面した観光地も
ひとがたくさん、外国人のひとが特に多いですネ。
ゴールデンウィークへ向けて、ますます活性化していきそうな
数週間、今のうちにでかけておこうというのも正解かも♪
Noriko.Tの今年はおそらくひたすら稽古に明け暮れる日々と
なるため、いまのうちにフレッシュな外気をたっぷり浴びておこうと
もくろんでます。





さて今週も、トリオBowsライヴへの
みなさんからのお問い合わせとご予約をいただき
ありがとうございます。。!
楽しみです、のメッセージ大いに
励みにさせていただいています。


3月ごろの時点では、まだ生まれたての企画ボードのうえを
てんやわんやで歩いている私たちが
学生時代から「屈託なく言いたいことを言い合い
じぶんの得意部分を仲間のサポートのために活かす」スタンスを大事に
ここまでのひと月一緒に過ごしてきたなかで
当時はまだ知り得ていなかったお互いの「より人間的な部分」に
気づくこともありましたし、長い年月おのおの磨いてきたものを
大きなゴザのうえに座って広げてみせることで、「LIVE空間で
展開できるさまざまな可能性」を編み出す刺激的なじかんを
現在は共有しています。




ほかのメンバーと、こういう話はまだ話したことがないのですが
わたしは学業を卒業して演奏活動のキャリアをスタートしたころから
抱いてきた「ライヴ空間」なるものへのはっきりしたイメージが
ありまして、それはずばり「LIVE = コミュニティ」です。
音楽をつうじ私たちとお客さんの交流を、それと同時に
お客さん同士の交流も育んでいかれる空間でありたいという思いです。


はじめは淡い気持ちで心に描いたその憧れは
キャリアを重ねるにつれ、どんどん色濃くなりました。
いわゆる大ホールに付随するリサイタルホール、という
客席とステージが隔たっている場所では実現しえないと気づき、
小ホールでもない「サロン空間」をliveのたびに探し始めると
フラットなステージでお客さんとは至近距離に。
お互いの呼吸がきこえる一体感がライヴの喜びになりました。
こんなにも都心や街のはずれに、知られざる素敵なコンサート空間が
個人経営というかたちで存在している、その数の多さにも驚きましたし
こういった小回りのきくホールを多様に利用すれば、クラシックのコンサート
ももっと裾野を広げて工夫を凝らしたLIVE内容を行える!との思いも
いっそう増しましたネ。



「楽屋の扉」がない代わりに、終演後ささやかに
出演者とお客さんがひと言言葉を交わせる環境も
大切に考えています。
すみやかに帰られる方もいらっしゃれば
「もうすこし会場の余韻を楽しみたい。」といってしばらく
終演後のステージの雰囲気を楽しんでいかれる方もいらして
いわゆる常連さんたちのそういった人たちがだんだん
顔見知りになっていくんですネ。

そうすると、お客さんがつぎのLIVEへ運ぶ楽しみは
増えていきますし、客席のそうした横のつながりが
生み出す空気はとてつもなく大きくステージのほうへも
伝わってきます。
音楽って本来、そういう広く自由な風穴をあけてくれるもの。
わたしたちもみんな、そういう力にあやかっていいんじゃないかナ。
そういう空間に育んでいかれたらとっても素敵。



みなさん、長文お読みくださり
今日もありがとうございます。



今回はレストランという、
より自由度の拡い空間でライヴ、
わたしもメンバーも心から楽しみにしています。
ご友人をお誘いしてお越しになるみなさんが多いようですが
おひとりでご来場くださる方もぜひ、会場で私たちと
お話してくださいネ。
音楽と空間そのものを存分に楽しみながら
新しいお友だちもみつけてくださいネ。




みんなで、当日までを楽しみに数えましょう♪
遠足に行く日を指おり数えるみたいに。



Noriko.T◎NOTE



【 幸せの在りか 】2024.4.7



こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。



みなさん、気温変動で
お風邪ひいたりしていませんか。
ときおり雨が降り、やんではまた降りだす
全体的に重くるしい空もようですが
外気の温かさは今が一番気持ちのいい季節かも。
私がいつもNOTEに向かうときのデスクは
大きな窓にめんしていまして、朝方や夕刻
ざあっと雨が降り始めるときの
窓のまわりを囲むようにしている木々の葉の雨音が
心地よく・・この音を聴いていたいがために
夜更かししちゃうこともあります。
今は、「心地よき睡眠」へ誘ってくれる「雨音のホワイトノイズに
アプローチ」した動画がたくさん出ていますし
どこかホッとする癒しの効力、雨のそらもようには
きっとありそうですネ。



我が家の愛鳥、ピーさんもここのところ
1日に水浴びをする回数がふえ
日が落ちたあとでもご機嫌よく歌っていたりしまして
室内にいながら時節の変動をたっぷり謳歌しているようです。

ちょうど来客予定がたてつづいていたさなか
いろいろな方に「可愛い可愛い」言ってもらって
遊んでもらって、「ダイジョブダイジョブ」なんていうと
みんなが「ヨロコンデル♪」というわけで味をしめて
朝から晩までダイジョブダイジョブを連発。
サービス精神旺盛なところはちょっぴりママ似かナ♡

話はかわりまして、
今日からSNS(x)のプロフィール写真はこちら↑に。
久しぶりに昨夜「自撮りタイム」楽しみました~☆


今回は「ピーさんバージョン」と「coffeeバージョン」
2パターン。
動画制作と舞台出演をきっかけに「楽しくうまく撮れる自撮り法」
を教えてもらい、今現在Noriko.Tのウェブサイトやオリジナル作品
のなかで使用している動画や写真は(公演舞台写真をのぞき)ほとんどが
自撮りもので構成されていますが。。。
昨夜の映像も、いま制作にとりかかっている次作品へむけてのもの。

自宅で撮影する作品集といえば、、そうなのです☆
「At Home Staying」4年まえ、コロナ対策で緊急事態宣言が
だされた約2か月ちかく、ほとんど外出せず自宅で過ごしていたとき
たっぷり時間をつかって、家のなかで雑貨や背景をくみあわせて遊びながら
撮りためておいた写真を翌年画像作品集としてYouTubeにあげたもの。
(懐かしいナ、なんだかもう
ずっとまえのことみたいな気がするナ。)

今回はそこからちょっぴりアウトサイドへ拡がっていまして
ステイホームを飛び越えた「日常」シーンを
いろいろおさめています。
音楽も(前作のときは、ステイホーム中に毎日シンセで遊びながら
弾きためていたものをつなげて収録)今回のために新たに弾きながら
すすめています。


この2作品とも、コンセプトのようなものが
しっかりと存在していまして
「隠れたキラメキをみつけよう☆」
何か新しいものを買わなくても、
何か外に探さなくても
いま、自分のまわりにあるもので存分に楽しもう!
という意味なんですネ。



ただそのためには、家のなかや、そこにあるもの、
今のじぶん、自分が手にしているものを
よくみつめなくちゃならない。
ぼんやりしていては、日常というのは色褪せてしまうのもので
「そこにある」あたりまえに、何も感じなくなってしまいますネ。


2か月ちかく、わたし自宅で毎日、2~3時間かけて
ひきだしのなかの小物を外へあらいざらい並べてみたり
ふだん重なっていてあまりつかわないお皿をテーブルにあげたり
全身鏡を横にして窓辺へ運び、光をとりこんで撮影したり
レイアウトを変える勢いで、家具を並べ替えたり
楽しい写真を撮ることに夢中になっていました。


SNSにそれを毎日UPすると
フォロワーのみなさんがとても喜んでくださり
それでまたサービス精神にスイッチ入っちゃう(笑)
モチベーションをあげてもらってたと思います。
この頃になると舞台メイクもどんどん勉強して
「自撮りプロフィール写真」も毎日のように撮っていました。
「おうちごはん」シリーズとしての料理メニュー。
気がつけば、この私が毎日欠かさずSNSに投稿するように
なっていました。(それまでは、1週間に1度くらいのペース)
今現在のNoriko.Tの投稿ペースは、毎日3~5回くらいが
だいたい基本です。






ものごとが拡大していくことは、
すべて「自身の心」が始まりなのだと
ふりかえってみて思いますネ。
子どものように、後先気にせず、夢中になれる瞬間が
あること、それ自体が「宝」なんですもの。



みなさん、長文お読みくださり
今日もありがとうございます。
今回のテーマは「おうち」に限らず
Noriko.Tの日常のなかから選んだ色彩豊かなシーンや
動画としては未公開の映像をふんだんに使用してまいります。
タイトルも、ぜひお楽しみに。


みなさんの新しい一週間が
健やかで明るい日々でありますように!



Noriko.T◎NOTE







【全て網羅して感じとることだネ、感性は一瞬にして】2024.3.31




こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




今日は3月最後の日。
新年度を迎える準備で大忙しの日曜日だった方も
きっと多いはず。
みなさん、夜は1日の疲れをゆっくり癒して
新しい年度をぜひあかるい気持ちで迎えてくださいネ。




さて、トリオBows情報
今日もどんどんまいりますよ~☆
ご来場を迷っている方も、
クラシック音楽ちょっとムリ・・って感じている方も
Noriko.Tていうヴァイオリニストに1度会ってみたい方も
みなさん、ぜひscheduleページのぞいてみてネ。
すでにご予約いただいている皆さま
新しく演目追加しております。
チェックですよ~☆



演目につきまして
思いがけない、よしだ博士からの提案により
わたくしのオリジナル作品集から「LIVE限定テルツェット版」
を同氏が編曲を手がけ、ラインナップに加えることになりました。

このアイディアに、当初驚愕したわたしは
そのためにそろえるべきあれやこれや思い浮かべながら
「いやいやいやいや、わたしのこのまともな譜面と言い難い
ほとんど耳コピしてもらわないといけないような
( 耳コピ= 音源から聴きとって、自分で譜面におこすこと)
そんな面倒すぎる仕事を恐れ多くもたくちんに頼めないよ!」と
全力で謙遜こめて「アタシが、まず読める譜面をちゃんとかきなおす」と言って
押し問答のようなものをくりかえしたあげく最後に
「何もせずただ、YouTubeからいくつか送って。」と
いう頼もしい言葉に
のせられてしまったというわけなのです。



その先がまたお洒落な展開。
結論から申し上げますと、よしだ博士チョイスにより
いくつかのURLからピックアップされた2曲は
「静寂よ、ここに降り立ち(2017年オリジナル版)」と
「手鞠」(2021年制作)


これには正直うなってしまいましたネ。

かたや、リメイク版公開したばかり
かたや、メイキングシーンを公開したばかり
タイムリーなこの2つを・・すごいナと。
実はよしだ博士、SNSに全く興味ないと言いつつも
(おぬし、ひょっとしてNorikoページをちょくちょく覗いて
いるなんてことあらしませんかェ?)

が、それに対しても博士からしごく冷静客観的な
「返答」がかえってまいりまして


「静寂よ~は、譜面にアレンジがしやすいため。
手鞠は、独創性に溢れてて世界観Noriko氏らしさが
よくでていると思った。」
この言葉にわたくしも、再度唸ってしまったというわけです。


↑昨年10月同級生みんなで再会したときのPhoto

ヴァイオリニストになると決めたとき
同時に覚悟も決めた「人生の大半を過ごすであろう
孤独の時間」。
でもこうしてその道を歩いてきて今、なかなか悪くないよネ。
つきつめて自分と音楽と長くとことん向き合うことに多くを割き
おかげで友人は決して多いとはいえないけれど
同じ空気を共有した者同士が空気のようにどこか繋がっている。

「ヴァイオリニストの友だちは、ヴァイオリニストなのだ☆」
by Noriko.T



そんなわけで現在、
2曲の弦トリオ版譜面の完成を
楽しみにしているところです。
「静寂よ~」は初のアレンジ版
「手鞠」も同じく、またこちらはLIVE初演。
音楽人生、本当に何が起こるかわからないものですネ。




みなさん、長文お読みくださり
今日もありがとうございます。



「ご挨拶」のところに
すこしばかり綴らせていただきましたが
ヴァイオリニスト吉田巧氏は菅原英洋先生門下をへて
グレゴリー・フェイギン門下生になり卒業後は
東京シティ・フィルに入団、現在に至ります。
「シティフィルのよしだ博士」というあだ名で広く知られているのは
昔から尊敬してやまない今は亡き作曲家、すぎやまこういち氏の多く手がけた
ゲーム音楽(ドラクエetc)を、この丁寧かつ巧妙に作られた音楽の面白さを
今の若い世代にも知ってもらいたいと願い活動の一環としてつづけているためです。実際、当時はやったゲームのこと、その流行の一端を担っていた音楽曲の数々のことを語りだしたら、彼は静かに、淡々ととまりません。


この先、1週間たつごとに状況が大きな歩幅で動いていきそうな
トリオBowsの行き先です。
もうひとりのメンバー「生チャン」にもご注目ですよ。
(1枚目の写真のなかに、さりげなくうつってる)
今後のリハーサルリポートをお楽しみに。




今夜はこのへんで。

みなさんの新しい一週間が
健やかで明るい日々でありますように。



Noriko.T◎NOTE





【音楽お料理、深い繋がり】2024.3.24



こんにちは。
Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。
新たにご登録もありがとうございます。



この1週間ワタクシ個人的にも
連日いろいろな場所へ出向いており
綴りたいこともあるのですが
今日は何より先に、こちら話題から。



一昨日、「トリオBows」ユニット再結成記念LIVE
フライヤが完成しまして
公開と同時「ご予約受付」をスタートいたしました。
週末スタートとあって、たくさんの方からお問い合わせや
ご質問を早々いただきましたので、
さきほどscheduleページに一部情報追加いたしました。



そのうちの2点について。
今回も、関東圏以外の遠方よりお越しくださる方々のために
パーキング情報ですが、
2か所のお店どちらも駐車場がございません。
付近にはコインパーキングがたくさんございますので
恐れ入りますがそちらをご利用くださいませ。




もう1点は
「ドレスコードでしょうか。」
というご質問につきまして。
→どちらのお店も、ドレスコードではございません。
ぜひみなさま、お好きなお召しものでお越しくださいネ!

◎江古田 アランダルース


加えてscheduleページに、
「新しい企画」としてのNoriko.Tより皆さまへの
ご挨拶とメンバーをささやかにご紹介させていただきました。
今後も随時、追加情報いれてまいりますので
どうぞお楽しみに☆
(ご予約のお申し込みは、
本ウェブサイトのコンタクトページをご利用ください。
SNSアカウントをお持ちの方は、DMも受付けております。
@nontantan513(ポスト)
受付内余談「2公演」ともご来場のお申込みや
ご検討くださっている方が少なくありません。誠嬉しい限り。
熱烈なファンのみなさん、大歓迎です!
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


アランダルース:メニューより


まえおき、長くなりました。
たびたび、こちらに載せています「モロッコ料理」の
写真、アランダルースさんへ食事にいくたびに
豊かな色彩に心がはずみ、つい写真をとりまくってしまう私ですが
江古田の街に長く住んでいらっしゃる方はどなたも「あの、
アランダルース」とみなさんおっしゃるほどに、伝統老舗の
看板を守っているお店。
モロッコ帽をかぶった店長さんの人徳は素晴らしくて
音楽への愛情も深いため、さまざまな分野のミュージシャンたちや
ダンサー、お国柄もさまざまな人たちがここでは食事を楽しんでいるのです。


音楽と料理はよく、並べてたとえられることが多いのですが
表現と味付けセンスといった感覚的な要素が似ているからなのでしょうか
音楽を愛する人は、食も愛するといってしまって
過言ではありませんよネ。
好きが高じて、好きな味を自分で作ってしまう音楽家も
大変多いですし。

実感するのは、よきレストランは
お腹いっぱいになるだけじゃなくて
身も心も元気になるんですよネ。
本当の意味の活力をもらえる、精神的な豊かさを
味わえるのも、きちんとした食材が選ばれているゆえかしらと
思います。


6月1日土のディナーは、LIVEにあわせた
その日限定のメニューとなっていて
「シェフのお勧めコース料理」に
食材にピッタリとマッチする「モロッコティー」が
サービスでお召し上がりいただけます。
ミントの味わい深い甘い紅茶をたっぷりの茶葉で
愉しめる食卓です。




みなさん、長文お読みくださり
今日もありがとうございます。

食事のことを語りはじめると、このNoriko.T
とまらなくなってしまうのでこの辺でいったん
お話移しますが、今後もちょくちょく
「音や金時」さん「アランダルース」さんの
素敵な魅力をお伝えしてまいりますので
乞うご期待ですょ★




今週は半ばに「トリオBows」メンバーで
音出し(2回目)を予定しています。
リハーサルへはいるまえに、
じっくり3人で向き合っております。



みなさんの新しい週も
健やかで明るい日々でありますように!


Noriko.T◎NOTE







ユニット再結成! 】 2024.3.17





こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴いただき、
いつもありがとうございます。



今日は暖かく、お出かけ日和とあって
都心はものすごい人出でした。
渋谷の(といっても、奥渋谷のほう)
長年利用している「おはし」さんで新春会と呼び
やはり長年連れだっている仲間たちとひととき、
美味しい食事と尽きない話を愉しんでまいりました。




それにしても、昨今2時間制があたりまえになり。
(2時間じゃ足りない・・泣)
話が終わらない(笑)とは思ったものの。
この人数で集まれたのもいったい何年ぶりかしら、という。
この4~5年で社風はすっかり変わりましたけれど
みんなのテンションはぜんぜん変わってなくて
わいわい騒ぎながら写真撮って、みんなの近況教えてもらって
春の彩りコースを堪能して「春」をとても感じた一夜でした。




日付が変わって今日(17日)は
お彼岸まえの祖母のお墓詣りへ
父と一緒に富津へ行ってまいります。




ここのところ、子どものときでさえ
そこまで頻繁に行かなかったペースで向こうへ行くことが
増えていますが、のどかでのんびりした田んぼと山間の風景は
いつ訪れても美しく、平和で、心が浄化されていく感じで
遠い距離もふくめて、とりわけ大切にしたい時間です。
祖母が眠っているお寺さんのお墓には、
先日亡くした遠縁の親戚の叔父や、ほかの故人も眠っているので
たくさんのご先祖様に思いを馳せることのできる静かな時を
父と一緒に過ごしてこようと思っています。




さて!
話題かわりまして。
今日お伝えしたかったのは、新しいLIVEシリーズ
始まりますよ~☆というお知らせ。



概略をまずは、scheduleページに掲載しました。
(フライヤもまもなく上がります。)
このLIVE,実は学生時代に組んで演奏していたユニット
のステージとなります!
それも珍しい、ダブルヴァイオリンとヴィオラの「トリオ」。
このスタイルを、テルツエットと呼びます。



今回、2回の日程を組んでいまして
それぞれのお店の趣によってスタイルを変えて行いますので
みなさん、ぜひscheduleの詳細をご覧になってくださいネ。
このページでも、これからの動向といいますか
リハーサルのもようや、演目のことなどお話していきますが
今回の大きな特徴はやはり、「純」弦楽器たちから成るアンサンブル
弦同士の共鳴という温かい音楽空間をご堪能いただけるところに
あります。



Noriko.Tふくむ3名の奏者、
それぞれが自分自身のテリトリーで独自の演奏表現を磨きつづけて
年月を経た今に至っているという意味でも
「再結成」なれど新しくフレッシュな気概で
いまは準備へむけ全員で動き出しているところです。



実は先だって、初「音出し」みんなでやりました。
「 お互いの今の音を、知る。」みたいな名目で。
これがまた楽しかったですネ。
まだリハーサルに突入していない、いわゆる様子見ですから
3人で顔つきあわせているだけで、学生にもどったみたいな空気ありつつ
「自分をふくめ進化を見届ける」、とても刺激的な日でした。





誰もがここへきて再結成なんて
想像もしていなかったのだけど
メンバーの一人が口火を切ってそこにパッと同意すると
こんな風にまたみんなで弾ける日を迎えられる。
不思議な巡りあわせに、音楽人生のまだ見ぬ面白さを
知った思いです。

みなさん、長文お読みくださり
今日もありがとうございます。


もうひとりのヴァイオリニスト、吉田巧氏は
現在、東京シティフィルのヴァイオリン奏者で
学生時代中、1学年に2名しか生徒をとらない流儀の菅原先生門下の
同門出身同士。お互い切磋琢磨しあってきた歴史が
あ・うんで分かりあえるつよみです。


そして、好奇心の塊!バリバリフリー奏者の、波田生氏は
ひとことで言って、キュートで小さな体に見合わないパワフルな
ヴィオラ弾き。美しいものをこよなく愛する彼女とは
趣味も抜群にあうし、やりたいことが次々生まれちゃう。

もともと個性的な3人だけど
年月でさらに色とりどりになったナ、と。
音出しの感想。← by Noriko.T


この先の展開、
乞うご期待です☆


今日はこのへんで。

みなさんの新しい週が
健やかで明るい日々になりますよう!



Noriko.T◎NOTE




Blue精霊たちへ 】 2024.3.11



こんばんは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただにき
いつも、ありがとうございます。



今朝がた、新作オリジナル「Blue精霊たちへ」の動画制作が終わりまして
1年越しに作品を空に手放すことができました。
紆余曲折をくぐりぬけながら、当初描いたイメージを幾重にも塗り替える
プロセスを辿りまして今日の完成にこぎつけました。

1年間、Blueが陽の目を見る日を待ち望んでくださった皆さんに
あらためて感謝申し上げます。
母の一周忌を終えたあとでさまざまな思いはありますが、言葉として表す術がなく、作品として根ざすことで作品をとおしてこの先私自身も
母との対話を繋いでいかれると信じています。


昨年末、リメイクを手がけた「静寂よ、ここに降り立ち」は
亡くなった母に捧げるため制作しましたが、
「Blue」は、旅立った人たちとわたしたちを見守る「姿なき存在」の
すべてに畏敬を込めまして楽曲となりました。
公開を目前にして「シンセサイザー、PC本体、ネット回線」とまさかの
どれも経験したことのないレベルのトラブルが、1度におそいかかり
またもや延期を余儀なくされたのが、1週間まえです。

最後のネット回線は、どうにもならず友人が参戦してくれたおかげで
2日めに脱しましたが、そこから私の意地をかけて失った音源データの再収録と
並行して動画の膨大な修正を行いながら、パズルが埋まっていき
昨夜は夜通し最終チェックとなおしを経て船出に至りました。
今朝は、今日この日が東日本大震災の忘れられない日であることを思い、
タイトルとしてのご縁もまた感じております。



撮影は、両親の故郷である富津で行い
「東京湾観音」に登り、観音様のお顔にあたる最上階の
上空から東京湾を撮影しました。
東京湾観音は、戦没者慰霊と世界平和を願い建てられたもので
当時、小学児童だった父と母は、学校で作業にかりだされた思い出が
あると、母からきいたことがありました。
わたしたち姉妹も、夏休みで滞在していたおり、たびたびここへ
連れてきてもらったことのある思い出の場所でもあります。
観音様のなかに、1階登るたびに胎内仏に参拝できるようになっていて
わたしが訪れたときは平日朝のため、私以外は誰もおみかけすることなく
ゆっくりと20階(最上階)まで登りながら、温かく揺れる祭壇のろうそくのまえで参拝し、壁絵をながめながら2時間以上も、御身体のなかで外世界から離れた静かな時間をすごしました。




美しい海は、母の実家の跡地から徒歩で5分くらいの「おおぬき海岸」。
幼い子どものとき、ここへもたびたび父や母に連れてもらいました。
実は40年以上ぶりとなる、このあたりの道筋を忘れてしまっていて
どうやってこの海まで辿り着こうかと、現地迷いながら歩いていると
「美しい小道のトンネル」が現れ、引き寄せられるようにして
その小道を、暖かい光をいっぱいにおろした小道をくぐりぬけると
そこに「かつて知っていた道」がめのまえに開けていました。




みなさん、長文お読みくださり
今日もありがとうございました。


作品「Blue」を語るのに
わたしにはまだもうすこし、時間が欲しいと思っています。
今はまだ、ただ、この曲が母に届いてほしいという願いのなかに
佇んでいます。



富津の広大な平野と房総半島の豊かな大自然を
母と繋がれる大地の恵みだと思って
このさきも機会をつくって訪れたいと思っています。
今日は、皆さんからいろいろなメッセージをいただき
たくさん泣きました。
父も電話をかけてきてくれました。



世界の平和は
わたしたち自身の心に宿るものだと
今日も信じています。


Noriko.T◎NOTE









【 授けられた時間 】2024. 2.25




こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




いっとき暖かい小春日和に会えたのもつかのま
ここ何日か冷たい雨が降り続き
冬の最後を迎えていますが、みなさんお変わりないですか。





先週のまずは、この話題から!



音楽大学生時代に共演したアンサンブルユニットが
再編成。
ライヴ演奏を実現することになりました。




なんといっても、まずNoriko.Tにとって喜び大!☆
弦3名以上の室内楽から長年遠ざかっていましたから
freshな空気をそれだけでも体感しつつ
久しぶりのミニスコア(総譜↑)を買って勉強しています。



この新展開、どこから始まったのかといいますと
昨年秋、大学の管楽器同窓会という貴重な場をお借りして
弦のかつての仲間うちでも数名ばかり集うことができたので
このありがたい成り行きを記念すべく、「あの曲もう1回弾こう!」。
というわけで、とんとんと話が進み・・




そうなのです☆
すでに写真からタイトルばればれですが
かの偉大なる民族音楽作曲家、コダーイの作品を
学生時代と同じプログラムでとりくむことになりました。

同じプログラムといえど
30年ぶりとなる再結成ですからネ(笑)
先日我が家にて、Noriko.Tふくむ3名で音出ししまして
なんとも感慨深いといいましょうか、率直に楽しかったです。

それに再結成とはいえこうしてゼロから
オフィシャルなステージを立ち上げていくための
ひとつづつの準備も、おのおのキャリアを積み上げながら培った
知恵やアイディアを集めながら進めており
個性派のメンバーによる新たな空間スタイルが生まれそうな予感。
これからSNSや、こちらのNOTEでも
徐々にメンバーご紹介してまいりますので、みなさん、乞うご期待ですょ。





さて、話は変わりましてNoriko.T、
2月最後の大仕事といたしまして、[ Blue」の制作が
大詰めを迎えております。




昨年逝った母につづき、その母と同じ命日に
先週父方の遠縁の親戚を亡くしたあと
「ちょうど制作途中にあった」Blueの全体構成は
わたしの心向きがそういう方向に働いたせいでしょうか、
すこしづつ変化を辿り、最終的に「祈り」という言葉を
作品の土台とし、完成へむけ進んでいます。



先週、我が家の写真立ての写真を総いれかえしたさい
ナフム・エアリッヒ先生と都内のホールで共演したときの
思い出の写真を1枚飾りました。
わたしにとりましては、大切な恩師もまた昨年母と同時期に亡くし
「・・なんでみんないなくなっちゃったんだろう。」と
日常ふとそうした思いに駆られることがあります。




いつの日からか、1日の重みはずっしりと重くなりました。
年齢を重ねるにつれて「人の死」を数多く目にして、
人生の予期せぬ終わりをなんとあっけないものなんだろうと
半ば茫然と眺めている心境が日々に投影されているからなのでしょうか。

日常がつぎつぎと容赦なく過ぎてゆき、
「その人の死」を嘆き悲しむこととは別に、
あとになってから「喪失感」という名の空虚なブラックホールが
ゆっくりと訪れます。
そのときになってはじめて実感するのだと思いました。
2度とその人には会えない、ということ。




作品「Blue」は、
1年前の制作途中であった前身から
延期を余儀なくされる事態がつづき(そういう例は他になく)
それから1年のあいだ、たえず私の制作ノートの
更新事案でした。
ほかの作品を手がけながら、コンサート準備を進めながら
たえず頭のかたすみで考えているBlueの世界。
一見紆余曲折を辿ってきたようにもみえますが、
今となっては、なぜこの曲がそうしたプロセスを辿る必要が
あったのか、答えがわかったような気がいたします。






みなん、長文お読みくださり
今日もありがとうございます。



Blueを謳いつづけながら
Blueに向きあう時間のなかでわたしは
故人がいまは謳歌している自由と平和を祈ることができました。
故人が生きた人生を考えたり、わたしたちに与えてくれたものを
考えることができました。
これからも祈りつづけるため、この作品を完成させたいと思っています。

今月末の完成を目指しています。




みなさん、明日からの1週間も
どうぞ健やかにお過ごしくださいネ。


Noriko.T◎NOTE

【 寝られない夜が明けて 】2024.2.19



こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。
昨夜は、急遽先週につづき実家へもどり
そこから、家族3人で房総の富津へ(両親の故郷)へ
赴いておりました。

東京湾に広々と面した海と、山(鹿野山が有名)、
豊かな大自然に恵まれた富津の山奥の土地はのどかそのもの
車で走ればまわりは田んぼに囲まれた平屋の民家が
広大な土地に静かに建ち並んでいます。
地元の人々同士の結びつきはつよく、大きなお寺さんが
その中心にあります。
わたしの祖母が30年まえから眠っている「最上寺」という
お寺も由緒あり、周村の人々にいつも開かれており、
年中行事の寄り合い所にもなっています。





その最上寺の高台からみおろすと、大きな田んぼをゆったりとした
面積で眺めることができ、さらにあぜ道を100メートル前方に視界をうつすと
そこにひときわ大きな敷地と,背後に大きな山がそびえたつ
昔ながらの平屋づくりの長屋が一軒建っているのがわかります。

屋敷のゆきとどいた掃除はお話するまでもないのですが
敷地内には大きな納戸もあり、
庭の砂利や、盆栽棚はいつでもきれいに整えられていて
客人をいつなんどきでも迎え入れてくれる温かい家。





この長屋の家こそ、わたしの祖母の実家でありました。
戦時中、おなかに子どもを宿したまま夫を戦地で亡くした祖母は
実家へ戻り、この家で生まれたばかりの子どもを育てることにしたのです。
わたしの父はこうして、のどかな環境に囲まれて幼少期を過ごしました。



昨夜、弔いに大勢が集まったのは、
その代々受け継いできた現在の家の主人が旅立ったためでした。
亡くなったのはわたしの父の、従兄弟にあたるひとで、
兄弟や父親というものを知らない父は、まるで本当の兄のように
尊敬して慕ってきました。
年末年始と、暑中見舞いには必ず挨拶にうかがい、
まだ私たちも小さな子どものころ、お座敷のテーブルのうえに
美味しそうなご馳走をだされて目を輝かせていただいたりしました。
祖母が亡くなったあとは、お寺のお墓の手入れを手伝い
法要のたびにお寺さんとの橋渡しをしてくださる。
地元の人々をまとめる中心的な役割を担い、穏やかで男気溢れる寡黙さと
静かで温かいまなざしで村をよくするために尽力しつづける姿は
よくわかっていない幼いわたしたちにも伝わってくるものがあり
「このひとさえいれば、安心」と思わせる大きな存在でした。




高山家で、先日わたしたちの母の法要をぶじ終え、
父はその旨を報告したいと電話をかけたさいに訃報を耳にしました。
命日は、2月13日。
母の命日とおなじ日でした。



わたしは、昨夜遅く
ひとりで都内の自宅へ戻ってまいりましたが
言葉にできない哀しみに心の持って行き場がなく
ものものしいお通夜での、お坊さんたちによる野太い読経も耳に残り
91歳で旅立った叔父さんの優しい笑ったような寝顔も浮かんで離れず
ほとんど眠れない一夜を明かしました。



みなさん、今日は長文というよりか
きのうの今日で、わたしの個人的な思いのたけを
かきつらねてしまいました。ごめんなさいネ。



今朝は正直ぼんやりした身体をひきずるようにして
スタジオ稽古へむかったのですが、
朝の静かな冷たい床にすわりこんでいるうちに、
すこしづつ心の落ち着きをとりもどしてきました。


帰り道は、お花を買い
弔いの意味と、心を鎮めたかったのと
生きるものの息吹に触れたくて
愛鳥と一緒に、お花の優しさをもらって過ごしました。






「 のりちゃん、元気だった?
・・・お父さんのこと、頼んだよ。」


幼なじみ同士だった両親のであいの地でもある
富津で、昨夜たくさんの友人や親戚から
かけてもらった声を抱きしめて。



Noriko.T◎NOTE









スタジオから眺めたあれこれ 】2024.2.12





こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。



3連休の本日、最終日
みなさんどのようなお時間過ごしていらっしゃいますか。





私はと申しますとおとといから
千葉みなとの実家へ帰省しておりまして
昨日、母の1周忌の法要を終えてまいりました。
最愛の人を亡くした父は、この1年ずっと母の面影を追いかけて
母のことを語りつづけてきました。
妹もわたし自身もそれぞれの思いを抱えて過ごしてきた1年を
3人で前夜から一緒に食事にでかけ、母を偲ぶ気持ちを
少しばかりの笑顔も交えながら分かち合えた温かい夜でした。





もう数日向こうに滞在したい気持ちもあったのですが、
(今回ピーさんを連れていかれなかったので)
帰京の道筋でピックアップ、(ピーさんの生まれ故郷である)ショップの
じじきゃんちお兄さんにあつくお礼を言って
2人?で昨夜自宅へと戻ってまいりました。





まえおき、長くなりました!
さて・・そうなのです☆


ついに今日から
スタジオ稽古を再開しました・・・!!
\\やった~~~ぁ!♡//

みなさん、このひと月ご心配をおかけしてしまいました。

おかげさまで、先週から室内のみサポーターをとっていいことになり
今はひとまず休めていた筋肉の動きを思い出すために
リハビリの先生に教わったストレッチから家のなかで始めています。
今日のスタジオでは、しっかり土台をおなかで作るようにして立つことと
そのためにも、両足のバランスを均等にもっていかれるように
フォーミングとサウンドチェックに重点をおいた稽古を行ってきました。

今日までの稽古といえば、まず両足でふみしめる(大地をつかむ)ことが
難しく重心がどんどん上にあがってきてしまうのを下ろしながら
ということばかりやっていたので、体全体でダイナミックな表現は封印し(泣)
基礎のなかの基礎みたいなチマチマとした練習、音階と古典クラシック
ばかり(ほかの時代作品も、そうしたチマチマ練に展開して)やっておりました。

もちろん、そういう「重箱の隅をつついていくような」練習て
本当に大切ですし、ふだんでも必ず毎日行うのですが
「ひと月それだけに徹する」機会というのもなかなかないわけでして。
『伸び伸び弾いてるだけじゃダメなんだゾ。』
自分に言ってきかせつつ、細かいことをどこまでも細かく追いかけて
おりました。


その修行期間を脱しての「スタジオ稽古」☆☆☆!
めっちゃ愉しかったです!
大鏡のまえに立つだけでも、ワクワクするほど
「長いこと本当の意味では立っていなかったような」・・。
新鮮なこの感覚は大事にしようと思いました。



今日弾いてきたのはJ.S.Bachで
ふりかえってみるとここで昨年
ラルゴを毎回弾いていた以来のバッハ作品。
(今日は、無伴奏の中のFugaフーガ)
稽古部屋のLIVEから2か月がすぎていて
今日あらためて、また自分の音があの頃の響きより
変化しつつあると思いました。
毎日同じ練習をくりかえしながら、昨日と今日の
違いはさほど感じないのだけれど
こうして期間を経て聴いてみると「重箱の隅ばかり
つついていた」だけのことはあったのかナと。




みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。

実は今月、新作Blueのヴァイオリン収録という
大仕事のほかもうひとつ、新しい分野といいますか
Noriko.Tにとっては長らく遠ざかっていた「室内楽」の
作品を共演者たちとともに、稽古スタートする予定です。
これがまた「民族音楽」という、今もっとも掘り下げたいと願っている
分野なので、心を躍らせながら日々楽曲を聴いております。
こちらについてもさきざきNOTEで綴っていきたいと思いますので
乞うご期待ですヨ☆




今週のNOTEは、先述の法要行事のため
更新日をふりかえさせていただきました。
みなさんの明日からの日々も、
健やかで明るい毎日でありますように!



Noriko.T◎NOTE








【 ルーティンのなかに秘められた働き】2024.2.4





こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき、
いつも、ありがとうございます。



今週は、我が家の家屋にて
ちょっぴりというか、かなり!
大ごとな出来事がありまして。
その意味で大変なここ数日でした。
かいつまんでお話すると
マンションの同フロアに住んでいるあるお宅から
水漏れの被害があり、大家さんが全宅の天井と煙探知機を
調べてまわったところ、なんと我が家の天井にも水がたまっている
ことが判明。驚いたことにNoriko.Tが毎日料理に立っているキッチンの
天井にとりつけられたおおきな蛍光灯のふたである白いお皿のなかに
すでに大量の水がたまっていたのでした(恐)
数か月まえより一滴ずつ天井から蛍光灯のなかに落ち続けていたとのこと。
Noriko.T、家のなかで蛍光灯は使用しておらず、そのために電気がショート
したり火事を引き起こす事態から奇跡的に免れていたというわけなのです。



この日から、我が家のキッチンも
業者さんが敷いてくれた大きなビニールで床が覆われ
蛍光灯はとりはずされ、天井には「煙探知機」を新しく交換したさいの
まだ大きな穴があいた状態でして、物々しいお台所となっておりますが
大家さんの細やかな対応のおかげで危ない目にあわずに済みましたし、
我が家の天井裏のためにあっというまに5~6人ほどの作業衣のオジさんたちが
家のなかへきて、大家さん立ち合いのもとたちどころにてきぱきと作業を
進めてくださったので、(水漏れ原因は上階にお住まいの方が宅内リフォームを
業者に頼まず自分で行ったため)ひとまずは、修復日を待つのみです。



いろいろあった1月だったなァと感慨深くふりかえっていたら
末日(31日)のそんな出来事にトドメをさされ(笑)
もう笑うしかないネ、といった心境で過ごしておりました。



今、制作中のBlue。
当初この作品のなかの一部分に関わる予定だった方の
体調不良が昨年から回復せず、計画を変更して
Noriko.Tの作る音のみで現在創作を進めています。
ふだんは自分の「日常を抱えた心」を開放するために
散策へでかけることを何より愉しみにしているのですが
もっか足の不調でそれが叶わず、スタジオの床で身体の自由を謳歌
しながら旋律を起こしていくわけにもいかず、
常日頃とだいぶちがう感触の制作期間を送っていまして
これまでどれほど身体的な五感を手繰り寄せながら旋律を
形にする手助けにしてきたのか感じています。



個人的な考えで
制作は、自分が何かを生むというより
すでにそこにあるものを新しい形に整えあげる作業だと思っています。
そういう意味で「ひらめいた。」と確信をすでに得ているときは
大変幸せなんですネ(浮かんでいるものを書き起こせばよいだけなので)。
そうでなくまっしろい五線紙のうえにゼロからかいていくとき
自分が何か新たなものを考えださければとmastの概念に囚われすぎると
苦しみの一途を辿ることになり、バランスのどこか欠けた
入れ込みすぎな作品になってしまう。

それで意味は同じかもしれないけど、「隠れたアイディアの宝探し」
と称して、内面に入り込んでゆくというスタンスで制作にあたって
います。自分の内面に探しにゆくのだから、つね日ごろ
たくさんの刺激に触れたり、新しい考えを積極的にとりいれたり
ミュージシャンたるもの、ジャンルにとらわれず世の中に溢れている
ハイセンスの光る音楽をたくさん聴くことも大事にします。



それ以外に、思考を耕すために
わたしがものすごく大切にしていることは
日々の音階(スケール)基本練習と、J.Sバッハの楽譜を
必ず1度はひらくことです。


これは、かなり以前
長屋和哉さん(八ヶ岳にお住いの即興演奏家)と
ヴァイオリンとチベット仏具という組み合わせで
即興演奏を(山形県の文化事業舞台で)行うことになり、
西洋と東洋の楽器というめぐりあわせも初めてながら
「即興演奏」じたいがそれまで未経験だったNoriko.Tが
リハーサルもできない本番までの日々、どう備えようかと
考えたあかつきに欠かさず行っていたものです。


スケールは本当に奥深く、何十年も同じことを練習しているのですが
1度も満足いくように弾けたためしがありません。
それどころか、毎日弾くたびにつぎつぎと新たな課題が生まれる。
「課題」というのはのびしろですから、
毎日打ち出の小槌のなかから宝がこぼれてくるようなものです。



バッハの楽譜は、
「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」
多くのヴァイオリニストが毎日弾いているに違いないのですが
ここまで時代を超え弾き繋がれている理由のひとつに
普遍の法則といってよい厳正な和音進行と、美しい和声が
唯一無二ここにすべて存在するからだと思います。
均一的なバランスに心が落ち着くのと自然へ回帰するために
わたしはバッハの曲の中から1~2小節を指ならしに、
スケールを弾いたあとにもう1度、曲の練習をルーティンにしています。

みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。

「Blue」は、過去に自分がこの世で
たったの一人ぼっちになった気がした頃のことを
思い出しながら、描いています。
人間は誰もが孤独で、同時に誰もが孤独ではなく
その狭間のとても危ういものを埋める何かを探しながら
生きているのではないかと思います。



明日は雪になるのだとか。
みなさん、今夜も温かくしてお過ごしくださいネ。



明日からの新しい1週間
健やかで愉しい日々でありますように。








Noriko.T◎NOTE









【新しきよき時代】2024.1.28

こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。





少しづつ陽が長くなりはじめ
春の兆しが感じられるようになりました。
今月は自分で散策へ出かけられないかわりに
お便りや、送っていただいたお写真を眺めて
春の到来を楽しみにしつつ、、
美しい冬の空を仰いでいます。





今日は何よりもまず、
こちらの話題から。

\\ジャぁ~ン☆//↓↓↓
2014年に立ち上げた「NORIKO TAKAYAMAオフィシャルウェブサイト」
おかげさまでこの1月に10周年を迎えました。
どど~ん!



愛読してくださっている皆さんに
あらためまして、感謝の気持ちをお伝えしたく。
心よりありがとうございます。

”そのときどきを彩る背景フォトは
オブラートのなかに浮かべて
みずみずしい透明感を愉しんでもらえるようなページに。”
Noriko.Tのイメージをデザイナーさんがそのまま
形にしてくれて、当時スタートしました。




プロフィールページの「高山典子」っていうサインがき。
打ち合わせ中、ちょこっと走り書きした字を彼はこっそりと
保存しておいたらしく
「Norikoさんのあのメモの字、可愛かったので
使っておきました。」
(メールの追伸より)

そんな彼も、今や小さなお子さんのパパになり
ご家族で都心から佐渡島へと転居。
島人デザイナーとしてがんばっている。
ときおりNoriko.Tが難解な㍶操作に頭をかかえ
SOSを求めると佐渡島から電話でてきぱきと教えてくれる
頼もしき管理人さん。

サイトのページだけでなく、
Noriko.Tの音楽人生が当時まっしろなところから
再スタートというタイミングでもあったんですネ。


それまでコンスタントにいただいていたオーケストラやアンサンブル
パーティーイヴェントなどの仕事をいっさいやめて
「自分自身の音楽のスタイル」を追求していくことに
決めた時期でした。
大きなコンサートホールで弾くことがどうも
好きになれない。
それならお互いの息づかいが感じられるような、垣根を払った空間で
弾いていこう!と、思い切って空間ごとシフトチェンジしました。
プロデュースを手掛けていた「GRAND CONCERT」に
5年の区切りをつけたあと、それまでの仕事の無理がたたって
体調を崩したことも「考えを変える」大きなきっかけに。
年月がかかってもいいから
自分が本当に実現したいと思うかたちを追い求めていくことを
決心したなかに「ウェブサイトの立ち上げ」がありました。




10年がたち、いまやこのサイトが
Noriko.T音楽人生のすべてを集約した
みなさんとの「寄合い所」に。

自分の座っているまわりを見渡すと
当時は何一つ、もっていなかったものばかりなことも
少々驚いています。
(SynthesizerやエレキVnだけでなく、交友関係、共演者、
ご縁のある場所、あらゆる経験まで・・・)
現在読者のみなさんのダントツの人気者、ピーさんと
暮らすなど想像もしていませんでしたし。(笑)


「音楽はふつうの暮らしのなかに根ざすもの」
Diaryにひっそり投影したイメージは
スタートしたその時からのもので
今ではどっしりコンセプトのように、
自分の暮らしと音楽生活を支える柱となっているのだから、
理想をはっきり決めるとは本当に大切なんだと思いました。


その前はというと、ひと言でいうなら
暮らしが隅に追いやられていくような音楽への
向きあいかたをしていて、
幸せを感じ難く、音楽そのものも「現実逃避のための」
手段みたくなりかけていましたから、全然健康的じゃない(←断言☆)
自分がそこへ舞い戻らないためにも、「ど~ん」と
真っしろいウェブサイトが毎晩のルーティンとして両手を広げていてくれる、
Diaryにその日をつぶやくのがいつしか「浄化作用」のようになっていた
かもしれないなあと。



小石の波紋のように、新しいそれは
ささいなことが習慣になり
みなさんと日々を分かち合う経験になり
さらに新しいことを探してちょっと広げてみたり
(芝生のゴザのうえに広げるみたいにネ。)
その合間に美味しいごはん作ったり
それは贅沢をする意味ではなく「すでにそこにあるもの」のなかに
豊かさを見出したいという思いです。

時代が加速するようになっても
わたしたち人間も動物も歩くスピード自体は
それほど大きく変わるわけではないので
せっかく進化のよき時代にあってそれなら「多くの知恵」を
ふんだんに使わない手はない。時代にあわせて考えかたを変える愉しみです。
あたりまえの暮らしのなかから、好きなもの、嬉しいこと、
小さな輝き、よく目をこらさないと見えない奇跡や
日々揺れ動く感情をみつめながら
「真っ白い基調」のページにこれからも綴っていきたいと
思います。みなさんからの四季折々のお便りも
今後も楽しみにしています。




長文お読みくださり、
今日もありがとうございました。
来週は新作「Blue」のお話をします。


みなさんの新しい週が
健やかで愉しい日々でありますように。




Noriko.T◎NOTE





【ニーチェの言葉】2024.1.21





こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。





この週末、都心は雨が降りつづき
わたしの住む街も今朝になってからも音もなく降りやまずに
佇む景色を、愛鳥と眺めたりしておりました。



冬只中といっても、近ごろは1番寒いといわれる2月あたりも
それほど強烈な寒さとは感じず、暖冬つづきですから
かつて体験したヨーロッパの各地での、肌が切れそうな空気の冷たさや
容赦ない吹雪、足の感覚がなくなって、寒さ以外の何も頭に浮かばない身体を
引きずるようにして今夜の宿へ辿り着くまで仲間と一緒に歩いた積雪の雑木林
、、思い出すだけで「凍えそうな」体感が蘇るような”冬”がたまに恋しくなります。



このページを愛読してくださっている皆さんから
時折いただくお便りのなかでも、「最近は季節感を失いつつあり
心配です。」というお言葉をよく目にいたしますので
積雪で有名な地でもかつての冬景色が変わりつつあるのだなぁと。
日本特有の四季折々の風情を、できるかぎり失いたくないものです。




・・・さて!
すでにSNSやDiaryにてご周知いただいているかもしれませんが
Noriko.T、1週間ほどまえに足を負傷いたしました。
そのことでは皆さんに大変ご心配をおかけしてしまい、すみません。
ブーツをはいた状態で、道路につきでた太いポールに気づかず
つんのめって転びそうになり「とっとっとっとっと・・」と
5メートルほどつんのめりそうになりながら前進・・。
そのさいにダメージを負ったもようです。
けれど、幸いなことに大きなケガにならず、身も体もいたって元気で
おります。サポーターで様子をみましょう、と先生におっしゃっていただいて
ひとまずはふだんと同じ生活を送れています。






「同じじゃないやい!☆」
ツッコミが飛んできそうなのは、うちの愛鳥でして。
フラストレーションがたまっています(笑)



もっか片足ぶんの小さな歩幅だけで歩いていますから
ピーさんの呼びかけに普段だと、3~4歩で近づいて手に乗せられる
ところを、30秒かけてやっと辿りつく・・そうするうちに本人(?)、
なんでママを呼んだんだっけ?
小鳥の頭の回転も体感スピードも人間よりとても速いので
(ふだんでもそうなのに)
お互いの時差がいまはとてつもなく開いている状態です。
不思議な動きをしている足を、はじめのうちは凝視しつつ
「恐ろしいほどゆっくりな時間の流れを過ごしている」わたしの
そばにきては何度も羽繕いをしています。



そういう私本人も、まるでふだんと時間のつかいわけが異なる日々。
これはこれで貴重なこともたくさんみえてまいりました。




実は、Noriko.T足のケガの経験にすこしばかり免疫がありまして
大学時代に今回と比べものにならないほど大きな負傷しまして
そのときは、手術と2か月の入院生活、そのあと毎日リハビリのため
病院通いが1年半もつづきました。
その当時は、今よりも気弱でもともとの体質も丈夫ではなく
足から併発して、すぐに風邪をひいたり優れない体調ばかり。
病は気からってほんとなんですよネ。




約2年近い学生生活をそうしてケガに翻弄された経験は
今回ものすごく活きていましてネ。
ふだんから運動するようになったのもそれがきっかけでしたし
ケガをしにくい身体づくり、そのためのバランスを考えた食生活も
当時はぜんぜん目が向いていなかったのですが、
経験からとても多くを学ばせてもらえた。



ケガをするとまず落ち込んじゃう。実際はケガ自体よりも
元気なときに張っていた気がしゅん・・となって
いろいろな物事に気乗りしなくなっちゃう煩わしさは意外と大きいもの。
今回、幸いにも日ごろのストレッチなんかも功を奏して
軽傷ですんだことをまずはラッキーと考え、ふだん先延ばしにしていた
「これぞ今」というものを思いきり楽しむようにしています。


そのひとつが「自然葉の入浴剤をつかった長風呂」。
友人からいただいた自家製もので、自然草の豊かな香りと
血行促進効果にとても助けられています。


もうひとつが読書。
年明けに買っておいた「ニーチェの言葉」を
パラパラとは読んでいましたが、もっか最低限の外出生活中
ちょうど制作も一区切りしていたグッドタイミング、
ゆっくり読みながら、遥か昔に綴られた洗練された文のひとつひとつ
感じ入っている今日です。
アインシュタインと並び、ニーチェの思想にはとても興味があります。
哲学的な内容にとどまらず、芸術へたいしても核心を言い現わす
短い言葉がくりかえし読むたびにエッセンスのように心に響いてきます。


______________□◆

切れものでありながら、鈍くさくあれ。


人間の自然性を侮辱しない。

(ニーチェ)

◆□______________



人間もまた自然のなかのひとつ。
自然のなかに含まれるものだとニーチェは言います。

「わたしたちがもっている自然的性向は、人間性を歪めるものでも
恥じるものでもない。わたしたちは誰もが自然そのままであり、
当然ながら自然の本性を持っているものなのである。」
(「ニーチェの言葉」白取 春彦訳より引用)
現代に通じる「ありのままを享受する」大切さをその昔に説いていた
偉大さに、そして端々の言葉に感じるニーチェの
ちょっぴりユニークな独自さに唸りながら。




みなさん、長文お読みくださり
今日もありがとうございます。
今週実は、大切な映画の「試写会」へ出かけてまいりました。
このことについては、まだ期間があるので
日をあらためてお話したいと思っています。
都心をこの足で歩き、電車にのって会場へむかったおり、
街なかでたくさんの方々に「大丈夫ですか。」
「肩をかしましょうか。」と気さくに声をかけていただきました。
見ず知らずの人間を助けようとしてくださる方がこんなにも
世の中にはいらっしゃるのかと深く感動しました。
感謝のかぎりと寒さも忘れてびっこをひいているうち
痛いと思っていた足も軽やかに。
わたしも今は今を受けとめる気概で、がんばろうと思います。




みなさんの新しい週が
健やかな日々でありますように!


Noriko.T◎NOTE




【ときに行き当たりを愉しんでゴールをみつける】2024.1.14

こんにちは。


Norikoチャンネルをご愛聴いただき、
いつも、ありがとうございます。
新たなご登録もいただきました。
ありがとうございます。




おととい、「メイキング手鞠」を
YouTubeで公開いたしまして
一晩のうちにたくさんの方が観に立ち寄ってくださいました。
制作プロセスに多くの方がご興味を抱いていらっしゃることを
今作品であらためて知り得まして、私にとりましても
単に「メイキング制作」をまとめ終えただけにとどまらず
オリジナル楽曲をあらゆる角度からみなさんに愉しんでいただくプロセスを
今後もとりいれていきたい、そのきっかけにしていきたい思いです。


動画に着手し始めた時期は、昨年の12月でしたが
ちょうど2年前、「手鞠」を公開した時から、メイキングの視点から
作りたい気持ちをずっと抱いていました。
今回の内容を描いていたというより、当時にさかのぼって思い返すと
楽曲制作のかなめにある「ミックス技術」や「映像編集技術」が
この頃まだおぼつかないことだらけで、表現したいイメージに
自分の手が全然追いついていけない(笑)
それなのに、フルオーケストラ以上の(!)特殊楽器をふんだんに取り入れた「ビッグサウンド楽曲」果敢にチャレンジしようとするとは。


イイじゃない♪ アタシの曲なんだからアタシの好きなように作るワ。
/ by(当時の)Noriko.T



当時、自分に対してこんな「おお見栄」を張ってスタートしたものの
実際、始めちゃってから「ひきかえしたい!」と
何度も思いました 、、それでもやはり楽しかったんですよネ。
楽しさのほうが最後は勝ったというか。
Synthesizerのなかの扱ったことないツマミを動かしてみたり、特殊サウンドを
メロディにまぜてみたら「幻想的なシーン」が魔法のように浮かび上がる。
手当たりしだいに「古楽器」の音を選びランダムに並べたら
自分が弾いたとは思えない偶発的に斬新な表現ができあがっていく。
湧き出る好奇心と、音そのものに潜在している無限の可能性の
力にひっぱってもらうようにして楽曲完成にこぎつけました。
今あらためて聴いてもせいいっぱいのサウンドミックスは、粗混じりだけれど、
「ミックスを勉強したい」「音と映像をマッチさせる手法を学びたい。」
この時から意欲が急激に増していき、映像や画面映りをコンスタントに意識するため「週1度の定期的なスタジオ稽古」をとりいれたり、わかりやすく実践するきっかけにとダンス音楽制作にふみきり「WIND222」が生まれた。
次ステップへ、グイと背中を推し進められたのですネ。



そんな個人的背景から、作品「手鞠」には
かなり思いいれある、思い出がぎゅっとある(笑)
その愛おしさから、メイキング制作へつながりました。


それにしても、「制作プロセス」を作品仕立てにまとめる、
楽曲制作とはまったく異なるセンスが必要と目から鱗の新境地へ
今回いろいろ発見してしまい、
現在Noriko.Tの頭のなかはというと、もやもやと何だか「事後処理」?
的なものが働いてシャシャシャシャ・・・音がしますネ。




「もともとの手鞠作品自体が、メイキングを経て進化しているように
思います。」と、ある視聴者の方がメッセージをくださいました。
そのお言葉は、わたしの意図をそのまま汲んでくださっているもので
せっかくこうして2年越し、今度は別の角度からみなさんに観ていただくのだから「楽曲にちりばめているモチーフメロディ」をとりだして別の表現として
遊んでみよう!



そしてなんといっても「作品の題材」になっている「古き良き文化」の姿として
本編以上にふんだんに浅草の街並みをとりいれたい、その2点だけをイメージに
いざ、始めてみると・・・どこから手をつけてよいものか。
メイキングの制作をなめていたわけではないですが、進行方向がさっぱり、
ちんぷんかんぷん(笑)
それで暮れからさかんに宣伝されている「ハリーポッター」のメイキングを
あらいざらい観てまわったり、Noriko.Tの好きな過去映画のメイキングを
探し出したりなんかして、ふむ。これでインプットOK。
・・というわけで気をとり直し再スタート!



結論からいいますと、
それでも明確な、いわゆる「動画の入り口となるシーン」は決め手が
出てこず、そこで思い切って「音楽はわきにおいて」
映像だけをどんどん並べていくことにしました。





みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。
この数年、はっきり効果を実感しわたしがよく有効利用している
手法のひとつに「睡眠学習」があります。
答えがでない途方にくれたときは、「具体的な質問を眠る前に言葉に」
して、それもなるべくシンプルがよいです。
Noriko.Tのばあい→「どこからスタートしたらよいですか」
そうしましたら、朝起きたとき
ハリポタをみてみよう!と思いつき。観たあとに
→→映像のことだけやってみよう。と思いつきました。




正直に申し上げますとハリポタの映画は過去ひとつも観たことがないのですが
神さまはしきりに「ハリポタ」をわたしの前に出して広げてくれたおかげで
新たなチャンネル思考のようなものが生まれて、「音楽がさき、映像はあと」
という従来の順番とはまったく逆の方向「映像がさき」の視点から
作り始めていきましたら今までの膠着状態が嘘のように
急に頭の中がうごきだしゴールへ辿りつくことができました。
シンプルな質問をしたら、あとは何も考えず
ぐっすり寝てくださいネ。





1月がはじまって早2週間。
みなさんの日常もフル稼働なさっていると思いますが
寒さはこれからまだまだ続きますし、
どうぞ温かくして健やかにお過ごしください。


新しい週が
健やかで明るい日々になりますように。







Noriko.T◎NOTE





【懐深き街に、温まる文化】2024.1.7




こんにちは。
Norikoチャンネルをご愛聴いただき・・
と、いつものご挨拶の前に





皆さま。
昨年も大変お世話になりました。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます!




今日のNOTE、2週間ぶりでして
ふだんの「2週間」と異なり、新しい年へ移行するという
プロセス辿っておりますので
先週はすでに夢のようですネ。
みなさん、どんなお正月お過ごしでしたでしょう。






私はというと、この期間ばかりは制作の手を一切休めて
楽器と愛鳥を連れて実家へもどっておりました。
滞在期間4日とは小鳥にとっては大変長いですから少々案じて
いましたが、「お気に入りのランプ」がないなりに
たっぷりと日光浴して温かい床暖房のうえで、よくご飯を
食べてくれていたのでひとまず安心でした。



そして畳上で、ヴァイオリンを弾く数日間というのもレアでして
響きと無縁のシチュエーションに
いつもよりもさらに「ミクロ」サイズまで音の粒子を拡げて
まいりました。
弾きたい曲をラインナップしたり、これから弾く真っ白な楽譜を
眺めたりして英気を養うじかんにもなりました。

そのようにして、ふだん東京での日常をわずかに携えて
滞在しながらも、母を偲んで家族3人で食事をしたり
妹と初売りをみにデパートへでかけたり、読みたかった本を探したり
音楽からすこし離れて過ごす機会も、1年に1度きりなので大切に思いました。
帰京してからは、すでに瞬く間。「年末年始」とはまさに
瞬いているまに終わってしまう一瞬劇のようなものだなぁ、と☆



ところで、話題変わりますが
昨日、浅草へいってまいりました。
そうなのです☆
もっか初のメイキング動画を制作中でして
(どの作品のメイキングにするか考えあぐねて
この時期公開にちなんで「手鞠」を選びました。)
ひと月ほど前から着手し始めたこの企画は、
「制作の一端」を動画仕立てでみなさんに観ていただこうというものです。




まだ公開まえなので
あまりお話しないつもりで今日おりますが
メイキングなるもの!、予想以上に組み立てセンスを問われる
本編とは別ジャンルのアプローチを手がける作品づくりで
頭のなかが今カオスになりかけてますネ(笑)


が、
アリの一歩も地道に進めばなんとやら(?)
/ by Noriko.T





ようやく週末
「浅草の街を撮影」する段階へ。
きのうは、夕刻から銀座線に乗って
「 制作当時、撮影でたどった道筋」をそのままなぞり
夜の浅草の魅力を動画に収めてまいりました。




「新春」を謳う街全体、外国人をふくめ賑やかな騒ぎで
わたしは「動画作業」にメドがついたあとは
ゆっくり雷門の周辺にもどり、屋台をぶらぶら散策したり
「みやげもの」のお店をのぞいてまわり。

いきなりですネ(笑)、この写真。
女性のためのヘアウィッグや(タイプも、サイズも、ヘア量もかなり豊富)
かんざしをふくむ、髪飾り☆(洋風も)
仲見世通りにある「コマチヘア」というアクセサリーショップ。
足をとめて見入っていたら、店員お姉さんがでてきてくださり
所狭しと並んでいる隅から隅まで案内してくださいました。




浅草の1番好きなところは、動画写真撮り放題なこと。
街全体がそういう方針なんですネ。奉行所に5つくらいの項目を
黒筆でかいた「心得」が観光客のためにたてられていて、
そのひとつが「動画、写真をどんどん撮るべし。」




店内で商品を撮りたいときには、いちおう「よいですか?」と
そうすると「どうぞどうぞ!」
大歓迎ムードなので、心ゆくまで眺めたり撮影を楽しんだりします。
Noriko.T、ウィッグや飾りのことは店員さんに教えてほしいことばかり
「舞台衣装飾りの疑問・知りたいことリスト」のほとんどが、このお姉さんのおかげで解消できてしまいました。
こんなに予想外の収穫を得られて、新しい年ということもあり
記念に何かひとつ、と思い「かんざし仕立ての髪飾り」を買いました。




みなさん、長文お読みくださり
今日も、ありがとうございます。




何度訪れても、新鮮な街。
それが浅草の魅力だと思っています。
それはきっと、「普遍のよきもの」と前回よりちょっぴり感性を磨いた
自分の化学反応によって感じるのかも。
「良い暮らし」は、モノを愛しむ人々の心に宿る精神の働きによって
芽吹いていくのかな、ときのうあらためて散策に抱いた思い。




「手鞠」のメイキングでは、すこしばかり
作品本編にはない「新しい色」もここから出していかれればと
もくろんでおりますので、乞うご期待ですヨ。





みなさんの2024年が
ご多幸でありますように。


Noriko.T◎NOTE





【考えることより感じることで拡がる世界】2023.12.24



MerryXmas!
みなさん、こんにちは。
今日は週末のクリスマス・イヴ。
どのような一夜をお過ごしでしょうか。




今日まずはじめ、ひと言お詫びすることが。
先だってのNOTEでわたくし、年内のNOTEがあと3回と
申し上げてしまいましたが、最終週は31日(大晦日)と
なっているため、この日のNOTEはお休みさせていただきたいと
思います。どうぞ、よろしくお願いいたします!





というわけでして、今夜が年内最後のNOTE。
何を綴ろうかなと1日、頭を巡らせておりました。



まずは先日Upしました動画作品のことから。
今週もNorikoチャンネルをご愛聴いただきまして
ありがとうございます。
新たにご登録もいただき、ありがとうございます。

    

はじめにこの曲を形にしてからまだたったの6年しか
たっていないことが信じられないほど
すでに様々なるプロセスを辿っている曲。
「 静寂よ、ここに降り立ち」が、楽曲自ら
放つ不思議な力をわたしにはうまく説明することが
できません。



2017年(YouTube)
2022年(LIVE限定版)
2023年(リメイク)

と、和声進行や基本サイズは変えずに
アレンジを重ねているものの、
そういった「変化形」に導いたり
「今が弾くとき」とメッセージを送ってくるのは
わたしでなく、いつも「曲」のほうからだからです。



もっと言えば毎回ステージ上で弾くたびに
(これまで弾いた回数を数えきれませんが)
この曲ほど毎回テイストの異なる感覚をおぼえる作品は
珍しく、まるで毎回即興演奏しているような感じすら
あります。
「静寂よ、ここに降り立ち」はイコール、その時の
Noriko.T自身をそのまま投影していると言ったら
よいのでしょうか。




この曲を、22日の公開に至るまで
実はみなさんにお話していない「展開」がありました。




当初、2023年12月はオリジナル作品を2つ予定していたのが
その始まり。クリスマス前に「静寂よ、ここに降り立ち」
そして年内最後に「Blue」を公開することにしていました。
それを早くからみすえて、「Blue」の制作に関わる方と
今年夏に打ち合わせをいれ、(Blueは構成が広いため)
基本的枠組みのサウンドは秋までに作り終えて
残る収録をその方と12月にとり行う手はずとなっていました。
「Blue」に少々特別な思いを抱いているのは、亡き母へ
捧げるつもりで当初からいたからです。





稽古部屋LIVEを終え、まず「静寂よ、ここに降り立ち」の
音収録からはじまりました。ヴァイオリンは何度も弾きなれて
いてともかく、ピアノ(オンリー)での収録は至難の業になるだろうと
覚悟して。・・ところがいざ収録をはじめてすぐ、
そのピアノの譜面を私自身が「かきかえ」始めたのです。
わたしがそれまで手にしていた「音並び」よりももっと音数が多く
リズムも立ち、重厚な和声に姿をかえたものでした。
この曲がうまれた「電光石火」の状況とおなじく、譜面に記すまもないほど
わたしの手が勝手にその旋律を弾き、同時進行で収録。
譜面にしたのは1番最後という。



もちろん、ピアノのシーンがこれほど変わって
ヴァイオリンがそのまま、というわけはなく。
こうしてリメイク版のこの作品は、予定していたものと違うかたちに
姿を変えながら、ひとりでに進んでいるかのようにみえました。
製作者のわたし自身が「そういう力」にひっぱられるようにして。




その後ほどなくして、「その理由」が
わかることになります。
「静寂よ、ここに降り立ち」の収録がほぼ終わったころ
ある一報が入りまして。
「Blue」の収録に一部関わっていただく予定のその方が
体調不良で入院してしまったという知らせでした。
その知らせのあと、何度もやりとりをへて
最終的に「Blue」は再び来年以降延期せざるを得なくなりましたが
来年2月、その母の命日が巡ってまいります。
これもなにかの思し召しと思い、「母へ捧げる曲」を年内にこだわる
ことを諦めようとしていました。



気持ちに区切りをつけ、
「静寂よ、ここに降り立ち」の最終段階を丁寧に
手掛けようと。
製作scheduleのかきかえなど、今後の予定をいろいろ
つめていたさなかに、スタジオロケ地で「映像の収録」をとり行いました。
ところが半日かけて「自撮り撮影」した映像もまた、
自分が以前から予定していたイメージとは違うものを
心で求める力が現地で働き、まるで謎のパズルを拾い集めるようにして
「収録した音」と「映像」をあてはめていく作業がはじまります。






1日目、2日目、、だんだん新しい映像と曲がマッチングしながら
動画の姿が浮かびあがってきたある日、堰を切ったように涙が
溢れだしました。
ここまできてようやく「この曲がわたしに送っているメッセージ」
に気づいたからです。
この旋律に投影したものこそ、わたしの抱えている母への
言葉にならない感情で、この作品こそ「母へ捧げる詩」だと
気づくことができたからです。
「新作Blueは、静寂よ、ここに降り立ちの姉妹作品です。」
と、今年の年明けにわたしはウェブサイトに明記していました。




その言葉をたどるように、「母への哀祈歌」が
その命日まで続き大きく繋がっていこうとしていることに
心から哀しくなりました。
同時に、こうして泣くことができることこそ神さまからの、
大きな慰めであり、贈りものだと思いました。



みなさん、長文お読みくださり
今日も、ありがとうございます。
年内最後の話題があまり明るくなくてごめんなさいネ。
2023年という年は、悲しみとまるで背中合わせのように
深い喜びもたくさん経験しました。
音楽はそういうなかにいつも空気のように存在し
その音楽をつうじてみなさんとも、出来事を分かち合ったり
支えて励ましてもらったりして、乗り越えてくることが
できました。感謝しています。





新しい年もきっと
ミラクルで愉しい日々になるでしょう。
みなさんと一緒に、そういう風にしていきたいです。



今年の残り1週間。
まだまだミラクルは起きそうですよ。
「考える」フィルターを思い切って
外してしまおうかしら。
制作シーンばかりでなく、日常でもそうしたら
面白いかも、と思ってます。




みなさん、
健やかによいお年をお迎えくださいネ。





Noriko.T◎NOTE










【 すべての始まり~静寂よここに降り立ち】2023.12.17



こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。
新たにご登録もいただきありがとうございます。




2023年、残すところ2週間をきろうとしています。
昨年もこの話題をとりあげたかと思うのですが
Noriko.Tが今年1年で最も多くいただいたご質問内容
につきまして☆

ちなみに昨年は「Norikoさんは、黒髪を染めているのですか?」
でした。これにつきましては丁寧かつ親切にお答えしてありますので
読みたい方は、さかのぼってくださいネ♪


さてそして☆
今年いただいたダントツのご質問は、といいますと
実は・・・接戦でありました。
年始から今日にいたるまでそれぞれの時節が通りすぎゆくなか
みなさんのつよいご関心のもと2つの話題がそろってせめぎ合うかのように
いただくお便りに綴られていまして、、
甲乙つけがたいところでした☆
最終Noriko.Tの采配(?)により
こちらのご質問にお答えし今年の質問箱コーナー(→いつのまにタイトルも♡)は締めくくらせていただきます。

ご質問はこちら↓



「 Norikoさんは、ピーさんのベストショットをいつも
どのように撮っているのですか?」



(笑)←我が家の愛鳥の話題となるとつい
にこにこ。
みなさん、いつもウェブサイトやSNSでの
Photoや動画でこの子の姿を愛でてくださり
「小鳥とは思えない表情の豊かさ」なーんて
嬉しいことこの上なきメッセージを送ってくださり
ありがとうございます。
ご質問へお答えしますと、ずばり
「すべて動画で撮ります。
ピーさんを右手にスタイルで。
左手のスマホは動画撮影にしたままラフに持っているので
あとで観る愉しみのなかで、もし可愛いシーンがたまたま
入っていたら、写真としてとりこんで保存しています。」


・・・つまり、
掲載しているよりはるかに膨大な
量の動画撮影でピーさんを追いかけている
そして若干ふりまわされてる?(笑)Norikoママでした。
みなさん、たくさんのご質問ありがとうございました!
これからも健やかな姿を眺めて楽しんでいただけたら嬉しいです。
来年も気になることがありましたら、ぜひお寄せくださいませ~☆


今日の本題はタイトルのとおり。



明日、実はとある場所へ赴き
撮影の半日を予定しています。
きっかけは、昨年冬ちょうど今くらい
クリスマスを目前に控えたある日。



今日と同じようにその時も
「2022年稽古部屋LIVE]をぶじに終え、つかのまホッと
過ごしていたときでした。
あるフォロワーさんが、そのLIVEで私がアンコールで弾いた曲を、
Tweetしてくださったのです。
YouTubeで公開した時のわたしの昔のTweetを、もう1度
リツイート、という形で。



遠方では大雪が降ったニュースが流れて
私自身、友人から朝から雪かきしているという
一報をもらったりして、本格の冬到来という絶妙なタイミング。
このフォロワーさんの粋なハカライによって
この曲を雪景色の冬に聴くという、製作者のわたしには全く浮かばなかった
発想を授かったのでした。




「静寂よ、ここに降り立ち」


2017年にSynthesizerをつかって初めて手弾きで
作ったこの曲は、ある夜突然、稲妻のようにヴァイオリンの旋律が
頭の中に降りてきました。
電光石火、その時のわたしは、身を沈めていたソファーから必死で這い出すようにして転がったえんぴつと紙切れをひっぱり出し
「それ」が消えてなくならないようはやる鼓動をおさえ
必死で追うようにして書きなぐったのです。
ヴァイオリン以外の和声も頭のなかで鮮明に鳴り響いていました。




その年、舞台公演のあった東京と名古屋でこの曲を披露すると
またもや不思議な運命が、この曲には巡ってきました。
夏の一大イヴェント、星野リゾート軽井沢で10日間にわたって
毎晩開催されていた「サマーキャンドルナイト」でのコンサートLIVEに
ちょうど出演していたとき、ひょんなきっかけから「Norikoさんの持ち曲を
今日は弾いてほしい」と支配人から頼まれたのです。
名古屋から同行していた音響スタッフさんのPCのなかにたまたま、
「静寂よ、ここに降り立ちのバック音源でしたら、ちょうどあります。」
という話で、こうして
「至福の庭」と呼ばれる巨大な森のなかに、半径80メートル先まで
音が届くように設営された「キャンドルライトのステージ上」で
美しい夜雨の降りそそぐ幻想夢のような景観に見守られながら、
その森で囲まれた教会で結婚式をあげることを夢見る大勢の聴衆のみなさんに
この曲を聴いていただくことになったのです。





YouTube「Norikoチャンネル」を開設し、
この曲を当時の制作のまま公開しました。

(サマーキャンドルナイト:長屋和哉さん(即興演奏家)と

今年、アクセスが1200回を超えたこの作品を
リメイクしたい気持ちはずっとまえからありました。
そのたびに「まだもうすこし」と自分を諫めてきたのです。
旋律じたいがシンプルなこの曲への細やかな演奏表現や音色を
今より磨いたうえで、「あの頃より進化した。」と、
リメイクのタイミングだと心から思えたときに、と。



今回は、サウンドを2つしか使用せずリニューアル版の
リメイクとなります。
(ひとつはMyヴァイオリン)削ぎ落として削ぎ落として
最後に残るこの曲の本当の「真髄」だけを表現したいと
思っています。



今日までで、音収録はほぼ終わり。
22日までに動画完成→Upまで目指しています。



みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございました。
夜はかなり冷え込み、風も冷たい!
お風邪などひかずに、元気に年の瀬までまいりましょうネ。


明日のロケ地写真、よき絵がとれるとよいなぁ。
みなさんも愉しみにしていてくださいネ。




Noriko.T◎NOTE




【 Thanks!!稽古部屋LIVE】2023.12.10

こんにちは。





Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。
そしてNOTEをご愛読いただいているみなさん
毎週楽しみにしていただいてありがとうございます!
年内のNOTEも残すところ3週。
今年をふりかえったり、LIVEへむけてきた今季の思いをすこし
、そして今制作中の作品についてお伝えしていくつもりです。
お楽しみに。

先週、12月3日(日)
音楽家の稽古部屋LIVEがぶじ終演いたしました。
西池袋の会場、サロン・ヴェーラに
関東各地、そして遠方各地よりお越しいただいた皆さま、
心よりありがとうございました。



会場にお越しになれなかった皆さまからも
エールメッセージや、SNSでのinformation拡散の
ご協力をいただきました。
あらためてお礼を申し上げます。


師走が奔りだし、
お一人お一人がそれぞれに日常もお仕事も気忙しい「年末」に
あえてLIVEをやらせていただいている私たちですが
心待ちにしてくださっている皆さんと
この時期だからこそ集いあえる喜びだけを励みに
当日を迎えてまいりました。




60分間の2回公演というスタイル。
稽古部屋を模したフラット空間。
ほかに何か演出に頼るわけではなく
(あえて言うならば、私たちの衣装ドレスが
視覚的に舞台に色を添える手助けをしているのかも
しれないけれど、)
だからこそ。
本番が刻々と近づく毎日、リハーサルも終盤へ突入すると
私たち演奏家の頭にあるのはひたすら「音」のことだけ。
「魔法の力」と呼ばれる音楽がもつ、いや放つかナ
癒しや、高揚感、トキメキ、刺激や自由そのもの・・etc
形としてみえない、形以上に残っていくもの。
その「音」は、当日その空間だけに舞い降りる奇跡だと
信じているがゆえです。

不思議な感覚なんですよネ。
私たちがコンサートラインナップを決めて
稽古をスタートしたのは、8月後半。
毎日「12/3」を睨むように見据えて
丁寧に稽古下地を敷いてゆくわけですが。



その間、日常生活においてもいろいろな出来事が起こるし
べつの音楽についても同時進行だし制作もやる。
それでも目を凝らすようにして「12月3日その日」に焦点をあてて
全てを回していこうとしている自分がいました。
朝4時台には起きて行うウオームUpも、毎日きちんと作る食事も
環境整えるべく掃除、「暮らし」自体がよい音を作りだすために
まわっているようなものです。
そういう在りかたで、向かっていく日々が
「稽古部屋LIVE」の空間がどれほど自分にとって大切なものか
あらためて認識させてくれることになりました。




聴衆のみなさんから
たっくさんの☆メッセージが届いています。
みなさん、ありがとうございます。。!




__________◆□コンサートLOVE


○とにかく楽しかった!

○Norikoさんのヴァイオリンは、踊り。

○弓の動きをみているだけで楽しかった。


○素人が言うことではありませんが、演奏技術が昨年より
  パワーアップしてる感じで圧倒される瞬間が多々ありました。


○お衣装がシックで、今日のプログラムにマッチ。



○魂込もった弾き方に鳥肌たったワ。まさに音楽、芸術は最高。


○全身全霊で奏でる美しく、力づよい奏でにとても感動いたしました。


○素晴らしい演奏技術をお持ち。
本当に豊かで、満ち足りた時間を過ごさせていただきました。
このコンサートは来年も来たい!


○今日のLIVE,とっても綺麗で躍動的で格好良かったな。

○プロ意識を強く感じました。お二人の演奏する姿、とても素敵で
恰好良かったです。

○演奏者と観客が一体化していました。





_________________◆□プログラムLOVE


○「Sospiri」、初めて聴きました。
よい曲だとわたしも思います。
「ラヴェンダーの咲く庭で」も心に沁みました。



○どれも味わい深く全て聴き応え、見応えがありました。
あえてあげるなら「チャイコフスキーのメロディ」は
ヴァイオリンとピアノの調和が響き、無伴奏ヴァイオリンの
「ラルゴ」は古典的な中にもしっかり音律の軸足を感じられて
聴き惚れてしまいました。


○プログラムが幅広い、凄い!


○自然のなかに感じるような「ラルゴ」踊り出したくなるような
「バンジョーとフィドル」色鮮やかな音楽空間。

○前半は、穏やかで抒情的。後半はガラリと変わって情熱の民族曲。
「バンジョーとフィドル」愉しくて好きです。

○「ファリャ」よかった・・!


○「ファリャ」の弓が凄まじい。


○まるで踊りをみているよう「ルーマニア民族舞曲」
2人が躍動的で楽しそうで、みているだけで楽しさ伝染。


________________________etc・・

みなさん、前年にも増して多くのメッセージを
寄せていただきありがとうございました。
ほかにもまだまだ、たくさん。
全てを載せきれず、抜粋させていただきました。
重複した内容につきましても、まとめさせていただいています。





ちょうど1年前に、同じことを綴ったと記憶しているのですが・・
この日の私たちの音はすべて、
みなさんから引き出していただいたものです。
ライヴはそれが美しいのだと思っています。





演奏家は少なくて2タイプおります。
片方は、きっちり本番前日までつつがなく
稽古scheduleを敢行し落ち着いて当日を迎える派。
もう片方は、本番前日に泣きわめいてベッドのうえでのたうち回り
「アタシは弾けない。明日ステージなんか立てない・・!」と
絶望の淵に浸かりきったあと「諦めの境地」へ悟りを得る派。
Noriko.Tは後者です(←断言☆)
ふみなサンはどうかナ・・(本人に聞かないとわからない(笑))



当日、お客様がサプライズで贈ってくださった
赤いバラの花がホールで出迎えてくれました。
その光景が温かかった、とても。
バラはただそこに黙って佇み、その場所を彩るすべての景色を
見守っていてくれました。





この写真は、みなさんにはすっかり顔なじみの
Noriko.Tの16歳当時からの友、さおりチャンと☆
LIVEで最も大切な「マネージャースタッフ」さんです。


今日の最後は、静岡県からお越しくださった方からの
Poem Massageを掲載させていただき
NOTEを終えたいと思います。
心温まる、お言葉を尽くしたポエムを送っていただき
ありがとうございました。


ひっそりと舞い降りた冬景色に佇み
過ぎし日を想うたび
みなさんと分かち合った「熱き瞬」が輝き、
心に喜びを与えてくれるでしょう。
_____________◆□
【Poem】



日々の暮らしの中で
仕事や日常生活の営みは
避けて通れない必要なもの



だけど   それと同じくらい
人は欲しているもの
必要なものがある

それは平たく言うと【音楽】という言葉かもしれないが
「音の旋律・音色・空間」そのものが調和するとき
音楽の枠を超え【芸術作品】へ昇華するのだと思う。

少なくとも私が久しぶりに体験したコンサート
【La Canzone da More】は後者だったと感じずにはいられない。




耳に体に心地良いだけでなく、その視界は
一服の名画を観るような特別なひとときとなった

清らかさ 華やかさ 美しさ パワフルさ
そして心地よさ



言葉に表しきれない部分も含め
初冬の寒さを忘れるような温かく癒された時間と
何より演奏された素敵な音楽家の方々に
敬意の感謝を込めて



心からのありがとうを、込めて。

___________________◆□

(ポエムの掲載は、ご本人様より承諾を得ております。)


Noriko.T◎NOTE





グラデーションの一部になる】2023.11.26

こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。





今日は朝から冷たい外気に覆われて
わたしの住む街ではひっそり静まりかえった日曜日を
みなさんお過ごしになっていらっしゃるようでした。
我が家の愛鳥も、冬にはいり寝るじかんが増えてきましたネ。
暖かいランプのそばで、気持ちよさそうにウトウトしているところをみると
食べて体力温存しているのかな、と思います。




さて!
音楽家の稽古部屋LIVE(12/3)、一週間まえとなりました。
おととい、ふみなさんと2回目のリハーサルを行いまして
全体のバランスや細かい点をみつつ、
12月1日の最終リハーサルへと繋げてまいります。




実は、リハーサルとリハーサルのあいまに
Noriko.Tの弓の毛をモンゴル産のものに
変えまして。
きっかけはひょんなことだったのですが
「弓毛でこんなにも変わるタッチ感」
今日はこちらをお話してまいりますネ。





「音楽は基本的にすべてがレガートである。」



レガートというのは「なめらか」という意味で
音楽を表現するさい、この基本基軸の概念をもとに
わたしたちは、「どう弾くか」考えています。
さらにもっと原始的な視点からですと
「すべての音は、点でできている。」
音楽のなかで鳴っている音は、もともと「点が線になり」
メロディとして生きている姿なのです。



弦楽器のばあい、点つまり「音が立ち上がる瞬間」が
どんなに小さくともクリアでないといけない、それゆえ
ヴァイオリン本体と同様、どのような(バランスの)弓をつかうのか
どのタイプの弓毛を張るのか、ヴァイオリニストはこれについても
いろいろ試しながら、最適なものをできれば選びたいと願っています。




そういう意味で今回、Noriko.T
弓の毛でここまで違いがでるとは、正直驚きました。
これまで長く使ってきたものは「繊細な表現やダイナミックな演奏」につよい
のが特徴で、そのぶん毛の細く小回りがきくタイプでした。
ですが、今回のLIVEの演目「ファリャ」「バルトーク」と後半激しめ。
投弓、跳弓、打弓などの技法を稽古するうちに、
200本ちかく張られている弓毛が毎日数十本づつ切れてゆき
はりかえたばかりの弓毛があっという間に半分以下に(笑)
困ったもんだ!
これでは、今はりかえてもまた本番までに
毛がほとんどなくなっちゃうじゃないの。



緊急事態にパオリさんにお電話すると
なんと、世の中一気に公演がはじまり、東京在住のヴァイオリニストたちが
列をなしパオリさんの弓毛交換を「順番待ち」しているのだとか。
「2か月先まで空かないです」とあっさり。
この予想外のお返事にNoriko.T困りはてて、そこで浮かんだ
かつて昔、弓のはりかえだけをお願いしていたお店のこと。

早速そのお店にお電話でご相談してみると、
すぐに時間をつくっていただくことができまして
イタリアで10年以上修行していらしたという職人さんが
わたしの話をきいて弓を丁寧にみてくださり、
「こちらのモンゴル産の弓毛は、いかがでしょうか。」と
すすめてくださったのです。毛が太めで柔らかいという言葉に
素直に好奇心がわいて、張替えをお願いしました。



新しい弓毛の張られた姿でもどってきてから
すぐに20分ばかり弾き、Noriko.T嬉しさのあまり
すぐさままたお店に電話をして職人さんに
「安心して弾けるようになりました。」と感謝の言葉を
伝えさせていただいた次第です。




エッジといって、「エッジをきかせる」とよく言いますけれど
ヴァイオリンの弓も、「発音するために音が立ち上がるまえに」
弓毛が弦のうえですいつくように「ガシッ」と
細かい粒子(松やに)と弦の表面が引っかかるようにして
点がまず、生まれるのですネ。
そのエッジがつよくて、とてもしなやか。
わたしの今季の技法が「音をどこまでも立ち上げる」ことに
集中していたので、まえの弓毛では「音がとんがりすぎて」
異常なまでの本数が切れていたのだと判明したのです。




あとで自分でも調べてみましたら、
モンゴルの馬毛のキューティクルは、小さくて細かいことが
わかりました。なるほど・・それはエッジしっかりするわよネ。
柔らかい毛質のおかげで、発音した点をふくらめたり、弾きのばして線に
していくことがしやすくなり、「今回のプログラム・ラインナップ」には
最適といえる弓毛に、こうして出逢うことになりました。





今は新しいタッチ感をもって
表現にどう活かしていくか、いろいろと試してみています。
Myヴァイオリンの大型メンテナンスから始まって、自分自身の奏法と
弓毛交代劇と「一大変革」をともなう今季、ピアニスト史奈さんとも
「音へのアプローチを重ねてきたから」ゆえの細やかなアンサンブルに焦点をあてて、リハーサルを行っています。
音楽には「こう弾くべき正解」はありませんが、楽譜にかかれていることを
「大きな喜び」をもって読み取っていくプロセスの中に
「音楽がわたしたちに語りかけてくれる言葉」をみつけることができるような
気がしているんです。


自分自身も音楽の一部でありたい。
楽器のなかから紡ぎだされる「上質な点」と一体になり
その美しいグラデーションなかに存在したい。
Noriko.Tの究極の理想を今日も掲げて。




みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。
もうすぐ会場でみなさんにお会いできると思うと
嬉しくて、いますでに高揚しています。
音楽の道がまたひとつ「新しい景色」をみせてくれそうで
ドキドキしています。
わたしたちの音が、ちゃんとみなさんに
届きますように。





サロン・ヴェーラで、
心よりお待ちしています。





Noriko.T◎NOTE
( 来週のNOTEは、更新をお休みさせていただきます。)




【  裸の音に向きあう 】 2023.11.20





こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。
ご登録もいただき、ありがとうございます。



1週間たつごとにグッと冷え込み
ついにマフラーだけでなく手袋も持ち歩くように
なりました。きのう、ホールリハーサルのために
西池袋へ訪れたときは、「週末は静かな街」という印象
風もすこしばかり暖かく陽射しが柔らかくてサロンヴェーラの
明るい壁の色がまぶしかったですネ、とても。





さて話題盛りだくさんですが
まずは「ウェルカム動画」のお話から。
金曜日からいよいよ公開いたしました。
音声や演奏内容は
11月10日に行った初回リハーサルのもの。
この動画は、コンサートのご来場者様には
会場までの地図とともにお送りさせていただいております。
お送りした皆さまからのメッセージも公演へ寄せていただき
ありがとうございました。
これから2週間は時間とのせめぎあいになってまいりまして
私たちも追い込みならぬいよいよ「弾きこみ」の日々。
さらなる音色を磨いてまいりますが、
みなさんからいただいたお言葉を何よりの
大きな励みとさせていただきます。

動画を公開した翌日が
先述の「ホール・リハーサル」というタイミングでした。
「部屋の中」からホールへ、
空間とともに響きや音そのものが拡大して聴こえるので
新しい視点と耳をここでまた得ることに。
本番と同じホールですから、より現実味を帯びてくるのですネ。




今回、特別に「ホール・リハーサル」を予定したのには
大きなきっかけがありました。
9月のカフェ・ド・シュロ編「メロディ」の収録撮影をしたさい
自分の音に大きな異変を感じたことが理由です。

シュロさんのミニホール、
以前も(別の曲でしたが)弾いたことがある空間なのに
手ごたえがまるで違う。。。?ん??
「このくらいの加減で弾くとこのくらいの音がでる」
いわば計算が、計算したように音に現れないな、どうも何かヘンだナと。
今思えば、(この時のことをのちのちNOTEに綴りましたが)
左手の進化にともない、弓のバランス感覚の大きな変革を
求められていると気づけたのが、大きな幸運だったんですネ。



シンプルに言えば、神さまからの
「奏法を見直しましょう!」
ヴァイオリン人生のなかで、何年かに1度訪れるそのタイミング。
もちろん、それはいつでも見直す視点をもち
日々進化するべく稽古を重ねる常なのですが
何かのきっかけを持つと、「とにもかくにも今すぐ変貌しなければ」
という状況に。Noriko.Tの場合、12月にLIVEが控えているという
(ふう!)深呼吸し、やるっきゃない☆
このきっかけの意味は大きくて、はじめのひと月半は
曲までなかなかたどり着けず、ウオーミングUPと音階だけで
1日が終わってしまうありさまでしたが、
「新しい感覚で、音程を安定させること」にまずは集中していこうと
逸る気持ちをなだめながらの稽古日々。



こういう時間というのは
ほんんとう、人間力を問われますネ。
新曲だって(私にとりましての)タイトル並んでいるなか
それを弾かずに、1日中「ドレミファソ~ ドレミファソ~」
てやっていて、果たして間に合うの?
精神修行の自問自答の世界です。



だけれどそういうとき
不安に駆られるとき、心強くも
師匠の言葉がふつふつと蘇る。
頭のなかに聴こえるんです。




「練習時間が少なく、しかたのないときは
曲ではなく、音階練習を優先させなさい。」
今年春、亡くなったナフム・エアリッヒ先生が
その昔、ドイツのマスタークラス期間中
わたしたちに向かって、口をすっぱくしてくり返していた
そのお言葉の記憶をもう1度自分に手繰り寄せながら。
1日1日と、今もなお「新しい奏法で音を削るようにして」
基本的なことをメインにおいてやっています。





LIVEの2週間まえとなり、
そうしてきて、間違いでななかった気がしています。
「踏み込むための瞬発力」を曲のなかに自由につかえることを
今は集中して稽古していまして、
今週末、ふみなさんとの2回目のリハーサルに臨みます。
(ホールでは、とおし弾きしか行っていないので、
ピアノあわせは、今週で2回目)





みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。



今季は、本番までの日々をとても長く感じています。
これからの2週間もまだ長いだろうと思っています。
そのぶん、サロンヴェーラでみなさんにお会いできる喜びは
ひとしおだろうと、そんな思いがいたします。
本番まえのNOTEは来週が最後。
そのときに、自分がどんな気持ちを抱いているのか
客観しているもうひとりの私がいるような気も。




みなさん、お風邪ひかないようにネ。

Noriko.T◎NOTE




全体均一にあがっていくバランスの法則】2023.11.12

こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。
ご登録もいただき、ありがとうございます。






この1週間で気温がぐっと下がりました。
みなさん、体調崩されたりしていませんか。
Noriko.T、もっか冬支度を楽しみながら衣類を整理したり
キャンドルを並べ替えたりして夜は過ごしています。
夕方をすぎると我が家はランプ頼りなので
その配置を考えるのもこの季節を迎える愉しみのひとつ。
空は白く垂れこめて、愛鳥は暖かいケージの止まり木のうえで
丸くなって寝ていますけれども、日曜日の静けさもまたよいですネ。

今日はおとといの
「稽古部屋」初リハーサルのお話!
いよいよ、2人での練習がはじまりまして
この2日間は、その録音をきいて「洗い出し」の
作業を行っておりました。
あたりまえの話ですけれど、つくづく
これまで行ってきた「練習してきたとおりの」音になってる。
そのことに自分で感心しますネ、毎回。
練習は裏切らないって。



今回の録音は、そのまま(一部を)
ウェルカム動画に使うということもあって
ちゃんとつかえそうな(ちゃんと弾いてる!)ところを・・
っていう、おのずと厳しいチェックでもありますから
「妥協を許さない耳」で聴いてまいりますと
はあぁ・・まだまだ、イヤまだ1回目だし、たっぷり時間もある!
自問自答をくり返した末、あらためて
「新しい練習メニュー」がズラリと書き出されてゆきました。


「音に磨きをかける」
「粗削りな音」
「艶々のシルクのような音」
よく、こうした表現を耳にしますけれど
「音」は文字どおり、長い年月をかけて毎日
削って磨いて、雑音をとりのぞき、輝きを与えていくもの。


ヴァイオリンは、弓でいうのがわかりやすくて
長い棒の、先っちょと元で、弓毛がぎゅっと張られているため
(このエリアにすごい弾力がかかってる)
この両端のコントロールをヴァイオリニストは鍛錬必須。
実際、何も考えずにまともに腕の重さををまるごとのせると
弓元は、のこぎりなんてもんじゃない、耳をふさぎたくなるような
雑まみれの音がいたします。
その音ひとつひとつを、おなかをつかってふんばったり
筋力で支えたり、左指が弦のうえでふわついていないか確かめたり
かまえの全体バランスを見直したり、していくと
アラ不思議、雑音がだんだんとりのぞかれて
きれいなロングトーンになっていきます。
「ツヤツヤ」が顔をだす、という感じ。

ヴァイオリンという広範囲にわたって音がでる構造上
バネ感が場所によってちがうという宿命により
高いのも低いのもどの弦を弾いても
どのポジションを弾いていても、
どんなリズムでも、どんなテンポでも・・
「このときはこのバランス」という身体的感覚が身につくまで
練習あるのみ!



Noriko.Tの個人的な話でいいますと、
今季のわたくし「フォルテ」といって
弓圧で大きな音量をだすことに苦戦を強いられています
今まで、こういう悩みを抱えたことがありませんでした。
ですがすこし前のNOTEでつづったように
左指の高さと振り下ろしが昨年より強化されたぶん
弓のバランス(圧力、幅、つかう長さ)を全体で軽くしなければならず
その新しい奏法を身に着けるべく稽古を重ねているわけですが・・
わかりやすくいうと、これまでは弓に瞬間的に長さや圧をかけやすかったのが
まかりとおらない部分がでてきたということです。




より混ざりけのない純粋な音色をひきだしていけるかわりに
今まで以上の「瞬発力」「ふんばり力」といったものを持続できなければ
パーーーーン!とう大きくてパワフルな音にならず
この点をどうにかして理想に近づけたい、もっか
Noriko.Tの最大の課題であります。





みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。
10日のリハーサルシーンを交えた「ウェルカム動画」は
今週末、YouTubeに公開し、ご来場のみなさまには
おひとりづつにお届けする予定です。お楽しみに☆
そして、19日(日)なのですが、
この日「ホール・リハーサル」となっていまして
NOTEの更新は翌日(月曜日)にふりかえさせていただきます。




みなさんも、お風邪などひきませんように。
温かくお過ごしくださいネ。




新しい1週間が
健やかで明るい日々となりますよう。





Noriko.T◎NOTE









見えないものを推し量る 】 2023.11.5

こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴くださり
いつも、ありがとうございます。
公演へのお問い合わせもいただき
ありがとうございます。




11月にはいり、まだ比較的暖かい日もありますが
空気は全体に乾きはじめて楽器の「パリン」とした音色が
出せるようになる、弦楽器弾きにとりましては嬉しい季節です。
みなさん、どんな週末をお過ごしでしたか。


今週末より「稽古部屋LIVE12/3」の
リハーサルが始まるのをまえにして
Noriko.T プログラム全体をざっと眺めていくじかんを
作っておりました。毎日毎日いろいろな考えをもって
稽古にあたるのですが、1度考えるのをやめて
うすく全体を見渡すみたいに楽譜から遠ざかってみたり
ほかの人の演奏を動画でみてまわったりして。




「思い入れ」をあえてなくして
客観的に眺めたり、ほかの表現のしかたに好奇心をもっておくこと
リハーサルがよりよいものになるために
大事かなと思っています。




早い時期から楽曲練習をスタートすると
細部にわたってじっくり取り組めるメリットと同時に
ひとつひとつの個所に「思い入れた表現」が固定されすぎて
「そのフレーズをその表現法でしかしか弾けなく」なったりもっと悪いと
「そのテンポでしかそのテクニックがまかりとおらなく」なったり
平たくいうと「曲全体を決めたようにしか弾けなく」なりがちになる
デメリットもはらんでいます。



わたし自身、昔このパターンで幾度も失敗を経験しました。
こう弾きたい気持ちのほうが先走りすぎて
そのための練習だけにいつしか偏り、アンテナが狭くなっていることに
気づかないでいると、結局「幅広くたくさんのよい練習内容」に足りていない。
狭い視野のなかで積み上げた稽古内容は、文字どおり
ひと風吹けばとぶような心もとない仕上がりとなり
誰もが少なからず経験しているように「ピアニストと弾くと弾けていたところが
なぜか弾けなくなってしまった」という事態がおこるわけです。


ちょうど1年ほどまえに
たたく打鍵奏法のピアノと、弓を弾く奏法のヴァイオリンでは
音の立ち上がるスピードがちがうとお話したこと、あります。
「間合い」の質感が、それぞれの楽器で異なるのです。
相手のそういう特質性に無理解な共演者ですと、ときおり
ピアニストが音を早くいれすぎて、ヴァイオリンの音がまにあわない
こともたしかにあります。



けれど、ほとんどの場合
リハーサルになったとたん演奏が崩れる要因は
意外なところに理由が隠れているのですよネ。
ヴァイオリニストにとって「瞬発力を育てる」練習は
楽器の特質からいっても省いてはいけない練習メニューですし
何よりここで、大切な事実は
音楽は生きている命であり、ライヴは生ものだということ。

ガチガチに決め込んだことを
そのまま演じているだけのライヴなんて
面白くもなんともないじゃないの。
by Noriko.T

ピアニストさんも、ある確固たるイメージをもって
演奏を作ってきています。
そのイメージに傾けるだけの耳と余力をもっていたい。
どうしても譲れない表現もありますがそれはいかような場合でも
自分の演奏の背中で表せるようにしておきたい。
そうすれば、リハーサルのなかで2人でさらに曲への
新しいイメージを拡げていかれるのではないかと思っているんです。






みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。
余談ですが、わたしの毎日の至極の時間は
アメリカのヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンの演奏している
動画巡りをすることで
何年もまえから、彼女の演奏を(どうやって練習したら
こんなふうに弾けるんだろう。)と思いながら
ワクワク心を躍らせています。
きっとこんな練習をしているんじゃないかと、想像する遊びは
愉しくて大好きですネ。
まだ試したことのない練習をもっと試してみたいです。




来週は、リハーサルの様子を
NOTEでお伝えできるかと思います。
どうぞお楽しみに☆





あしたからの新しい週も
みなさん健やかで明るい日々をお過ごしになれますように!




Noriko.T◎NOTE



【 楽しみになるよう習慣づけて体質にしていく 】2023.10.29




こんにちは。


Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




12月3日「音楽家の稽古部屋LIVE]への
お問い合わせもありがとうございます。
当日、ご来場のみなさまにお配りする「Program Note」を
かき始めました。文字はなるべく少なくしておりまして
私たちの行ったリハーサルなかで、曲へ投じたイメージや
楽曲から汲みとった情景をお伝えするNoteとして
かきこんでいます。毎回さまざまな公演のために、この
「Program Note」をかいていて感じるのは、「曲について」
語ることは、とくに作曲した本人になり代わって説明しようとすると
至難の業ですから、「どういう立場でなにをNoteに綴りたいか」を
スタンスとしていくと最終的にシンプルな文になっちゃいます。
「Note」と、わたしたちの当日の演奏のあいだに存在するのが
行間だとして、そのスペースを豊かにしていきたいなぁという思いです。



ところで☆
おととい、ピアニストふみなさん宅で
2人の「音出し稽古」を行ってまいりました。
5月に動画制作した懐かしき「バンジョー&フィドル」や
新しくとりあげた「スペイン舞曲(ファリャ)」から
難曲にして情緒溢れる「ルーマニア民族舞曲」など
全ラインナップを弾いてまいりました。



個性的なプログラムが多い今回
音のカラーやリズムの動きをお互いの譜面上で
できるだけ読み込んで、豊かなアンサンブルへ繋いでいくため
気持ちに余裕がある時期に「2人で試し弾き」しながら
テイストを掴む「音出し」は貴重なじかんです。
ここで今までの「稽古方法」をいったん見直す機会でもあり
弾いたことはすべて録音して(特に初回の演奏録音をとりだし)
相手の音が入ってきたことでリズムが乱れたり、弾けていたつもりの
ことが立ち行かなくなったところを洗い出して
「総合的に」「楽曲個別に」「音程、リズム、音量バランス」
「テクニカル的な個所」・・etc分析してこれからの稽古方法や
練習プランを立て直すわけです。



これは、Noriko.Tの練習用の★譜面その1。
(楽譜を、拡大コピーして子ども用サイズの音符にして
カラーペンで書き込めるように余白をたくさんとったもの)
★譜面その2は、画像ありませんが
「ふつうサイズ」で書き込みを鉛筆で最小限におさえたもの。


その1を、日々の稽古に
その2を、「とおし稽古」やピアニストさんとのリハーサルに使います。

カラー譜面は、「楽譜」というより
大きなメモ帳として考えています。
練習していると頭のなかで日々「考え」が錯綜するので
どんどんかきこんで「考えを整理」していくためのものですネ。
例えばある曲を練習していると、ある時期から
「核心へ近づいてる」と感じるようになります。

「表現したい方向へ正しく進んでいる」
という確信で、イコール「今行っている練習法が効果的」。
ならば、ほかの作品のあの箇所にも流用してみよう、と。
そういうことも忘れないように「書き込む」。
先日の音出しの「録音」を聴いたあとで、「見直し必要ポストイット」も
加わり、いまはまさに「ポストイットだらけの巨大メモ楽譜」と化して
おり、プログラム順に横一列に出して並べてあります。


ライヴの練習期間中は、こうしていつでも
譜面を重ねないで出しておくことで、「ふとした拍子」に
思いついたことも、ペンをもってパッとかけより「かきとめる」
クセがつき、その軽やかさが「どんどんアイディアを生む」習慣へ
つながり、しまいにはその循環が「体質」になって
つぎつぎに自分を助けるよい考えが浮かんでくるようになります。




ちなみに、こちらは総譜スコアといって、2人の楽譜がそろって示されたもの。
ピアニストさんが本番で弾きながらみているのがこの楽譜。
Noriko.Tにとっては、練習でリズムの確認につかう「★楽譜その3」
ということになります。
これをみても一目瞭然ですが、本来楽譜には余白があまりなく
「書き込みすぎ」はタブーとされているのも、印刷された細かい表示が
みえなくなってしまうから。



わたしたちにとって楽譜を読むことは「同じ本を擦り減るほど読み込む」
のと同じですから、だんだんページがボロボロになり、真っ黒になり
劣化して本番を迎えるころには「見るに堪えない姿」になると・・
その曲を前にしてときめかない、という嬉しくない結末に。
そんな過去のいきさつをいろいろ改善してきてたどり着いたのが


「多様な譜面をつかって稽古する」 by Noriko.T

あちこち目移りしないの?って
思われるかもしれませんが「All around」な視点を大切にしていく意味で
思考を突き詰めすぎず、「ひとつの個所」をこっちからも、あっちの角度からも
広々と見渡せるのでかえって疲れません。

2つ、3つの音符を拡大鏡で広げて吟味したいときは
1日中「巨大カラーペン版」で気のすむまで。


そうしてすべてを「気のすむまで」考え抜いてはじめて
本番で楽譜を手放し、自由になることができます。

by Noriko.T



みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。
わたしたちは今、11月10日初回リハーサルへむけて
再び稽古を開始いたしました。
ここからが、本当のスタートだと思っています。


長く険しい道のりですが
「道筋」はハッキリとみえていると気づき
気持ちも新たに覚悟を決めました。
今後のリポートもどうぞお楽しみに。
今夜はこれにて☆




みなさんの新しい1週間が
健やかで明るい毎日でありますように!




Noriko.T◎NOTE







【考方の幅広い・・Largoの本当の意味】2023.10.22   




こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。




この週末は、今秋1番の寒さなのだとか。
たしかに、昨夜は少々ぶるっときそうな冷え込みを感じ
わたくしNoriko.Tもセーターをついに
袖とおしまして、足先から完全防備で今夜も過ごしています。
食事で身体を温めることも然り、そのまえに「冷やさない」ことで体力を
安定させようともくろみ。寒いと呼吸も浅くなるみたい。
たまに深呼吸して「fresh Air」をとりいれたいものですネ。


この週末、あらたに
「稽古部屋LIVE」へのご予約をいただきました。
みなさん、ありがとうございます。
年の暮れ、特別な時期にみなさんと集えることを
心から幸せに思います。
今月27日、いよいよふみなさんとの「音出し稽古」が
スタートしリハーサルが動き出すので、練習自体もより現実味を
帯びてくるといいますか、2人でイメージを膨らませていく
作品へのより深いアプローチへ入ってまいります。
当日までのひと月と10日。この間のリポートもひきつづき
お伝えしてまいりますのでお楽しみに!

さて話題は変わりまして
おととい公開しました、Norikoチャンネルの新作
「Dear my Largo」。すでにたくさんの方にご視聴いただき
ありがとうございます。







こちら、2年前の作品の「リメイク版」として制作しました。
アレンジはNorik.T、原曲はJ.S. Bach(ヨハン・セバスティアン・バッハ)作曲の「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番」のなかのLargo(ラルゴ)
という曲です。


古典を代表する作曲家バッハ。
「毎日、ウォーミングUpを終えたらまずバッハを弾いてから
ほかの曲へいく。」多くのヴァイオリニストが、テクニカル的な要素の多い
曲を弾くまえに音程やバランス、均一的な奏法を整えてから
つまりバッハを弾いてから次時代作品へ入るようにしているように
中でも「J.S. Bach/6つの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ集」は、ヴァイオリニストたちにとってバイブルといえる一冊です。




なぜバッハだけが、名前表記にJ.Sとつけられているのかというと
なんとバッハ一族、家系図に登場するほとんどの家族や親せきが
「音楽家」だからなんですネ。あまりにもこの「大バッハさん」が有名すぎて
ほとんど耳にすることがないと思いますけれど、彼を父親にもつ末息子
「ヨハン・クリスティアン・バッハ」も鍵盤奏者としてその名前を実は
よく知られています。
バロック時代といわれる200年の歴史で、50人以上ものバッハ一族の音楽家
たちが活躍し「音楽の父といえばJ.S. Bach」と呼ばれる現代につながって
いるのです。

当時は、ヴァイオリンという楽器も「古楽器」としてのもので
楽器自体のかたちも今とは違いましたし、弓も毛をはる(弾力をつける)
ことができないので、「ヴィヴラートをつける」奏法も存在しませんでした。



現代においてバロック時代の曲を弾くさい
弓をすうっと長く素朴な音でのびるように
ヴァイオリニストたちが
「他の作品」と区別して表現することに努めているのは
その時代への解釈のためでして、バッハの作品を弾くまえには
ステージ上で弓の毛をゆるめてから弾く方が多いというのもそれゆえです。

「Dear my Largo」のタイトルにもなっている
ラルゴ は、そのまま原曲の譜面上に記載されている
曲のタイトル。クラシックの作品にはよく、こうした「速度表記」
といって「このくらいのテンポで」と作曲家が示しているテンポが
かかれています。



ただ、この音楽表記、実はそれが単なる「速度を指示するためだけの」
言葉でなく「曲全体のイメージを包括するための」言葉としても
つかわれており、現代はむしろそちらの意味を重宝している演奏家の方が
多くなっているような気がします。




英語でこれを表現するとLarge(ラージ)となり
こちらのほうが私たちには「ラージサイズ」などと日常的に
使う言葉としてイメージしやすいかもしれませんが。
そうなのです、この「Largoラルゴ」というイタリア語からきている音楽用語、
「非常に遅いテンポで」という意味のほかに「幅広い」という
とても重要な意味を含んでいます。
さらに「豊かに」という意味合いもあることから
「幅広い」というのは「幅広い考えかたで」というニュアンスを
示しています。こうなってくるともはや、精神論の領域ですネ。


バッハの音楽が「偉大な芸術」として、また
「基本の代名詞」として存在しつづけるのは、バッハを弾く音楽家たちにとって
それが単なる「奏法を整えるための教科書」なだけでなく
音楽へむかう姿勢を正す「習慣」として欠かせないものであるからだと
Noriko.Tは考えております。





みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。
12月3日は、バッハの作曲した「原曲」を演奏いたします。
小部屋スタイルになっている「サロン・ヴェーラ」の空間と
無伴奏による「Largo」の未知の響きがどのようにマッチするのか
イメージをふくらめながら、もっか稽古進行中です。





来週は「音出し」稽古の様子を交えながら
ほかのプログラムについてもお話してまいります。
どうぞお楽しみに☆



明日からの新しい週が
健やかで明るい毎日でありますように!




Noriko.T◎NOTE











【20歳同士のめぐり逢いと引き寄せた師匠 】2023.10.15






こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。
チャンネルへのご登録もいただきまして、
ありがとうございます。




今月27日に、「音楽家の稽古部屋LIVE」の
音出し稽古が、ふみなさんといよいよスタートします。
「音出し」は、プレリハーサルでして、各演目のテンポ設定や
大まかに音楽ラインを確認する意味で、行っています。
プレとは言え、相手の音型を知ったり、新曲のテイストを知るための
とても大事なじかんとして、もっかおのおの、ここへ向けて稽古中。
プレリハを経て、11月に入りましてからの「初回リハーサル」のもようは、
今年もウェルカム動画としてお届けいたしますのでどうぞ、お楽しみに☆






さてその前に。
今週末完成をめざしている、
リメイク版「Dear my Largo」の制作がいよいよ山場へさしかかる中、
ついおととい、長いメンテナンスから愛器が戻ってまいりました。



ピカピカに生まれ変わったMy Violinと記念photo☆
パオリさんのお話によると、駒はなんとか交換せず修復して
くださったそう。写真でもわかるように、しっかりまっすぐと
立ち上がっていますよネ。
「バンジョー&フィドル」を練習していて、曲冒頭の往復ピチカートを
何度も稽古しているうちに、指版のそばにあたる本体の表面が
かすかに指があたり禿げてきてしまっていたのですが、
それもきちんとニスによって健康なボディに回復しました。


Noriko.T がちょうど20歳のときから、足かけ30年以上
この楽器を弾いてきまして、今でもこうしてパリッと健康体を保持できている
のは、こうして信頼できる職人さんにこまめに相談したりみていただいたり
しているおかげなのですが、もともとこの楽器本体がまだ「若者」であるという
ことも一因しています。



楽器といえばオールド楽器を、常識とは言わないまでも
ヴァイオリンの場合、すこしでも弾き込まれた年季と音色が入っていて
そしてできれば、「名器」といった風格や見栄えも大切にしたい、
ヴァイオリニストにとって、自分の命のつぎに大切なもの、楽器との出会いは
一生ものといって全く過言でないので、「まずはもともとの楽器の音色」を
一丁一丁弾きながら耳をダンボにして聴きとり、「うむ。この音色なら一生傍に置いてもよかろう。」と心から頷けるものを選びとっています。





「そろそろ、楽器を買い替えることを考えましょうか。」
Noriko.Tが、当時師事していた菅原英洋先生からそう言われたのは
大学2年になったばかりの春先でした。
そのころ、わたしは高校時代からの50万円くらいのフランスの古い楽器を
弾いていましたが、きたる前期、後期の実技テスト、とくに「後期の実技成績」というのは、3年にあがったときAオーケストラのメンバーに選抜されるか否かというふりわけに影響するほど重要のため、先生は、「10月の後期テスト」に早々照準をあて、その試験ではわたしにチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を
弾かせようと考えていらっしゃいました。Aオーケストラの公演は、各弦楽器パートのトップサイドに学内の教授陣が座って学生たちと一緒に公演で弾いており
海外や地方公演などにも同行。菅原先生もそのおひとりだったのです。ご自身ののっているオケ番に、自分の直属の弟子2人をなんとしてものせなければならない、そういう先生の言葉にはださずともつよいお気持ちのなかで、着々とプランが練られていき、そのすべてに先駆けて、「このタイミングで楽器を替えなければならない。」というお考えは、当然のものでした。


このときのお話は、また長くなってしまうから
別の機会にしたいと思いますが、
そうして出会った楽器、菅原先生がみつけてくださったものが
現在のMy ヴァイオリン。
なんと、モダンイタリア製。
かのイタリアの巨匠、ガエダノ・ガッダを父にもつ
ヴァイオリン製作者、マリオ・ガッダによって製作された楽器です。


寿命500年といわれるヴァイオリン。わたしのように
若い楽器を弾いているヴァイオリニストは珍しいかもしれません。
これはそのうえで、わたしが奇跡的なめぐりあいと信じている
ある理由がありまして。
菅原先生が「マリオ・ガッダという楽器です。この楽器にしましょう。」
と数々の楽器を弾いては返し、やっとみつけた!と喜びいさんで
レッスン室にもってきてくださったとき、楽器のうちがわにひっそりと
貼られた製作年ラベルには「 1973年 」と記されていたからなんです。
Noriko.Tが生まれた年じゃありませんか(驚☆)




こうして、20歳どうしのわたしたちは出会い
長い二人三脚がスタートしました
寿命500年の世界では、20歳のヴァイオリン君は
よちよち歩き始まってもいない新生児みたいなものです。
対するNoriko.Tにいたっては、みなさんご周知のように
17歳から菅原先生に「手ほどき」から教わって、
音楽の道をまだふみだしたばかり。
新しい温度という意味で、お互いバランスもよかったのですネ。


「菅原プラン」は、最良の楽器を得て勢いづき、
わたしはその年の10月の試験で、自分がもっとも憧れてきた作曲家であり
もっともつよく弾きたいと憧れてきた名曲、チャイコフスキーの
ヴァイオリン協奏曲を弾き、Aオーケストラにのることに決まりました。
何も言わないわたしの焦がれている曲がチャイコフスキーだと
悟っていた菅原先生の眼力にはいま考えてもただただ頭が下がります。



そして、このときの試験には
「試験当日の朝、自分の弓のねじ回しが突然こわれて使えなくなり
急遽、同級生の弓をお借りして本番に臨んだ」というまさかのとんでもない
おまけプレゼントが私についてきたのですが、
このエピソードも長くなりますので(笑)またのときに。




音楽家がその足で立つ本番には
裏に大きなみえない支えがあり、たとえ会わずとも精神のなかに
影響しつづける師匠、楽器に関する一切を信頼して預けている職人さん、
本番まで苦楽をともにする共演者、Noriko.Tにとっては
本番を心待ちにしてくださっているみなさんも、しっかりとした大きな支えで
いてくれています。厳しい稽古期間も、みなさんとわかちえる空間での喜びを
思えばこそがんばれる。




みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。


今日、本当はバッハのLargoの原曲のほうのお話を
するつもりだったのですが、予定より早くヴァイオリンが戻って
まいりましたので、そちらに内容を変更してかかせていただきました。





来週こそは、公開したアレンジ版といっしょに
原曲の話題をお話したいと思っています。
今日は、実際に降り続いた雨に助長されて
ひとこまづつ映像が進んでおります。
完成をどうぞお楽しみに☆




明日からの新しい週も
健やかで愉しき日々でありますように!



Noriko.T◎NOTE





【 楽器の教えこそ、道理を解き明かすカギ 】2023.10.8

こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。




先週一気に気温がさがったため
我が家では、夕食メニューなるべく体を温めるものを
素材に作って(にんじんやホウレン草)、お魚やお肉の
たんぱく質もしっかりいただくようにしておりました。




毎年、この「時節感が急激に変わる」瞬間は
ちょっぴり緊迫します。長時間の練習や制作作業で
体力や精神力を消耗し「つかれ」をためこみやすい環境下と
重なっているので、まだ先の長い「稽古期間」を健やかに乗り切るために
食事と睡眠のリズムを崩さないことと、首まわりからしっかり温めるべく
室内でもつねにマフラーを巻いて過ごしています。


急に空の色が重く暗くなり、
外気に気分を委ねてばかりいると自分も落っこちてしまう(笑)
それは避けたいという思いから、キャンドル(ライトタイプ)は
重宝しますネ。




みなさんのこの時期の過ごしかたは
どんなご様子でしょう!
どうぞ体調を崩されないよう、ご自愛忘れずにいらしてくださいネ。


今日は、制作途中の「Dear My Largo」(原作:Bach)に
ついてはじめにお話したいと思います。

先週、このNOTEで楽器から聞こえてくる微かな「濁り」が気になっている
とお伝えしましたが、後日、職人のパオリさんにみていただいたところ
「駒の劣化」が原因と判明しました。
正直に言って驚いたのは、前回駒を新しくしてからまだそれほど年数が
たっていなかったので「もう?」という心境でして、そこはパオリさんも
わたしの表情をみてとって、だいぶ弾きこんでるから今回は早い交換だという
お話でした。


もっか、そのようなわけでMyヴァイオリン
パオリさんの工房に預けてありまして
駒をはじめ、全身磨き、弓の毛替えなど大掛かりな手入れを
行っている最中です。
愛器と離れるのは1日だって寂しいけれど、今回は10日間。
こうなったらわたくしNoriko.Tも覚悟を決め
代用にお借りしたヴァイオリンで、LIVE演目については
黙々と練習しております。

決めかねていた「Dear My Largo」の収録音について
9月のうちに弾いた録音をその後何度も聴きなおし
今後のこともあわせて検討しなおし
今回のリメイクは、9月までに弾いた音を素材に
そのまま制作を進めることにいたしました。



あらゆるメロディが即興スタイルをもとにしている
オリジナル曲を集約し、既存のクラシック音楽演奏も
「その日、その時、その瞬間の音」というテイストを大事に
考えるNorikoチャンネルとして、そう選択するのがベストと
いう思いに至りました。
制作作業を再開し、今月20日の完成を目指しています。
楽しみにしていただけたらと思います。





さてところで、
「 短い期間だけどよろしくネ。」と
ご挨拶して手にとりました、代用ヴァイオリン。
代用、とネーミングすると愛用してないみたいでアレなので
パオリさんの工房「Latelierラトリエ」の名前からとって
Laヴァイオリン、とここでは呼びたいと思います☆







ヴァイオリンの「作り」が一丁づつ違うことは
いうまでもないことで、ヴァイオリニストは
「自分のもっている身体特徴」と「楽器の特徴」を
うまくかけあわせることを柱に、日々稽古するのですが
そういう日常に突如余儀なく訪れる、
もっかNoriko.TとLaヴァイオリンのような巡りあわせ。



楽器店で、こうして一時的に「貸し出されるための楽器」
それ専用の楽器というのは、毎日持ち主に愛情を注いでもらって
弾きこまれたものと違い、込められた音色を持っていないのが
大きな特徴。今回Noriko.Tのように10日弾いたら返却され
またつぎの御用がまわってくるまで店内で出番を待つのですから
「鳴る音」が定着しないのです。
そういうある意味「裸の楽器」が教えてくれることは非常に多いです。



初対面同士でむきあうと、
「慣れ親しんだ相手のまえではあたりまえだと
思っていること」に、もう1度疑問符がつくことあります。
あっちではスイスイいったけど、こっちではそうでもないナ。
逆に、ふだんMyヴァイオリンで叶わなかった動きが
Laヴァイオリンだとこんなにスムーズにいく、ということも。



ネックといって、弦をおさえている黒い板の幅の細い、太い。
弦と板の高さが高い、低い。楽器自体の大きさが、つまり箱が大きい、小さい。
どのパーツひとつとっても、「同じ」ヴァイオリンはないので
Noriko.Tもまずは、Laヴァイオリンを触って
「ははア~ん。」こうなっているのネ、としげしげ「目で見てわかる違い」を
とらえるところからやっていきます。

このようなプロセスにおいて
(いつものと勝手が違うわ)と神経質になるより
違いを観察して、より体験の幅を広げるようが得策です。
そのコツは、私の場合やはり「エレキヴァイオリンも弾いている」
ふだんから培えているせいだと思います。

「サイズ感ちがう!音程とれない!どうしよう・・」
と考えていても、はじまらない☆
最初は当然、乱れます音程、弓バランスなども。
けれど、いつものと「何が変わったか」を注意していると
とても偉大なことをいくつも発見できます。

とくに「今までうまくいかなかった演奏技術」の
原因解明や、試行錯誤の試行という点で
「条件の違う楽器でいろいろ試してみることのできる絶好の機会」
になるのですネ。


みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。

今季LIVEへむけてのシーズン中は
神様があの手この手で、音へさまざまな方向から視点を
向けさせてふんだんに経験値を与えてくださっているような
気がいたします。
時節の深まりとともに、演目も深みを増していかれたらという
思いです。




来週は、「Dear  My Largo」の原作になっている
J.S. Bach「ラルゴ」について
お話したいと思っています。

みなさん、新しい週も
健やかで豊かな日々となりますよう!





Noriko.T◎NOTE




【終わりなき道中の真の支え】 2023.10.2

こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、あがとうございます。
新たなご登録もいただきました。
ありがとうございます。





12月3日(日)音楽家の稽古部屋LIVEの
ご予約のお申し込み受付を
昨日より開始いたしました。
日付が変わったと同時に、お申込みを受けまして
初日が暮れるまでたくさんのご予約をいただき
ありがとうございます。
SNSでのリポストにご協力いただいたみなさまにも
深くお礼申し上げます。
楽しみにしてくださっているみなさんのお言葉に
2人一同喜び、よりいっそう気が締まる思いです。



14時のステージは、現時点で残りのお座席が
2席となっております。
16時のステージは、13席の空席がございます。
このあともひきつづき、公演前日までご予約をお受け
してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

ところで、先日YouTubeに公開しました
チャイコフスキー「懐かしい土地の思い出に」という
冠タイトルのついた作品より「メロディ」、
こちらもコンサートの演目として楽しみに
聴いてくださっている方が多くいらっしゃるのだと
思い、(この動画をスタートとして、磨きをかけていきますからネ!)
とこれもまた、2人で意欲を燃やしているところです。


実は、わたくしNoriko.T、
この動画舞台となっているカフェドシュロで撮影した
自分の演奏姿の写真や、動画をみていて
あらためて気づいたことがありました。
ある意味気づいていたのが確信に変わった、とも言います。


以前、このNOTEで
ヴァイオリニストたちは弦をおさえる左手の指のほうが
右手の指より1センチ弱ほど、長い(長年の訓練により)と
いうお話したことがあるのですが、
メロディを弾いているときのフェイスに寄った画像をみて
(去年よりもさらに指がのびてる。)
1年まえの写真と、もっとも変わっていたのはその点。





結論からいいますと、よきことです。
できるだけ真上から、まっすぐに指を振り下ろす
「たたき」の力が正当に働きやすくなるからです。
・・ただ、わたしも何度も動画をみなおし、
そのうえで「均一でなく、追いついていない指がある」
ことを、みつけました。
4人兄弟全員一緒に、「ボクら、大きくなったヨ!」といえれば
よいのですが、ときどき取り残される子もいます(笑)
そういうマチマチさ、は「音のグラデーションを作る」プロセスで
グラデーションならず、「まだら色」になっちゃうので
(まだら模様も時々はよいけれど、基本系ではない☆)
改善していくことになります。

そして、、、何事もバランス。
左だけ変えりゃぁOK♪・・てなわけありません。


弓のほう。
こちらが実は大きな変革を求められます(←断言☆)
通常のばあい、左指のほうがしっかりおさえて
弓は軽めに(わざとプッシュしない)。
基本スタイルを厳守して、弦の奏者は楽器を弾いています。



この原理でいうと、
Noriko.Tの左指は、より振り下ろしがつよくクリアになったのなら
弓のほうは、今よりもっと軽くしていかなくちゃいけない。
ひとつの音符に使う弓の毛の量や長さを、全体的にもっと
軽くしていかないと「割に合わない」という話です。



この点を改善していくと、
むだな力や圧力をさらにそぎ落として、
そのぶん本当にかけたいところに「その力」をつかうことが
できる。・・・できるはず☆


この2か月、私自身はその稽古が「柱」となります。
全体の全曲の演奏が、どのようにこの先浮かび上がっていくのか
怖いようなわくわくした気持ちでいま、これを綴っています。


ところで、もうひとつ
制作を本当なら終えているはずのバッハ原作「Dear My Largo」 。
実は、先週、いつも踊りの稽古に使っているバレエスタジオで
無伴奏のかたちで練習したおり、楽器の音に聞きなれない濁りを感じて
気になっていまして、今週パオリさん(職人さん)にみていただくことになっています。そのおり、パオリさんと話した結果によって
収録した音をつかうか、録りなおすか、決める所存です。
先月の完成を楽しみに待ってくださったみなさんには、
大変申し訳ありません。



長文お読みいただき、
今日もありがとうございます。
昨夜、実は卒業した母校の(音大)
同窓会でした。全国から同級の仲間が終結し
愉しき一夜でありました。
その飲み会のさなかでも、「弓をとにかく、元で1度しっかり置いて・・」
と、ビールジョッキ立ち並ぶテーブルのまえで
楽器をとりだして語り合う我らが同士。
終わりなき、険しき道も、
となりをみればこの仲間がいる。
日常離れていようとも、自分は足がすくむことなく
一歩をふめるのだ、とあらためて頷く今夜です。





すでに動き出した新しい週も、
みなさんにとって健やかで明るい毎日となりますよう!


Noriko.T◎NOTE

【秋雨に佇むシュロ、古き新しき空間】 2023.9.24

こんにちは。


Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。

新たにご登録いただき
ありがとうございます。

梅雨の時期より雨量が多いといわれる秋雨は
6月に降る雨とちがった風情をもたらし「今年もあと」
という言葉もきこえてくる感慨深い時期をすごす人の心に
そっと寄り添ってくれるのでとても落ち着きますネ。





きたる10月1日(日)
稽古部屋LIVE(12/3)の、ご予約受付がはじまります。
みなさまのご来場を、心よりお待ちしております。



(●原則、お電話では受けておりませんので、こちらの
ウェブサイトコンタクトページ、またはSNSのアカウントをお持ちの方は
DMもご利用もくださいませ。)
フライヤもまもなく☆
コンサートのプログラムや、みなさんへの私たちからのメッセージ
を掲載した●インフォメーションは、随時本サイトscheduleページにて
更新しております。ぜひお立ち寄りくださいネ!









昨日、まさにその「音楽家の稽古部屋」Tchaikovskyのメロディの
収録と撮影で訪れた、古民家レストラン
カフェドシュロさん。
朝、到着時に写した1枚。
まだひっそり
なかでコトコトと仕込み支度の音と温かい湯気の香りたつ
鍋のなかで煮込んでいる「開店前」の厨房のよこを通り抜け
フロアと別設計で奥に備えられているサロンへ。
ここで、知り合いのお客様だけを招いて
コンサートを開く音楽家たちももいらっしゃるのだとか。
リハーサルの合間にカフェの
ブランチを楽しんだりして。



ミュージシャンたちにとってもそんな憩いの場所となっている
このサロンで、昨日わたしたちも「自分たちのひとつのイヴェント」を
終えてまいりました。

この時期を動画制作にふみきったのは
LIVEでベストを尽くすため。
作品それぞれの色彩や個性の並ぶ「LIVE空間」ですが
どの作品へも同じ稽古の熱量や、練習じかんを使えるわけではないので
自分たが「どのようなことを大切に考えて、稽古していかなければ
ならないか。」を知るためです。



また、いつもの空間と場所を変えて弾く
またとない機会として。
ふだん、自宅の練習室、相手の家、スタジオ、ホール、
と、まわっていくとだいたいですネ、はじめの1音目をだしてみて
(・・うん、そうか☆)とまずは、音に全身全霊の集中モード。
音は、場所で違うように鳴るという性質をもっていますから
時節、当日のお天気、楽器のコンディション、自分のコンディションも
そして会場の作りや空気。
ぜんぶ網羅されてブレンドされてでてくる「今日のサウンド」
いかがなものかしら?と自分に問う案配ですネ。



自分が毎日練習している部屋のなかだけで
「こじんまりとした」世界のなかで何か月も厳しい練習を重ね
(ようし。ばっちり練習やり遂げた!)とコンサート当日
意気揚々ホールへ到着。
はじめの1音をだした途端、サア・・・っと血の気が引いていく。
これは、学生時代によく、あるある経験で、
楽器が鳴っている感触と、空間で響いているのが耳にきこえてくる感じと
自分の身体感覚がつながっていない、マッチしていない状態に
陥っている状況。




自室で、よく聴きなれ
どう弾けばなるのかも慣れきった空間だけで弾き続け


「ありとあらゆる空間経験値」をふまずにステージに立つと
「単一のバランス感覚のみしか、もちあわせていない」ため
臨機応変に変えることができず、空間に太刀打ちできなくなっちゃうんですネ。
これ本当に恐ろしいことです(←断言☆)
この怖さを音楽家は誰もが経験して知っているからこそ、
機会を作っては「未踏の場」で弾かせていただくことを大事にしているんです。



つまり。
空間と仲良くならなくちゃ☆
そういうことですネ。


話はもどりまして、
カフェドシュロさんでの収録、2年以上ぶりでして
きっと自分自身もと、身体感覚変化を覚悟して赴いてまいりましたが
予想どおりというのか、ある意味では予想以上でした。




自分の耳もかなり変わって
より厳しく細かくなり、前半の1時間は
もがきまくったというか(笑)
自分がいま出せる音と、2人で考えていること(考えていくことも
同時にみえる)と、この空間をどうリンクさせていくのか
「今日のサウンド」がまとまってくるまで、かかりました。



今回動画としてまとめたところから
どこまでコンサートで進化していかれるか
ぜひぜひみなさんにも、楽しみにしていてほしいです。






みなさん、今日も長文お読みいただき
ありがとうございます。(今日はちょっと短いかナ)

明日は、J.S. Bach原曲、Noriko.Tアレンジ作品
「Dear My Largo」の撮影をスタジオで予定しています。
Norikoチャンネル、秋の2大作品まもなく完成します。
どうぞお楽しみに。



明日からの新しい1週間も
健やかであかるい1週間となりますよう!





Noriko.T◎NOTE






【作曲者不明のはなうた】2023.9.17

こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




「音楽家の稽古部屋」コンサート(12/3)への
各お問い合わせもいただきまして、ありがとうございます。
「お部屋」のタイトルイメージをそのまま体感できる空間で
座席の数を20名様にかぎらせていただき、そのためstage入れ替え制
とさせていただいています。(→●両stage同プログラムです。)
(→●2stageぶん通しでご予約いただくことも可能です。)


今後も、公演内容やお申込み方法、会場に関するご質問など
お問い合わせいただいた内容をできるだけ
SNSや本サイトでも共有できるよう、お答えしてまいりますので
ひきつづき本サイトのコンタクトページをぜひご利用ください。
(→●SNSのアカウントをお持ちの方は、DMもご利用くださいませ。)

いま私たちは、10月1日からの「ご予約お申込み開始」にむけ
コンサートフライヤと動画2作品、制作を進めております。
     ・メロディ / Tchaikovsky(チャイコフスキー)
      ・ラルゴ  / J.S. Bach ( バッハ )

Tchaikovskyのメロディは、かなり以前に弾いた経験があるのですが
豊かな音色と、多彩で独特のリズムを表現していくための「引きだし」を
耕すべし、という、それはどの作品へも通じるさまざまな課題ですが
Tchaikovskyという作曲家の、「影のあるメロディに光をあてる」独特の
作風を理解し、弾いていくことに全く太刀打ちできずに終わった当時。
「譜面上に記載されているリズム」から、その奥がわに描かれている
メロディのラインをさらに読み取って表現できなければならないことを
痛感したわけです。



歳月を経まして、ここでもう1度「この曲と向き合いたい。」
5年前に本棚にしまったまま、それきりだった譜面をおもむろにとりだし、
自分ひとりで、ただ黙々と練習していたのです。
そうして、2週間ばかりたった頃でしたでしょうか。


朝、楽器をとりだし弾いているとき
ピアニストの史奈さんからラインメッセージが
届いたんです。

「  今、ふと思ったんですが
  今年のコンサート、Tchaikovskyのメロディまた弾きませんか。」




こうして、今年のラインナップに。
このやりとりがあったのが7月に入ってすぐの頃で
Noriko.T、ジョイニング・ダンスの踊りを覚えるのに
必死だった時期でもあったんですが、
この「史奈さんとのシンクロ」には鳥肌がたつほど嬉しくてネ。


本番で思うところまで届かなかった時の「苦味」は
わたし自身はふだんあまり表にださず自分のなかに
秘めるようにして、翌日からの練習内容にその悔しさを反映させていくのが
いつしか習慣になっており、史奈さんも似たタイプの方だと
感じるのですが、、「思い」は同じだったのだと思います。



昨日のリハーサルは、その時以来。
2人ともはじめは「こわごわ」弾いておりましたが(笑)
そうやってガチガチにこわばりながら弾く曲じゃないので
この曲に投影されている美しさや、軽やかでも色濃い色彩を
動画のなかでてらいなく体現できるところまでもっていけるよう
「曲のイメージ」のすり合わせを行ってまいりました。




収録と撮影は、今週末に
懐かしきカフェ・ド・シュロさんのサロンホールにて。
バッハのラルゴと、ともに今月末の動画完成を目ざしています。
ぜひお楽しみに☆



話は変わりまして。
先週のNOTEへ、ご感想をくださったみなさん
ありがとうございます。





その昔「チェコスロバキア」だった国は
わたしが訪れた頃にはすでに「チェコ」と「スロヴァキア」に
分断されていました。
そのスロヴァキアに隣接している国々のなかのひとつが
ハンガリー。
「 ルーマニア民族舞曲 」の作曲者、バルトークの
生まれ育った国です。



いまは、練習さながらバルトーク自身や、
ハンガリーという国のことをいろいろ調べているなか
民族音楽の研究家としてのバルトークを知るには
調べたり読んだり聴いたりのうえで、
たくさんとにかく、曲数を弾いていくことで
「民族音楽」への気構えや色メガネをとりはずしていこうと
思いに至っているわたしです。



ここで言う「民族音楽」の定義とは、
ある民族のあいだで、口伝えで伝られた「唄うた」のことで
譜面は存在せず、作曲者も不明なことが多いというものです。
農作業や、日々の暮らしのなかで「はなうた」のようにして
生まれるため、伝承されても、時代がすぎればもしや、
通り過ぎていく風のように
消えてなくなっていくかもしれない。





バルトークは、そういう唄のひとつひとつを
実際に各地へ足を運んで、じぶんの耳で聴きとり、
楽譜にかき起こしていきました。
ピアニストであった彼は、その単旋律メロディに
自分で「和音」をつけていきます。



当時はブラームスのハンガリアン舞曲集が
ヨーロッパで大流行。(今でいうトレンド入り!)
大衆の人気曲に、しかしバルトークは流されず独自に
民族音楽というひとつの分野を確立させるべく作曲を続けたのです。




そのようにして、もともと「民族のあいだだけで唄われていた歌」が
美しい和声を添えた芸術作品として、バルトークの手によって
完成し、世界中に知られる名曲となっていった、
そのなかの1曲が「バルトーク / ルーマニア民族舞曲」です。







みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。





コンサートへ向かう日々も
この先どんどん色濃くなっていく気配です。
まだ、わたしたちの演奏を動画のみでしかお聴きでない方も
ぜひ12月3日に西池袋の会場へお越しいただき
実際の空間を愉しんでいただきたいと思っています。
今後の企画をどうぞ楽しみにしていらしてくださいネ。





みなさんの新しい週が
健やかであかるい毎日でありますよう!






Noriko.T◎NOTE




【全ての音楽が内包する民族性②】2023.9.10

こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。
新たにご登録もいただき重ねてありがとうございます。

先日、「稽古部屋」ライヴ(12月3日)の全プログラム10曲をスケジュールページに更新いたしました。みなさんからのメッセージも嬉しく励みにさせていただきます。

今回も昨年のliveを終えた直後から、史奈さんと折に触れて
次回プログラムにもってきたいものを相談しつつ
YouTubeのための収録撮影を行いつつ
だんだんと浮かび上がっていったラインナップとなりました。
うち2曲は、ピアノSolo演目となっていまして
こちらも乞うご期待ですよ。
また、コンサート当日までの期間にいろいろと新たな動画企画も
進行中でして、お運びいただいたみなさんにさまざまに愉しんでいただけるよう
もっか各稽古に励んでおります。
LIVEのフライヤは、10月1日のご予約受付スタートに先がけ
公開いたしますのでどうぞお楽しみに☆


さて、いきなりの写真ですが
こちらNoriko.Tが20歳代の頃のものです。
生まれて初めて、海外の地へ訪れたときの・・
そうです、(何度もNOTEに綴っています)チェコの首都プラハにて。




10日間ほどの滞在中、200枚ほど撮影した風景写真や、建築物、
なかでも世界的に有名なカレルブリッジ(カレル橋)でおさめた景観を
YouTubeオリジナル曲、「鐘ファンファレー」でも多用しているのですが
そこでは少々重たい、暗い写真が多かったので
こちらにはそれとちがう趣の何枚かをご紹介しますネ。



最後のこちらは、大作曲家ドヴォルザークの生家の佇む、ネラホセヴェス村。
プラハからはかなり遠い郊外に、中世時代のお城のすぐ近くにて。

この国の暮らしに根ざす音楽は、その多くは
もともと「農民たちの暮らし」とその土壌そのものが土台です。
わたしは当時、旅行で滞在しており日本に帰国する2日前に、憧れの大家の生まれた家を訪れる機会を得ました。

プラハ市内から列車でいくのには、ほとんど本数がないので思い切ってタクシーの運転手さんを1日借り切って、という手段でまる1日かけての国内旅行。
その往復の長い道のりで、はじめて目にした田園風景は印象的で忘れられないものとなりました。
広く広くどこまでもつづく平原や農家の景色、それは・・そう。
おとぎ話の挿絵でしかみたことのなかった「えんとつのついた赤い屋根の家々」や庭先をかけまわる犬たち、個々の民家の庭の納屋のそばに積まれた大量の薪や
無造作に立てかけられた薪割り用の斧。


とくにはやい夕刻になるにつれ、赤い屋根の家々から一軒、また一軒と
もくもく煙突の煙が空にむかって噴き上げる光景は、質素ななかに何か豊かさを
感じる・・何とも言えない美しさと温かさで、
(色にしてみたら赤と緑と茶色しか
景観には存在しないのだけれど、「農民の国と呼ばれる元来の姿」を
思いがげずこの目に眺めることができたのでした。



季節は、これから春を迎えようという3月初旬でした。
日本とちがい、ヨーロッパの冬は本当に寒さが厳しい、そして長いのです。
暗い空と芯から冷えこむまったく陽のあがらない時期が何か月もつづくなか
ヨーロッパの人々にとって「春を迎える喜び」はとてつもない大きな喜びの意味をもっています。作品のなかにもその喜びを見いだせる曲はたくさん残っていて
ベートーヴェンの「スプリング・ソナタ」もそのひとつ。
余談いろいろかきましたが、Noriko.Tも当時ほんの少しの滞在期間にもかかわらず、プラハでまのあたりにした「現地の寒さ」には心が折れそうになりました。



季節感、言語、建築、土地の広さ、生活様式、、
こうした表立つ違いは、海外で現地に立てば肌では感じることの
できるものですが、わたしたちは西洋音楽を志すとき
よりもっと本質的な違いに目をむけ、そこから学びとらなければなりません。
その違いとは主に「歴史」と「宗教」にあり
そのなかでも「戦争による支配と侵略」については、おそらく現代を生きる
音楽家の誰もが「それを本当の意味での理解するには遠い」という現実に
葛藤を抱えている。ですが、世界的歴史のなかで大家と呼ばれる作曲家たちの多くが、戦争によって土地と祖国を奪われ、言語を奪われ、亡命し
その状況下で祖国を謳う曲を書き残しているのですから
やはりそこを避けてとおることはできないわけです。



わたしの知る「戦争」とは
祖母から最愛の夫を奪い、
わたしの父からは「1度も会うことの叶わなかった父」を奪ったもの。
祖母は、74歳で亡くなるまでの生涯を愛する夫への届かぬ想いを
綴り続け、その幾冊ものノートを残してこの世を去りました。
自分の生きる理由はただひとつ。
「ここに、骨なき墓があるため。」と。


生まれたときから「父親」がいない環境で育ったわたしの父も
そのことでひと知れず苦労を重ねてきたでしょう。
わたしと年の近い妹は、いまだもって「戦争」に関するテレビ番組をみることが
できません。



ですがわたしには「戦争が残した傷跡」の一部はわかっても
その実態はほとんどわからない。自国が経験した「過去の歴史」であり
その只中にいた祖母から伝えきいた話はイメージだけのものです。
ドイツのナフム・エアリッヒ先生のところで出逢った
シリアからきていた青年ヴァイオリニストから現地の話をきいても
自分には実感がわかなかった。
それが大きなコンプレックスに感じることもあります。
曲への、作曲家への理解を深めているつもりでも
実際はまだまだ埋められない溝を思うのです。



実感がわかない、西洋音楽を弾くうえでついてまわる
その感覚をすこしでも「肌で感じた理解」に変えていくため
音楽家はみな現地へ運び、その国を知り、作曲家に共感を深めたいと
切に望む。映画を観たり、ドキュメンタリ番組で学んだり。
興味をたやさず、知るための努力を続けることを一生の課題として。
わたしが、チェコの国の「農家の村」の姿をつうじて
ドヴォルザークが書き残した農文化の姿や
その先にあるボヘミア民族の代から伝わるの唄ののんびりとした土臭さが
多少なりイメージできたのは得難い宝ものであったと同時に、
音楽家にとって「実感できないものは表せない」ことを
思い知るきっかけにもなったわけです。


みなさん、長文お読みいただき
今日もありがとうございます。

今回の公演プログラムに、ドヴォルザークの曲は入っていませ
いづれ、弾きたいと思っています。
今日はバルトークまで話ができなかったぶん、来週は
「ルーマニア民族舞曲」のことたくさんかきますよ。
(連日稽古中!)



だいぶ涼しく過ごしやすくなったので
日本国の美しい景観をあらためてみてまわる時間も
たまにはとりたいものです。

明日からの一週間
みなさんのよき日々でありますように!





Noriko.T◎NOTE


【 全ての音楽が内包する民族性① 】2023.9.3



こんにちは。


Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




9月に入りますと
陽が落ちるのはどんどん早くなりますネ。
今日実は、わたしの住む街で毎年恒例のお祭り行事
地元神社の秋季大祭というのがありまして
自治会、商店街、地域住民のみなさんで子どもたちと一緒に
お神輿で街を一周しながらの、かけ声が朝早くからきこえています。



我が家のまえも通過してくれまして
商店街のオジちゃんもオバちゃんもみんなハッピを着て
ちゃんと髪の毛を結って、子どもたちもネ

\\わっしょい!‼ わっしょい!!
  わっしょい!  わっしょい!//


お神輿のうしろから祭囃子を演奏して歩いているのも
地元の子どもたち。
それほど広くはない道路の住宅街をぬうようにして
濃厚な金粉をほどこされた紫色の
まるで「生きた守り神」のような神輿体が
堂々進んでいくのを地元のみなさんがひとめみようと
家々から、営業中のお店から出てきて眺めたり一緒に歩いたり。



間近にかけ声と地響きの「太鼓」が迫ってくると
囃子リズムも意気揚々がまして街の全てがその活気にあやかるように
商売繁盛を感謝し、お隣さん同士であいさつを交わし、
明るい空のした地域のみんなで健康と恵みと繋がりを喜び合う
文化そのものですよネ。







街づくり、街興しのイヴェントや
それに携わる人々のお惜しみない労力たるや!
協力と支えや心向きのすべてが美しくて力づよいなァ
素晴らしい光景だなあと
毎年見入ってしまいます。

地域文化の姿は、それぞれでしょうけど
どこのお祭りをみても理屈ぬきで感動するのと同じで
祭り囃子をきくとなぜかものすごく「この音楽こそ
自分のうちがわにもともと内包しているものだ」と感じる。それは
日本人としての歴史の中に根ざしてきた国民性や、地域性、
とくに地域の暮らしにおいて、長く祖先の代から築きあげてきた営みが
生きつづけているから。
文化事業を引き継いで守ってゆく、そこに「人間性の根幹」があり、
土台を大切にしなければならないと後世のわたしたちにも
教えてくれているような気がいたします。





音楽のことをとりだして考えるときやはり
この文化の土台となっている、国民性、民族性はつねに
ついてまわる論題です。
ひとつの作品を弾くまえに、作曲家の生まれた国や生涯を過ごした国の
歴史や生活習慣を知ったり、作曲された時代背景とともに
本人の人生そのもの、影響を受けた音楽家などをひとつひとつ調べていくことも
演奏していくうえで大切な要素となり、演奏表現を考えるうえで
土台となっていくものだからなんですネ。



クラシックでいえば、
日本人が西洋の音楽を弾くことは
もともと「敷石が高い。」
半被(はっぴ)きてお神輿かつぐ文化なのか
蝶ネクタイに正装でパレードという文化なのか
スタイルが全然違うわけです。

ここで、あるひとつの思い出話があって。


20数年まえ、初めてドイツへ赴いたときのこと。
今は亡きナフム・エアリッヒ氏のもとへレッスンを受けにいったのですが
現地宿泊施設である日、日本で毎日弾いているエチュード(練習曲)を弾いていたとき、その瞬間はっきりと思ったんです。
(ああ、この曲は、この国で生まれ、この国で演奏されてきた旋律なんだ。)と。

ドイツの片田舎の洋館の一室で
いままでのその曲が、はじめて本当の意味で
身体に入ってきたといいますか、「府におちた」んですネ。
なぜかは、うまく説明できません。
空港に降り立ってから纏いつづけている異国の、ドイツの国の空気、土壌。
周りはドイツ人だらけのなかに自分がひとりポツンといることへの
自身へ感じる異国民性、
生活と食生活そのものやリズム、滞在している期間中ずっと
そこはかとなくある生活リズムや空気は
日本にいるときとまるで違うものでしたし
わがViolinも気候がピタリとはまるのか、水をえた魚のように
活き活きと鳴りだす、鳴り方がそもそも違うんです。
今おもえばわたしが演奏した練習曲も、そこに描かれているリズムの本質は
こういった気候や景観のなかで生まれたもので、そこに
ふとピンと感じたのかもしれません。
エアリッヒ氏にそのときレッスンしていただいて弾いた
ベートーヴェンのスプリング・ソナタは、現地のピアニストと
一緒に「弟子たちによるコンサート」でも演奏したのですが
そのとき自ら響いた「現地での音」の記憶はいまでもずっと
specialな意味をもって胸のなかに生きています。


そういった意味で、もっと昔にさかのぼれば
気楽に演奏する曲を選んでいたし、弾きたい理由も
今に比べれば浅いものでした。



先日、今年の「音楽家の稽古部屋」LIVEで演奏するラインナップが
すべて出揃いまして、まもなくscheduleページに
全曲Upいたします。
史奈さんのソロや、わたしのソロ(今年は無伴奏、入れました)含む
全10曲。Noriko.Tにとりましては、大変挑戦的なプログラムとなりました。








なかでも、バルトークの「ルーマニア民族舞曲」は
他曲のなかでとりわけ民族性の色濃い作品で
プログラムにとりあげる勇気がなく何年も先延ばしにしてきて
現在に至ります。



どういった変化が自分のなかにおこったのか
「この曲を弾きたい。」と衝動が沸き起こったんですネ。
悪い言葉でいえばずっと逃げてきたのに、
つよい気持ちで自ら手をのばしている自分の姿に少なからず
驚きました。そういった変化は、しっかりキャッチして
形にするべきだと。
それに加えて、あるときピアニスト史奈さんのお母様が
さらりと言ってくださったお言葉も背中を押してくれました。


「高山さんの演奏する、ルーマニア民族舞曲を聴いてみたいわ。」



みなさん、今日も長文お読みくださり
ありがとうございます。
国民性の違いのなかでも、もっとも
違いの目にみえる「言語の違い」
音楽の土台となっている音色感やリズム感も
おそらく、その国の「言語」から発生し姿をかえて「音の命」として
あるのだと思います。そこに音楽のルーツがあり
すべての音楽は「民族性を内包している。」とわたしは考えています。




来週は、ルーマニア民族舞曲の曲自体についても
もうすこしお話しますネ。

時節がゆっくりと進むのを
窓の外が色づいてゆく姿を
愛でていく楽しみをもちたいと思います。




みなさん、
来週も健やかな明るい1週間を
お過ごしくださいネ!



Noriko.T◎NOTE

【 順番に立ち返る 】2023.8.27


こんにちは。
Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。





くう~☆寂しい
あと数日で8月が終わってしまうなんて。


毎年、ウェブサイトかSNSのいづれかに
「9月」とはもう、年末が前方へみえるころ合いですネ。
早すぎる泣・・など綴って、過ぎ去る日々の余韻を浮かべたり
している時期なのですが
それにしてもはやいナ(寂)

夜は快適になりましたけどネ。
夕陽が落ちていくのも早くなりましたし
けだるそうに吹いていた風も涼しくなりました。
うちのやんちゃ坊主、ピー君は
時節と関係あるのかどうか・・このところ夜は早めに
寝るようになりました。




このフレーズについても、ときおり
綴っているのですが
「 世の中のニュースは、自然界からもっとも早く
発信される。」
この言葉が意味しているのは、比喩的な意味でなく
真実をついた言葉だということが
年々わたしも実感するようになり以前に増して
身のまわりの自然風景の姿が気になるようになってきまして。




それが面白いんですよネ。
観察してるのって、私たちだけじゃないんですから。
アチラもこちらのことようく観てますし呼応もしてる。
まるで鏡です。



野外に広がる自然界の呼応は、緻密すぎて
わたしたち人間には図りにくいかもしれないけれど
室内にある植木やグリーンの小鉢を眺めていると
一目瞭然で、「水がほしい。」とメッセージを送ってくれるのは
彼らがわたしを信頼しているときだけのような気がしますネ。



何度も話題に、引き合いに出してアレですけど
ピー君は「動く自然体」として(笑)1番わかりやすい反応体なのですが
「朝1番のじかん」が彼の1日を夜まで影響もたらしてしまう。


彼の朝は、順番で決まっていまして
起きたら①水を飲み、②ごはんを食べる。
そのあと③15分ほどNoriko.Tと遊ぶ。

この3項目が叶った日は、1日中ごきげんで穏やかで
あかるくて、言うこともよく聞いてくれます。それにすごく優しい。
人間の言葉もじっとよく聴いていて、どんどん覚えるのはこんな1日のとき。



それにひきかえ、Noriko.Tが朝から忙しない日は
彼にしてみれば「1日のリズムが狂う」わけで
「アンタがそうなら」と言わんばかりに(笑)
「ピ~君我が道をゆく」となるわけで。


そんなおり「もう出かけなくちゃだから、ケージに戻ろうか。」
なんて言って手をさしだした日には「クワッ!怒」クチバシ攻撃。
厳しいんです・・ピーさんは。

そういう日常にあらためて気づくことのひとつ。

彼らの世界には、自然界には
人間よりももっと正確で細かく、秩序として
「ものごとの順番」が存在していること。
もっというなら、わたしたちの中にも「秩序たる順番」は
常にそこはかとなく存在してある均衡を保っていますが
人間はおうちゃくさもあって、時々、それをすっ飛ばすか、または
省いてしまうんですネ。。。
なにがしかの平和が失われたり、均衡を保てなくなったり
バランスが狂ったあとになってからその愚かさに気づくわけなのですが泣


少々話それますが、
毎日の楽器の練習においては、この「順番」なるものについて
四六始終考えています。


ある音からつぎの音へ移行するとき
すべての「移行」に順番が影響しているからです。
「同じ弦のうえで、指をかえるだけ」のときはシンプル簡単。

1.まえの音を弾き終わったら弓(右手)をとめる
2.つぎの音程をおさえる(左手)
3. 弾きだす


いわゆる超絶技巧になると
この項目が一気に倍増するんですネ。


1。まえの音を弾き終わったら弓(右手)をとめる
2。つぎの音で弾く弦に角度をあわせる(左手)
3。ポジション移動する(左手のシフティング)
4。つぎの音程をおさえる(左手)
5。つぎの音の弦に弓手の角度をあわせる(右手)
6.弓のスタート位置をきめる(右手)
7.弾きだす


実際はもっと多いです。
投弓、跳弓、重音、多様なリズム変化のときには
「弓の幅や高さを決める」項目がはいり、より厳密に計算しないと
いけない。
ヴァイオリンは、(音程をとる)シフティングの動作だけでも
細かい計算が必要で
「上記の2と3」は、状況によっても、その人の得意分野によっても
もっている身体的特徴によっても、変動します。
日々の稽古はですから、「実験」をくりかえしている感じ。
「成功した実験結果」を集めていくようなものですネ。

それでつまり何が言いたかったというと
あらゆる実験も、「順番が正しくないところ」には
成功をもたらさない、という話です。



あらゆる楽器のなかでも、ヴァイオリニストがおそらく最も
1日の練習時間が長いといわれているはずですが
理由はこの「項目の多さ」と「楽器サイズの小ささ」に
あるのではないかと思いますネ。


Noriko.Tもある箇所が弾けないと
原因をつきとめるために、何時間も、何日も
長ければ数週間もかかってしまうことあります。
その確認で、キホン中のキホンが「動作の順番が正しいかどうか」。




ゆっくり  正確なテンポ  正しい順番で



毎日練習しながら
「 世の中の秩序も、カギはここにあるのよネ。」


そう納得しながら
弾いています。

みなさん、今日も長文お読みいただき
ありがとうございます。
今度ヴァイオリニストのリサイタルへ聴きにいかれたら
「ほおお・・音から音へいくのにそんなにも項目あるのかァ」
と眺めてみてくださいネ。



来週は・・
「音楽家の稽古部屋」プログラムのこと
お話したいと思っています!

あたらしい1週間も
健やかであかるい日々でありますよう。



みなさん、
ひきつづき日曜のよき夜のお時間を
お過ごしくださいネ。




Noriko.T◎NOTE






【2枚のLPレコード】 2023.8.20





こんにちは。





Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。





すこし前、台風が過ぎ去ってから
暑さが和らぎ夜間になると
だいぶ過ごしやすくなりました。



「夏」そのものは体感スパンが短く「瞬く間のできごと」の例年ですが
わたしにとりまして今年は、亡き母の法要に際し長年会わずにいた
家族や親せきとも再会するに至りましたこと、また母が亡くなって
初めて迎えるお盆行事、それも終えたあとの里帰りで過ごしたじかん。




おそらくこの先の人生を歩みながらもっとも忘れることのできない
ひと夏を過ごしてまいりました。



今回の里帰りで、千葉みなとにある実家に滞在中
実はある、貴重な2枚のLPレコードをみつけまして。



それは、朝食を終えたあと何の気なしに
実家にあるオーディオ機器の話をしていたとき
たまたまレコードプレーヤーの話題になり、父が
ある1枚のLPをかけてくれたのですが、そのテナーサックスの音色が
あまりにも素晴らしくて
はじまって5秒間くらいを聴いて(なんて素敵!)
思わずジャケットをみると、相当古い時代の質感のポートレートみたいな表紙で
バンダナを巻いた金髪の女性が大きくのったもの。
オープンで大らかな演奏に半ば興奮ぎみに、父に
「この女性が演奏しているの?」とたずねたのです。
それもそのはず、大きなジャケット両面にその女性のアップ写真と、アルバムの
タイトルなる横文字がのっているだけでほかに目ぼしい文字がみあたらないため。そのときはベランダの植木に水をやっていた父はのぞいて「知らないけど、
たぶんちがうんじゃない?」というので、もう1度よくジャケットをみると
左下のすみっこに、ゴマ粒くらいの小さく細い字体で
秋本薫(テナーサックス)
と印刷されているんですネ。



それが日本人の名前であることに
わたしは再び驚愕。
お恥ずかしいながら、昨日まで
この方のことを知らず、演奏もきちんと聴いたことがなかったのです。
こんなにも伸びやかで豪快かつ、センス半端ない温かさ
甘く一瞬で惹き込まれてしまう音色を吹く奏者。
すみからすみまで、日本人離れした圧倒的スケールな音楽表現を
どう言葉にしていいかわからないくらいです。




NOTEを読んでくださっているみなさんのほうが
おそらく、この方をよくご存じなのではないかしらと思いながら。


秋本薫さんの、昔のお写真をみつけましたところ
とても洗練されたコーディネートスーツに身を包んだプロフィールお写真の
お姿を拝見することができました。ネットに掲載されているかぎりでは、
1933年にお生まれの大阪ご出身。
(時代さながらでしょうか、ほかのインフォメーションも混在していて
はっきりとご出生年月日は把握できていません。)
諸外国のプレーヤーの演奏を研究して、独自のプレイスタイルを築いたあと
美空ひばりさんや、石原裕次郎さんをはじめとするヒット曲にソリストとして
立ちつづけ、レコード各社からだされたご本人のアルバム(150枚以上)は、
日本一の記録となっていると。



貴重な、貴重すぎる演奏に出逢ってしまい
2枚組のLP、両面30曲ほどをそのまま一気に聴いたあと
つづけて父が出してきてくれたのは、リチャード・クレイダーマンの
ピアノアルバム。
(懐かしき。)です、このアルバムは本当に。



音楽にさほど親身になれなかった幼少時代のわたしも
母が買ったこのクレイダーマンのアルバムだけは好きでした。
当時も母がよく聴いていたので、どの曲もメロディをまる覚えして
あとでこっそりとその曲をもとにした「物語」を作ってノート1冊ぶんかいて
カセットテープに録音、BGMは右手でレコードの針をStoryのタイミングでおろし、左手でカセットのスタートボタンをおすという調子。そうやって作った
「作/たかやまのりこ 音楽/リチャードクレーダーマン」の
シリーズ本が何冊もできあがっていました!Noriko.Tが7才くらいの時ですネ。


ライヴにも1度だけ連れていってもらい、
ステージのはじからはじまで駆けまわってピアノや
オルガンを弾くクレーダーマンの姿に夢中になりました。
帰宅してからは家でレコードがかかっているたびに、
あのステージのクレーダーマンの姿やバックオーケストラの姿がまたみたくて、大きなスピーカーについた赤いランプに片目をおしつけては
この箱のなかにみんなが入っていて、のぞけば演奏している姿が
みえるんじゃないかと本気で思っていました。
今思えば、オリジナルのSHOW舞台を作ることへの憧れは、このときの夢のような愉しさから生まれてきたものかもしれません。




2枚とも、母が大切にしていたレコードで
父は(亡くなって以来)今日、はじめて聴いたと言いました。
失ってから母の面影だけが残るこの家で、一緒に聴いていた音楽をかけるのは
今日まで辛すぎたのだろうと思います。
父は陽ざしの温かいベランダと家のなかをいったりきたり作業しながらでしたが
そんな父と一緒に、2枚のレコードどちらも全曲!
古き素晴らしき時代の名演奏にココロを委ねて過ごしました。
ときどき涙があふれながら。





儚き夏、今まで「得難い」と思っていた、家族で過ごすことの癒しを
今年はこの時節がもたらしてくれました。
大きな喪失や哀しみの中から、何か救いを拾いあげていこうと、
そういう努力をしていこうと思えるようになり、
最愛の妻を亡くした父もまた、少しづつではありますが生気をとりもどして
明日を語ることができるようになってきている姿に安堵しています。



わたしにとりましては、空白のままフタをしてきた歳月が
流れを変えようとしている、そこに自分自身が希望を感じていることを
素直に喜び、そういうなかで母との対話をこれからもつづけてまいります。



母が他界してから、半年
ひとりでは抱えきれない感情をこのページのなかで打ち明けてみては
みなさんに温かいお言葉をいただいたり寄り添っていただいたりして
今日までたどり着いたことを心から感謝しています。




胸のうちを話すのがあまり得意ではないけれど
日常的にSNSやほかの繋がりであるみなさんにお話ししているように
気負わず打ち明けてみようという気持ちになれたことが
たくさんの変化をもたらしてくれました。
それもぜんぶ、みなさんのおかげ。




今日も長文最後までお読みいただき
ありがとうございます。



本日最後は、今回の長旅に同行してくれた
我が家の愛鳥、ピーさんの写真を(東京へもどった、翌日つまり今朝の1枚)

父は、無邪気なこの子の姿を
ときどき楽しそうに眺めていました。




ピーちゃん
ありがとう。



2023年8月はあと、10日を残すところに。


よき、よき日々がこのあとも
続いていきますよう。


みなさんはどんな週末でしたでしょうか。

今日このあとも、健やかな日曜の夜をお過ごしくださいネ!




Noriko.T◎NOTE  2023.8.20



【 どれひとつ欠かせない
ジョイニングダンスのサウンド 】2023.8.13

こんにちは。


Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




降ってはおもむろにやんでみたり
気まぐれな雨もようも
徐々に雨量が増している今日。

まわりを見渡してみると
ご近所さん一帯も静かに休日を過ごしていらっしゃる
ご様子。今年のお盆はすでに秋の出立ですネ。

さてJONING DANCE「ジョイニングダンス」を先日
ようやくみなさんに、お届けすることができました。
早々観てくださったみなさん、ありがとうございます!







みなさんからのバラエティーに富んだメッセージも
嬉しく読ませていただいています。
チャンネルのご登録をいただいた方、
ありがとうございます。

もしこれからご覧になる方がいらしたら
ぜひPCなどの大きな画面でも観てくださいませネ☆
上空からうつしたDanceシーンなど
小さなスマホ画面で捉えにくいパフォーマンスシーンを
より愉しめるようになっています。



今までのオリジナル作品と大きく景観を変えたのは
この「Insta360×3」カメラの成せるワザでして
360°四方の景色を捉えるだけでなく、編集技術のなかで
ユニークな表現の数々を試みることのできる、
冒険に満ちた「編集作業」を制作のラスト10日間は
行っておりました。





新しいカメラの導入にともない、前作「WIND222」から
撮影舞台を大きな野外へうつしたこと、自分たち以外の
方に撮影していただいたりと、現場仕様そのものを
変えて行った作品作りがひと段落し、公開にいたりましたところ
いち早くコメントを送ってくださったみなさんのお言葉は
何よりまず「音がとてもよかった。」というものでした。






○全体的なサウンドがキレイ。
○ヴァイオリンの音がキラキラ輝いてる。
○イントロ背景から曲本編へ移る際のバランスがよくて
最後まで聴きやすかった。

____一部抜粋させていただいています。______



そのご感想は心底に嬉しいものでした!
ミキシングと並び、マスタリングという「曲の仕上げ」
サウンドのひとつひとつ、音色やバランスを
今回はしらみつぶしにというか、最後までそこを念入りに
チェックして細かい調整にじかんと手間をかけましたが
それでも「いざ公開」時、音になんらかの負荷がかかって
意図したとおりにならなかったら・・と心配していたのでネ。
みなさんの言葉をきくまでは。


ジョイニングダンスは、
ゆったり自然にノルことのできる
アップビート4拍子。
テンポを司る大きな箱のなかに、細かいリズム担当の
サウンドたちが奥ゆきを作っていて
なかでも「アクセント」と「合の手」が組み合わさって
大きな拍にリズム感を生み出しています。



オーケストレーションといってバックの弦楽器たちが
「 うんと!~ネ、それで!~ネ。」
とアクセントのきいたメロディを鳴らすと
黒人リズム2拍3連が
「あいあいさー♪」「 あ、ほいほいさー♪」
「あぷいぷいぷいとナ♪」→→実際は楽器のサウンドです♡
と返しの合の手をうつのです。
トランペット率いる管楽器もしかり。
ラッパの言語は・・「っパ! パラッパ~~~☆☆」
ですネ。


「ホワ♡」とか「ぽいいいィ~~~ん!」オモチャの声
ボコボコ水のなかをもぐる音、にぎやかな効果音は
ほぼすべて「合の手」にまわっています


ジョイニング・ダンスのなかで
こういったメロディ、合の手、両立場を自由に行き来しているのが
実はソロヴァイオリン。
曲がスタートしたときはメロディを歌っていたはずが
気づくとしれっと「合の手」がわにまわり、そのあとは
しばらくその立場を謳歌するべく(ひょっとするとずっと
最後までそれでいってしまうんではと思われるほど長く)
オブリガート(伴奏形)スタイルを弾き続けます。
伴奏って楽しいわネ、といわんばかりに
伴奏組の人たちと絡みまわって、前半をしめくくり。





この「ソロヴァイオリンが立場の枠を外して
自由に弾いてまわること」「それをめいっぱい愉しむ!」は
ジョイニング・ダンスのひとつのテーマなのです。
舞台で「型」に立っていたさなか、とちゅうで飛び出して
森のなかを自由に飛び回る映像と重ねてみていただくと
楽曲の世界観がより広がって感じてもらえるのではと思います。



実のところ、土台となっているドラム演奏、メロディの構築
ソロ収録、ダンス稽古、撮影と。


ひと項目づつプロセスをふむなか
終始手をいれていたのがこの「サウンドの収録」。
ミキシングを慎重にしたあまり、初めはごくごくわずかなサウンドだけで
手間をかけすぎていたためです。
ソロが入り、楽曲としてサイズが決まり、展開が決まってくると
(まだ、シーンが活きていない。)
(ソロヴァイオリンの魅力をひっこぬいてる!)
(躍動してない。)
(・・・このままじゃ踊る手足が動かない☆)

ソロとバックグラウンドのリズムの相互効果は
互いに首をしめあうか、互いに殺しあうか
互いに支えあうか、互いに活かしあうか、
現実的で生々しいもの。



キホンリズムが単調なだけに、
「たるい」ところに落ちていかないよう
この大勢のバックサウンドたちが「入れ替わり立ち代わり」
ご機嫌よく、テンションkeepでクライマックスまで
メロディを運んでいかなくちゃならない。
・・・というわけで。
サウンドひとつ、またひとつ追加、削除、追加、追加、、追加と
最終的には必要最低限の多種サウンドが織り成しています。
どれひとつ、欠けてならないものとして。



ダンスを一緒に踊ってくれた理那氏も、好太郎氏も
この「音楽が放つリズムの力」に即反応してくれる
非常に感受性の高いアンテナをもっている2人でしたので
細かいビート感を豊かに、明るく、エネルギッシュに
この曲の精神を映して表現してくれたことに
Noriko.T、あらためて心から感謝しています。そして
あらためてこの場で2人の素晴らしさ、みなさんにお伝えしたいです。



今日も長文お読みいただき
ありがとうございます。




皆さんにとって
2023年夏の最後が、刺激にあふれ
平和で美しい日々でありますように。



Noriko.T◎NOTE










【 セミと甘酒 】2023.8.6



こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。




数日まえの台風のあと
空気が変わってほんのすこし過ごしやすく
なったような。熱風を身体に巻いて歩いているような
「史上最高の夏体験」をぶじ乗り越えつつ
次節へと陽が進みゆくさまを眺めている今日でございます。
みなさんご機嫌いかがお過ごしでしょうか。






先週の日曜日、「ジョイニング・ダンス」の
野外、スタジオの両撮影を滞りなく終えてくることが
できました。





当日は朝の6時すぎに集合して
7時より「中野江古田の杜」にて撮影開始。
蝉たちの声が
大空を蓋するようつんざくなか
まるで酷暑をオーバーラップしつづける
効果的な(笑)空間が両手をひろげて
わたしたちを歓迎してくれました。



正直、前日まで「猛暑の空の下」
楽器(エレキヴァイオリンとはいえ)とともに
パフォーマンス乗り切れるだろうか、と
かすかに思いよぎることも。
想像以上の暑さっていうものを体感しておこうと思って
それまでの「スタジオ稽古」は、毎回冷房をつかわずに
蒸し風呂のようななかで練習しておりました。
それで免疫ついたのかナ。




杜の木々の間を歩きながら
光がおりてくる。
それはなんだろう。
「暑さとはべつの温かさ」が終始みえないエネルギーを
放っているのだと気づいてからは
それと一体になることを愉しむことにしました。

曲のタイトルそのものに
今回はNoriko.Tが、楽器を手放して
踊りのなかにはいるシーンがあるため
撮影は複数のパターンを、複数のカメラで。
先述の「Insta360×3」もここではじめて本格的に使用しました。


これまでの作品は、ほぼ「自撮り」。
それが今回はじめてスタッフさんに来ていただくことに。
プロカメラマンではないものの、Insta360をご本人もお持ちで
扱いに詳しい(ご本人もバイクでYouTube制作)など
頼もしすぎる長年の友、原くん(←ふだんの呼び名)が
経験をフルに活かしたカメラワークを存分に発揮してくれました。





撮影とパフォーマンスが動き出すと、
作品はおのずと手元から離れて
ひとりでに浮かび上がっていく
面白いものですネ。


ダンスをコラボしてくれた亀井理那氏と松田好太郎君は
「カタを作らず」自由変貌を愉しむ人たち。
テイクを重ねる醍醐味も、彼らのパフォーマンスの幅によって
増していったというか、ジョイニングダンスそのものが
現場で生まれ変わってゆきました。





ちょうど日曜日で、舞台メイクにキラキラのアイシールをつけたまま
道すがら、ご近所さんたちにもすれ違い多々
「今日、何かやっとっと~?」ご機嫌上々隣りの家のオジちゃんに
声などかけられながら、街中でブレイクをはさみ
午後のスタジオ収録もあっというまに終わってゆきました。


編集はもっか、Noriko.Tの手元で進行中です。
はじめの音づくりから、まるごとひと夏を送っている
この曲も、製作の終わりがすこしづつ見えてきました。
毎回ここからが、ちょっぴり長いけど(笑)
その険しさも今回ばかりは別のテイストで感じられそう。
公園で途中みんなで飲んだ甘酒が、美味しかったことなんかを
思い巡らせて。




動画の完成は8月11日を目指しています。
お盆のまえにお届けできるよう、、、
否、お盆といわず
・・一刻も早くみなさんに届けたい~~~☆
あともう少し、できあがり楽しみにしていてくださいネ!





今日最後にすこしだけ♪
先日「音楽家の稽古部屋LIVE」のプログラムの一部を
Scheduleに公開しました。
自分たちを追い込むためですネ(☆←断言)
↑このクダリは軽く流していただいて♪



お気づきかもしれませんが
「民族音楽曲」がさまざまに出揃いまして
今年はその色濃いプログラム内容となりつつあります。
そろえたのではなく、1曲1曲のタイミングがたまたま今年に重なりました。
この民族音楽への取り組み、ヴァイオリニストとして生きるのなら
それ自体ひとつのテーマとして柱として、信念をもってやっていきたい
と切望しながら立ちはだかる壁(自分が日本人という)の分厚さを言い訳に
先送りしてきました。



この「気おくれ」を促すような自身で積み上げた壁は
飛び込んでみたい衝動が突如沸き起こったときにすぐさま手をのばさないと
一生チャンスを逃がしそうで。
「衝動」に素直に従うことにしました。
NOTEのなかで、それぞれの曲へ向けている思いをお話していけたらと
思います。





みなさん、今日も長文お読みくださり
ありがとうございます。
8月のこのあと、もうすこしセミの声を愉しみつつ
ひとつづつ形にできたものを空に、みなさんのお心に
届けていきたいです。



みなさんもひきつづき熱中対策☆
ご自愛をお忘れなく・・。
残りの夏を謳歌しましょう~☆



Noriko.T◎NOTE





【流れているなら乗っていく】2023.7.23

こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。





毎日暑さが全く動きませんネ(笑)
ワタクシもっか、部屋のなかでちょっと小躍りしただけで
たちどころに滝のような汗がでてまいりまして果たして
炎天を仰ぎ見ながらのダンス撮影はどんな絵図になるのかしら
考えただけで胸がわくわくしてまいります。




そのようなさなか、
我が家の愛鳥ピーさんが
おかげさまで満1歳になりました。


↓今しがた撮影し姿

彼がみつめているじかんの流れが、あるときはどんなに長く
ある時はどんなに瞬く間であるか、人間の私たちには想像もつきませんが
小さな体からはじけるような愛と喜びを我が家にもたらしてくれていること
感謝しています。寛容で慎重でそういう個性的なぶぶんが
放鳥の暮らしのなかに活きてきて、未知と未来をも感じる毎日。
みなさん可愛がってくださりそういう空気も伝わっている気がして。
あらためましてありがとうございます!


話変わりまして
もっかピアニストふみなさんと
稽古部屋ライヴ(12月)のプログラム選曲に入りました。
当初からそのつもりでいました「バンジョーとフィドル」を
企画の中心におきながら。(メイン曲ではありません。)
みなさんに60分間滞在していただくお部屋で、どこまでフィールドを
展開できるのか、クラシックの世界観でそういうことを空想するのは
無性に面白いですネ。ひとつひとつ作品に、もともとそれだけの奥行や重みを
もっていますから、「その日の光」をどのように見出すのか
考えただけでドキドキしています。
インフォメーションは8月スタートしてすぐのUpとなります。
みなさん、どうぞお楽しみに☆






先週、YouTube制作へ思いの丈をお話させていただきましたところ
みなさんから、ありがたいメッセージなどをお寄せいただきました。
そのおひとつに「Norikoさんの音楽はヘッドフォンで聴くとより深みがあり、
音楽とストーリーの繋がりをより感じることができます。」というお言葉が
ありました。これは、その方が聴くためにイヤフォンでなくあらためて
ヘッドフォンをご購入され、それで聴くことにしました、というお話で
なんとも制作冥利につきる思いでおります。



ヘッドフォンで聴くとより深みがでて聴こえるのは
おそらくヘッドフォンの構造上どのタイプのサウンドでも同上だとは
思いますが、「Norikoさんの音楽の不思議な力」というお言葉を
つかって、ときおりそのように類似したメッセージをいろいろな方に
いただくことがあり、「ほかの曲にはない不思議な~」とみなさんが
抽象的な感覚を表現されるのには、ひとつ、わたしの音楽がすべて
手弾きによる収録を行っているからかもしれません。



これは、NOTEのなかでもたびたびお話していますから
ご存じの方には同じ内容ですが
Synthesizerによる音楽制作者のほとんどの方が、現在は
「PCによる打ち込み」で行っているなか
静寂よ、ここに降り立ち/ HAYAMA/  Bird・・WIND222/
Carnival、etc


これまでのNoriko.Tの制作オリジナル曲を全て、手弾きに
しているのは、音楽に流れる「呼吸感」を大切にしたい理由からです。




打ち込みは端正できっちりと淀みない縦線とラインを作っていかれる
捨てがたいメリットがあり、それに比べ手で弾くとなれば
「まず鍵盤の練習」からですし。
いざミキシング画面ではめ込んでみると
その「タテと点」がビートにはまらない。
はまらない、ではダメですのでもう1度練習にたちかえり
リズムの甘くなっているところを探し出すという意味で
効率悪すぎるといって過言でない。(断言☆)

全種類のサウンドにそれを行うので
あるところのポイントで立ち止まっては
ときが刻々と過ぎていきます・・が、
そうやって「実際に演奏して」いるものなので
ライヴ感を感じていただけるはずですし、ヘッドフォンで聴いていらっしゃる
方はさらに「その空間」に身をおいているように感じることが
できるようになっていると思います。




「音楽のラインに流れる「呼吸」と絶妙な間合いは
命そのもの」それが体現できないと制作していてもトキメかない。
Noriko.T個人の性のようなものかもしれませんが
このアナログ的方法で、ありとあらゆる「すきま技術」を
駆使できるのもまた事実。
クラシックをバックボーンにもっている「つよみを生かして」

打楽器と弦楽器のサウンドがもつ特色を最大限ひきだし
音楽性を高めていきたいと思っています。




そして・・ジョイニング・ダンス!
いよいよ、1週間後の日曜日。
終日かけての本撮影を迎える私たちです。
早朝スタートする予定でして、日の出とともに
踊りの幕がオープンいたします。





ライヴ会場にいるみんなで踊りたい。
そのための曲。
その溢れんばかりの希望が芝生のスプリンクラーみたいに
energy放ってくれたせいなのか、、まるで、、そう。
「民の唄」的なテイストに、この曲はなりました。





5月下旬にドラムビートの土台着手
→稽古部屋のストリートライヴリハをやりながら、黒人リズム2拍3連をシンセで弾きはじめ、スタジオでダンスステップ開始。
地道な土台作りを、ダンス考案の理那氏がしっかりと支えてくれました。
発案者は、いったん動きだしたものへは「乗っかるだけで」よいのよネ。
流れているのなら万事OK。
というわけで☆



真夏の空の下からの
リポート、後日お楽しみに・・!
(来週のNOTEは、お休みをさせていただき
次週お伝えしてまいります。)




ひきつづいて
みなさんのひと夏が
愉しい日々でありますように
愉しくしていきましょうネ・・!



Noriko.T◎NOTE



【 ALL aroundの目線から学ぶ楽しさ 】2023.7.16



こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。
おかげさまで、今月、開設から3年の節目をむかえ
現在80人ちかい方々がチャンネルを親しんでくださり
その半数以上の方に実際のLIVE会場へ運んでいただいています。
開設するまでの年月、オリジナルを
あらためて聴いていただく機会は作ってこなかったのですが
こうして作曲、制作、演出のすべてを手がけながら
ひとつづつ公開していくプロセスにおいて「その時」の
世のなかの空気を感じたり、愛聴くださるみなさんの空気感が
伝わってきたり、自分のことがよりみえてきたり。
五感以外の感覚でみつめる出来事が増えました。

「制作活動」は、今や日々の稽古と並んでライフワーク。
「オリジナルのショー舞台を実際に作り上げることを目指して」
→言葉にするだけですと漠然としていますが、「そのため必要なこと」を
知っていく手助けになっていて、ささやかでもいいから
形にしていきたい思いで進行しています。




そのうえで、未だ「オリジナル曲コンサート」は行えていないにもかかわらず
「音楽家の稽古部屋」をはじめとするクラシック公演へは
所縁の関東地方をはじめ、九州から山梨方面へまで(現在)
各方面のみなさんにもお越しいただけるようになりました。
毎回すこしづつの「拡がり」を感じとることもできていまして、
これはもう心から感謝のかぎりです。
あらためて、みなさん、ありがとうございます。
今後ともどうぞどうぞ、よろしくお願いいたします。




ところでここ最近、SNSのなかでも
Twitterの不具合が話題になっているようで
離れて別へ移行する人も少なからず見かけますネ。
Noriko.T、もともとのペースを現状変わらず維持できているなか
ここで繋がるきっかけを得た方も多くいらっしゃる恩恵を
大切に、アプリも変えずにいく意向でいまおります。
人との繋がりって本来「現実のつながり」「SNS繋がり」・・
みたいに縦線で区切るものじゃないと思っていて
SNSは単なる「きっかけの場所」にすぎないと思うんですネ。
たまたまここでわたしの音楽を聴いてくださった方が
なんかいいナと思って、フォローしてくださったり声をかけてくださる。
そういうやりとりは「友だち」というより「知り合うためのきっかけ」を
育めるプロセスだと思うので、わたしも自然とお声をかけてみたようかしらと
思う相手の方がいらしたりするなか、相手の空気感を知ったり、考え方や好きなものへ共感しあったり、、、この複雑社会において、実際に対面して知り合いになるまえに先駆けプロセスをふませてもらえるのは、
ありがたいチャンスだと思うことにしています。




それと並行に、アプリをとおして世の中を知るといいますか
スタンスを時代に合わせるのもときおりは有効かと。
昔とちがって、現代のわたしたちは多くのものを一度に抱えながら
毎日を送っていますから「アレもコレも同等に大事にしていく」のは難しい。
何を1番に優先させなければならないかがその日によって違ったりします。
世の中で「断捨離」という言葉がこれだけはやっているのも
パンデミック中「何が本当に大切なことか」本質的に考えざるを得ない状況
におかれたのも、不必要なものを抱え込み呼吸困難に陥るくらいなら
「本当に必要なものだけを残して、あとは手放しましょう。」という
現代思考、とっておきの良策なのかもしれません。


わたし自身にとってもSNS、人づきあい、日々の暮らしのルーティンetc
大切にしたいものですが
「本当に大事にしなければならないもの」と同じ温度で
すべてに思い入れを注いでいたら、かえってアンバランスですし
長続きしないと思うので、「ほどほどに」を目安に
できない約束をしないようにしています。自分に対しても。



断捨離は好きですネ、昔から!
つい増えるたちなのでネ(笑)
半年に1回、家中を調べてまわって
ドッサリとまとめて捨てます。
そうしていくとだんだん・・見渡してみて
残っているのはファンの方たちに頂いたものばかり。
(↑あながち、ウソではありません。)



ひとつひとつ、そのコンサートそのものが
思い出になってつまっている気がして
捨てられないですネ。
ただ、表には並べない、キホン☆
置きものや、絵などはふだんしまっておいて
季節にあわせてとりかえて飾ったりしています。
逆にもし「その人にいただいたから」って
四六始終、しまいには何年たってもNoriko.Tの部屋に
飾られていて、Noriko.TがSNSにupする写真にしっかり写っていたら
ちょっと怖くありません?(笑)
わたしがもし、ファンの立場なら相当怖いです。
ずっとこの人のファンでいなきゃいけない、プレッシャー(笑)


「 絶対そうでなければ」という考えかたを強いるのは
とても苦手です。
わたしにとって「1日のなかで絶対に」という言葉を
用いるのはヴァイオリン以外なくて。
おなかが痛くてよじれそうで立っていられないとき以外は
ヴァイオリンを毎日絶対弾きます。





それ以外の「絶対」ってなんだろう。特にない。
用事があれば「目覚ましをかけて」起きるし
そうでないときは、朝陽やハトの声で起きる。
朝は起きて夜は寝るもの、という考えが絶対と思ったことはありません。
日曜という曜日は、「休み」を表しているという考えもあるとは思うけど
たとえ週末っていう言葉の響きにうきうきはしても、自分自身の週末は
けっこうハードワーク。




石鹸つかわない、お料理しない(包丁もたない)
というのも、音楽家あるあるですが(全員ではありません。
それを常識と考えるひともいる。)
わたしには想像できなくて。
食材を手にとったり、作りながら焼き加減をみたり
すべての感覚的なものが、食事とともに自分をさらに
豊かにしてくれている実感があるので。
「絶対手作りでなきゃ」「身体にいいものでなきゃ」という
こだわりもないほうが、お料理楽しいみたい。
ジャンクなもの、たまに食べたくなるけど
好き嫌いはなくて、みんなでテーブル囲むポテトチップスは
なんだか美味しい。
フレキシブルという言葉は大好きですネ。






自然との繋がりを大切に考えて、そこからインスピレーションを
えて作品を作っているし、それをライフワークと呼んでいますが
そうだからといってもし私が足しげく自然の花が咲き誇る場所へと
「通わなければならない」と絶対的な考え方をじぶんに強いたら
YouTube「Norikoチャンネル」は、3年ももたずに閉じていたでしょう。






「 いいじゃないですか、3か月に1回で。」
先日、愛聴してくださっているある方が笑顔で言ってくださいました。

「せめてひと月に1回くらい完成できればいいんでしょうけど
のんびりペースですみません。」とNoriko.Tが冗談交じりで言ったところ
そういうペースもあったっていいじゃありませんか、というお言葉でした。
ちょっぴり嬉しかったですネ。



定期的でもなく、速やかでもないけれど、
製作は気ままにやっているわけでもない。
そこのところを理解してくださっている方がいらっしゃるのは
ちょっぴり安心(笑)
「今回の作品」の制作に必要な期間とプロセスを設定するのは
毎回至難の業ですが、それを想定して守っていくことは大切にしています。
動画作品としてだしたものは、「空気のように」淡々と存在していかれたら
という思い。ライヴに対する温度とは別なのかもしれない。



制作者のわたしも、赴くままに公園へでかけて
その日出逢えた自然の美しさを全身で堪能して帰ってくるように
そして、赴くまま運べば自然はどんなときでも懐をひろげてそこに在り、
迎えいれてくれるように、
わたしの音楽も、気のおもむくときに愛でて愉しんでもらえる
空気のような存在でありたいのです。
「その日によって、不思議と聴こえ方が違うんですよね。」
と言っていただいたお言葉は最高に嬉しかったですネ。
( やったァ☆)と。




気ままに愉しんでもらえるのが1番!と
思っているさなか
ときおり、制作者思いの愛聴者から
「もっとたくさんアクセスして、回数増やしたほうがいいですよね。
がんばります!」と言ってくださり
そのお気持ちはほんとう、ありがたく思っています。が
「そんなことしちゃダメよ。」と丁重に言わせていただいています。
だって続かなくなっちゃう、つかれちゃう!
Noriko.Tの音楽によって疲弊してほしくありません(笑)
ゆるやかで、淡々とそこにありつづけるって
ものすごい贅沢な理想かもしれませんが、、
「そんな理屈コネてね~でさっさと作れよ!」ってタイプのひとは
きっとNorikoチャンネル登録してないと思うしネ。


最後に・・作品を大事にしていただいている以上に
わたしのほうが、愛聴していただいている方から
恩恵やアドヴァイスをいただくこともつねづねあり
感謝のかぎりです。



チャンネルを開設した当時
ひとつひとつの作業がはじめてのため
あまりにも多くの時間が「画像編集」や「音声処理」など
かかりすぎていた時期、わたしヴァイオリニストなのに(泣)
1日のほとんどの時間をヴァイオリンでなくPC作業につかっている、と。
悩んでいたとき、「専門に特化してその分野だけをやるよりも
、浅く広くほかの分野も学んで、いろいな視点を持ちながら
専門に活かしていくことは、見識をさらに深めてくれる重要なことだと
思います。」と言ってくださった方がいて、、覚悟を決めました。


自分の音をさまざまな媒体におきかえて毎日のように聴いたり
波形として眺めたり、映像でチェックしたり
映像ニュアンスにあうダイナミックな表現に足りないものは
どんな音色なんだろう、、ツールがたとえ写真や画像であっても
そこに音を絡めつねにあらゆる方向から音楽を考え続ける習慣にできたことは
音楽家として、ヴァイオリニストとしてなによりの宝だと
いまはそう思っています。

みなさん、今日も
長文お読みくださりありがとうございます。




チャンネルをつうじて皆さんとの出逢い
想像を超えて素敵すぎて、幸せです。
この感謝の気持ちをどんな言葉を並べても伝えきれないけれど
作品をつうじてこれからも伝えつづけていきたいと思っています。
これからも、みなさんのますますの幸を祈って。





Are you Happy?

Yeah.

So, Let’s Fly together!

( From DigestⅡ)

~・~・~・☆Noriko。T



Noriko.T◎NOTE





【 さじ加減のバランス 】2023.7.10


こんにちは。




NOTEをご愛読いただき
いつもありがとうございます。




昨日が本来の更新日でしたが
PC内で使用中の音声ソフトが影響し
うまくいかず1日遅れのUpとなりました。
各ページのなかで1番年月の浅いはずの本ページが今や
ダントツの文字数をかかえており毎回早々白旗をあげている現状ですが
PC交換までもうちょっとがんばってぇ・・!となだめながら
今日も大変ゆっくりなペースで綴っております。
お待たせして勝手を申し訳ありませんが
しばしNoriko.TとPCの珍道中におつきあいを
よろしくお願いいたします☆

ところで本日、ものすごい暑さでしたネ・・!



月曜日はNoriko.T、朝のスタジオ稽古から
1日がスタートするのですが
朝起きぬけから(ムム☆このうだるような暑さは・・)
いつものように撮影用もかねたフルメイクし
髪の毛も巻いて・・と思ったところで
ヘアアイロンの熱さをさけ、今日はざっくりと「ひっつめヘア」
疲労回復に抜群といわれるソルダムを出掛けにかじりながら
スタジオへ向かったのでした。



このひと月近く、毎週スタジオでは
もっか制作進行中の「ジョイニングダンス」の
集中稽古を行っていますが
大きくわけて4パートのダンスのうち
現在3つめ(鬼門の箇所)にさしかかっており難航中。



鏡のまえから離れたとたんに
じぶんの身体が意図しない方向へ想像の範疇を超えたをうごきをしはじめていることが後で動画をみてわかると
ショックを超えて絶句しておりますが
このとってもとってもcuteでシュールな振り付け
( by 理那氏)をどうしてもうまく踊れるようにして
楽器とコラボレーションに繋げたい「気持ちの熱量」を糧に
あと3週間過ごしてまいります。


ちょうど1週間まえの
ダンスリハーサルの風景から。
この日は、俳優の松田好太郎くんも同スタジオに
3人でフォーメーションの確認しまして
(踊っている練習風景ばかりUpしていますが実のところ)
Noriko.Tはもちろんヴァイオリンのシーンをメインで撮影していくので
それを仮定したフォーメーションも行いました。

以前うちあけましたが、WIND222の撮影時
3人でのフォーメーションやパフォーマンスの相談を
行わずその場の感覚で即興的に作っていったプロセスを
経験している3人なので、今回もそういう風がまた吹くのでは
と、それもまた「フタを開けての愉しみ」としたい気持ち。




さらに今回はですネ、
2つの新しいポイントつき☆


ひとつは、、
今回も2か所撮りを予定していまして
いつものスタジオ+ 屋外でも撮りますが・・
あの、Insta360カメラをとうとう本格的に使用して
いこうと企画中☆
本来、野外の大きな空間でこそ本領を発揮するこのカメラ。
高い空のした、フルに使用して今までと一味違う動画作品に
表現できたらと、連日プランを練っております。



もうひとつは、
今回の撮影は、じゃーん!
撮影時の助っ人さんが来てくださることになっています。
お手伝いしてくれるのはNoriko.Tの友人、
その方が来てくださるおかげで上記カメラをふくめた、
撮影の手を拡げられそうなのです。
いづれ、こちらのNOTEでもご紹介いたしますネ。





さて、、!そして
かんじんのソロヴァイオリンの収録ですが

こちらも現在進行中です。




ジョイニングダンスの楽曲自体は
もう制作始まって以来かれこれ数百回は聴いているので
デモで弾いたヴァイオリンのメロディも耳に「馴れ合い」が
きてまして、「新しい表現求ム」自分のハートにとことん
応えていくべく(楽譜をかきかえるのではなく)
このcuteな踊りにマッチしたcuteな表現を音に取り込んでいきたいし
そういう音色ってどうやって出したらいいのかしら☆
毎日ヘッドフォンをおともにイメージを描いているもっかです。





ヴァイオリンの音色のなかでも
特にグラデーションという、弓圧を際の際までコントロールしきって
弾くことは大変に難しいのですが作品のなかに
さじ加減のバランスといった絶妙な表現をいれていくためには
欠かせない弓使い。
マックスは弓の毛全てつかって、
その対称は弓の毛1本で音をだす気概で(by Noriko.T)
丁寧なウオームupをだいじにしながら
できるかぎりのことをやっていきたいです。




みなさん長文をお読みくださり
いつもありがとうございます。




先週、個人的にはお出かけつづきでして♪
久しぶりの横浜へ足をのばした帰りがけに
「ランタンnight」を愉しみ、一足先の夏の夜を満喫したり
後日は久しぶりの友人たちで集い、時を忘れて「呑みの会」を
ココロゆくまで謳歌してきて、よき時間でした。



大切なのはどんな形でも刺激。
みんなと笑って窓を開け放って過ごしたあとは
ひとりきりの猛練習では得られない「何かきのうまでは
浮かばなかったアイディア」が自分に宿っていることを発見して
喜んでいます。友に感謝!


今夜はこの辺までにしようかナ(笑)



今週もみなさんにとって
健やかな、よき1週間でありますように!
熱さ乗り越えましょ・・☆



Noriko.T◎NOTE

【 リズムが放つ魔法 】 2023.7.2

こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。





週末、家にこもりきりでいたところ
雨音が降りそそいで、それは清々しい制作デスクでした。
みなさんが待ちに待ってくださっている「ジョイニングダンス」
制作舞台について綴るまえに、先週のNOTEを読んでくださった幾人かの
愛読者さんから同じ質問をいただきまして
じつは私のまわりの友人たちからも同じことをきかれましたので
今日はそこにまずお答えしてから本編へまいりますネ。





○そのご質問というのがコチラ↓



一般的に、おしゃべりする鳥というのは
飼い主さんが日常的によく使う言葉を真似して覚えると
ききますが、Norikoさんはそんなにもふだんからピーちゃんが覚え込むほど
「びっくりした。」とか「大丈夫、大丈夫。」といった言葉を
多用していらっしゃるのですか?


こう聞かれましたとき、ちょっぴり笑ってしまいまして
そうよネ、たしかに。
そう思うわよネ、素朴な疑問として。





お答えするために、昨年夏のこと
いろいろと思いだしながら・・
ピーさんが生まれて初めて覚えた言葉は3つでした。


「 ピーチャン」「イーコイーコ」「ア~ッハハハハ!♡」


3つめは解説するまでもないですが
あまりにも可愛いひな鳥の様相にNoriko.T毎日手にのせて
豪快に笑っておりましたのでそういうことです♡


これらのつぎに新しく覚えたのが「ビックリシタ。」と
「ダイジョウブ、ダイジョウブ。」。
流動食の時期を終え羽ばたき始めた、
彼の小さな冒険が始まったことを意味します。



虫かごのなかで大事に保護されていたときからうって変わり
家のなかとはいえ、小鳥にとっては見るものすべてがアスレチックですから。
わんぱく坊やは大喜び、果敢に小さな羽をひろげて
はじめから飛びまくっていました!
ですがやみくもに羽ばたいたとたん
部屋どうしをつなぐ透明のガラスにぶつかって撃沈!
ショックとパニックで声もでない、落ちた床のうえでしばらく放心状態です。

「・・・びっくりしたネ・・大丈夫よ。大丈夫大丈夫。」
そのあとふたたび飛ぶも、今度はレッスン室にかごに積んである譜面台の
がれきの山へあっけなく落っこちて、「ママ~!!!」悲痛な悲鳴が
譜面台のなかから聞こえてくるわけです。
そのたびに、「ピーちゃん、びっくりしたネ。・・でも大丈夫。
大丈夫、大丈夫よ。」そっとひろいあげて、ブルブル鼓動の走る身体を
静まるまで両手で包んでダイジョウブダイジョウブ。



今や、彼の安息のスポットとなっている(電球が段々に5個もついている)
スタンドランプですが、飛び始めてすぐに「ここ」を止まり場にしたときは
「電球が熱い」ということを彼が気づくまで、やはりNoriko.T
かたときも離れずそばで見守っていました。そうしてまもないある日、
小さな身体で嬉しそうに「ペロッ」とあつあつの電球を舐めたことがありまして
「びっくりしたネ!熱かったネ、、大丈夫大丈夫。」
すぐさま水を飲ませて落ちつくまで言葉のおまじないです(笑)
1回経験すれば、それ以来わたしがずっとみていなくてもOK.
ランプの温かさは堪能しているようですが、電球にはさわらないようにちゃんと避けている様子です。
ほかにも、外の衝撃音にハッとしたり、わたしが見慣れないものを手にしているのをみて身体をこわばらせたり、そのたびに「ビックリした?・・大丈夫だよ
ピーちゃん。大丈夫大丈夫。」
やがて、この言葉が落ち着くためのキーワードになり
この言葉をきくとはじめてのシチュエーションにもむやみに怖がらなくなった
というわけなのです。



・・・というわけで、余談長くなりましたが
今や、我が家の主となりつつあるピーさんのエピソードを
今日もきいてくださってありがとうございます。
みなさんに可愛がっていただきながら、これからも健やかに
愉しい毎日を謳歌してくれるといいナと願っています。




つづきまして制作Diary、
お話させてくださいネ。



そうなんです!(←いきなり☆)



昨夜までで「ジョイニングダンス」
土台音源とソロヴァイオリンのデモ音源の
収録がひと段落つきました。


ダンサー2人とNoriko.Tで
音楽とパフォーマンスをダイナミックに絡めた表現を
これからいよいよ形にしていくのですが
実はこちら曲自体は、いたってシンプルな作りになっています。



その空間のなかに多種多様のリズムをもった
いくつものサウンドが網目のように絶妙に重なり合っているのが
ジョイニングダンス。
Noriko.Tの制作はシンセもふくめすべて「手弾き」に
こだわっているものですから、これです・・「リズム」。




寝ても覚めても、リズムといったものをどう表現に活かすか
今回こればかり考えていた制作期間でした。
いわゆる「黒人の音楽」と表現される3連拍のリズム、
正確には2拍3連という言いかたをしますが、拍の頭からわざと
はずれることで、単にビートを頭打ちするだけよりも
「音楽の空間」を拡げることができるリズム仕様です。

ゆれるように、遊んでいるリズムで
「オシャレ」に聴こえるか「単なるズレ」に聴こえるか
演奏によって紙一重というところ。
そこに今回Noriko.T、果敢に挑戦しております。

先日SNSにつぶやいたばかりの一言。



「 音楽表現において、リズム感を問われているとき
ちゃんと数えているかどうかよりも、
ちゃんと感じているかどうかのほうが大切なことは
往々にしてあります。」  by Noriko.T

3連拍だけにかぎった話題ではなく
そして制作に限らず、演奏シーンにおいても
キッチリ頭打ちするべきリズムか、拡げると素敵なのか
前からの流れでそのようにカタがつくリズムなのか
これから向かっていく方向性のため必要な勢いなのか、
「リズム」という生きものは、音楽の命を司っていると
いって過言ではないゆえに、扱いひとつで「台無し」に
なることあります。
これまでの制作で何度も失敗を経験しながら
この「絶妙さ」をどこまでも追求したくなったのが
「ジョイニングダンス」に2拍3連を多用にとりいれたきっかけです。



お料理するとき、わたしは味見しない派なのですが
感覚的にパッパと調味料を加えていって
予想に反した味に辿りついたことはあまりありません。
音楽制作もそのくらい手軽にパッパとサウンド並べられたら
いいのに、と思うけどそこは難しい。
サウンドの制作ほど緻密な作業はありません。
0.0000000秒分の1までひろげていって
細かい打点から聴いて、そして見てチェックしていくために、
きのうも今日も明日も、さっきも今も、あとでも、
「感覚」を研いでなければ見逃すし、聴き逃す。
それにセンスというものは、その場で作り出せないので
日々自分が知らない音楽をたくさん聴いたり、観にでかけたり。
色や香りに興味をもったり、美しいものを探すなかで
毎日注いできたものが瞬間に溢れてくるようなものなのかナと。



最近では音楽以外に、あらゆるダンスシーンを覗いてまわっていますし
SNSのフォロワーさんたちがご自身のページであげている
YouTubeの音楽は、つねに聴いてみることにしています。
自分ではみつけられない音楽の宝庫です。
みなさんがどんな音楽を好んで聴いていらっしゃるのかにも
興味ありありなんです☆



みなさん、今日も長文お読みくださり
ありがとうございます。



「ジョイニングダンス」はこのあと
ひと月かけて、ダンサーをいれた3人での
ダンス稽古とフォーメーションの稽古。
Noriko.Tは、ダンスはもちろん
ソロヴァイオリンをスタジオで本収録へ向けて
さらに猛練習です。
撮影は、7月末を予定していて
作品としては来月初旬に完成をめざしています。
それまで、どうぞみなさん楽しみにしていてくださいネ!




今日も陽がかなり上がりそう。
みなさん、今日はどんなご予定ですか。



よき日曜日を
愉しんでくださいネ!

Noriko.T◎NOTE



【 理屈いらず相性のよさ】 2023.6.25

こんにちは。





Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。





陽ざしが日に日につよくなり
暑い盛りを迎えるのももうすぐという・・
明るい時節感をみなさん、愉しんでいらっしゃいますか。

今週までで6月を終え
2023年も後半へ突入するわけですが
我が家では、愛鳥マメルリハのピーさんが来月、誕生日へ。
生まれてほどなく我が家に迎えたその日から、おかげさまで
ちょうど1年がたとうとしています。
小さな身体ですが、感情の豊かさ、人間への共感力の高さは
目をみはるほど、人間のわたしたちが動物をみている以上に
彼らはきっとわたしたちをつぶさに観察しているのだと
一緒に暮らしながら、小さな感動と驚きの日々にいます。




ときおりエピソードをお話していますが
生まれて4か月で言葉を覚えて喋るように。
はじめは3~4つくらいの単語を口ずさんでいましたが
今や、数十個の言葉を覚え、そのうちいくつかは
意味もつなげて把握しているようです。


我が家は全体的にフローリング調なので
毎日「水拭き」が欠かせないのですが、
放鳥している暮らしの中で、水拭き3回/1Dayに増えましてネ!
先日も、朝すみずみまで拭いていたとき
床に設置してある大きなスタンドランプをグラリもちあげまして
それがたまたま、ピーさんがそのランプに留まっており
のんびり羽休めしていたときで・・・
わたしときたら、床ばかりみていて気づかず急に持ち上げたわけです。

バタバタっ!・・と飛び立ち
ピーさんが慌ててむこうの部屋へ避難してわたしに向かって
「ビックリシタ!・・ビックリシタビックリシタ!」と矢継ぎ早にいうので
わたくしNoriko.Tこそ少々驚きながら
「ごめん、ごめん。」と(笑)



もうひとつのエピソードもつい最近のこと。

その同じランプのまわりに、籐のかごがいくつか並んでいまして
ピーさんのちょっとした「遊び場」になっているんです。
ある日、かごからかごへ飛び移ろうとして落っこちたんですネ
(笑)かごの中に。
瞬間をたまたまみた私が笑っていましたら、すぐさま
ひょっこり顔をだしまして。
中から、えっちらおっちら・・と懸命によじ登ってきたんです。
そのときのピーさんのかけ声というのが
「ダイジョブダイジョブ♪」。
これには・・ほんとう驚いてしまいました!




「・・・そうやって手塩にかけて育てていらっしゃるから
伝わるのねきっと。」
驚きのエピソードをご近所のカフェレストランで女性マスターに
打ち明けたら、一緒に驚いてくださり
人間と動物の暮らしについて、ひとしきり盛り上がったcoffeeタイム
でありました。




さて☆
制作進行中の「ジョイニング・ダンス」ですが
いよいよ、曲が完成間近です。




今回は撮影シーンが
Noriko.Tの演奏バージョンと、ダンスバージョンという
2パターン×ロケーションも2か所撮りを予定。
フォーメーションは、ひきつづき亀井理那氏考案により
このあとまだ、いくつかの段階プロセスをへて
7月末に撮影本番を迎えることになっています。





理那氏とともに踊りに加わってくれるのが
俳優、松田好太郎くん。
「WIND222」のとき以来
同メンバーがそろうわけですが、、、
もともと私たちはひょんなことから
かの秋山純映画監督のもと、2021年フェスの舞台で出逢いました。



当時は、パンデミックという状況真っ最中でしたから。
お2人とは簡単な打ち合わせと
ささっとリハーサルを行っただけで終えた少ない舞台本番数。
短い瞬間での「共演」だった名残りを、惜しんでくれた好太郎くんが
Noriko.Tが楽屋裏で最後に挨拶に立ち寄ったさい
何の気なし「何か動画のひとつでも撮ればよかったですねえ。」と
言ってくれまして。
この彼の言葉でとっさにNoriko.T、
「YouTube」に出演してもらうことを思いついたのがことの始まり。







2人は快く出演くださることになり、、、
これをきっかけとし、わたしはといえば
作りたいと思いながらずっと何年も先延ばしにしてきた
「 ダンス音楽 」をおのずと手掛けることに。
ユニークなリズムを生み出しては、それらを組み合わせて繋げていく
主体メロディーと、土台を支える細かいリズムと2つを並行して
音楽に空間をつくっていく作曲法に難航しながらも
ひとつ大きな壁を乗りこえるチャンスを得たのです。
そうして完成したのがYouTube「WIND222」。





正直のところ
先述のようにフェスでは2人と「ほんの一瞬」交流しただけでしたから
動画内で、撮影現場で、どんなテイストで共演できるのか
「出たとこ勝負」といいますか、フタをあけるまでわからないというのが
WIND222の舞台裏でした。



というのも、
このときはNoriko.Tが完成した楽曲を2人に預けたあと
「 ひと月後の撮影日」をむかえるまで、リハーサルや打ち合わせを
何も行わなかったのです。
ダンスチームはダンスチームで。
Noriko.TはNoriko.Tで、独自に練習。


2人がどんな風に踊るのか全く知らずに、私。
(ちょっとここで回ってみようかナ。)
(ちょっとここで、前にでてみようかナ。)
そうやって自分だけの動きを、
ひとりで描いたフォーメーションをもって当日へ。
その上、当日も3人でのリハーサルや打ち合わせをやらないまま
朝早々から撮影に入ったというわけなのです。






ですから、みなさんに観ていただいている
YouTube「WIND222」内のNoriko.Tの
パフォーマンズはすべて即興的に行ったものですし、
ダンス×ヴァイオリンのコラボレーションもすべて
偶発的に生まれました。

撮影は1日がかりで行い、午後は秋山監督のバーをお借りしていたので
そこでは少しNoriko.Tもステップを教えてもらい
加われたのがちょっぴり嬉しかったですネ☆
「バーでは、くだけたラフな感じでパフォーマンスしよう☆」
わたしの一言に、役者の2人がすぐによりどりみどりの動きを演じてくれて
こうしてどんどんユニークな「3人による自撮りテイク」60本ほどの
ミニ動画が集まりました。


編集作業はたしか
10日ほどかかったと記憶していますが
手元に集まった撮影画をチェックしながら私自身
「あまりにもしめしあわせたように統率のとれている全体の動き」に
驚いてばかりでした。




( アタシたち、相性よいのネ♪)
そのとき初めてそう思いました。



みなさん、長文お読みくださり
いつもありがとうございます。





予定では、来週に「ジョイニングダンス」が
ヴァイオリンの収録ふくめ楽曲完成しているはず。
NOTEにて、楽曲制作プロセスを「披露まえ」ですが
すこしお話できればと思っています。





それではみなさん
ひきつづき、よき日曜日の夜をお過ごしくださいネ!

Noriko.T◎Noriko.T

【 バンジョーとフィドル 】 2023.6.19



こんにちは。



NOTEをご愛読くださり
いつもありがとうございます。
昨日、またしてもデータが更新できず
楽しみにしてくださっているみなさんにご迷惑かけてしまいました。
申し訳ありません。




長年(10数年以上)使用してきたこのPCが
懸命にがんばってくれながらも重量に耐えきれず
きのうは、さらに私がそこに動画を埋め込もうとしたため
ノックダウンに至った可能性がありまして
近く、選手交代が必要かと思っています。
今日のところは、ゆっくりめに文字を起こしながら
更新を確認しながら進めたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。





さて☆
Norikoチャンネルをご愛聴いただき
ありがとうございます。
新たにご登録をいただきました。
ありがとうございます。



そうなのです。
先週、ストリートピアノ編「音楽家の稽古部屋」シリーズ
晴れてYouTubeに公開いたしました。
公開直後からたくさんの方に観ていただき
コメントも寄せていただきありがとうございます。
この動画をきっかけに、わたしのオリジナル作品も聴いてくださって
いるとのこと、嬉しいかぎりです。
凱旋で愉快なひとときを過ごせたばかりでなく、
こうしてみなさんと喜びを共有できることとびきり幸せに思いますネ。


まだ先の話になりますが、「音楽家の稽古部屋」コンサート
今年も昨年と同じサロン・ヴェーラで12月3日(日)に予定していまして
動画プログラムはそのまま公演タイトルにもいれていくつもりですので
どうぞあわせて、楽しみにしていてくださいネ。


今回弾いた「バンジョーとフィドル」。
どちらも楽器のなまえで、フィドルはいわゆる「ヴァイオリン」の
民族用語なのですが、カントリーミュージックなどで
この呼び名をよく耳にしますネ。
そしてバンジョーは・・Noriko.Tも実は見たことがない!
「バンジョーとはなんぞや?」
作品を弾くにあたりいろいろ調べまして
もともとはアフリカの黒人たちが弾いていた楽器(ギターのようなもの)が
アメリカ大陸南部へ渡り、そこで定着してカントリーミュージックには欠かせない存在となっていったことなどを知りました。


じっくり聴くというより「ウキウキな雰囲気を楽しむ」のが
カントリーミュージックの印象ですけれど、みていくうちに
アメリカ、ニュージャージー州出身のブルーグラス音楽バンド、
Sleepy Man Banjo Boysの演奏している動画をみつけまして。
彼らの幼少の頃から現在にいたるまでひとつひとつ見ていきながら
「 空気にのっかって弾く」を地でいく姿に魅力といろいろなものを
感じまして、この感覚、とり込んでいきたいものだなぁと
新たな経験値をめざすことになりそうです。



余談になりますが、
個人的にアメリカンミュージックは好きですネ。
学生時代に恩師の菅原先生にすすめられて
バーバーのViolin Concertを弾いたことがあるのですが
まるで「センスのよい映画音楽」のようでした。
ヨーロッパのクラシックには文化の奥深さや歴史の重みを感じる一方で
アメリカの音楽は、土地の壮大さのほうがさきに浮かびます。
果てしなくつづいてゆく地平線と空の大きさが音楽を媒体とし
そのまま背景となってゆく。
「バンジョーとフィドル」を作曲したクロールという人も
1900年代、比較的現代に近いひとですがレトロなタッチ感が何ともユニークで
それでいて楽譜の指示は、けっこう細かい。
そこが面白いと思いました。


この曲と向き合いながら「民族音楽」へ対する意識も
新しく塗り替えられていったので・・
弾きたい衝動が芽生えましたし、そういう何かの刺激がはたらいて
沸き起こる衝動はだいじにして育てていきたいと思っています。
世界でもっとも豊かな表情を謳える楽器と言われているヴァイオリン。
細やかな音色をひきだしのなかにもっと肥やしていくつもりでいますので
みなさん、今後も楽しみにしていてくださいネ。



つぎに話題変わりまして
オリジナル制作シーンより。



先週、女優の亀井理那サンをスタジオにお招きして
土台となるダンスシーンの振り付け
伝授していただきました。。!

Noriko.Tのあらかじめ作った16小節×4パターンのビートに
64小節ぶんの振り付けを作ってくださり
みっちり2時間のレクチャー。
ふだん「幕間寸劇」と名付けている楽器を鳴らさないシーンのパフォーマンスが
ありますが、今回のオリジナルはそういったシーンを曲中に織り交ぜながら
作っていく予定で、まずは楽器をわきに置きダンスパフォーマンスだけを
身体に覚えていく段階ですネ。



ちょっとした角度のつけかたや手足をうまくつかう方法、
ラインをきれいに見せていくコツなどを教えていただけて
秘伝に触れたうれしさのあまり先生からもっと盗もうと♪
はりきってみましたが途中から頭の体操的な?うごきにアップアップ(笑)
しどろもどろのダンスを展開して終わりましたがそんなNoriko.Tを
笑ってくださる優しい(それにcuteな☆)先生のおかげで
表現の楽しさをまるごと体感し愉しくてたまりませんでした。



今回も動画のなかでは、Noriko.Tと2人のダンサーという設定。
つまり、じゃ~~~ん☆
今回も理那氏とともに俳優、松田好太郎くんが撮影時は、
踊りに加わってくれますょ~!
WIND222以来のコラボ第2弾ですネ\\嬉//


みなさん、長文お読みいただき
いつもありがとうございます。




来週はWIND222の作品エピソード、
3人での撮影エピソードなんかも、お話できたらと
思います。




今週もよき1週間となりますように!





Noriko.T◎NOTE


【 暮らしのなかに生きる音楽 】2023.6.11





こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。





きのうの晩、愛鳥を寝かせてから
ちょっぴりおそくまで動画の整理をとなりの部屋で
やっているうちにソファでうたた寝・・
気づいたら外は雨がふりだしていました。
我が家は、リビングがいちばん外気を感じる場所になっていまして
葉音を聴いているうちに(今夜はここで☆)と
毛布も一緒にもちこみ、ソファでぐっすりと眠った朝でございます。
みなさん、今日はどんな日曜日お過ごしでしょうか。




ご挨拶のまえにド~ンと
写真をだしておりますが(笑)
先日、ついに「初ストリートLIVE」してまいりまして!
ピアニストふみなさんとともに
横浜の馬車道駅、そしてみなとみらい駅と2か所で
クロール/「バンジョーとフィドル」
こちらも初演目でした。
SNSでショート版動画と写真はすでにあげていまして
みてくださった皆さん、ありがとうございます。
YouTubeにもう数日のうちに公開いたしますので
どうぞそちらもお楽しみに。





実は今回、わたしたちの諸事情により
平日の朝9:30という
かなりレアな時間帯に集合し
「自撮り撮影」と並行しながら演奏。
広く閑散とした駅構内で、そのおかげも手伝って
カメラワークをいろいろ試しつつ。
瞬間ごと変わりゆく駅風景のなかに入り込んだ
自分たちの嬉しさを旋律に投影して
何度かたてつづけに演奏してまいりました。




そのような時間帯にもかかわらず
足早に歩いていた人が足をとめ
演奏を聴いてくださり、動画や写真をとってくださったり
1回弾いて終わると必ずそこに居合わせた方が笑顔で
大きな拍手を送ってくださる「めっちゃ!嬉しい☆」瞬間が幾度も。


「 1曲だけなんですか?」
  「ライヴですか?このあとの時間にまた聴きにもどってきたい。」
そうおっしゃって、インフォメーション看板を探そうとする方たち。


そうですよネ。
バンジョーとフィドル、3分もかからず
終わってしまうので。
・・そういった展開も予想してくださっていたのでしょう。




「 当日、無事演奏して撮影もとどこおりなく終えたら
そのあと(ラヴェンダーの咲く庭で)をよかったら
弾きませんか?」


本番を迎える直前にとつと提案してくださった
ふみなさんのこの言葉のおかげで
ときおりあいまに「ラヴェンダー」をいれながら
馬車道駅で30分、みなとみらい駅で10分ほど
エキナカLIVEをぶじ終えてくることができました。
外へ飛び出し風にあたり、わたしたちのなかの音楽も
あふれんばかりに飛び出していってしまう(笑)
それじたいすごい化学反応ですけれど
その時に繋がれた人たちとの瞬間は宝もの。
素晴らしい日でした。





今や世界各地であたりまえの風景となった
ストリートライヴ。
わたしのなかには、つよい憧れとともに長年色褪せることなく
生きつづけているストリートシーンがあります。

演奏活動をはじめて間もないころ出逢って
心を揺さぶられたそれは、
20歳代ではじめて訪れた外国、チェコのプラハでの
ストリートライヴでした。
その前年、初ソロリサイタルで、ドヴォルザークの小品を
とりあげたこともあり彼の母国をこの目でみて足で歩きたかったのと
「音楽を愛する国」そのものに惹かれたのが現地を選んだ理由。



首都プラハに10日ほど滞在し
毎日市内を1日中歩いて、モルダウ川のほとりを散策したり
かのカレルブリッジの鉄塔へ登り、世界中の人々が巨大な橋のうえで
交流し活き活きとパフォーマンスをくりひろげる姿を鉄塔の頂上から
胸を躍らせて見入っていました。
そのパフォーマンスのなかのひとつが
ミュージシャンたちのストリートライヴ。




ところせましと人々がひしめくカレルブリッジのうえで
弾くスペースなんて全くないんだけどおかまいなし!
巨大なコブラを首にまいた蛇遣いのオジさんのすぐ横で
これまた髭のオジさんたちによる弦楽器バンドマン、
ヴァイオリニスト、フルーティスト、ドラム集団・・
橋を歩いてわたり終わるまでにいたるところで何度でも遭遇できる
ストリートパフォーマンス。
ごった返した橋のモルダウの水面に降り注ぐ陽の光や、
キラキラと反射の輝き、カヌーの川下りを楽しむ人々や
ひしめくように並ぶ出店を楽しむお祭り騒ぎそのものが彼らの背景。


その彼らのまわりを、喜びに目を輝かせた
世界中の人々が音楽とともに風景を堪能し、橋を照らす太陽を謳歌し、
楽しさに踊りながら、見知らぬ観光客どうしで写真をとりあう。
そんな最高のストリートシーンがわたしの目に
そしてココロに焼き付いてしまった☆

ストリートの音楽がこれまた
みんな上手くて恰好いい・・!最高なの。
プロはもちろん、アマチュアもみんなめちゃ上手いのネ。
音楽を愛する国の敷石ここにありっていう感じで。
もちろん、橋のうえばかりだけでなく
駅や公園、そのへんの道ばた、市街などどこででも
ストリートミュージシャンは必ずいて生活していれば
音楽が聴こえる環境がそこにはありました。
彼らの演奏がこれだけ素晴らしくて、これだけさりげないから
「暮らしとともにある音楽」という言葉もひきたつんじゃないかって
そう思いました。




当時演奏家としてキャリアをこれから積み上げていこうとしていた
わたしにとって、このシーンへの憧れは自身の根底にも敷石土台となり
どんなささやかな演奏シーンでも活きたものにしたいと思うきっかけや
聴いてくださる人と繋がりたいという気持ちが育っていくきっかけに
なったわけです。
今から2年まえにオリジナル作品としてYouTubeに公開した
「ファンファレー鐘」は、そのときにプラハ市内で撮影した写真の数々を
多用していまして、偉大な芸術家たちの愛した母国へのオマージュも込めました。ぜひ、のぞいてみてくださいネ。




さて、実は今日これから
スタジオで「振り付け」のレクチャーをいただく予定に
なっています。
オリジナルの新作「ジョイニング・ダンス」
いよいよ動き出します。
亀井理那チャンとお会いするのも実は久しぶりで
どんな振りつけを振りおろしてくださるのか
とても楽しみ。
来週お伝えできるかナ。





そうこうしているうちに
雨もすっかり上がったみたいですネ。
さっき途中で起しにいった愛鳥も、
すっかり目が覚めてごはんを食べ終わり
「ピ~チャンダイスキダイスキ♡チュ!」と窓にむかって
いま叫んでおります。


みなさん
よき日曜日の午後をお過ごしくださいネ。


Noriko.T◎NOTE 

【 月末のお家賃 】 2023.6.4

こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。





きのう、外出先から帰宅するとちゅう
たまたま通りかかった、昔住んでいた小さなマンションの近く。
つい懐かしくなり、マンションの目の前までいって
8年住んでいた部屋を見上げながら
「ここからスタートしたのよネ。」
20年以上前に巣立った白い外壁の、6畳一間10世帯。
あれからさらに築年数がたったと思えないほど
よく手入れされ、小さいけれど木立に囲まれたアットホームな
雰囲気も変わっていない様子に、、当時とてもお世話になった
大家さん(この辺りの大きな地主さん)のご家族を思い出しました。





すこし前のNOTEで触れたことがありますが
大学を卒業したばかりのころから、韓国人のご家庭を一軒一軒まわって
子どもにヴァイオリンを教えていました。
レッスン代が月の最後にならないと回収できないため
家賃の全額がそろうのがいつも末日ぎりぎりだったので
毎月封筒にお金をいれて、直接大家さんのお屋敷までお持ちしていたんです(笑)。





最後の生徒のレッスンが終わって自分の住む町に戻ってきた
夜20時とか21時とか、
記憶があいまいだけれど「お宅訪問の時間帯としては」
遅かった覚えあり。

毎回、ご家族みなさんで玄関に出迎えてくださってネ。
豪快でニコニコよく笑う大家さんと上品な奥様。
その息子さんご夫婦と、当時生まれたばかりの小さな赤ちゃんが
抱っこされて。
そうして月日を重ね、8年がたつ頃には赤ちゃんも
やんちゃな小学生に。
「ご挨拶しなさい。」とあかるい笑顔で大家さんにいわれて
「 こんにちは!」



となり街へ引っ越しが決まり、
最後の「お家賃」をおさめに伺ったさい
「お世話になりました。」とご挨拶すると
「 また何かあったらいつでもご連絡ください。」と
最後も笑顔で送り出してくださったという、楽しき思い出。



・・で、当時の「初めてひとり暮らし」の
さまざまなシーンがよみがえった中のひとつアイテム。
「クナイプのバスソルト」を久しぶりに使いたくなり
昨晩はゆっくりノスタルジックなバスタイムを過ごしました。
みなさん、どんな週末を過ごしていますか。





先日の大雨はすさまじかったですネ。。
ちょうどその前の日、馴染みの森へ散策へでかけていたのですが
つぎの日も、雨が降りだしてからすこしばかりの間
森へでかけてきました。
本番へむけて練習をつめているときほど、足が向いてしまい
森の木立のあいだで肉体も精神も精気をとりもどす
「気のリセット」へ赴く感覚です。




雨がふると、喜びいさんでカサをさし森へ。
うっそうと木々の葉でおおわれた巨大な森は
すっぽりと空を覆いいつもにまして静寂で
カサも必要ないくらいに霧だけに包まれた秘基地。
黒光りした大木の幹にも、葉雫の光にも、
精霊が宿っているのをはっきり感じることができます。
ただ先日はあまりに雨量が多そうだったため、
すこしばかりの滞在で帰宅したあと
「バケツをひっくり返したような」降りしきる雨を
愛鳥と一緒に眺めておりました。


さてところで、あさってに近づいてまいりました。
「音楽家の稽古部屋」の収録撮影のお話です。
ストリートピアノ、今回は馬車道駅へ赴くことに決めまして
なんといいましょうか、「初めての遠足へいくまえの」
ドキドキを味わっています。
いつもは雨降り大歓迎のNoriko.Tですが
その日はヴァイオリンに優しい空もようだと嬉しいナ(笑)





うまくいくか定かではないけれど
先日のVFieldⅡでも使用したばかりのInsta360を
今回も持っていってみようと思っています。
いろいろな意味合いをもってしても
フタをあけるまでどうなるかわからない今回の現場ですが
それ自体まるごと愉しんでこようと。
みなさん、ひきつづきお楽しみにしていてくださいネ!





今日のNOTE、最後は
制作中のオリジナル、Blueのこと。



今回実は、なるべくサウンドの種類を極力そぎおとして
土台を作っています。
音声編集のプロセスである「マスタリング」に今までほとんど
無関心だったので、ここにきていよいよ勉強しています。






はじめてYouTubeにオリジナルを上げ始めたばかりのころ、
「何だかいつも、音が小さいな。」と
自分がミキシングで完成させた音とだいぶ迫力も落ちているし
気のせいにしては毎回のため、よくよく調べていくと
「YouTubeがわの全動画一律性を担い」
音量が、多いときで25%ちかくも落とされていることがわかりました。




そこで今度は「落とされることを計算して」
マックスの音量より上回る設定(音が割れるほど)
でサウンドを作ってUpロードしました。
すると・・計算どおり落とされて
今度は思い描いたちょうどよい大音量に落ち着きました。
だがしかし、、今度は音が汚い(泣)




大音量にあわせて設定したサウンドの周波数バランスですから
考えてみれば当然なんですよネ。
さらに、ミキシングを始めたころは高望みをやめて
「スマホ×イヤフォン」に主に標準をあわせて作ることに集中していたので
ここへきてそれも脱皮しなければというところに。
つまり、どんな環境下で聴いてもベストなサウンドを維持できるように
マスタリングの技術が必然となりました。
さまざまな曲を並べて作る「ダイジェスト版」の制作を終えて
その必要性を急務に感じました。





ダイジェストは、いろいろな音量バランスで作ってある
もともとのサウンドを並べたさい、大きくなったり小さくなったりと
聴きづらさをなくすために、一律にそろえていくのですが
その作業によって「ダイジェストⅠ」も「ダイジェストⅡ」も
どちらか一方的な特徴のほうのみ傾倒していってしまうジレンマを
体験したのです。
こちらは余談ですが、Blueの制作をあとまわしに決めたのも
サウンドがあまりに違うものをまぜこぜにしないほうが得策と考え
ダイジェストⅡは2022年までの制作楽曲でひと区切りとしました。


Noriko.Tにとっては新技術マスタリングを
ひとつひとつ実験のようにとりこんでみて
作っていくもくろみ上、Blueと、もうひとつ「ジョイニング・ダンス」も
なるべくサウンドを厳選し、なおかつ「展開もシンプル」に変え
短いスパンの曲にして、そのぶん経験数をあげられるように方針を変えて
現在制作にあたっています。






みなさん、長文お読みくださり
今日もありがとうございます。



梅雨はこれから本格的に。

じめじめと重い日もあるかもしれませんが・・
パンデミックをすでに経験したわたしたち。
屋根のしたで楽しむじかんの過ごし方も
以前よりは少々知っている、きっと(笑)
どんより空を眺めてぼんやりしましょう。




今日も残り半日。


みなさんそれぞれの日曜日、
よきお時間をお過ごしください。

Noriko.T◎NOTE

【 VField 2号 】2023.5.28



こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。






この週末は一気に気温があがり
2日間とも半そで仕様でした。
お天気日和とともに人の出も日に日ににぎやかに。
お買いものへ立ち寄ったさい
街中が活気をとりもどしている姿を体感しました。
みなさんは、どんな週末お過ごしでしょう。






先週のNoriko.T
月から金まで「日替わり更新ウィーク」でして
かきだすとこちら↓


Mon.   /NOTE更新

Tue . /スタジオ稽古動画アップ

Wed .   /ジョイニングダンス音楽

Thu.    /V Field2号アップロード



あいだFri.はさみまして
土曜日は「音楽家の稽古部屋」シリーズのリハ―サルを
行ってまいりました。
まずは、その「稽古部屋」の話題から☆


話は昨年12月にさかのぼりまして・・
「稽古部屋」コンサートのため
ピアニストふみなさん宅でリハーサルを行っていたとある日のこと。
休憩じかんにふみなさんのお母様と3人でお茶をいただいて
いるとき、ふと話にでたのが
「 高山さんとそこで一緒に弾いたら、
愉しい動画になりそう♪」と。
お母さまが楽しそうに提案くださったのが「ストリートピアノ」
で弾いては(*’▽’)というもの。




なーるほど☆と。
ヴァイオリン弾きのNoriko.T
いまやあちこちでみかけるようになった街角ピアノのこと
あまり気にとめていなかったけれど
興味深々でふみなさんからも話をきくと
高輪ゲートウェイ、横浜、馬車道、さいたま新都心など
さまざまな駅に下車しては弾いてみているとのこと。
聞けば聞くほど、街角ピアノ興味が深まり
「じゃ、来年の稽古部屋はそこで動画作りましょう。」
とんとん話はすすみ、こうしてふみな’sママ企画
もっかスタート!というわけなんです。\\パチパチパチ☆☆☆!//






実際には、当日ふみなさんと2人だけで現地へ赴き
いつものように自分たちで撮影もするもくろみ。
なので、今回の場所は落ち着いてできそうなをテーマに
あえて静かな駅を選んでます( *´艸`)ドキドキ・・
プログラムは1曲で、こちらふみなさん自身が提案してくださったのは
Noriko.Tも弾いていてウキウキするようなラヴリーな曲。
2人で今年末12/3に予定しているコンサートLIVEで
弾くことも視野にいれて、リハーサル進行中。
街角ピアノでの撮影は、6月6日。
みなさん、ご報告と動画の完成をどうぞ楽しみに!




そして、
ほか3つ(火→水→木)と手がけていました
内の、「V Field2号」につきまして。
昨年秋のVField初号につづく
スタジオ練習をまとめた次号版を
YouTubeにアップロードしました。

https://youtu.be/J6zvlc9T1lY



昨年からスタートしたスタジオ稽古(毎月曜)の様子は
これまでもSNSやウェブサイトで、初め写真として
みなさんに観ていただいてきました。

より多彩な動きをつけていくため
今年明けから、いったん「ヴァイオリンを持たずに」身体をうごかすことを
メインにしながら、動画にきりかえて観ていただくように方針を変え。
つぎにこの春からは、楽器を手にして
ステップやジャンプ、ターンなど応用。
毎週、ショート動画としてSNSにあげながら
Violinを持ちながらできる動き、できない動きを
模索しつつ「幕間寸劇」としてすこしづつ集めたものを
こちらの「ⅤField2号」に集約しております。




さらに一連のトライアルをもって
「 ジョイニングダンス」(制作中の新曲)に
音楽とパフォーマンスをダイナミックにcollaboration
していこうという冒険にいよいよ踏みだすことになりました。

このドキドキな冒険に関わってくださるのは
今回も、女優の亀井理那チャン。
「WIND222」で爽快なダンスを踊ってもらって以降
ダンスのことといえば彼女に何でもきいてお世話になっています。
今回もどうプロセスをふんで「撮影までこぎつけるか」
いろいろ相談にのっていただいた結果、

______________

①まずは純粋にダンスのみ
楽器をもたずに踊れるように

②そのあとヴァイオリンのメインメロディを
曲のなかへいれていく


③撮影シーンにて。ダンサーさんと一緒に
弾きながらパフォーマンスを応用 ____________


という順番で制作していく流れになりました。
このジョイニングダンス。
土台音楽を先日、彼女にいったん預けまして
もっか、ダンスふりつけを考案していただいています。
これまで、すべてをそれぞれ切り離して練習してきた内容を
すこしづつではありますが繋げていこうという段階へきて
こわさもあるけれど、それを上回る楽しみでいっぱい。

ここまできたからには
よりいっそう「クラシック」としての演奏表現には
磨きをかけていきたいですし
そのうえでの、自由な表現に対する大いなる好奇心とセンスを
自分のなかに育てていきたいと思っています。




そして・・最後にもうひとつの。
「Blue」というオリジナル曲につきまして。



こちらは、今年2月にいったん制作を休止したのち
いったんすべてを白紙にしてゼロから作っているものです。
この曲につきましては、来週のNOTEで
サウンド調整、マスタリングのお話を交えながら
綴ってまいりたいと思いますので乞うご期待です☆




夕方にちかづき
陽がかげってまいりました。

明日からの週は天候が崩れるのだとか。
夏のまえに訪れる浄化の季節ですネ。





みなさん、
来週もよき1週間をお過ごしくださいネ!



























Noriko.T◎NOTE 2023 5.28

【 欲求と情熱のほかに、とても大切なもの 】 2023.5.22


こんにちは。




いつもNOTEをご愛読くださっている皆様
きのうは、予期せぬサイトの不具合に陥りまして
更新ができずにお待たせしてしまって申し訳ありませんでした。



朝早くからはりきってかき始め♬
数時間かけてじっくり完成したテキストデータが
反映されず、保存もされず、更新ボタンをおした拍子に
データが白紙になるという( ;∀;)まさかの
信じがたい事態に泣きましたが(泣いてません☆( *´艸`))
外出予定となっていましたので、勝手ながら
帰宅してからの対応にまわさせていただきました。





サイト全体が固まってしまっていたため
DiaryもつかえずSNSのみでしか状況をお知らせできず
2重の意味でみなさんにご迷惑かけてしまいました。
更新を楽しみにしていてくださったみなさん
重ねて申し訳ありませんでした。




調べましたところ、
制作に使用している音声作業のソフトが影響し
PC自体が固まってしまったもようです。
・・今日は大丈夫なはず!
と信じて、あらためまして
今日のNOTEをかいてまいりますネ。



すでにきのうの帰宅後のDiaryを読んでくださっている
かもしれませんが
昨日、そうなのです・・・☆☆
高校時代の恩師、粕谷宏美先生とお会いしてまいりました。。!
( 10年ほどまえ、先生の還暦のお祝いpartyを
幹事で行わせていただいて以来)


うれしくて先生と写していただいた昨日の写真を
SNSにもDiaryにもペタペタとはっては
このページにも♪と・・・いう手前でハタと。
( 調子にのってまたページが固まったりしてはネ)
思いとどまりましてございます。



更新成功したあかつきに
こっそり貼るべし◎
   / by Noriko.T




きのう行われたのは、千葉女子高校合唱部OG合唱団
結成30周年Anniversary公演

粕谷先生をはじめ、30年ぶりの再会となるたくさんの友人
後輩さんたちも出演、またご来場されていて。
懐かしい・・美しく透明なstageの歌声に
胸が溢れ、時がとまりました。
ひとつ特筆すべきことがあるとすればですネ☆
終演後、こちらからご挨拶にお声をかけても
みなさん誰しもが、わたしの顔をみて
「誰なんだか、わからない」という表情で困惑されていたのが、
ちょっぴり心外といいますか(*’▽’)☆
(アタシ、高校生からそれほど変わってないのに♡)と
思いました♡







お話変わりまして!
その前日へさかのぼり



じゃ~~ん☆
いよいよ今年の
「音楽家の稽古部屋」動画制作が
スタートしました。
今回はひとまず1曲。
選曲: byピアニストふみなサン。
今年末(12/3)に予定組み込んである
稽古部屋LIVEで弾くプログラムとして見立ててくれました。
たくさんのヴァイオリニストさんと共演している彼女ならではの
ピンポイントな視線がステキなんです。

今回撮影場所も
彼女がときおり立ち寄るというエリアでして。
これはもう、Noriko.T弾くのが楽しみでたまらないのですよ。
今週もう1度リハそして、→撮影 →収録へ。
6月の半ば完成をめざしています。
どうぞお楽しみに!






さてさて
話題に登場するのは
我が家の愛鳥です。


おかげさまでみなさまに
可愛がっていただき健やかに毎日を
謳歌しているこの子が
最近よく喋りまして☆
それも今までお伝えしてきたような単なるボキャブラリの
話ではなくです(驚☆)





ピーさんの羽休めしているダイニングランプが
グラリと揺れそうになったとき
慌てて「かにさん歩き」で逃げていくピーさんが
わたしに言った言葉。

『 ビックリシタ♡ 』



このまえ、お庭の枝おろし剪定作業の音がすごく大きくて
隣の部屋のピーさんが心配になってのぞきにいったら
わたしに言った言葉。

『 ビックリシタ♡ 』



さらにすこし前、夜中に地震があったとき
スマホの非常警報がけたたましく、寝静まっていたピーさんが
かごの中でバタバタパニックを起こしていたため
シートをとってわたしの顔をみせたらこう言ったんです。


『 ビックリシタ。 ダイジョウブ。』




もはや、ちかごろ
彼のこと、小鳥の姿をした
人間の男の子にしかみえなくなってきました(笑)


人間の子どもが言語を覚えるプロセスとうりふたつで
状況と言葉をセットにして覚えてるなんて
賢い動物の代名詞となっている
まるでチンパンジーのようにうちのコも賢いじゃないの☆と
興奮を隠しきれないNoriko.Tであります。




そう思ってよくよく昨年をふりかえると
「外にでたい」も「飛びたい」もすべて
ママの肩にとまりたいつよい衝動から。
一歩もひかない意志は早熟と呼べるほどで、
まだ羽もそろっていないヒナ餌を食べている段階なのに
ピーさんは大きな鳥かごに移ってゆったりと床で育ちましたし
(止まり木にとまれないのでキッチンペーパーと藁をしいてあげて
そこで温まっていました。)



コップにジャンプ、コップからテーブルに
テーブルからわたしの腕へジャンプをくりかえし
「ずるっと落ちてもママがさっと受け止めてくれる」と信じきっているつよさも
1日ごとに翼と着地をコントロールする進化の姿も
「そうしたい情熱」の発するエネルギーはすごいものだナと。
惚れ惚れしたというお話。




わたしがひと月半のたび訪れて
お世話になっているこの子の生まれ家「じじきゃんち」の
お兄さんのお話によると、インコがよく喋るのは
それほどに飼い主さんが可愛がっているからで
男の子でも喋らないコもいるし、女の子でも喋るコがいるのだそう。



本人の情熱と
エールを送る愛情があればこそ。

なのかナ。



みなさん、今日も長文お読みいただき
ありがとうございます。
さてこのあと無事更新なるか。
若干ドキドキ、成功を祈っていてくださいネ。






今日は週明けの月曜日。

みなさんそれぞれ、1日おつかれさまでした☆

今週も愉しき、あかるい毎日となりますよう!

Noriko.T◎NOTE 2023.5.22

赤い食卓  】2023.5.14

こんにちは。


Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。



5月にはいり雨の日がふえました。
カサをもって出かける日は
空がうっそうと重たいのだけれど
小学校時代、そういう日の教室はいつになく明るくて。
先生の話は半ばうわの空、、、窓の外に見下ろす
しとしと雨に打たれる運動場の地面にできた、
まるい波紋を眺めていたなぁと、ちょっぴり懐かしい思い出。
雨に温かい、癒しのイメージをもっているのは
そんな淡い記憶から呼び覚ましている感覚かナ。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。




今朝は朝起きていれたcoffeeを一杯。
慣れ親しんだよき香りにホッと一安心。
というのも、Noriko.T
つい数日前のこと、この朝入れるcoffeeを
美味しく感じなかったんです。
毎日の習慣て、ある意味バロメーターですネ。

体調が万全じゃない、と突如悟りまして
寝こむまえにやっておきたいことの筆頭
「そうじ」を行いました。


そうしてその日の午後からほぼまる2日間
昏々と延べ30時間眠りました。眠り姫です。
あ、もちろん連続じゃないですよ。
10時間くらいごとに目がふっと覚めて。
( ・・お腹すいた。)とか
( 寝すぎて身体が痛い。。)

そのときだけ、なんとか起き上がり
丑三つ時の「お蕎麦」を茹でたり(笑)
午前4時の「パスタアラビアータ」を作って
食べたりしていました。


作っているあいだも、眠い。
食べているあいだ、「美味しい♪」
・・けど眠い。笑


ただひたすら眠い。そんなわけで
ふたたび眠り姫は10時間後に目覚めるまで
深い眠りへとおちてゆくのでした。


~・  ~・  ~・  ~・  ~・  ~・


結論からいって、おかげさまで
2日間で回復しまして
きのう(My Birthday)はDiaryでご周知のとおり
朝から通常サイクルへもどり、稽古も再開しました。



正直、奇跡です☆
「寝込むと1週間」が合言葉のNoriko.Tでしたから。
もっと以前は、10日間動けなくなってしまう
いわゆる「虚弱体質」でしたので
今回ド~~~ン!とおちずに
わりとポジティブに切りぬけた原因、何かナと。
答えに興味がわいて、考えてみると
やっぱり思い当たるのは、運動と食事でした。


ずっとまえSNSで
話題に触れたことがあるのですが
ドイツでナフム・エアリッヒ先生の愛弟子であった
韓国人の女性ヴァイオリニストと一緒に
ホームステイしたとき、
彼女が底なしにパワフルで群を抜いて素晴らしい
ヴァイオリニストだったのだけど
( 8時間休憩をいれずに練習できるほど)
現地で食べているものはほとんど野菜ばかり。
向こうでは常食のズッキーニとか玉ねぎとピーマンを炒めたものとか。
よく身体がもつネと、本人にきいたら
ソウルではここ(ドイツ)にはないキムチ・ニンニク・ネギ類を
毎日食べているとのこと。


それを聞いてハタ、とおもいだしたのが
昔Noriko.Tが、約10年間
新宿界隈に住む韓国人の子どもばかり教えていた時代。
よくその子たちのお宅でお母さんの手作りごはんを
ご馳走になったのですが、記憶に鮮明にあるのが
どのご家庭でも食卓のお皿がぜんぶ「赤い」こと!




キムチ専用の大型冷蔵庫、各家庭に必須。
ニラチジミ、トッポギ、ユッケジャンスープなど
食卓はお肉類の倍の野菜をつかった、汗のふきでるような
辛味メインのメニューがいつでもところ狭しと並んでいるんです。
高麗人参をたっぷり使ったサムゲタンや、身体によい
とうもろこし茶やそば茶がどこのお家でもいつでも飲めるよう
常温にしてテーブルにおいてありました。


そういう食卓で食文化を眺めて楽しむように
当時20代のわたしも料理に目覚めていくきっかけになったのですが
それも、お料理を作っているお母さんたちが
底抜けにエネルギッシュで美しくて肌キレイ!
素敵すぎてそこに惹かれてしまったといいますか(笑)




そんなにも若さと元気を保つ秘訣はなんだろう
やっぱりこの「赤色の食卓」にあるのだろうかと。
で、話もどりまして



日々、食しているものの積み重ねは
肉体だけでなく、それ以上といってよいほど
精神に影響を及ぼすこと、いまはわたしも深く実感しています。



メンタル、そして
モチベーションなるものは目にみえないから少々やっかい。
ちょっとしたことを面倒に感じたり、
ほんのすこししか弾いていないのにクタクタに疲れたり
悪い想像ばかり豊かに働く(笑)
そういうときは、大抵なにか栄養が足りてない(断言☆)





わたしは今、ヨガとストレッチ、ダンスを毎日
楽器と並行しておこなうので
身体を痛めないようにということから以前よりも食事に
気をつかうように自然となりましたが
かえって「続けるつよい意志」を育み助けることになり
代謝よくお腹がすくのでますます料理するようになり
自分にとってはよい循環を生むことができたと思っています。


運動と食事をセットにすると
どちらかだけを努力するよりかえって楽しいです。
相乗効果で、身体が丈夫になっていきます。




みなさん
今日も長文お読みいただき
ありがとうございました。






今日は母の日。
みなさん、それぞれの日曜日を
思い思い過ごされていることでしょう。





きのうは、ご近所のお花屋さんが
夜遅くまで店員さん総出で煌々と灯りのした
フラワーアレンジメントを作っていらっしゃる姿をお見かけしました。
そこで買わせていただいたお花を
わたしも今日は眺めて過ごします。



みなさん、よき
日曜日をお過ごしくださいネ。






Noriko.T◎NOTE 2023.5.14

【 Insta360、買いました。】 2023.5.7




こんにちは。





Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




今朝はちょっぴり重たい空。
垂れこめて、細かい雨も降って
梅雨の気配さえありますネ。





みなさんのゴールデンウィークは
どんなお時間でしたか。
お正月以来の大型連休、ダラリひたすら寝るのも
フルに遊びまわって過ごすのも、日ごろできない
家事手伝いに精を出すのも、
悠々愉しき瞬き。
今日はそれも最後の1日。
みなさんのよき日でありますよう。





実はわたくしNoriko.T
昨日、超がつくほどの久しぶりに
ショッピングへ出かけてまいりました。
ずっとこの日を待ち望み楽しみにしてきた
あるものをgetするため☆
(もうタイトル出てる(笑))




そうなのです。


Insta360が我が家についに。。!
きのう帰宅してからというものの
目の前の新しい箱にテンションふわふわしてネ。
嬉しくって!
逸る気を静めながら、、、
ヴァイオリン弾くあいまにあちこち今
動画めぐりです。






専用の録画機材がほしいと
だいぶ以前から考えていたものの、
実は当初から「どれを買うか」で悩みぬいてしまいました。
わたしがYouTube開設したばかりの時
Insta360が他国で開発されたばかりで
日本ではまだ言葉すらあまりきいたことがなく、
その頃の選択肢は、スマホをiPhoneに変えるか
撮影カメラGo proを買うかの2択。



できるだけ早くキレイな映像で撮れる機材を
そろえたい気持ちはあったものの
何せ、動画編集ソフトでつまづいている段階におりまして・・
「まだいろいろわかっていない」うちに高い買いものを
するには時期尚早な気がして
ひとまずアンドロイド(スマホ)と、三脚と、画像処理スマホアプリだけを
つかって、何十テイクも(さまざまなアングルから)自撮り撮影し
それらを総合して編集するという
「世界一アナログ」なやり方で動画を作ってきましたが
この一見めんどうな経験を積んでおいてよかったと
今回の買いものでやっと自負いたしました。




Insta360は、もうご存じの方が多いと思いますが、
ごく小さな本体に特殊なレンズがとりつけられていて
その本体ひとつで、360°どの方向のアングルからの動画も
撮れてしまうという画期的なカメラです。
編集しながら、どのアングルからのショットを選ぶか
撮ったもの全体(360°ぶん)チェックできるという優れもの。


自分がカメラをその場に置いて、動き回っても
ちゃんとカメラが自分の姿だけを追いかけてくれるという機能や
まるでドローンから撮影したように
背中からおいかける、頭上から追いかけてくれる。
他人が周囲から撮影しているかのようにみえるという
嬉しすぎる機能が満載なのです。



ここにあるひとつひとつの機能
どれほどにありがたいことなのか
そしてすごい!ことなのか☆
地味な撮影方法を試してきた経験から
「じぶんの立ち位置とカメラの設置にじかんがかかる。」
「パフォーマンスがいざ始まると、自分がうごくため
 画面をいちいちみていられず、うまく撮れていないことも」
「アングルを多くするため撮影テイク数が多くなり、
撮影時間そのあとの編集にも多くのじかんを要する。」



ほかにもアナログならではのデメリットが
いくつも解消できちゃう!ってことを
「Insta360っていうカメラがあるんですよ。」と
初めて人伝えに聞いたときから知ってしまい
それまでの2択がいつしか3択に増え・・




選択肢がふえるだけでなく
よきものは価格も相応に加算されていくのでネ。
さらに吟味して、
そうこうするうち今度は
昨年秋に「Insta360の最新モデル、×3」が開発されたというニュースが。
選択肢はさらに4つに増えたのです・・





結論をいうと
きのうのショッピング、ビックカメラさんにて
「Insta360 ×3」をgetしました。
4択中、最も高いお買いものとなったわけですが
そのぶん、、、喜びも楽しみもひとしおです。



日本語での説明書はないため
基本操作を教えてくれるYouTubeを
昨日からひたすらみて勉強中。
端子コードを使わずにスマホと連動させて、
撮影も編集もできるようなので
慣れていって、次作からは
新しい映像でお届けできるようにしたいです。






きのうは、そのほか衣類も3着新調して
そちらもいつかお披露目できたらいいナと
もくろみつつ・・
先日のスタジオ稽古で、自分で作ったドレスを着ていたら
動画をみてくださったみなさんが気づいてくださって
褒められて調子づいておりまして(笑)
買ってきたものに、すこし自分で手を加えながら着ていく楽しさを
拡げていきたいと、舞台夢がまた膨らんでいるNoriko.Tです。




さいごに・・
もっか毎週月曜日、SNSで
スタジオ稽古のもようを写真Upしていまして
ひと月ほど前からは、翌日に動画にとりこんだものを
Twitterで観ていただけるようにしています。



ジャンプステップやウォーキング、のほか
コンテンポラリーが中心で
稽古動画は20秒~1分程度とささやかに
そのときに制作している関連の稽古がメインですが
この動画もInsta360を使用してお届けできる日が
近いかもと思っています。
みなさん、楽しみにしていてくださいネ。








今日はまだ
この雨が降りつづきそう。
愛鳥が愛らしい瞳で遊んでと訴えているので
このあとたっぷり遊ぼう♪と
わたしもアイコンタクトを送りながら・・



日曜日の午後も
みなさんの愉しきお時間となりますように。

Noriko.T◎NOTE  2023 5.7

【雨音が聴きたい夜更かし】 2023.4.30

こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




こんにちは、とご挨拶しましたけれど
いま時刻は、朝5時。
じつは、あることを楽しみに今夜はずっと起きていました。





というのは、朝方から降りだす(と予報の)雨のこと。
自然界が織り成す風景音のなかで
1番心の落ち着く、、天然の癒しを聴きたくて。
落ち着きたいなら早く寝なさいって感じですけどネ(笑)



オリジナル作品のなかに風景動画にまぜて
風や雨などのサウンドも多用しているNoriko.Tですが
本物の、そしてリアルに肌にはいってくる音ほどよきものはなし。


(今日はNOTEの日だし☆)と
いいわけをつけて、空から降りだす瞬間を待っておりました。

こうして綴りながら
隣部屋で愛鳥が眠っている気配だけを感じ
雨足を眺めている、静まりかえった日曜日の朝です。

そして・・・じゃじゃじゃあぁ~~ん! ! !

↑ ↑ ↑
ついに完成いたしました。
「 DigestⅡ 」。

もう早速観てくださったみなさん、
ありがとうございます。
いただいたメッセージも嬉しく読ませていただいています。



私自身もそれを大事にしていますが
好きな時に好きなように楽しんでほしい、
という作り手の願いです。
YouTubeは削除しないかぎり、ずっとありますから(笑)
15分間のミニシアター、お好きな時にぜひ
蓋をあけてみてください。





今回メッセージをいただいたなかに
「Norikoさんの頭のなかは、まるで宇宙のよう。
音楽、映像、振り付け、衣装、メイク、編集、作成、、
すべて一人で熟すために、どれだけの部屋のスペースが
頭のなかにあるのだろうと・・。」
というお言葉をいただきました。


最近は新しい動画をだすたびに
「音楽はじめ、映像をどうやって作っているんですか。」
と訊ねられることも増えてきました。




そのご質問へのストレートな答えでないかもしれませんが
わたしは、オリジナルの動画作品は
自分の描く未来の舞台の「ラフスケッチ」だと思って制作しています。
ステージのうえで、演奏とパフォーマンズをSHOWとして
作っていくための、イメージ図と言えばわかりやすいかナ。



動画がひとつの通過点として存在し
「Noriko.Tの頭のなかにある景色を
外に出力してみる。」と、そうか☆実際の舞台だとあれが大変そうで
これは年単位の準備が必要・・etc、などいろいろみえてきて
はじめから大掛かりにせず、ささやかでいいから
「形にする。」ことを、それを可能にする方法をいつも考えています。



誰にも作業を頼まず、ひとりでこつこつ仕上げていくのは
精神的にもエネルギーを必要とします。
自分が胸に描いているものを描ききることは
簡単ではないけれど
音楽家であるわたしが映像の力を知り
ヴァイオリニストである私が、他楽器サウンドの録音も
手がけることで「表現の奥行」に今まで以上に手をのばせたことには
大きな意味があります。



オリジナルの最大のテーマになっている
「自然界のファンタジー」。
これを舞台として描くには
自分自身がもっと緻密に、具体的にイメージを
描けるようにならないと、と思いがあるからです。
大地のうえに素足で立つだけでも、小枝や枯れ葉や砂利のうえで
身体が一瞬固くなり、すくんだり、巨大な引力を感じてか
スタジオで簡単にくるっと回っていたようにはいかず、
足を土にひっぱられてふらついたりするんですネ。
そういう経験を重ねながら、外気の大きさというか
自然の偉大さと同時にこわさも体感しながら、自分が描こうとしているものへ
必要なプロセスだとあらためて思う日々です。




実際に舞台を作るときは
専門スタッフさんたちにお願いすることになりますが
ヘア、メイク、衣装など制作の今は自分で行うのは
ひとつの気分転換でもあります(笑)




・・というのも、
やはり作曲→練習→収録
この項目が1番疲弊するので・・

あいまにネットで衣装探したり、絵にかいてみたり
街中で髪飾りみつけて「買っておこう♪」とか
鏡のまえで連日、ヘアスタイルを遊んでみるのは
ひとつ「楽しみ」として。
撮影は大変だけど、どんなシルエットになるか
わくわく楽しみとしようじゃないか☆
みたいな、おかげで「制作中のバランス」をうまく保てているところは
ありますネ。



おまけに、わたしのもともとのフェイスは
あまりにも目や眉毛などのパーツが細く、
「メイクペンシル」でかいたとおりの顔になってしまう利点もあり
髪型とメイクで、まるでちがう人物にみえると言われることがあるので
(それも楽しみのひとつに)加えてもっか勉強中です。


何はともあれ
3週間、制作にひた走って
今まででは最短の期間で完成できたので
これもひとつ喜びにかえて、いまはすでに
あたらしい制作に乗り出しています。





実は、Digestに
先に制作半ばであった「Blue」を予告編として
いれようとしていたのですが
構成とじかんの都合により断念(泣)したことにより
なかなか日の目をみられないこの作品を・・
思い切ってはじめから作りなおすことを決め
それを最優先に。




今年はこのあとも
制作Scheduleがびっちり続いていますので
景気づけと体力をつけるためにも
美味しいお店を近々みつけたいです♪



NOTEをかいているうちに
すっかり空もあけてまいりました。
ご近所さんも起きだしてきているもよう。
我が家の愛鳥ももうすこししたら
起こしてあげようと思います。





それでは今日はこのへんで。


みなさん
よき日曜日をお過ごしくださいネ!

Noriko.T◎NOTE 2023.4.30

【 ちいさきメロディ 】  2023.4.23

こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。


日に日に初夏の日差しに近づき
夜風を楽しみながら就寝する毎日です。
みなさん、お変わりないですか。

Noriko.T /DigestⅡ
制作はまもなく完成を控えて
大詰めのところ。
いつも、ここからがしっかりと長いので
覚悟してかかっています。
音楽、映像ともに修正にきちんと手間をかけないと
仕上がりに綻びがでるので「進めたり戻ったりの」
一進一退で、形に近づけています。

ところで、
今回のDigestにふんだんに使用している
「挿入曲」。(本編に出てこない「繋ぎ」メロディ)について。
その土台になっている「即興演奏」について。








Noriko.Tのオリジナル作品は実は
この「即興」で弾いたメロディにもとづき
作っているものが多いのですが
「短いフレーズのうた」を日々の稽古中、遊びながら
思いつくまま弾きいろいろなストックとして収録機材のなかにおさめ、
そのなかからとりだしてふくらめる、という方法をつかいます。



何度もたとえ話に登場してこの作品だけに
特別な思いをいれているわけではありませんけど
「Carnival」を制作した当時も、

「小さきメロディ」。
シンセサイザーやヴァイオリンで世界観をパッと表す唄や
リズムを浮かべて弾いてみては、ストック。
そこに肉付けできそうなものにそうしていって
テーマメロディとして育てていきました。
するとなかには、作品完成したあと「使用せず残ったメロディたち」が
ストックにあるわけで、、
『残りものにゃ福がある♪」というキャッチフレーズのもと
今回のDigestⅡで日の目をみることに。




「手鞠」然り
「Carnival」然り、残ストックは
作品がその姿になるまえのデッサン画のようなものと
思ってもらえるとよいのかも。
これはNoriko.Tの唯一つよいこだわりで
Digestに、今回残ストックをたくさん流用しているものの、
「実際に作品に使ったメロディ」と「したがきデッサンのまま」とでは
ヴァイオリもやシンセも、音はきっちりわけました。
つまり、作品の本編に入れなかったメロディには
今回もミキシングをあえて施さず、
自宅稽古部屋で弾いた吹きさらしの音をそのまま
Digestに組み込んでいます。
「部屋の大きさ」が変わったように感じたり、
小部屋から空間世界へ制作プロセスを音楽的に感じてもらえたらと。





今回のDigest集のなかに1曲だけ
もともと作品自体がすべて即興演奏(ヴァイオリン)
で仕上げたものがあります。
それは「風の森」。




このときの制作は、春先の2か月間
毎週森へ、裸足ででかけていって
踊ったり弾いたりしながら自撮り撮影し、
そのイメージを室内で「即興演奏」として
毎日違うパターンのメロディに弾きためていって
最後に、それらを繋げて「ひとつの音楽」にまとめました。





ヴァイオリンで即興を行うため
「土台のシンセ」は分かりやすくのりやすく
温かいリズムを基調としシンプルに作り上げました。
その3分ちょっとの「土台」に、毎日その日の即興でヴァイオリンを
のせていくわけです。
みなさんご存じのように、「2度と同じことは弾けないその瞬間の
音楽」なので楽譜にかき表せない。
弾いた回数ぶん、いろいろなメロディーの「風の森」が当初ありました。
それをぜんぶ並べて聴いてみてからまるでパッチワークのように、
「ここからここまでは、火曜日に弾いた録音」
「ここからのメロディは、金曜日に弾いた録音を起用」
と、抜粋してつなげたのが作品「風の森」として公開されてるもの。


即興→イコール: 録りなおし、弾き直しできないため
音量のバランスなどがすこしマチマチに
「その日の音感」に聴こえるのはそのためです。
我事ながら残念だったのは、つかわなかった何パターンもの
「風の森」即興メロディをまとめて消去してしまっていたこと!






ひとつ残らず・・とはこのことで
Digestに企画登場できるものがなく泣
(またいつでも何度でも、即興で弾けるワ♪)
と、気をとりなおし
堂々胸をはって本編からそのまま、
Digestに登場いたします。
「風の森」どこに入っているのか
みなさん楽しみにいてくださいネ。



きたるはゴールデンウィーク。
今週末のそのときまでに
お披露目をめざして。






それでは
新しい週も健やかな日々となりますよう。


Noriko.T◎NOTE 2023.4.23

【 DigestⅡ制作リポート】 2023.4.16

こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。



今週末も雨がふり
雨音が聴こえていれば幸せ気分のNoriko.T
贅沢な制作空間を作るべく
そちこちの窓をあけながら音を楽しみ
机に向かい過ごしておりました。
みなさんは、どんなふうにお過ごしでしょう。

ところで先週、
V Field(スタジオ稽古集)のDigestバージョンを
SNSにUpいたしました。
すでにたくさん観ていただき
ありがとうございます。





そうなのです☆

ただ今「Noriko.T/DigestⅡ」を
第一優先で制作しております。
一作目のDigestを出してから約1年半。
前作から脱皮するイメージで色を作っていかれたらと
いう思いです。




Digestが単に「作品一覧」とならず
「それ自体がひとつの劇場シアター」となることが
制作の柱を支えている私なりのイメージ。
時間にして15分程度だけれど
まるで60分間のショーライヴを観劇しにきていただくような
感覚で「全曲を通してまとまったひとつの世界」を
愉しんでもらえるようにしたい。


実際作りはじめて
あらためて発見したというか
実感したことがあります。それは
先述の「スタジオ稽古」から生まれたパフォーマンスとしての
表現を拡げようという意識です。

作ってから表現するのではなくて
コンスタントにスタジオ空間に身をおくことで
身体を動かしながら「作品」を生みだしていく順番に変えたのが
前作Digestから大きく違うところ。





それが功を奏したかわからないけれど
今回はオリジナルのひとつひとつが
骨太い構成ばかり、つまり
ライヴに例えると、どれも
オープニングやラストといった「メインポジション」
に配置するような個性のつよい作品が集中しているため
選曲順やどの部分を抜粋するか、前作以上に
悩みどころとなっています。

Noriko.Tが考える
Digestが、ふつうの作品制作とちがうのは
「積み上げたものをいったん捨てよう!」
というところでしょうか。



たとえば「手鞠」当時の制作期間、
作品を、もっとも印象づける冒頭メロディを考えたり
どんな運びでStoryをクライマックスへもっていくのかいいか
エンディングをどうすればこの作品の色香がひきたつか
そういった楽曲シーンをさらにひきたてる映像のこと
ひとつひとつを、どっぷり試行錯誤のうえで
完成した「手鞠」があるとして
Digestのなかでは、その全てをいったん忘れて
別の角度から曲をみつめる視点を大切にしているんですネ。




Digestにはいっている「挿入曲」と呼んでいる
作品本編をつなぐメロディも
今回はふんだんに登場いたします。
これは、ふだんシンセサイザーやヴァイオリンで
遊び感覚のようにして「弾いて録っておいた」
小さきメロディをとりだして枝葉をつけたりしながら
使っています。



この10日、作品だけでなく
赴いた先々で撮影した動画や写真の記録をざっとふりかえり
使わなかったけど残っている映像などもみつけながら・・
「総集編」を制作することが、私自身にとっても
この期間をひと区切りにして、あらたな先へ進むきっかけに
できる予感。





作っていると、頭で思惑をはかっていたのと
全然ちがう方向へそれ自体が歩きだすことがあって
「収まるべきところに収まろうとしている」作品自体の
潜在的な力にも驚くことがあります。
愛聴していただいている作品たちのなかで、
世界観が自然と育ってきて、作り手のわたしの意識を越えていく
そういう瞬間を感じたら、あとはもう
こちらでできることは、整理整頓していくことだけ。




V Fieldの次号を作りたいナァとか
「クウィーンのテーマ」をとりだして
単体で1曲作りたいとか
メイキング集をまとめた作品をだそうとか・・
まだ完成していないうちからリストが増えていく(笑)
制作冥利につきます。




DigestⅡ、今月中には完成して
みなさんにお届けしたいと思っています。
どうぞ楽しみにしていらしてくださいネ。


https://youtu.be/HpGWxcAXb48


↑本日Noriko.Tがお贈りする曲はこちら。
「Noriko.T /Digest(初号)」2021年制作より

今日も、よき
日曜日のお時間をお過ごしください・・☆


Noriko.T◎NOTE 2023.4.16

【 雑司ヶ谷音楽堂より追記】2023.4.9

こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。




今日はNOTEの更新
PCの文字変換が遅々として進まず
(制作のため使用中の動画が大量により、
文字データ多いのNOTEページが固まりやすいため)
日中の更新は難しいと断念いたしました。すみません。
遅い時間となりましたが、
この1週間で動き出しました制作のこと、
そして先日の公演リポートと合わせ
アンコールに込めた追悼の思いなども
綴ってまいりたいと思います。




まずは制作につきまして。
このひと月半、離れておりましたが
おとといよりようやく再び着手いたしました。


春到来の喜びを空の色に歌い上げる構成となっていた
「Blue」は時節をかえて作りなおすことを決め
まずは「Digest Ⅱ」から手がけています。


みなさんをお待たせしてしまっているため
急ピッチでかかっております。。
が、そうは言っても「挿入曲(本編でない曲)」は
急がず作りこんでいくつもりなのでどうぞ楽しみにしていらしてくださいネ。
昨日は、Digest版「V Field」のみSNSにUpしました。
ぜひのぞきにお立ち寄りください☆










先週4月2日。
雑司ヶ谷音楽堂にてAtticの春公演を
無事に終えることができました。

ご来場いただきました皆さま、
心よりありがとうございました。





コンサート自体、3年半ぶり。
この空白(といってよいかナ。)の年月に
わたしたち奏者も3人それぞれが
おのおのの時間を過ごしてきまして、
それはおそらくご来場くださった皆さまも等しく
わたしの言葉で僭越ですが
慣れ親しんだ会場を
空間としてまるで真新しく感じながら弾いておりました。




コンサートは終わってしまえば
形として残ることはありませんが
瞬間に表現したものと、呼応してくださる感性の
融合的感覚は、記憶や身体に残存して
幸いにも、ときおり心に蘇る力をもっています。




つねづねその貴重な体験を重ねてきたわたし自身、
この「一期一会の瞬またたき」が皆さんのお心のなかに
ほんのささやかにでも残ってくれたらと
そう願う今日を過ごしながらここに綴っています。




『この時期に、このメンバーで
一緒に弾くなんてね。』

本番後の夜、関係者で集った食事の席で
ピアニスト曽我彩子さんが
ポツリとおっしゃって
「巡り合わせ」を口にした彼女の言葉には
公演が終わるまで暗黙に封じ込めていたさまざまな思いを感じました。





実を申しますと、それより3日前の3月30日、
先日こちらで追悼記事を掲載しました
ナフム・エアリッヒ氏がご自宅のあるドイツの地で
埋葬されたばかりというときでした。




その翌日、最終リハーサルのため
スタジオに集っていたわたしたちでしたが
「彼が埋葬されたこと」については
あえて話題にしないようにしていました。
コンサート「Songs from Skylight」は
それ自体は追悼公演ではないつもりでしたから。


ただ、
「アンコールを、先生に捧げよう。」






誰ともなく、自然とわいた感情のなかで
Atticの相方、ゆり氏が「歌の翼に」を選曲し
プログラムに掲載する「エアリッヒ氏へのメッセージ文」も
考えてくれました。





エアリッヒ氏がイスラエル人のため
掲載文を何語にするか悩ましいところでしたが
わたしたちにとって「ヘブライ語」はピンとこないし
ご本人が日常的に会話し、最期まで骨をうずめたドイツの国の言語で
捧げることにしました。






そしてこれは先日の追悼記事にかきませんでしたが
民族の長い歴史のなかで、祖先を迫害された経験をももつエアリッヒ氏が
常日頃よりつよくこだわったことのひとつに
「 僕たちは友だちだ。
僕を呼ぶときに、プロフェッサーという敬称をつけないでほしい。」
という彼のつよい気持ちがありました。

ドイツでのクラスのお弟子さんたちも
「Nachum」と、彼をファーストネームで呼んでいましたし
わたしもまだ20歳代のころ、「レッスンのときは僕は君の先生。
だが、それ以外のときは友だちと思ってナフムと呼んでくれ。」
と真剣にいわれたときがあり、それ以来長らくそうしてきたものです。




外国の大学教授のなかでも、そういう意味においても
彼のようなヴァイオリニストは珍しい人だったかもしれません。
けれど、絶大に信頼を寄せるお弟子さんのことを逆に
「彼は僕の先生だ。いや、それを越えて親友のような存在」と言ってみせたり
「彼らは、僕の世界一の友だちだ。」と言い切る言葉からも
彼にとって「友だち」という繋がりがもつ意味や、
その言葉自体がキーワードだったように感じたため、メッセージの呼びかけにもあえて敬称をはずすことになりました。





~・~・~・



「  音楽って素敵。心に響きました。 」


「 ハートのこもった演奏、響いてくるものがありました。」


「  音楽も然り、表情に喜怒哀楽の細やかさあり
   非常に印象に残るコンサート。」



「  アンコールに最も心を動かされました。
  3人で天国へ捧げた演奏と知って、納得です。  」
etc・・


~・~・~・




 






’皆さまからいただいたメッセージのなかから抜粋にて’




会場にいらした方はご存じですが
このNoriko.Tがそれまで封じ込めていた涙が
アンコールの場面で緩んでしまい、みなさんにご挨拶させていただいた
一幕がありました。
(一連の事情をご存じない方々も会場にいらしたので
急遽そのように)




あとから考えますと、わたしのなかに突如
音楽の力がはたらきかけた瞬間だったような気がします。
訃報を聞いたときも、さまざまな人にそのことを知らせるさなかも、
追悼記事を書き進めてもなお、
遠い異国での「突然の死」はまるで現実味がなく
亡骸のお姿を想像すらできなかった毎日でしたが
コンサートのステージ上で彩子さんの前奏が始まった瞬間にはじめて
恩師が、空に昇っていったこと。
そのことが「現実」の実感となって胸のうちに降りてきたというものでした。




Atticの公演開催を告知してから
この3か月というもの、
音楽作品と向き合いつづけるわたしたちの前に、
つぎつぎといろいろな出来事が起こってまいりました。
そのたびに心を痛めたり、なんとか邁進するエネルギーへ変える努力をしたり
そのなかでの思いをみなさんに文章でお伝えすることで
気持ちを整理し、保ってこられたと今は思います。
公演が控えていたおかげで救われたことが多々ありました。







弾きながらとめどなく涙が流れ落ちること
舞台経験初まって以来でしたけれど、
長い音楽人生にはこういうこともあるのかと思いました。
音楽の生々しさは生き様と等しく、
人生そのものが音楽家のそれには投影されてゆく常だけれど
3人の共演と、共通の友人を見送る出来事が重なったこと
その瞬間をみなさんに分かち合っていただいたことは
彩子さんのお言葉どおり、何かの「巡りあわせ」だと信じています。






みなさん
今一度あらためまして


本当に、本当にありがとうございました。





_______ 歌の翼に /メンデルスゾーン


歌の翼をかりて行(ゆ)かな
幸あふるる夢の国へ
陽のさす園に 花は香り
見渡す池に  蓮におう



なつかしきかな 夢の国へ
いそぎて行かな 清き国へ
可愛ゆきすみれ われを招き
そよぐ風さえ  友を呼べり


いざわが友よ たちで行かん
麗しの夢はてぬ国へ
はてぬ国へ 国へ


Noriko.T◎NOTE  2023.4.9








































【  童心が描く大人のファンタジー  】 2023 3.26

こんばんは。




いつもNOTEをご愛読いただき
ありがとうございます。






今日は
いよいよ来週に迎えますAttic春公演
Songs from Skylightの、諸準備で
午前中から優先させていただきました。
更新じかん遅くなりごめんなさい。。!

公演前に綴るNOTEは今夜が最後ですので
本番前に感じている胸のうちをお伝えしてまいりますネ。







2023年が新しく幕明けてすぐ
本公演のプロジェクトが始動してからというもの
瞬く間の3か月。
・・と本来は記すところですが
正直申しますと、あまりにもの激動な日々を過ごしてきたためか
今年に入ってもうすでに、半年くらいは過ごしたような
錯覚を起こしています。




先週実は、十数年ぶりに高校時代の恩師、粕谷先生と
お電話でお話しました。
エアリッヒ先生のことをお伝えするためでしたが
頭ではわかっていても追いついていない現実感が
先生と話しているうち急にリアルになって降りてきまして
こういった経験、感覚はこれまでの人生をふりかえってみて
あまり類がなく
「世の中がまるで自分の知らないあいだに
想像以上のスピードで変貌してゆき」
もはやそれに気づくことさえ難しい現代の只中に
わたしたちは佇んでいるのではないかと思ったりしました。





同時に、超多忙にかかわらず
お電話に出てくださった粕谷先生の、当時からお変わりのない
穏やかなお声を受話器にあてながら、話の流れのなか
母は亡くなりました、とだけ私が言うと
「・・・いろいろなことがあったんだね。」と。


この数年、いったいどのようにして活動を続けているのだろうかと
つねづね心配していたと先生はおっしゃってくださり
わたしの20年来の夢であるオリジナルのショー舞台への意気込みなど
お話すると、「情熱やぜったいに諦めない意志の強さ、昔から全然
変わっていない。」ととても喜んで励ましてくださいました。





思えばわたしがまだ高校生だった時代の10年と、
いま現代の10年の月日では
同じ年数でも過ごした年月の長さ感覚がだいぶ違ってきていて
それはきっと今のほうが、びゅんびゅんと目にもとまらぬ速さで
わたしたちが日々を送っているからなのでしょうが





そう考えていくと
このわたしが、ともするとびゅんびゅんと
ただ空虚な日々を送っていた可能性だってあったかもしれないところを
粕谷先生との出逢いから人生が色づきはじめ、エアリッヒ先生と出逢い
そこからAtticの相方、遠藤百合氏に出逢うべくして出逢ったという
「奇跡」のような物語は、どんな苦楽をともなっても育んできた
これからも育んでゆくべき大切なご縁なのだと
この公演にさきがけ凄まじく濃い毎日のなか、感じている思いです。



「あの時代からずいぶん遠いところまで歩いてきたナ。」と
その思いが、決して感傷でなく実体感としてあるのは
彼女がどんなときも隣で一緒に弾いてくれたおかげ。




人生は生々しく常に揺さぶられるわたしたち人間
だけれど、音楽家として「音楽道の険しさ」を痛感するも
音楽のなかで孤独に立ちすくむことだけは
彼女がいてくれて免れたというか。




険しさを言うなら
年々道は険しくなってますネ。
理想があがり、探求心もあがる。
いつまでたっても自分のだす音にOKがだせない。
よくよく考えると、コレ↑をずっとたったひとりでやってたら
今ごろきっと誰も手をつけられない「根クラNoriko.T」に
なっていたことでしょうネ(笑)






何度stageで共演しても、そのつど
新しい音や表現をのびしろにみつけて
「明日」を一緒に描くことができる、そういう相方を得た
幸運の花を音楽道にこれからも咲かせていきたい。







今回、Ⅱ部の最後のプログラムに
ミヨーの作品を私たち、Pfの彩子さんと一緒に弾きます。
この曲がまたすごくて、
2つのヴァイオリンとピアノのためにかかれた
・・・言うならば

童心で描いた大人のファンタジー。
  /Noriko.T


エキゾチックで中華的な魅惑の和音で
明るい疾走感、そうかと思えば
もののけが今にも出てきそうな深い霧がかった森へ入り込む。
霧はどんどん深くなり、何が現れるのか幻想の夢へ
さらに深く入り込んでゆく




曲がⅢ(最終)楽章へすすすむころには
「戦闘シーンなの?」と思ってしまう
日本のアニメでいうところのガッチャマンならぬ
ガンダムの世界が想像にとめどなく広がり、、??





まるでひとつの映画をシーンを追って
みてゆくように、華々しいクライマックスへたどりついた後
最後は「終焉の鐘」のような美しいピアノが鳴り響き
物語は幕を閉じます
フランス人作曲家ミヨーの描いたロマンチックな夢は
どこまでも表現の可能性を深めてくれる終わりなき夢。
あらためて曲を読み直しながら、感嘆のため息をつきながら
毎日稽古を重ね、毎週3人でのリハーサルを行っています。

最終リハーサルは、今週31日。




みなさんと一緒にひとときの夢を
分かち合える「本番」を今から
楽しみにしています。






音楽が、ご来場くださる皆さんとのご縁をも
もたらしてくれた。

この素敵な「奇跡」に
喜びと感謝して。





みなさん、4月2日
雑司ヶ谷音楽堂で、お待ちしております。





Noriko.T◎NOTE 2023.3.26




NOTEをご愛読いただき
いつもありがとうございます。


わたしたちの友人であり師である、
Nachum Erlich氏が3月15日に永眠されました。
現地より突然の知らせに関係者一同、衝撃を受け
深い悲しみに佇んでおります。
今週のNOTEは予定していた内容から
同氏を追悼する特集に変えてお伝えしてまいります。

You will keep living forever in our heart.
For Proffeser Nachum Erlich.

_______________

『 彼の音楽に対する真摯な向き合い方と、
人種の垣根を全く感じさせない相手を尊重する姿勢は
とても魅力的でした。 』
○GRAND CONCERT出演メンバー
三森未來子さん(スーパー・チェロ・アンサンブルトウキョウ)より

いつもNOTEをご愛読いただいているみなさんに
昨年このページを開設して以来というもの
おりにふれてエピソードを綴ってまいりました、私たちの
友人であり師であった、イスラエル人ヴァイオリニストErlich氏が
今月初旬ドイツのご自宅で倒れ、数週間意識不明の状態がつづいていましたが
15日お昼ごろ、ご家族の願い届かずとうとう帰らぬ人となりました。



夢にも想像しないこの悲しい知らせを、現地より受けて
わたし自身も未だ現実に受けとめることを困難に感じています。
先週、その前週とちょうど同氏に初めて出会った頃のエピソードを
綴っていたばかり、当時の写真をいろいろ整理していたさなかでした。


20年以上にもわたる歳月は
ふりかえりきれないほど濃く多様であり
どのようにして彼自身と、彼が残してくれたもの、
彼が私たちに教えてくれたことを、
みなさんにお伝えすればよいのか定まり切れないでいる現状です。

2001年に初めてのソロリサイタル目前、
運よく同氏にリサイタルプログラムを聴いていただく機会に恵まれたわたしは
その翌年から長年にわたって幾度もドイツへ渡り
彼の本拠地であるカールスルーエ大学のお弟子さんたちとともに
時節を限定したマスタークラスのなかで
本場の空気を肌で感じながら伝統的な奏法をじかに教わることができました。

彼のオープンで温かな人柄は出会った誰もが
1番はじめに感じる大らかな空気そのもの。
現地でクラスのお弟子さんたちと過ごしていてもそれは明瞭で
本国のドイツをはじめ、フランス、フィンランド、シリア、
各隣国やアジア圏内からも彼のもとへ多くの国から学びに訪れていたことや
そして彼自身が、5か国語もの言語を話していたことからも
国際間を越えて彼を知る世界中の人々に慕われていただけでなく
彼自身がどんなに過密なスケジュールのなかに身をおいていても
遠く離れた国にいる相手とアタッチメントを深める努力を
しつづけていたことにただただ感銘を受けるばかりでした。






「音楽は国境を超える。」といわれますが
それは容易に叶うという意味ではないこと
5年にわたる、GRAND CONCERTを
プロデュースし終えたときのわたしの実感です。
その言葉で表現されるまでに至る「克明なプロセス」を、
ここ日本の舞台で、彼のstage上での姿を通じてほんの一端
垣間見ることができたのは、今や語り尽くせぬほど重要な知見となりました。

魂の奥から生み出すような音、
瞬間的な感性のまま突き進む彼のようなヴァイオリニストは
わたしたちに日本人のなかにはなかなか見当たりません。

彼のそうしたエネルギーはつねに
音楽とそれを演じる奏者への愛情から生まれるものでした。

『 ナフムとの共演はとてつもなくスリリングで、
表現する言葉がみつからないくらい感動的でした。
固定概念に捉われない自由で美しすぎるモーツアルト、魂そのもののブロッホなどなど心が震える瞬間を共有できて幸せでした。 』
○ピアニスト 曽我彩子さんより



ドイツ(ゾーベルンハイムマスタークラス期間、ナフム・エアリッヒリサイタル公演
共演は日本から呼び寄せた曽我彩子さん(Pf) 2015年

_________________________



エアリッヒ氏が、わたしたちの中から
引きだしてくださるものは
毎回予想を超えたところにありました。
そこに大きな驚きと喜びを発見するのと同時に
そうした彼の音楽の揺ぎない音の紡ぎ方に
民族の血といった歴史的な重みが透けてみえるとき
わたしはその時はいつも近寄りがたい、触れられない何かを
彼の背中に感じていました。


公演期間中の通訳をしているわたし


日本を代表するヴァイオリニスト、豊嶋泰嗣さんと
ダブルソリストの出演にてGRAND CONCERTは行われた。

2007年トッパンホール




「いつか、FUJIYAMAにも登りたい。」
静かに語っていたことがあるエアリッヒ氏。



カールスルーエ大学ではつねに日本人の愛弟子を持ち、
日本の伝統文化に興味を抱き日本食を好む根っからの新日家。
自身は芯から迸るような情熱を携えながら、
温かく繊細で礼儀の正しい古きよき日本人の心根といったものへ
深い信頼と好意を寄せてくださっていました。


エアリッヒ氏の結婚式に日本から招かれて、曽我彩子さんと2人で現地のpartyへ。
下方2人含め、大学の弟子たちも。



彼の訃報を聞いてからもすでに
何日もたっているし、こうしてNOTEも綴っている。
それでも今はまだ、彼の死の現実味がなく
まるで夢のなかでだまされているみたいにさえ感じています。






彼とわたしたちが共有し得た素晴らしい出来事を
このさきも、すこしづつ語ってまいります。
そうしていきながら長い時間をかけ、
受け止めていかなければならない。
彼がいなくなったこと。





今はただ感謝とともに
心からのご冥福をお祈りしています。

Nacum , We all love you always.

Noriko.T










【Songs from Skylight 】 2023.3 13

こんばんは。





NOTEをご愛読いただき
いつも、ありがとうございます。





昨日は、Attic春公演の
リハーサルを行っておりましたため
NOTEの更新を今夜に変えてお届けしています。




さて☆彡
10日㈮に行われたヴァイオリン組による「第1回リハーサル」
Diary読んでくださっているみなさんご周知のとおり
時間内に全曲終了できなかったという・・(笑)
Attic史上初、まさかの「プチハプニング」




そんなこともあるのネ、、と
思いましたネ。

と同時に、これもやはり何か思し召しなのか
というのも、実は・・
2日後にもともと予定されていた(つまり昨日の)
ピアノつきリハーサルが事前に、延期されていたのです。
そのため、昨日はおかげで空いた時間をつかって
ヴァイオリン組ふたたび集合☆
やり残したページを最後まで2人で弾いて
やっと落ちついたところです。


4/2当日みなさんに会場で読んでいただく
プログラムノートのなかで一目瞭然ですが
今回のコンサート、ざっと大きく「Ⅱ部スタイル」になっているんです。

雑司ヶ谷音楽堂という
恵まれた音環境と、のどかな立地、
木造りの空間ならではの温かさを背景に
たっぷりみなさんに愉しんでいただけるとよいなァと
ゆり氏とともに趣向をこらしまして





前半は、華やかで馴染みやすい小品集をメインに。
休憩をはさんだ後半は、たっぷり重厚なクラシックの名曲を
2曲( どちらも、3楽章仕立て)聴いていただこうというもの。
春の時節の相乗効果ももちろん狙ってます(笑)



リハーサルに話をもどすと
今回大幅にじかんを要したのが
わたしたち初挑戦となります、
シュポア(正式名:ルイ・シュポア/ドイツ)の
ヴァイオリンデュオのためにかかれた曲集からNo.2




先述のとおり、3つの楽章にわかれていて
大筋、20分間を要する大曲です。
このシュポアという人が作曲していた時代、
古典(モーツァルトetc・・)のあとで
メンデルスゾーンのすこし前☆彡

○○の後ろで○○の前、というと
「だからつまり
何なんじゃ?」と問われますが
つまり、古典とロマン派時代のまんなかに立って
どちらの要素もはいっている曲。

それが、シュポアのヴァイオリンDuoなのです。









Noriko.Tの個人的印象としてはですネ。
古典の持ち味をすみずみまで活かしながら
軽やかに新しい色へとぬけでているメロディたちの連鎖。
いれかわり、たちかわり2つのヴァイオリンの魅力を
ひきたてている作りは華やかさそのものだし、
のびやかな時代への憧れと
古き佳き日への哀愁も共存しながら歌い上げていく流れ。

楽譜をみても、全8ページのすみからすみまで音符が
しきつめられていて弾きごたえ充分。
相方のゆりチャンはどう思ってるかナ。
このまえはそれ話す余裕すらなかったけれど(笑)
つぎのリハではそのあたりも話ながら・・








譜面を、2人で「整理整頓」するように
音楽のラインを描くことを重ね、
本番へ「聴きごたえ充分」の楽曲をもっていくべく
リハーサルを今後もつなげてまいります。


 みなさん、当日は
休憩あけのはじめがシュポアですよ。
楽しみにしていてくださいネ。



さてさて
熱く語ってしまいましたが
今日の本題はズバリ
コンサートタイトルとなっている
『Songs from Skylight』。



コチラ実は
わたしたちAtticのファーストCDアルバム
「Songs from Skylight」にちなみ、
つけたものなのです。




アルバムをすでにお持ちのみなさん
愛聴くださりありがとうございます。
まだ、お持ちでない方も
ライヴ会場でぜひ、お手にとっていただけたら嬉しいです。
このアルバムは、「手売り用」として制作しました。
自分たちのソロライヴや、Atticのファンの皆さんに
直接お手にとって聴いてほしい思いから。



写真は、製作当時の様子
2015年の8月ですから、約8年前の収録現場ですネ。
奏者がこのとき全員裸足なのは、雑音をいれないためです。



余談ですが
この年の夏も、わたしは例によって
ナフム・エアリッヒ氏のもとでソロ・リサイタルのプログラムを
レッスンしてもたうため1週間ドイツで過ごしていたので、
日本に帰国してすぐ2日後、という過密スケジュールのなか
収録へ向かったのがもっとも忘れられない思い出(笑)



ドイツでの滞在中同じ家にホームステイし
帰国のわたしを見送ってくれていた
なんと(Attic春公演でご一緒していただく)
曽我彩子さんの写真もちょうどあるので☆
一緒に掲載しておきますネ。




収録のため帰国するわたしを見送るのに
みなさん朝食を一緒にとってくれた食卓にて◎
わたしのうしろにいるのが、彩子さん。
この年、レッスンが行われていた部屋にて。

彩子さんとエアリッヒ氏をそれ以前に
ご紹介させていただいたお話は、また別の機会に
ゆっくり綴ることにして・・







CD『Songs from Skylight」のこと。





スカイライト(天窓)。
アルバムにこの名をつけたのは
それが、今やユニットを組むわたしたちAtticの
はじめての出逢いの象徴だから。





みなさん
いつも長文お読みくださり
ありがとうございます。





来週は、
この出逢いから
わたしたちが、結成からアルバム制作までともにした5年と
その後現在に至るまでのそれ以上の年月を
どのように共有してきたのかをたっぷりと
綴ってみたいと思っています。
乞うご期待です。






今夜はかなり遅い時間の更新となってしまい
ごめんなさい。






最後に・・

みなさん、今夜もよき夢を!

天窓はないけれど

Noriko.Tの部屋から☆彡





おやすみなさい


Noriko.T◎NOTE 2023 3 13


【 屋根裏部屋 】 2023 3.5

こんにちは。





Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。

いよいよ3月にはいり
夕方おそくなっても空が明るくなりました。
陽がながいことは理由なしに嬉しいですネ。




公演へご予約お申込みをありがとうございます。
Atticの春公演Songs from Skylightは
今週、リハーサルをスタートいたします。
初回は
10日㈮ヴァイオリン組の音出しをへて
12日㈰ピアノつきリハーサルへ繋ぐ予定。

本番までこうして
リハーサルをわけて行っていくのが
ダブルヴァイオリンAtticの特徴のひとつ。

それは、「ピアニストさんに関わりない案件については
なるべく先にすませておきましょう。」
という事前打ち合わせのじかんを意味しています。

事前打ち合わせ、今週はまず
ざっと相手の弾く内容を知る。
さらにボウイングといった
弓のむきを一緒にきめて楽譜にかきこんでいく作業ですネ。

弦楽器が「弓」なるものをあつかうゆえ
メロディーに対し
Down(腕がしたへむかう)と
Up(腕がうえへむかう)どちら方向から弾きましょう?
スラ―をどの音符までつなげていきましょう?
この音型を滑らかに弾く。
または飛ばして跳ねるよう弾く。
どちらがよりよいかしら?
など・・。

弓の性格や機能をうまく加味して
「このスタートはDownからにしましょう。」
「2人の弓返し地点、長いメロディが
ぜんぶ繋がって聴こえるようにわざとずらしていきましょう。」
といった感じで、全曲楽譜のすみずみまでボウイングを決めることで
音だけでなく視覚的にもそろえていくことをやります。


実は今回、シュポアの
ヴァイオリン・デュオ編成のみによる大曲が
プログラムに入っていまして
はじめての作品であり、聴きごたえも充分にある3楽章仕立て。
2人でじっくりと取り組んでいきたいと意気込んでいるだけに
ボウイング項目多そうだナ、という予感。




リハーサル(2018年)

あなたはDownからが弾きやすいでしょうけど
わたしはUpからが望ましいのよネ。
同じメロディでも、好みがちがう。
このボヤキはユニット、アンサンブルあるあるですネ☆
ところがそれぞれ得意な音型や好きなボウイングといった
個人事情をアピールしすぎるとケンカになっちゃうのでネ(笑)
音楽的表現としてよいが最優先→その先は譲歩というか
わたしたちは歩み寄って相談しております(急にマジメ断言☆)






さて、ここから話は
先週のつづきへ!




今日は、AtticのNoriko.TとYuri Endoが
初めて出逢うためのいきさつとなった、まさに重要な人物であり
情熱に溢れた素晴らしきヴァイオリニスト、ナフム・エアリッヒ氏のことを
お話したいのですが
まずは、わたしがなぜ留学しないまま、本場ドイツ在住エアリッヒ氏と会えたのかここからお伝えしていきたいと思います。



26歳の初リサイタルがいよいよ3週間まえに近づいたころ
わたしのもとに1本の電話がありました。


「 もしもし。 高山さん久しぶり。粕谷です。」


低く穏やかな、懐かしいお声。「先生!」
思わず声が跳ね上がってしまうほどでした。
電話の声は、なんとあの高校時代の恩師、
粕谷宏美先生。



以前のNOTEで
わたしの「音大受験」にまつわり
千葉女子高オーケストラ部の快進撃が
時期を重なるようにして始まったいきさつもお話しましたが
粕谷先生はわたしが音大へ進んだあとは、大学卒業までわたしのことも
指導トレーナーとして呼んでくださったり、
わたしの大学の友人たちも管楽器を中心にトレーナーとして
千葉女子高校へ出入りするようになっていました。




もちろん、大学のわたしの師である菅原先生も
「巨大なオーケストラ部」にまで育て上げた
粕谷先生をしっかり友人として、部員たちのトレーナーとしても
依然支えつづけていらっしゃいました。
そのころ全国学校合奏コンクールで連続全国優勝を果たしていた
女子高オーケストラ部は、内閣総理大臣賞までも受賞。
その功績をたたえられ、父母会の尽力も相まって
ヨーロッパへの演奏旅行を実現したばりでなく
粕谷先生はドイツ、バーデンバーデンオーケストラの客演指揮者として
招かれ、ぶじ公演を終えて帰国されていたというわけです。




バーデンバーデンの現地で
日本からきた教育熱心な指揮者の姿を客席でみていたのが
カールスルーエ大学のヴァイオリン教授、ナフム・エアリッヒ氏でした。
もともと日本への行き来もあり、大学では日本人の留学生も教えていて
日本びいきだったエアリッヒ氏が、Kasuya氏と話したいと楽屋まで運んだのも
必然的なできごとだったのでしょう。

電話のむこうで粕谷先生のお話は
「 現地で彼のヴァイオリンも聴かせていただいたが
本当に素晴らしかった。
その彼が、今度広島に来日するというから
千葉へも寄ってもらうよう打診しておいた。」
というものでした。

せっかくだから、高山さんも誰かヴァイオリンの友達をさそって
ひとりづつレッスンしてもらったら。
というお言葉に再び飛び上がりそうなほど嬉しくなったわたしは
さっそく友人のヴァイオリニストに声をかけみんなでスタジオをかり
ドキドキしながら迎えた当日。


オールドファッションと呼びきれるだけの、
一音たりとも乱れない正統なクラシック奏法。
イスラエル・フィルハーモニー交響楽団のヴァイオリニストを
父親にもつ、ユダヤ系ヴァイオリニスト、ナフム・エアリッヒ氏の
どっしりとしたつよく温かい存在感はとても言い表せない大きなものでした。
大らかな人柄と音楽性が重なり、先生が音をだすと
スタジオのすみずみまで音色がいき渡る重厚さ。
圧倒的な存在を間近にして、レッスンを受けた誰もが
あとずさりそうな空気感だったのですが







今想いかえしても
タイミングという
幸運が手助けしてくれていたのは間違いありません。




そこでレッスンを受けた誰もが急に言われて
急に準備した曲をもってこなければならなかった状況下、
わたしは、フランクのヴァイオリンソナタの全楽章を
リサイタルのため、1年もまえから練習していたうえ
念のため早めにリハーサルしましょうという
ピアニスト高良仁美さんのはからいで
ピアノとのアンサンブルも、すでに回数を充分に重ねていました。
そのうえ、手のケガを乗り越えひと月ぶりに楽器が弾ける
その喜びたるや、全身から満ち溢れていた。
まさに堂々たる”こわいものなし”
異国からやってこられた、身体も声量も大きくパワフルな先生のまえで
ものおじせず嬉しそうに弾く姿が、先生の目にも目立ってみえたのでしょう。






エネルギッシュで好奇心と興奮に満ちた空気で
40分のレッスンが60分にのび、それもあっというまに感じるほど
爽快な風を残してレッスンを終えると
「Noriko、wonderful!」エアリッヒ氏は高揚しながらおっしゃて

そのあと英語で「来年、僕のいるドイツへきなさい。
マスタークラスで今日のつづきをレッスンしよう。」と
言ってくださったのです。

 




その年12月14日、初めてのソロ・リサイタルを弾き終えたわたしは
つぎのリサイタルを3年後と決め、それまでさらに多くの学びを得るため
翌年の夏、先生が待っていると言ってくださったドイツへ単身渡り、
マスタークラスで10日間滞在し、現地でレッスンを受けました。



それを皮切りにしばらくは毎年ドイツへ
エアリッヒ先生のもとへ学びにいくようになり
その繋がりがしだいに大きくなり、やがては
日本を代表する世界的ヴァイオリニスト豊嶋泰嗣さんのご協力を仰ぐかたちで
Noriko.Tは自身のプロデュース「GRAND CONCERT」を立ち上げ
日本全国から奏者と聴衆を集めながら、寝る暇もない嵐のような
年月を送ることになるわけですが・・



そのほんの少し前。
嵐のまえの、まだ静かなとき。





わたしが彼女に出逢ったのは。




豊かな自然風景に囲まれた異国の片田舎、
世界中から多様な民族が集まり
民族性をとおして「世界の大きさを知る」。
そういった景観への感性も音楽性とともに育まれてゆく。
右も左もわからない海外で開催されるマスタークラスに
好奇心をかかげて飛び込んでいく価値はそれだけでも充分
あるのかもしれません。



「 今年は、あなたのほかにもう一人
 日本人がいる。」



マスタークラスの事務をまかなっている
金髪にヘアピンをさし、ワンピースを着た
大きな身体のドイツ人女性が、そうわたしに言い

「  日本人同士だから、彼女と2人
一緒の部屋でいいわよね。 」

それが
ゆりチャンとの出逢いでした。

みなさん
今日も長文お読みくださりありがとうございます。




来週は、リハーサル日のため
日曜日のNOTEをお休みさせていただき
月曜日に更新いたします。
コンサートタイトル【Songs from Skylight】
Attic(屋根裏部屋)の名前ゆらい
(・・はもう、おわかりですネ(笑))
お話していきたいです。





それでは
日曜の夜よきお時間をお過ごしくださいネ。


Noriko.T◎NOTESNS3.5

【 名物医学博士との出逢い 】 2023.2.26

こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。


4/2Attic春公演
【Songs from Skylight】への
ご予約お申込みもありがとうございます。
みなさんに会場でお会いできることを楽しみに、
そしてもうすぐ始まるリハーサルを今は目掛けて
準備を進めています


先週1回お休みをいただいてしまいましたが
土曜日毎、Attic関連Tweetも
きのうから再開しました。
残席情報や、遠方からお越しくださるみなさんの
ための🅿パーキングについてのインフォメーションetc,
すこしづつ更新しております。
ぜひのぞいてみてくださいネ。



話はとびますが
「音楽家はアスリートと同じ。」


と言いきる音楽家たちの言葉を
よく耳にします。



ヴァイオリニスト目線からいわせてもらえば
毎日何時間もの練習をする
弦楽器プレイヤーたちにとって
本番だけでなく、そこにいきつくまでの日々は
体力、精神力勝負。




なかでも、つい焦燥感にかられがちな
「思いどおりに弾けないスランプ」
そこから、どうやって抜け出すか。




そもそもスランプとは
「何ができていないのか、みえていない。」
状態だと思うのですが、
そこからいったん離れてみることで
何か「ギアを変え」チャンネルを変えるきっかけになります。

入れ込みすぎて全体がみえなくなってしまった自分が
別の景色に視線を移すことで「公平にものをみる思考や視点」を
とりもどせるきっかけは貴重なもの。
でもそもそも、スランプに佇んでるさなかというのは
そこからいったん離れることさえも
勇気が必要なほど難しいものなんですよネ。



初ソロリサイタルを控えた
26歳当時のNoriko.Tもまさに
そういう渦中から抜け出せないでいたのです。
今思えば。

そのため気負いすぎて、一番大切な本番を目前にしながら
楽器がもてなくなるほど左手を痛めてしまった。

田無にある整骨院の
印田隆一先生と出逢ったのは
絶望しかけていた、リサイタルをとりやめることが
頭によぎったその頃でした。

「全国から治らない患者さんがきている
整体の先生。」
そう知人からきいて
訪れた庭つきのお宅の敷地内。
「診療所」「スポーツ整体院」とかかれた無骨な黒文字の看板を横目に
梁つきの障子ガラスでできた引き戸をガラガラと開けて
「こんにちは・・」
ですがそこは閑散としていて人っ子ひとり見当たらない。
ぴかぴかに水拭きされたような床板といい、アーチ形の木目の淵で
くりぬいた「受付」とかかれた窓口といい
昭和時代の診療所みたい。
思ったとたん

「あ、お電話くださった方ですか?」

「受付」の窓から
ピンク色の看護制服をきた女性が
明るい声で、顔だけだして
「 今、院長先生きますから座ってお待ちくださいネ。」


誰もいない待合室のソファに座ったわたしは
そこで疑心暗鬼の固まりとなり
扉があいて、背の高い印田先生がにこにこと出てきたときも
疑心を隠すことなく、無遠慮な視線を先生に向けてしまいました。




ほうぼうの病院で「練習を休めばなおる」と
言われたけどそうしてひと月。
どの先生も疑わずにはいられなかった。

「手が痛いんだってね?」


皺ひとつないパリっとした白衣のポケットに
両手をいれたまま、少々茶目っ気な笑顔でたずねた先生は
「はい。」とわたしが答えると
「僕が治してあげるからね。」とだけ言いました。



診察は、どの病院でのそれと違うものでした。
上着をぬいで、腕をめくってみせたり
レントゲン室にいってくださいということもなく、
ただ先生と対峙して座ると
「手のどこあたりが痛い?」と聞かれたので
「はじめは、腕の筋だったけど今はどこが痛いのかわからないくらい
左手のすべての感覚がマヒしていて。」




すると先生は
「ちょっと、両腕をまえに伸ばして同じ高さにあげてみてくれる?」
「前へナラエ」の形、言われたとおりにしてみせると
先生は両方の手を見比べたあと指をさし「 原因はここ。あなたの左手首。」




「手首?」
まったく考えていなかった答えでした。


「 あなたの手首をこう、つないでる骨と骨がね、
はずれちゃってる状態。両手を一緒にふってみたらわかるでしょう。
グラグラしてるでしょう?」

前へナラエのまま、だらんとした両手を揺らしてみると
たしかに左手首がぐらんぐらんになっていました。



印田隆一先生は整体研究者として
数々の患者の治療にあたりながら「骨格」こそ
人間の健康を支える土台であり、
身体の痛みは、骨格が本来の場所から軌道をずれたときに
腱や筋が傷ついて感じるものだとおっしゃって
わきにおいてある机に手をのばしました。



そこに並べてあるカナヅチこそ
印田先生の治療方針の要となる小道具。
大・中・小の、木造りのおもちゃにしかみえないけれど。




その小道具をつかい、
たったの3分ほどでわたしの腕は治ってしまいました。
「手をにぎってみて、痛くないね?」
「これをもってみて、痛くないね?」

ひとつづつ確認してもらい
「  ヴァイオリンは弾けますか?」とわたしの質問に
「  リサイタルなんでしょ。 休まないほうがいいよ。
僕もねぇ、2日くらいなら休んでも平気だけど
3日休むとね、カナヅチの勘がにぶってね・・・・

 
先生の話がそのあとはもう、遠ざかっていきそうなほど
嬉しさで飛び上がりたいわたし。
(楽器が今日から弾ける。)




そんなわたしの表情をみてとり先生は
「ただね、ずいぶん長い間あなたの骨外れていたから
骨というのはね、練習しているうちまたもとにもどる習性があるから
できれば毎日、それがむりなら1日おき、練習と並行して
ここにもしばらく通って。」




先生の療法は
身体を切らずに骨をもとの場所にもどすというものです。
1ミリほど動かすようなイメージ。
(わたしは、それよりもっとひどく外れていましたが)

それは「振動」の法則を利用していて
「この骨をこの場所にもどすために、どこの骨をどっちの方向に
どのくらいの振動を与えてたたけばよいのか」を計算して
その場所にカナヅチをあてトントンと軽くたたく。
そのさい患者が痛くないのは
振動が人体に響かず、直接骨にとどくよう特殊に作られているためで
(設計も、製作も先生ご自身で)
骨格が軌道にもどった感覚も、わたし本人には自覚できないけれど
帰宅してからとりだしたヴァイオリンを弾いて
手が痛くなかったため、練習を再開したわたしは
ひと月後にせまった本番までの一日おき、先生のもとへ通いました。






あれから23年がたち
先生は御年83歳になられた今も、
田無で「印田整骨院」をつづけていらっしゃいます。
息子さんもお父さんから学んだことを
ご自身の医療に活かして、やはり田無で
「印田整体院」の名前で開院していらっしゃいます。
当時、発明して改良を重ねていたカナヅチは
医療特許を取得して、立派な金属製のものへと
生まれ変わりました。
(以前まではすべて保険のきく診察料で通えましたが)
保険もいちぶきくため、費用がそれほどかさまないのも
助かっています。





わたしを当時初診でみてくださったあと、
「僕の治療ね、じかんかからないでしょ?
だからいつもこうやって、すっきりしてる。」

カラッポの待合室を指さして笑いながら
先生は医院のなかを案内してまわってくださり
壁に飾ってある力強い日本画のまえでわたしがみつめていると
「 それ、僕が描いたんだ。」
と言って、ほかにもご自身の描いた太く繊細なタッチの絵を
並べてみせてくださいました。
そうして帰り際、

「 自分の演奏に満足できない、大切だと僕は思う。

そうじゃないと、ひとは練習を続けていかれない。
成長もできないと僕は思う。」

先生の顔をみあげたわたしに
「僕の次男坊も、ヴァイオリンをやっていてね。」
にこにこと笑いました。



みなさん
今日も、長文お読みくださりありがとうございます。


印田先生についてのお話が
1回きりで語り終えるはずなく
当時、1日おきに治療にかよい
診療所のほかの先生や受付の看護婦さんとも仲良くなって
毎回お昼休みをかねてみんなでカラオケボックスで
ごはんを食べながら歌をうたい、
その先、西東京市のロータリークラブが主催する
大カラオケ大会で「僕も審査員だから、あなたも歌ったら。」
印田先生に言われるまま大会で歌った話は
またべつの機会にゆっくりと綴りたいと思います。



先生のしっかりと裏打ちされた
治療とココロの大きな人柄、
そしてみんなと歌うカラオケコーナーに活気づけられ
身体も精神もすっかり元気をとりもどした私は
ヴァイオリンが弾ける喜びをあらためてかみしめていました。




いよいよ風向きかわり
本番へむけて最後の弾きこみを始めたころ、
ある日一本の電話がかかってきたのです。
懐かしい声でした。




来週もNOTEをお楽しみに。


新しい1週間が
みなさんにとってよき日々でありますよう。

Noriko.T◎NOTE 2023.2.26

【  神さまと森の木立 】 2023.2.19

こんにちは。



いつもNOTEをご愛読いただいている皆様
ありがとうございます。
わたしの活動そのもの、そしてこちらのウェブサイトやSNS、チャンネルを
とおして日頃から見守り応援してくださっている皆様にも
あらためて感謝もうしあげます。




先日、母が他界しました。
そのことと、ほかの意味でも
まわりの友人や関係者の皆さんにも、驚かせたり
ご心配をおかけしてしまっていて申し訳ありません。





今日は、予定変更させていただき
いま皆さんにお話しできる思いをこのNOTEで
綴っていかれたらと思います。





この数日わたし自身、気持ちの整理をつけることを最優先に
過ごしておりました。
心とむきあうのを難しく感じながら
自ら宥めるようにして、ふだんはしまい込んである思いを
両手でそっと外へ照らしてみたりしていました。






死というものに接すると
それまでの関係性や出来事がどうであれ
思い出を美化したくなることも、ときにありますが
わたしはそれができない。
その理由も今はまだお話できません。

人生に多かれ少なかれ
払拭できない何かを抱えて生きているひとは
たくさんいらっしゃるでしょう。
わたしのそれは、幼少時代にあって
記憶になるべく蓋をしてきました。
ですからそのころの景色は、
行き場を失ったドジョウたちのように身動きできず、
今でもその時代の話は気おくれしている現状です。




30歳を過ぎたころからの友人たちが
わたしの言葉に耳をかたむけてくれるようになり
そのおかげもあって、数年に1度ふたをあけ
記憶の断片を外の空気にあててみることもあります。
そうやってやり過ごすことも
知恵のひとつだと知りました。





友人たちが、
わたしの話を過大に擁護することもなく
誰かを咎めることもなく
淡々と頷き受けとめてくれる。
その姿勢によって、わたしは誇張に走る必要もなく
人生を悲観せずこられたのです。


過去はあったことを
なかったことにはできないものです。


闇と光があるとして
どちらを心に見出して生きるのか
そういった瞬間は単一ではないとも思っています。
感性も感覚も揺れ動くなか
不安定な日々を毎日数えていたけれど
闇と光は分断された存在でなく端と端にあって
まんなかのグラデーションに立っていれば
心地はそれほど悪くはないこともわかりました。



人生の早い段階から気づいたことの多くが
どう芽吹いて自分を支える柱になってゆくのかは
ずっと先までわからない。

それすら意識せず風に吹かれるまま生きていったとしても
自由という名の責任を負うべく、人生には全てありのまま
自分の姿が映し出されてゆきます。



物心と同時に気づいた「かみさま」のこと。
わたしの生きてきた大部分を、この
姿なき存在が支えてくれました。
選択をどうするか。
小さかったわたしは、かみさまに相談しなければならないことが
あとを絶えないのに、はじめの何年間むこうは沈黙ばかり。
でも話だけはいくらでも聴いてくれた。
長い年月をかけて、祈りをつうじて
かみさまとも次第に対話は叶っていきました。


ちいさな子どもが抱えている孤独は
大人のそれとはだいぶ違う。
なぜなら真っ黒い景色をみている子どもは
それをぬりかえる「想像力」をもたず
世界は永遠に真っ黒いままだと信じ込んでいるからです。




自分が沈み込んでいる闇を
別の色にぬりかえる術はどこを探せばよいのでしょう
家出をくりかえしていた時代
あてもなくとぼとぼと歩きながら見上げた空に答えはありました。
闇夜にわたしを見下ろす巨大な木立のウネリが
大きな風とともに猛然と夜を支配し
朝になると世界を白い光を照らす、そのことに希望をみいだした
のは、子どもながら本能的な知覚だったと思うのです。
この自分を沈めようとしているみえない「闇」より
はるかに無限の普遍な姿で、しかも圧倒的なつよさで
大自然は、小さなわたしに子どもだからといって手加減せず、
「厳しい、それが人生というものさ。」
と、教えてくれました。




家族とは繋がりが薄いぶん
まわりの先生や友だちに恵まれました。

温かみや、それを感じる心は
亡き祖母から受け継ぎました。
祖母の懐のなかで背中をたたいてもらいながら聴いた
優しくて哀しい子守唄が、今でもわたしの心を慰めつづけています。
わたしにとって、音楽の生まれいづる原点だと思っています。




音楽家として生きる道、
この世に与えてもらえた命を大切にして
この先も、投げ出さず歩いていきたい。



最後に
3才時、幼少のわたしに「趣味のたしなみ」として
ヴァイオリンを持たせてくれたのが母だったことは
ここに記しておきたいと思います。


弾いていくかぎり
彼女と心の繋がれる何かを
いつかどこかに見出せるかもしれないと


それも信じて。

高山 典子


Noriko.T◎NOTE

【 すべて万々歳! 】2023.2.12

こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。





先日、都内に
今冬はじめての雪が降りました。

空いっぱいのぼたん雪、
朝がた(おそらく深夜から)お昼過ぎまで
長年わたしの住むこの街も
あたり一帯静寂に包まれました。

空のうえの、みえないほど遠い暗いほら穴から
たえまなく現れては
ひらひらと、舞い降りてゆく。
すうっととけて跡形もなく
幻想だけが地に余韻する。



常日ごろは意識しないけれど
この美しき銀世界や、ふりしきる雨音に浄化され
今日も前をむいていかれる気がしています。




今週も、4/2Attic春公演への
ご予約お申込みをいただきありがとうございます。
いただいたメッセージも励みにさせていただいています。



もっか、来月からの
リハーサルScheduleが決まったばかり。
今回は、ピアニスト彩子さんとのリハ 3回
ヴァイオリン2人だけで行うリハ 3回。
約半月のあいだに、合計6回行うわけです。・・ということは
あいだのスパンが短い!
つぎのリハまでに精度をあげていくスピードをつけるためにも
ひとりで練習するこの期間にできるだけ
楽譜を深く読み込んでおきたいと自身に念じているNoriko.Tです。




ところで話飛びますが
「人生で記憶にある忘れられない年」
みなさんそれぞれ、ありますネ。




Noriko.Tのそれは
はじめ17歳。
高校時代の恩師、粕谷先生と出逢い
本格的にヴァイオリンの道を目指すきっかけを得たとき。





そのつぎが、初ソロリサイタルで弾いた
26歳のときでした。
「わたしはヴァイオリニストになる。
30歳までにソロリサイタルを開く。」
17歳で大学の菅原先生門下にはいり最初に描いた夢を、
大学を卒業したあと4年後に、実現したのです。




ですが、これまた
Noriko.Tのもって生まれた体質なのでしょうか。
波乱?に満ちたリサイタル劇でしてネ!
この「音楽人生 初リサイタル」がもたらしたものは
大きく3つです。



○ひとつ
ドイツ在住のヴァイオリニスト
ナフム・エアリッヒ氏との出逢い。



○ふたつ
リサイタル直前、西東京市で行われた
ライオンズクラブ主催カラオケ大会にて。
2000人の聴衆のまえで、松田聖子さんの歌を歌うはめになったこと。




○3つ
のちにAtticの相方となる、
ヴァイオリニストYuri Endoに出逢ったこと。






ハイ、
時代がさかのぼります☆

大学4年
わたしは菅原門下をでて(出されて)
ロシア、モスクワ音楽院から武蔵野音楽大学へ客員教授として
来日されていた、今は亡きグレゴリー・フェイギン先生のもとで
レッスンを受けていました。





卒業後の進路をどうするかという時期。
まわりの友人たちがつぎつぎと
大学院の受験申込手続きを行っているなか
何も行動をおこそうとしないわたしに
フェイギン先生は「Norikoは、どうして大学院へ進まないのか。」
「どこか外国に、留学を考えていないのか。」と険しい表情で心配し、
しまいには、菅原先生までもがキャンパスのなかでお会いするたび
「ここを卒業したら、どうするんですか。」



フェイギン先生との貴重な1枚。



2人の先生が
眉間に皺をよせきるほどご心配なさっていたのも当然で、
Noriko.T卒業後のことは、「30歳になるまでにソロリサイタルを開く。」
という以外、進路というものはなにひとつ考えていなかったんです。






「とりあえず、東京でひとり暮らしをします。」
唐突真顔で答えると、菅原先生は如何にも怪訝なお顔で
「ひとり暮らし?」

「ハイ。4年間寮生活しかしてこなかったので
今度はひとり暮らしがしたいと思っています。」

「ひとり暮らしして、どうやって食べていくんですか。
どうやって弾いていくんですか。」


「わかりません。
それしか今は考えていません。」





先生にはうまく話せない、
「自分の描いている夢」を神さま以外の誰にも打ち明けたくない
思いがありました。

親身に考えてくださっている先生には申し訳なく思いながらも、
夢というものたとえば誰かに話したら
「どうやってリサイタルを開くの」とか
「それまでどうやって準備していくつもりなの」とか、とかとかとか☆
さほど楽しいと感じられない思考にもっていかれそうな気がして。
叶えるのが楽しみでたまらない感覚を
まるで「秘密基地」のように守っていました。





ソロリサイタルを目指すために
これからはヴァイオリンの奏法技術を、学校ではなく
stageの現場で磨きたい。
どこかの組織に敷かれた場所でなく
一人で身軽になって、ステージを踏み
本番の感覚をすこしでも経験として積みたい。
その思いがつよかった。


そのためには
まず都内でひとりで暮らしてゆく
家をみつけなきゃ。


大学4年時は授業がへったので
学寮のすぐそばにあるローソンでバイトをし
ひとり暮らし資金をためました。
大学卒業と同時に隣町に住み始めてすぐ、
「韓国人の女の子を一人教えてほしい。」と人づてに頼まれて。

ひとり教えはじめたら
芋づる式にというか・・半年後には
韓国人の子どもを22人、生徒としてもつように。
新宿いったいを毎日昼から夜まで走りまわって一件一件のお家をまわり
2歳児~思春期高校生までの子たちにヴァイオリンを教えながら
オーケストラの仕事や、テレビスタジオでいただくお仕事などやりながら
個人的に、フェイギン先生のお宅へも通いレッスンしていただいてました。





教えながらお金をすこしづつため
100万円のリサイタル資金ができたのが、25歳のとき。
ルーテル市谷コンサートホールの1年後を、予約しました。
同級生だった友人から紹介してもらい
ピアニストとして高良仁美さんに共演していただくことに。






2時間フルサイズのプログラムは
フェイギン先生が一緒に考えてくださいました。
ベートーヴェンやクライスラー、ドヴォルザークと並んで
「Norikoは、これを弾くといいんじゃないか。」
低い声のロシア語と英語が混ざったような言葉で
先生がすすめてくださったのが
昨年末も弾いたあの「ヴィニアウフスキのスケルツォタランテラ」。





どうせやるなら
安全に弾けるものだけじゃなくて
冒険挑戦しなきゃ☆
by Noriko.T







「このプログラムで、いきます。」

初めてご挨拶させていただいたとき
ピアニスト高良さんから
「 そう。 意欲的なプログラムね。」と。




学生時代からそれまで「本番」というと
長くて10分のたった1曲を何か月もかけて練習する期間が
じゅうぶんにありましたが
2時間ぶんのソロ・リサイタルは、いっきに曲数15~20曲。


そのすべてを偏りなく
当日まで仕上げていかなくちゃならない。
その当時のわたしは「長期的な練習プランをたてるスキル」が
さまざまな視点や経験や、正しい勘をともなったものであること
楽譜をよみながら、どういうプロセスを積み上げていくべきか
じっくり考えることがいかに大切か
全くわかっていませんでした。


「ようーし!」

1年後をめがけ
はりきってスタートしたのはいいけど
やみくもに回数だけ重ねるような不効率な練習ばかり
じかんを費やしたため、身体が疲労困憊へまっしぐら。

(手が痛い。)

それすらも気がつかないまま
あるとき、左手でうすい紙きれ1枚すらもてないほど
手が痛いと感じようやく、ハタと我にかえり楽器をおろしたのです。


学生時代、菅原先生に紹介していただいて
腱鞘炎になるたび通っていた
整体師の先生のところへいっても治らず、
大学病院や、ほかの先生にみてもらっても
レントゲンまでとってもらって調べてもらっても
症状は悪化する一方で、焦燥感に駆られたわたしは
どんどん気が沈んでゆきました。
その頃には、右手でつかんで持ちあげないと、
自力では左腕を机のうえにおくこともできなくなっていました。



ルーテル市谷での
いよいよ本番の2か月前のことです。
楽器を全く持てなくなって
すでにまるひと月がたとうとしていました。




みなさん、
ここから本番までの凝縮したあいだに
個性溢れるヴァイオリニスト、エアリッヒ氏が登場したり
わたしはカラオケ大会に出場するのですよ☆
人生とは、先が読めませんネ。





でも、このひとつひとつのプロセスどれが欠けても
その後こんどは「遠い異国の地、
星の瞬く空のした、屋根裏部屋で出逢った日本人ヴァイオリニストと
stageで共演していくようになる」なんて
奇跡のような幸運を、手にいれることはできなかったかも。





だからほら、よく言うでしょう。

『 すべて大万歳さ。』

わたしもその思いです。



来週は、Noriko.Tを窮地から救った
現在83歳名物医学博士、印田隆一先生のお話から
綴っていきたいと思います。

みなさん、長文をお読みいただき
今日もありがとうございました。


午後になって、
すこし陰るのが早い本日。
このあとも、どうぞよき日曜日の午後をおすごしくださいネ!

Noriko.T◎Note

【 つかず、はなれずともに歩む極意まで  】2023 2.5

こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




今朝はいつになく明るく
数日前の沈んだ寒気がはねあがったようなカラリ空。
朝いれたcoffeeとともに
窓の外を眺めていたら思い出した本のなかの一節。






『おや、また空が近づいている。・・・略

太陽のまぶしさに手をかざそうとするけれど、
いったい何年かかったら手は太陽にとどくんだろう。・・略

視界から風景が消える。
目の前の青い青い青い空が、まばゆい光におおわれてゆく。‥略
「見つめなさい。」遠くから声が聞こえる。
まぶたを開けると、光の洪水がなだれこんでくる。
まぶしい。   』



10年まえ、名古屋までLIVEを聴きにいった
AKIRAさん(ニューヨーク在住)というアーティストの著書で
(ご本人のサインもいただいた記念本)
タイトルは「COTTON100%」。



「日本ほどヒッチハイクのやりやすい国はない。
そん時も一時間ほど待ってたら、トラック野郎がひろってくれた。」



言葉にできないほど
心を大きく揺さぶられたstageと、
本プロローグ中、この言葉に妙に惹かれるようにして。
日本では聴けるチャンスあまりなく、私もそのときのLIVEきり。
本棚に1冊残った思い出を、たまにとりだし
言葉をひろって読んでいるのだけど

本のなかに浮かべた自分だけの空想は、まるで幻のよう。
ときおり蘇ったり、遠く霞んでいったりして
ふとこんなふうに日常にふたたび現れる。
窓の光を目にして、またこの本の
飾り気100%なしのエッセイ開いてみたくなりました。




さて☆彡


1日からAttic春公演(4/2)【Songs from Skylight】の
ご予約お申込みがいよいよスタート。
早々とお申込みくださったみなさん
ありがとうございます。





Songs from Skylight。
私たちのCDアルバムの
タイトルからちなんでつけました。
公演をそろそろシリーズ化しよう!
そう決め今後は同タイトルで公演繋げていこうと
いう思いを表しています。




10回目の公演。




正直、Noriko.T
ゆり氏とは、もっと長い年数コンサートやってきた感じです。
10年なんてあっさりしたものじゃない、
20年以上まえの出逢いまでさかのぼってみると
「よく続いてこられたなぁ。」という思いと
これからが、本当のはじまりという気持ち。




よく続いた、はなぜって
「女性同士の、同楽器」
もっとも典型の、解散まっしぐらコース
コンビだからです(笑)
今回、ご一緒していただくピアニストの彩子さんにも
「3年目」を過ぎたころ


「よく続いてるネ~すごい!」と言われたかすかな記憶あり。



そういわれたNoriko.Tはというと。
胸の内

( 3年もった、よし♪
 これで5年はもつ、そうしたら10年後も一緒に弾いてる、きっと。)


新婚夫婦のありさま、みたいでしょう?
それも超えてしまって、もはや「姉妹となってます。」
昨年のNOTEで、断言しちゃいました。




けれど、彩子さんの
「 3年もつは、すごいネ」はやっぱり真髄を得ていて
そのころの年月が1番大変だったように思うんです。

なんせ気をつかう(笑)



お互い気をつかいすぎて
変に仰々しくなって、
逆に、変にそっぽ向いてみたりネ
どうしてよいかわからない歳月がつづく(笑)




そもそも、じゃなんで
2人で組むことになったの?
というと
これが始めは、わたしからの「一方的な提案」により
スタートいたしました。

「 自分にはない、よきもの」を
ゆりチャンがたくさん持っていたので
あやかろうと(笑)



弾き方がぜんぜんちがうところに
まず惹かれたのです。
同じ楽器を弾いていて、そういう相手と一緒にやっていくことが
「財産」になる気がして。


2人とも当時、ある意味「まっしろな時期」という
タイミングも重なっていた。
ゆりチャンはドイツから帰国したばかり、
日本でこれからキャリアをスタートさせるという時。
一方わたしは、5年プロデュースしてきた「GRAND CONCERT」という
大舞台を終えて、自身のstageを本格的にやっていこうと
決断していた時でした。

そのGRAND CONCERTに出演もしていた
彼女のことを当時は「プロデュースする立場」からもみていた。
自分が、この立場を抜け出て
ヴァイオリニストとして腕を磨いていくためにも
なにかシリーズ化したものを作ってコンスタントに活動する礎を
築いてゆくためにも、必要なのは・・
目の前にいる
(ゆりチャン!)




Noriko.Tの猛列アプローチに折れてくれて(笑)
こうして、ヴァイオリン・デュオAtticは
誕生しました。




端正で、端整。
ダブルで端をつけたくなるほどの
美しい演奏が、ゆりチャンのViolinの魅力。
音は、人物を如実に表すしかり
彼女自身がとても丁寧かつ、繊細なココロをもった方なんです。

音色が底抜けに明るいのも
動画や写真イメージから伝わってくるまさにそのとおり。



その頃、気ままに自由にというか
何も考えずに楽器を弾くようになってしまっていた私は
彼女と並びながら、「きちんと正しく弾く」
本当に基礎的なことをあらためて考えるようになりました。


ヴァイオリニストの個性は
弾きかたさまざま、フォーミングも歌いまわしも
人により違いは顕著ですネ。
ただ、「基礎としての仕組み」はひとつ。



3年過ぎるころには
おのおの相手と向きあいかたも肩の力がぬけてきたというか
「お互いのよきものを交換」するのがうまくなったんだと
思うんですネ。



ついプロデューサー目線になっちゃうけど
タイプの違う顔立ちと、あまり変わらない背の高さ
(最近はわたしが裸足のため、低くなる 笑)というバランス。
「華やかなダブルヴァイオリン」のスタイル。


ピアノなしの狭い会場でもOK「かつ華やかに演出できる」利便性もともない
お仕事であちこちで弾かせていただきながら
年1回の自主公演をかさねてくることができたというわけです。




Atticというユニット名。
Songs from Skylightのタイトル。


どちらも、
わたしたちの「1番はじめの出逢い」に
由来しています。
その場所が日本ではなく、遠い異国の地であったことを
次週のNOTEでお話していきたいと思います。



みなさん、今日も
長文お読みいただきありがとうございます!



午後の陽ざしも
とっても明るいですネ。

このあとも
よき日曜日の午後をお過ごしくださいネ。



Noriko.Tから本日お贈りする
YouTubeはこちら☆


Atticによる「Navarra /サラサーテ」
松本記念迎賓館にて。
ピアニストは日下部史奈さん。




Noriko.T◎Note

【 暮らしに手間をかける意味 】 2023 1.29


こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。



さて♪
きのう、scheduleページを更新しまして
Attic春公演(4/2)のプログラムラインナップ
Upいたしました。
今回は、フルコンサートサイズ。
春らしい明るい流れがいいネ!と相談しあい
休憩をはさみ、前とうしろで趣向を変えた
プログラム運びとなりました。
前半かろやかな、お耳馴染みのメロディを
さらりと楽しんでいただいたあと、後半では重厚な
本格クラシックの名曲アンサンブルをたっぷりと聴いていただこうと
いうものです。
いよいよ、今週2月1日(水)からお申込み受付もスタートします!
みなさんのご来場を心よりお待ちしております。






ところで、この数日
ちょっぴり雪も降ったり、強風が吹いたり
とくに寒かったですネ。
お風邪などひいていませんか。
Noriko.Tも、すこし先の春の訪れまで
あともうすこし☆と、、夢見さなか
「ぶるっ」ときそうになり。。
どんなに忙しくても手で作った献立メニューをいただき
大地の恵みなるエネルギーを絶やさないように
心がけておりました。


ところで
Noriko.Tがつねづね、みなさんからご質問をいただく「項目」が
いくつかありまして、例えば
「なんで本番はいつも、裸足なんですか?」
など、公演に関するものが目立つなか、
実は、それを上回る、ダントツ多いご質問をいただきます。
それがこちら。


→ 『Norikoさんは、髪の毛を黒く染めているのですか?』

しまいには、ごく身近の友人たちまでもが
近ごろはわたしに会うと、お決まりのように同じセリフを口にするものですから

(年がいってるクセになんで髪の毛だけ黒々なんじゃ?)
と、まるで不可解と感じてる胸の内をだれも隠さないあたり
失礼しちゃうわネ。とわたしが胸の内でどついていることも
表面化せず今のところ平和を保っております♡


この場で、よい機会を得て
お答えしますと
「 Noriko.Tは、髪の毛を染めておりません。」


実は20歳のころ、1度だけ
直毛の自分には一生無縁と思われた
ウェーブ茶髪に憧れて、美容室でかけて染めていただいたのだけれど
「黒い瞳に似合わない。」と美容師さんにあっさりきっぱり言われ
鏡をみて自分でも納得したし、1度やって気がすんだし(笑)
というわけでそれからは、「生まれ持った天然黒髪」を大切にしようと
覚悟を決め今日に至っています。



天然素材を大切にするには
手間というもの、かかりますネ。髪の毛も同じ。
女性にとって誰しも「髪は命」といったほどですが
Noriko.Tにとって、髪の毛は特別だいじなものと
はじめて自覚したのは、ともに暮らしていたいまは亡き祖母の言葉でした。


「 のんちゃんの髪の毛は、真っ黒でさらさらな
   綺麗な髪の毛。長く、大事にしなさいね。」

栄養士の資格をもっていた祖母は
髪の色素をつくる栄養の多くはいった献立を
いつも食卓に並べてくれていました。


○黒ゴマのたっぷりかかった、ホウレンソウのおひたし

○わかめのどっさりはいったお味噌汁


○のりで巻いたプロセスチーズの餃子巻き  などなど


ずいぶんのちに、自分で料理をするようになって
その頃の祖母が作ってくれた食の積み重ねが、
健康な黒髪の基礎をどれほど丈夫にしてくれたのか
実感することに。


そして現在も、祖母が敷いてくれた土台を大事に
毎日の食事で必ず、プロセスチーズ、黒ゴマ、わかめ、ノリなど
「色素を形成する栄養」をもった食べものをいただくように
することと、本当に必要以外の夜更かしはさける、
10年以上つづけている朝晩「フェイス・リフティング」など。
天然素材を手間をかけて大切にするっていうのも、「覚悟ものだナ。」
というのが、最近の思うところです。



ショッピングで買ってきたドライフラワー。


ところで、話変わりますが
恵比寿ガーデンプレスに入っている
ショッピングモールの「Todays Special」という
暮らしの雑貨専門店へ、おととい行ってきました。




柔らかい布地素材のエプロンや、籐のかご、
グリーンの鉢植えや、食器類、色とりどりの文房具、、
ありとあらゆる生活雑貨がオシャレに並べてあるので
楽しくってずっといたいくらい☆


またこようと、忘れないために
ドライフラワーを3束購入。

自宅に帰ってから
15年くらいの間つかっていた
籐素材の内側の布をキレイにはがして、
「花入れのかご」と生まれかわり、
愛鳥のお気に入りスポットである灯ランプの足元に
飾ったのが、うえのPhoto。




ドライフラワーのさりげない佇まいも
たまにはいいネ、と思い
今シーズンはいろいろお部屋に飾っています。
3枚目のPhotoは、Scence(香り瓶)の液体なかに
さして、お部屋に広がるように。


年があけてからの、初ショッピングDayだったので
とにかくじかんを忘れて思い切り楽しんじゃいました。
よきじかん、よき息ぬきになりました。



今日は、天然由来の話題つながりで
最後に。

友人からいただいた
「アルテバス」という天然よもぎ100%の
入浴剤のお話をして終わりたいと思います。




結論からいって
素晴らしい入浴剤と出逢ってしまいました。
自然から癒してもらうということを
肌で実感。

毎日入浴しているので、わかりすぎるくらい。
お湯のなかで芯から温まった身体が
のびのび気持ちよくて
稽古で酷使したあとの首すじや足などにも
あてながら、いつもより長めにお湯につかり
香りそのものもたしなみました。
寒さ厳しい冬の間だからこそ、心がほわりほほ笑むような
じかんを作っていきたいと、心から思う入浴タイムでした。




「おうちじかん」という言葉は物語っていますネ。
「家の」「部屋の」ことに手をいれ、手間をかけ工夫していく。
そういう楽しみを、暮らしのなか取り入れていこうと
する時代なんだナ、と先述のショッピングシーンでも
思いました。


本当によきものの価値が
問われているようにも感じました。

価値観が変わっていくというより
じぶん自身で価値を見出してゆく時代なのかも。



心地よきことを
追い求めていくと
つきつめてゆくと
それをみわける五感を磨きたくなる。
本来の本質に近づいてゆくのですネ。




あたりまえのことを
あたりまえにやっていく。
そのことを忘れずにいようと思います。
日々の暮らしに
心を向けていくことはささやかで
とびきりの健康法と信じて☆






みなさん
今日も、よき日曜日のおじかんを
お過ごしくださいネ!








Noriko.T◎NOTE 2023 1.29

 森のコテージ 】2023 1.22



こんにちは。


Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。



新春と謳いながら
温かい陽ざしと底冷えの寒さ
行きつ戻りつ、たゆたうように
時節はうごいてゆきますネ。
みなさん、お元気ですか。

この週末はNoriko.T
友人たちと新年会の巻き☆
昨夜は、卓を囲みじかんを忘れ話し込むという
いつ以来?とにかく久しぶりで
もともと弱く呑めないお酒がますます呑めなくなっちゃっていた!
かわりに、お魚とごはんの美味しさを堪能しながら
楽しいひとときでした。



子どもの頃とちがって
知り合ったひとと誰とでも「友人」には
簡単にはなれない気がしていて。
(わたしはふりかえると、子ども時代からそうだったかも
しれないけど。)


人はみんな、多様性を秘めているし
矛盾を抱えてもいる。
そういうなかひとつでも相手と
「繋がれる」何かをきっかけに友人になれたとき
かけがえのなさを感じますネ。



放っておいたら消えてしまいそうな
小さな「点」を絶やさずつなげていきたいと
あらためて感じている今日。
今宵もまた、これまた30年来の友人たちと集う日なので
旧交を温める大切なじかんを過ごしてまいります。




さてさて。

つい先日、Attic春公演のインフォメーション
第1弾をScheduleにUpいたしました。
フライヤー、プログラム等はまた追って
掲載いたしますのでお楽しみにしていてくださいネ。



AtticのYouTubeは
Xmasシリーズでみなさんご存じくださっているけれど
生のコンサートは初めてという方多くいらっしゃると思います。
ダブルヴァイオリンのスタイルは
単にサウンドが2倍、という以上の重厚たる響きを生む空間です。




向きあって鳴っている楽器どうし
共鳴してさらに響きが膨らむのですが
そこにピアノがはいることでさらにボリューム大に。
「響き全体のなか」に包まれるような心地を感じてもらえるとよいなぁと
開催月の季節感や、立地環境なども
浮かべながら・・2人で演目プログラミング中です。






Atticのコンサートはひとつ、こだわりが。
毎回ちがうピアニストさんをゲストとして
お迎えする、というものです。
インフォメーション中お気づきの方いらっしゃるかもしれませんが
今回のゲストは、曽我彩子さんにきていただくことに
決定いたしました。。!





彩子さんのことは、このNOTEで1度
ドイツへの旅の話にからめてなど
ささやかにご紹介しておりますが
まだまだたっぷりお伝えしたい素晴らしいピアニスト。
こうして再びご一緒できることになり
(前回Atticで弾いていただいてから3年半ぶり!)
大きな喜びに溢れています。
公演まで、じっくりと綴ってゆきますので
みなさんこのあとのNOTEも乞うご期待ですよ☆






今日はすこしだけ
ホールのお話も。
雑司ヶ谷音楽堂というレトロな名前。
演奏家たちのあいだで、
訪れたひとたちのあいだでも大人気の
この小さなホールが、今回の公演舞台となります。




実は、この場所
YouTubeの「音楽家の稽古部屋」シリーズで
1度だけ撮影に使わせていただいているんです。
そのときの動画がこちら↓


https://youtu.be/YgS3e4H6gT8

ひっそりと佇む
まさに住宅地のなかにあるコンサート空間。
「森のコテージ」みたい。と表現するひともあれば、
Noriko.Tのイメージでは「教会のようなところ。」
と言うとピッタリかな。







とにかくホールのまわり全体が静か。
雑司ヶ谷という昔ながらの一等地を誇る土地柄なのでしょうか
木造りの温かいホールなので
季節感が全体に反映されているのが
この場所の魅力なのです。



Atticの今までは
秋シーズンの開催が主流だったのですが
今回はじめての「春シーズン」ライヴ。
今までとどこかちがう、きっと新鮮な空間になると
予感いたします。
追々選曲、プログラムのこと
満載に綴っていきたいと思っています。
楽しみにしていてくださいネ。





そして、今日の最後は
現在の制作について・・。

昨年末からすこぅしづつ
断片を手繰り寄せて
「素材」なるものをかたちづくってきたのですが
つい先日、ヴァイオリンソロ譜面の全体を
4時間かけてかきあげました。



そのあと手直し、かきなおしが
ピアノ譜とあわせ何度か必要!とみこし
今月いっぱいでは楽曲として描き終わりたい!
との胸中で進めています。


今回の曲は、
とくにヴァイオリンの音色を作りこむのにも
時間がかかっていまして
果たして収録に踏みきれるのか?とときおり逃げ腰になりそうな
自分に、思い切りカツを入れながら(笑)
こちらも日々進んでおります。



今までの実感☆
「はじまり」に1番じかんをかけるべし。
by Noriko.T


すっ飛ばさず☆
丁寧にやっていくつもりで。






今日は、その制作データが
このなかにたくさん入っているせいか
うんと重い腰をあげながらPC君が
やっとの思いで作動している様子。


このへんで、切り上げてあげようかナ(笑)
と思います☆



ここからさき
1週間のなかどんどん物事が進んでいきますし
追いかけるように綴っていきますので
みなさん、ぜひご一緒に同行してくださいネ!



それでは、今日も
日曜日の残る半日
よきお時間をお過ごしください。







Noriko.T◎NOTE


【  本当の癒し 】 2023 1.15



こんにちは。


Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。



ほわっと霧雨で包むような雨降りのきのう。
春ももうすぐそこかナ。
今朝はひきつづき、グレーの空色。
我が家の愛鳥が、愛らしい表情で
ひまわりの種をくわえながら外を眺めているところです。





2か月ほどまえから
喋るようになったあと
ここ最近、言葉のレパートリーはどんどん増えて
「ピーチャンピーチャン、ピ~~~ィチャン、ピーコチャン、コラ!♡」
じぶんの呼び名をぜんぶひとまとめにして
覚えてしまっているというあたり。
人間の子どもと変わらない頭脳の持ち主を眺めている心境です。

◎生後10日ほどで我が家に迎えた頃。

◎生後4か月、喋りだした頃





あれ男子じゃなかったっけ?
そう思ったみなさん。

わたくしNoriko.Tとしては
愛嬌をこめて「ピーコ君」と呼びたい一心で
いつものように手にのせたままでれでれ・・
それが伝わるのかむこうも喉を鳴らしたりしてデレデレ。
やがて今度は肩に飛びのり、ぴょんぴょんジャレる甘え上手。
優しくカジカジと・・耳まで噛んでくれて
「ンもう・・♡」完全ウトウト気を許しているさなか
ガブリ!! くちばし攻撃。
(甘えるだけじゃ能がないと言わんばかりの+ からかいもちょっと入ってる)
そこで目が覚め、「アイタタタ・・! ピーコちゃんこら!」
となるわけですょ。

それでも、わたしの顔がにこにこして
「こら!」となっているので
怒られてるとは全然思っていないのでネ。
「ピ~チャン ダイスキダイスキダイスキ コラ! コラ、コラコラ!!」
毎朝、陽気に叫んでいます。




小鳥も笑うんですよ。
小鳥を育てた経験のある方でしたら
みなさんよくご存じだと思いますが
目に気持ちがでる。


すっとぼけてみせる様子が可愛くて
笑い転げているわたしのこと
正面からじーっと見つめながら
同じように目で笑っています。



「あ~ハッハッハ!♡」
豪快な笑い声でもなんでも
細かく真似するあたり精密なテープレコーダーでして、
赤面の一幕あり(笑)
そのつど反省し慎ましく生きようと思い定めるのですが
これがまたなかなか難しいところですネ。






言葉をしゃべるだけでなくて
よく聞く単語は意味も理解しています。
「小松菜食べる?」には、嬉しくってたまらないの
きまった鳴き声で返すし
「ピーちゃんイイ子イイ子。」と言われたあと
頭をなででもらえると知っている。
「そろそろ、おやすみしようか。」
そう声をかけると、夜にしか聞くことのできない
柔らかいささやきととも、ブランコに帰っていく。




共感性というもの
動物のそれには、人間が目をみはるものがあって
わたしが今までの人生で
ともに過ごしてきたどの動物たちも
その美しい姿を本能のままに見せてくれました。

なかでも
1番印象に残っているのが
我が家で生まれた金魚の兄弟たち。
彼らはこの家に流れる「音楽」に日々反応していました。



それも驚いたのは
「音」そのものをとおして
精神に呼応している事実。



水槽のなか、水の世界から
部屋を行き来するわたしの姿に添って生きる彼らは
忙しない動きには、ぐるぐると盛んに水中を旋回し
ソファに座ってくつろいでいる姿には、
じっと水底に落ち着いている常なのですが

ヴァイオリンを弾いている姿には
そのどれにもない別の表情で
共感していました。




コンサートへ向け
ひとつの曲を弾いていると
10匹の金魚はてんてんバラバラに
泳ぎ回っているのですが
ある時期を過ぎると、次第に
動きをとめて音楽を聴くようになります。


なんで「聴いている」ってわかるの
と思うでしょう。
なぜなら、みんな横一列に並んだ姿で
じっと見ているからです(笑)

コンセントレーション(精神の集中)に
反応している、とある日気がつきました。
本番がちかづき、演奏ができあがってきて
「通しで弾く」状況は、
あれこれ多方面に考えを巡らせて弾く稽古とちがい
一瞬無になる。


そのとき深い集中に落とし込んでいればいるほど
彼らもそれがどんな長いじかんだとしても
じっと入り込んでくるんです。
実際、当時共演したメンバーたちも
我が家でリハーサル中、ふと楽器の手をとめたさなか
となりの奥のほうにおいてある水槽のなかから
10匹の子が、背の順(体の大きい順番)に
横一列にきっちり等しい間隔をあけて並び、微動だにせず
正面をむいてこちらをみつめている、という奇跡的な姿に
「す、す、すごい・・! 写真とらなきゃぁ~・・!」
それはもう全員がたいへん驚愕していました。

乱れていれば
乱れて泳ぐ。

一点集中すれば、そこには一糸乱れず足並みをそろえる。
それはまさに「鏡」そのもので
相手をとおして自分をみつめているようなものです。
そして、わたしがみている以上に
相手はわたしをみつめていて感じている。
どんなときも、自由で寛容な眼差しで。




本能のままに生きる姿の
自然体の美しさ。
人間のわたしたちも彼らのように
本能に従って、摂理と調和して生きるのが
本来の姿なのかも、と思うことがあります。
自然体に生きることで
自らを癒すというのでしょうか。
食べたいときに食べたり
「飛びたい!遊びたい」欲求をバネのようにして
高らかに飛んだり、笑ったり
いまは、愛鳥とともに暮らしながら
毎日朝から晩までハートをオープン(全開!笑)にして
こちらに向かってくる姿に
「ンもう~♡ ママも全開で愛しちゃう!」


小さくて温かい身体を
両手で包んで、むこうが後ずさりするほど
頬をすりすり♪
してしまいます。





生まれてきて
幸せを感じてくれてるといいナ。
我が家に過ごしている日々を
めいっぱい謳歌してくれてるといいナ。
と思う今日。





生まれてまもなく我が家にきて6か月を迎え
今月終わりには「成鳥」となるピーさんのこと。
今回は特別企画にて、語らせていただいちゃいました。



みなさんには
本サイトやSNS中でも
日頃から可愛がっていただき
このNoriko.T、あらためて感謝しております。
今後とも、よろしくお願いいたします。



来週は、春(4月2日)に控えたAtticの公演インフォメーション
そして今制作中の作品のことなど
触れていきたいと思っています。


窓の外は今日、このまま
ちょっと暗めの空がつづきそう。
みなさん、温かくして
お過ごしくださいネ!




Noriko.T◎NOTE

【  普遍の街、浅草もうひとつの顔  】2023 1.8


こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




お正月あけてから1週間。
清々しい寒さながらも
穏やかな天気がつづいています。
みなさんも、もうすっかり日常生活へ
戻っていらっしゃいますか。




わたくしNoriko.T、
昨年、年の瀬は目立った外出せず
のんびりと過ごしていたので
反動というわけで☆
新しい食材のかいもの、近場の森、遠出の散策・・
つづいて、友人と浅草参拝へ etc。

新春の香りを
あかるい陽ざしのした
たっぷりと浴びてまいりました。


●昭和記念公園にて


ここ数日、知人とのメールや
SNS上のやりとりでも
「年はじめの空気は不思議で、格別ですネ。」といった
会話がつづいているのですが
世の中全体が一緒になって「せーの!☆」
と新たなスタートを切れる
貴重でとくべつなタイミング。
ようし♡
世の中のこの波にあやかろう!
わたくしとて決意している次第です。

●新しいポストイットたち



『 現代視点から古き佳きとされた時代を眺める。
”  穴に落ちた手鞠 ”の目に映った外界の姿を描いた作品。

子らに拾われた”手鞠” の運命を想像し、
物語を静観する一人の女性をわたしが演じています。』

         / by  Noriko.T



↑こちらは、昨日のSNSに掲載。
2021年に制作した「手鞠」についてのメッセージ。

https://youtu.be/8DDuoqkTnkM



実はこの曲。
そうなんです。まさに浅草が撮影舞台となっていまして
当時、、、曲調にマッチするべく「神秘に包まれた」
夜の表情をおさめたい!
一心で銀座線で街へ繰り出したというわけです。



夜21時ごろからだったかな。
たっぷり数時間、仲見世通りやその周辺、
闇夜の空に神々しい金色を放つ浅草寺に圧倒され
ほとんど人がいない「食べ放題にちかい!」夜の出店。
(実際は放題ではありません (笑))
ジャンボタコ焼きをベンチに座って食べながら
焼いてくれたおじさんと話し、




つづいて、人っ子ひとり歩いていない穴場の裏通りを歩き
お地蔵さんエリア(かってにそう呼んでる)
その日の終わりを名残り惜しむべく
白光りした蛍光灯のやけに眩しい物産店など。
それまで知っていた「浅草」という街の
まるでちがう別の輝きを目にし
目から鱗の喜びでした。



作品自体は、下水道の溝に落ち
自力でははいあがれない手鞠が
どぶの中から眺めつづけた風景を動画にしていまして
「手鞠自身が抱く恍惚とした憧れ」
「廃れゆこうとしている歴史文化」を
重ねるようにして描いたもの。

「夜もすがら」の思いといった
イメージでしょうか。







これまでにない多重のサウンドになると
予想したわたしは、
7月のあたま、まず文房具店にいき
「高級和紙」を購入!
手のひらでさわさわ・・と撫でると
表面の毛の感触がかんじられるほど
高質でリアルな和紙から
「絢爛な和世界」イメージを掻き立ててもらう素材として
そばにおき、制作をスタートしました。(その和紙がこちら↓)

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: z14kwe_mh1635170032750-580x781.jpg



サウンド作りと、収録は
かつてないほど難航。
膨大なサウンドを試して選び、収録してつなげる
作業そのものが、何度も行き詰まり
楽曲制作だけで4か月ちかくかかって完成しました。



●衣装は、アメリカから買い付けていただいたときのものを使用
日本の着物の帯をモチーフに作られたデザインドレス。
●大正ロマンをイメージしたヘアスタイルは
イメージに近づけるため毎日練習していたので
当時はどこへいくにもこの顔で外出していました(笑)

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_20211015_001627-580x405-580x405.jpg
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 3yngav.jpg



狭く暗く黒い枠のなかに
手鞠の、夜もすがらみた「夢の世界」を
豪華絢爛に表現したい。
使用したサウンドは予想どおり、かつてないほど膨大になり
そのバランスをはかるミキシングの経験値を
この期間にぐんと跳ね上げることになりました。




表面にはでてこない細かいサウンド効果が
ぶあつい響きを幾重にも支えていまして、
そういう意味からも、「手鞠」は可能であれば
イヤフォンを使用して聴いていただくと
より楽しいかもしれません。




作品は、楽曲の稽古と同じで
数でいうなら何百回も、何千回も
みつめなおしたり練ったり、手直しをいれて
「描こう」とする姿に近づけてゆくもの。


作品の「1回目の制作」は
単に、頭に描いたラフスケッチを表出したにすぎないと
Noriko.Tの考えるところです。
それゆえ「リメイク」したい作品が
つぎつぎリストUpされてゆきます。
この「手鞠」こそ、もれなくリスト入りしています。




ともあれ☆
その親近感あふれる浅草で、一昨日は
新春の光を長年の友、さおり氏と謳歌し
とてもよき時間をすごせたこと、感謝です。




普遍の味そのもの。
大黒屋の天丼。


かの浅草寺。

仲見世通りの金魚すくい~~!




最後に2人の福々しい2ショットを(笑)
「友よ、いつもありがとう!」




つきぬけるような
ブルーの空が気持ちよい
春の気配もそこに。
今年も1年がんばろうと思いました。


神さま、いつもありがとう。


みなさん
長文お読みいただきありがとうございます。



今日も、よき日曜日の午後を
お過ごしくださいネ!


Noriko.T◎NOTE

【 新年あけましておめでとうございます! 】 2023 1.2


新年あけまして
おめでとうございます。


昨年は年の瀬さいごまで
みなさんに沢山、たくさん
お世話になりました。

本年もひきつづきよろしくお願いいたします。。!





さてさて、みなさん
お正月はどのように過ごされていますか☆





新しいものが街にあふれ
新しいお店や、イヴェントスタイルの姿が
多く目立った2022年。
そのあかるいエネルギーを繋げて
今年もこうして幕開け、いよいよ動きはじめたのですネ。
心からめでたい気持ちでいっぱいです。

2日まえの夜、Noriko.T
きたる「新しい年」のことを
じっくり巡らせていました。



わたしにとって
2022年という日々は
新しいものをさまざまな形でスタートさせた年。





なかでも年明けすぐの
「スタジオ稽古、始めます!」
宣言☆

それまで、我が家のフローリングのうえで
家具に囲まれながら、パフォーマンスを
あみだしたり、楽器を持ちながら回転する姿を
鏡で研究していましたが
「週に1日だけは大スタジオで!」

「まっしろい壁と巨大な鏡」のシュールでのびやかな環境に
自身の身体中が「変革」を体感。
写真や動画にとりこんで、みなさんにも
共有していただきながら発想を拡げ
「作りたいと願いながら先送りにしてきた」
ダンス音楽の制作に踏みきる、大きなきっかけを得ました。


https://youtu.be/X3JikH2NwpU


このときに共演してくれた
女優の亀井理那チャンからは
(ご本人いわく、『わたしにとって踊ることは呼吸するのと
同じくらい自然なこと。』)
新しいステップを教えてもらったり
彼女が毎日踊っているダンスの動画をおしえてもらって
その後もオリジナルパフォーマンスを拡げてゆく
足がかりに。


大地を踏みながらの即興ヴァイオリンを描いた
「風の森」
演奏とstageパフォーマンスに特化した
「Carnival」とつづき
2022年の三部作が、おかげさまで
それぞれ形となりました。




Noriko.T自身のなかで
ヴァイオリンを弾くことと
ヴァイオリンでパフォーマンスを表現することは
まず「別のもの」として捉え
それぞれを磨きたい思いがあるんですネ。



そこをはっきり意識して
「 1年をシーズンにわけて」過ごしていたので
★オリジナル作品のなかでは。
★クラシックコンサートに向かうときは。
と自然に色分けできていたように思います。





「スタジオ稽古」というカテゴリーを
生んだだけで、さまざまな道筋が
広がりはじめた理由には
これはもう、みなさんの反響の力。
映像をみて共感くださり、拡散したりエールを送ってくださった
そのことが本当、、、大きかった★







絵的な表現というのは
やっぱりみなさん、とてもお好きでいらっしゃいますネ。
伝わりやすいということも勿論。



昨年にもどってしまうけど
「稽古部屋」を聴いてくださった
多くのみなさんからも

「 Norikoさんの身体の表現と
音楽がとてもマッチしていて魅了されました。」

「 全身で弾いているダイナミックな迫力。」と
いうお言葉をいただき、嬉しかったのと同時に
近未来実現したいと描いている
「音楽SHOW」へ、また一歩近づけたような気がしました。





オリジナルとクラシックそれぞれの畑で耕したものが
stageのうえで交差する。
その世界のなかで、大自然の息吹と音楽の繋がりを
ファンタジーに描きたい。

それは、おおげさな夢物語ではなく
じぶん自身が追い求める表現方法を
ひとつひとつこの先も丁寧に磨いていったさきに
自然と立ち上がってゆくものなのかなと


20年前は「雲をつかむような夢のお話」
だったかもしれないけれど、、
いまはそういうふうに考えています。





追って5月にスタートしたこのNOTEも
考えを打ち明けたり
何を作っていきたいと思っているのか
みなさんに知っていただく、今や欠かせないツールと
なりました。





愛読くださっている方々からの
ダイレクトなメッセージは
「作品を通じた繋がり」にも影響していますし
コンサート会場だけでは伝えきれない表現が叶うという意味でも
これからも大切にしていきたいと思っています。






今日のさいごに。

みなさんからよくいただくお言葉のひとつ
「ともに、同じ空間にわかちあえる喜び」
Noriko.T、この言葉が大好き。





その日、その日を
心から愉しんで
わかちあって生きたい。

わかちあいましょう!



2023年も
みなさんにとって、よき年になりますよう。




そして、あともうすこしだけ
お正月気分めいっぱい☆(笑)
楽しみましょ♡


NORIKO.T◎NOTE 2023 1.2

【 底力とアイディアの、生まれる秘訣 】2022 12.25

Merry Xmas★★!!

みなさん、昨夜はどんなイヴを
お過ごしでしたか。



Noriko.Tは、日中明るいうちに、
久しぶりにゆっくりみなさんのSNSを見て回ったり、
豆から挽いたcoffeeの香りを楽しんだり
「制作作業前後の習わし&年末」の意味もこめて
部屋の大そうじにいそしんでおりました。

実はメモ魔のわたくし。
つね日頃から
細かく書き走ったメモが机のうえの
「しろい紙」やノートに膨大に・・
積み上げると、文字がみえなくなってしまうので
最近は「ポストイット」にメモして
机のいたるところにはってあるんですネ。


制作中、
必要なアイディアが
「とめどなく」押し寄せてくる「雪崩現象」がおこり
パニック防止のためたどりついた、これもひとつのアイディア!
「見える化ポストイット」
by Noriko.T

Carnival制作時の卓上ポストイット

ちなみに、
9役を演じた「Carnival」は
3時間×4回撮影ぶん
90テイク以上の「自撮りミニ動画」を整理して
制作にあたっていたため、「ひとりぶんの頭の中」では
通常ムリ!!


・・と、早々気づきまして
(通常ムリだけど、やるしかない☆彡のだから)
朝起きたときから、夜寝るまで
どんな時に思いついても、パッと「現状と新たなアイディア」が
目にみえて、なおかつ変更できるよう
「窓際の大机」のうえにすべてのポストイットを
細かくはりだして、毎日1日中「頭の整理整頓」を習慣化しておりました。





こっちはいったんボツ!
これを前に持っていって・・

つぶやくのと同時に「アイディアのくみかえ作業」。
はがしたり、いれかえたりするだけですむ
利便性は、重宝もの。

で、大そうじの話にもどるんですが
制作を終えて、ポストイットをだだだあぁっと
はがしていくときが、「ひと区切り」の心持。
終わってほっとする瞬間て、開放されますネ(笑)


・・と、ここまで
「そうじ」のお話が先行してしまいましたが
ハイ♬
そうなんです。



予定どおりぶじ、22日の夜に
「Attic/Xmasファンファーレ」が完成し
YouTubeにアップロードされました。
(はぁ・・イヴにまにあってよかったぁ・・!)






嬉しいことに
ひと晩のうちに観てくださった皆さんから
メッセージもたくさんいただきました。


ご視聴いただいたみなさん
ありがとうございます・・!




それにしても、今回
10人中、10人のかたが
開口一番、話題にしてくださった
我が家の愛鳥、「ピーさん」のこと(笑)


あらためまして「ピーチャン」の愛称にて
お初に、動画として姿をお披露目させていただきましたこと
本人(?)に代わり、感謝申し上げます( *´艸`)




「ハジメマシテ!  高山ピーです。」




このセリフ、じつは
かの相方、ゆりチャンが
さらりと言ったんです。

我が家でお茶してるときにネ。




Atticシリーズの動画制作が
ひときわ楽しくて、「短期間での完成」が叶う
大きな理由は、毎回ここにあるんですネ。


先述のCarnivalのときとちがうのは
「2人ぶんのアイディア」に恵まれる
という素晴らしさ。




基本オリジナルというのは、ひとりで作品を作る常。
「孤独などん詰まり」を幾度も経験しているけれど
「自分にはない考えをもっている相手」が
いてくれることの貴重さを、このシーズンがやってくると
(あぁ、とってもラクな気持ちだナ。)
しみじみ思います。





それと、どんな時代にも
「団欒」はなくさず、どんどんやるべき。
とも思いますネ。
お仕事だけのおつきあいって
辛くなってくることあるでしょ?



先週のNOTEにも綴りましたけれど
わたしたちは、それはもう「お茶好き」でネ。

食事にいくと、2人で4時間を超えてもなお
お喋りしつづけています。
いつも会っているのにです(笑)





そうした時間に
アイディアなるものが生まれてる。
2人でノートを拡げて何かを「相談」したことは
1度もありません。

お茶して、パスタ料理を楽しんだあと
お互いの家に立ちよったりしながら
そこでゆっくり動物たちも交えて遊んで帰ってくる。


2人ともリラックスしてるから
意識せずとも、知らず知らずアイディアを
ポンポン出しあっているんだと思うんですネ。



翌日Noriko.T、つくえに向かいながら
「きのう2人で話した面白いこと」
を思い出したりなんかして、ポストイットしていく
作業は、楽しいものです。
年に1度の、Atticシリーズの制作は
そんなわけでわたくしにとって「お楽しみのご褒美」
のようなもの。



この1年は、オリジナル「音楽SHOW」の実現へむけ
アイディアを投影しながら作品をつくり続け、
3公演のコンサートライヴでstageへ復活も遂げて
みなさんとお顔をあわせることができました。
本当に幸せな1年でした。




Norikoチャンネルを愛聴し
さまざまな曲や作品への愛情を注いでくださっている
すべてのみなさんに、
心から感謝申し上げます。





「動画とライヴは
まるで全然違いますネ。」


先日のコンサートで
多くの方が驚きを口にされていました。



そうなのです。


全然ちがうものなのです。

なぜなら、聴衆のみなさんが
同じ空間にいらっしゃる。
その力ってやっぱり、すごいんです。



みなさんに
引きだしてもらってる。


そのことを、心から
思いあらためた1年でした。
ありがとうございました。

来年も、よき年になりますよう。




NOTEは、年内
今日を最後とさせていただきます。
こちらも、毎週の愛読に深くお礼申し上げます。
来年1月1日はお休みをいただきまして
2日(月)から、あらたにスタートいたします。
どうぞ、よろしくお願いいたします。






みなさん、
どうぞ、温かくよい新年をお迎えくださいネ。


Noriko.T◎NOTE 2022.12.25

【 Xmasファンファーレ】 2022.12.18



こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。

ここ数日、急に冷え込み
家のなかで毛布をもって歩いています(笑)
みなさん、お風邪などひかないようにネ。




さてもっか◎Noriko.T。
年内ラストの動画制作中です。
もちろん、そうです♪




きたるXmas!
恒例のAtticシリーズですよ☆☆☆彡
じゃあぁ~~~ん♪♪♪


・・・といっても
ユニット「Attic」のことを
まだよく知らないというみなさんも
たくさんいらっしゃると思うので
Noriko.Tがつね日頃より
通称「ゆりチャン」と呼んでみなさんにご紹介している
相方さんのことから。




彼女とのことは、追々綴っていきたい思いあり
(足掛け12年、結成以前もいれたらもっと長いおつきあいなんです。)
今後も楽しみにしていてくださいネ。



今ここでは
一言でいうなら。
Attic(ヴァイオリン・デュオ)の
わたしたち2人は・・ずばり「姉妹」です♡

姉妹・・・のように
なってきてます(笑)

「ゆりチャン」
「ノリコさん」


そう呼びあい、
一緒に食事をして、コンサートを聴き
プライベートな悩みも、嬉しかったことも悲しかったことも
驚いたことも発見したことも打ち明けては
共感したり、「それはちがう」とモノ申したり(笑)
コンサートやリハーサル期間に関係なく
たくさんの時間を2人で共有する。


こうして綴りながらふと思ったけれど
もしや、「音楽」以外で共に過ごしている
じかんのほうが長いかも。




・・イヤ。
もっと頭を巡らせてみると
近いところで生活している私たちの
「生活リズム」のなかには
つねに音楽があたりまえに流れている感じ。

実はシンクロニシティが
わたしたちの間には頻繁におきています。
もうネ、笑ってしまうほどすごいんです。




1番「交信しあってる」のは
【今日の洋服】

過去のリハーサルの写真をみると
だいたい、2人似たような恰好をしてますネ。
2人でスカート
2人でパンツスタイル
2人で同じデザインのタートルネックと色違いのジーンズ。



以前ある日、
「私服で弾く本番」お仕事にいったときは

「あら素敵♡ お2人でお揃いにされたんですね。」


「いえいえ、たまたまなんです。」
2人でぶんぶん手を振って(笑)


そのときの私たちの出立ちというのが
「白いブラウスに、からし色のカーディガン
花柄のフレアスカート。」


スカートの花の色こそ違っていたけれど
それがまた「おそろい感」Up
自宅のクローゼットのまえで
ひとつひとつ選び出しながら「送りあっている」
というわけです。




きっと毎日、楽器を弾いているさなかにも
無意識に相手を浮かべてる(断言☆)
なぜなら
Attic結成当時、わたしたちは同じヴァイオリニストでも
全然ちがう弾きかたをしていた、ところが
近年の「動画」をひとつひとつみていると
(弾くシステム、似てるなぁ)と思えてきますネ。



うまく言えないけれど
ヴァイオリン奏法の流派が似通ってる印象。


日常の稽古について、とくに話さなくても
向き合って弾いているじかんと
それより遥かに膨大な「離れているじかん」に渡って
交信はつづいているんです。
自分たちでも、驚きです(笑)



私たちが「結成10周年」をいよいよ迎えようとしていた2020年、
世界的パンデミックの影響により
各地での公演イヴェントが次々と中止に。
毎回公演を行ってきた冬シーズンを迎えたものの
この状況に、当時わたしたちも頭を抱えてしまいました。




「10周年イヴェント」に代わる何かを、
発信できる何がしかを、ということで
ちょうど半年前からスタートしていた
「Norikoチャンネル」の場で
(ともかくやってみよう!)というわけで
Xmasの華やかさに助けてもらうかたちで
当時まだたどたどしい制作プロセスをかき集め
「Attic 10Anniversary special Xmas! 」が
誕生しました。


https://youtu.be/R__hZkDJ-M4



おもにAtticを応援してくださり
支えてくださってきていた皆さんへ向けて作ろう、と
この動画は「流れ小気味よいテンポ」というより
10年分の懐かしき写真集!に。




Noriko.Tのミキシング技術や
映像編集技術もこのときまだ
「てはじめに、やってる。」感じで
初心者感あふれてますが



動画を作っていることを
毎日TwitterなどSNSで
アピールしているうちに
「女性ヴァイオリニストの2重奏」というスタイルに
興味をもってくださる人たちが増え
翌年に制作した「Attic DearXmas」は
前年を上回るたくさんの人たちが
わたしたちのXmasファンファーレを楽しんでくださいました。



https://youtu.be/uVD6QzL2lcQ



「Xmasファンファーレ」とは
パイプオルガン、混声コーラス、
オーケストレーションや打楽器などの、サウンドを使用したもの。
「Synthesizerによる、Noriko.Tの即興演奏」を、そう名付けていて
毎回ちがうスタイルで7分のなかに織り交ぜて
入れています。




讃美歌をはじめとした教会音楽は
神さまの存在をいつもより色濃く感じることのできる
個人的にも大切にしている表現です。




1年をふりかえり
相手や自分自身を労わったり
厳かな気もちに沈静していくじかんでもあります。
きっと誰もがそうした「この時期の心持」を
過ごしていらっしゃる。



Atticが贈る「Xmasファンファーレ」には
みなさんそれぞれの、そうしたXmasと年の瀬の思いに
寄り添えるとよいなと、願いを込めています。




NOTEを綴っている今日は、
12月18日!
ひゃあぁ☆Xmas、秒読み☆




すでに2人で先週、
撮影も収録も終えてきまして
いまはNoriko.Tによる、Synthesizer収録と
最後のミキシング&映像編集、進行中です。

22日完成をめざして。
その日の夜を
楽しみにしていてくださいネ!




そして!来週のNOTEはなんと
当日ではないですか☆
なに綴ろう♡



みなさん
よき日曜日の午後をお過ごしくださいネ。

Noriko.T◎NOTE 2022 12.18

【 稽古部屋追記 】 2022.12.11

こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。
今週新たにご登録もいただき
かさねて、ありがとうございます。



さて☆彡
そうなのです!
「音楽家の稽古部屋コンサート」を
先日(12/4)ぶじ終えてまいりました。。!





ご来場いただいた皆さま、
今一度ここに、新たなきもちで
心からの感謝を申し上げます。



この1週間、なんと嬉しいことに・・!
みなさんからメッセージ、ご感想をたくさん
ウェブサイトやSNSを通じて寄せていただきました。



とっても楽しかった!stageのお2人もすごい楽しそう☆
あ~~ここから帰りたくない・・!☆
この夢の世界から現実に目覚めるのが惜しい☆

etc・・


ひとつひとつ読ませていただき
みなさんがどれほどに胸を躍らせながら
stageを楽しんでくださっていたのか
手に取るように伝わってきまして
(みなさんに再会できて
本当に、本当に、よかったなァ)と
2人で喜びを膨らませています。

○当日の朝、お客様から届いたお花
大きなサプライズをありがとうございました!


みなさんの表情が輝いてくる様子を
stageからみていたわたし自身も、
ときめいて。





みなさんお一人、お一人のハートと
心がより繋がり、深く、濃くなっていくのを
1曲すすむごと
ひしひし体中で感じていました。





クラシック音楽を長年愛好なさっている方、
ヴァイオリンとピアノのライヴを初めて
聴いてくださった方、
ここまで間近の距離で、観たり聴いたのは初めてという方

さまざまな視点や思いのなか
運んでくださったみなさん。
その誰もが、音楽そのものを親しみ
わたしたちの演奏に興味や大いなる好奇心を抱いて
耳をかたむけてくださっている姿は
何にも代えがたい美しい光景でしたし
「音楽」や「作品」をつうじて分かち合えることの
素晴らしさを、新たに知ることになりました。



距離の近さには
みなさん特に、驚いていらっしゃいましたネ(笑)



迫力☆
全身で演じるダイナミックさ☆
弾く手元にずっと注目できた☆
こんなにも傍で!楽しめました☆

etc・・


この「近距離」は
stageとお客様席にラインをひかず、
お互いの息遣いが感じとれる空間にしたい
という思いを毎回実現につなげているものです。




そういう意味でも
会場となった「サロン・ヴェーラ」。
今回、1度はあきらめかけた「年内ライヴ」を
最後の神頼みで「会場探し」を行った結果、
わたしたちの希望と理想を
存分に叶えてくれる素敵な場所に
出逢うきっかけに繋がりました。






あの日、稽古部屋が、
空間そのものが高揚していることを
弾きながらわたしも全身で感じていて。
これはほんとう、音楽家冥利につきますネ。



ライヴはドラマだぁ~~~!☆
          by Noriko.T



「蓋をあけるまで、わからない。」
ライヴを表すのに
もってこいの、この言葉が大好き。

全てが生々しくて
予想外で。



驚きと、想像を超えた喜びに
満ちているんですもの。
It’s the greatest Happiness!







最後に、
この日アンコールに弾かせていただいた
わたしのオリジナル曲。
「静寂よ、ここに降り立ち」
のこと。


この日会場には
YouTube「Norikoチャンネル」をきっかけに
わたしのオリジナルを愛聴してくださり
「稽古部屋シリーズ」を知って
お越しくださったみなさんもいらっしゃいました。


コンサートライヴで
実際の音にはじめて触れてもらえる嬉しさ。
その感謝の気持ちを、何かの形で表したい・・☆
と思い立ち。
ライヴ限定版のピアノ譜を
この日のため、書き下ろしました。



オリジナルは、バロックスタイルを基調にした
実内オーケストラ(Synthesizer)のうえで
弾いているものなので、ピアノで史奈さんに弾いてもらったら
「どんなサウンドになるんだろう・・!」と
楽しみに胸を躍らせながら。


全曲素晴らしかったなか
最後のオリジナルが1番心に沁みました☆

涙しました☆

大自然に抱かれるようなコンサート☆

心震える空間をともに分かち合えた喜び☆

素敵な音場空間へのトリップを
体験させていただいたことを感謝します☆



etc・・



そんなみなさんのお心と、
温かいメッセージに、わたしのほうこそ
じーんと胸にきちゃいます( ノД`)♡
史奈さんのピアノも
温かくロマンチックでネ。





今日、このNOTEを綴りながら
(終わっちゃったんだナ。)
ふと、気がつきました。




寂しい~~・・

またすぐにでも
みなさんに会いたい。。!




この恋しさが
つぎへの原動力。
そう自分に言いきかせています。



ありがとうございました。


みなさん、本当に
ありがとうございました。
Let’s meet again sometime!



Noriko.T






【お知らせ◎】
昨日の、本ウェブサイトDiaryパージに、「コンサートPhoto集」22枚を
掲載しています。ぜひご覧ください☆


Noriko.T◎NOTE 2022. 12.11

  自然と音楽の繋がり  】 2022 11.27





こんにちは。


Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。

このところ、晴れの日がつづき
穏やかな風吹く姿に
なんとも心の安堵を覚えます。
みなさんは、どんな日曜日を
お過ごしになっているでしょう☆


さて☆
12月4日「音楽家の稽古部屋コンサート」
1週間まえとなりました。
今日は、本番まえに綴るNOTE。
ふだんよりもじっくりと自分と向き合うようにして
綴っていかれそうな気がしますネ。





ところで、練習期間に使用している「譜面」のこと。
Noriko.Tの長きにわたる習慣で
全曲、拡大コピーした「大サイズ」のものを
毎日つかっています。




出版されている楽譜は、(豆つぶとはいわないまでも)
キホン、音符が多くなるほど紙面が真っ黒になってゆき
(本を読むのと同じ想像してもらえると☆)
5線紙のうえにこちゃこちゃとひしめくように、並んでいる音符を
何度も何度もよみこむのに、目だけでなく頭もつかれちゃう。




ピアノとの音符の絡み、なんかも
あわせて読み込もうとするとき、
「あ、子ども用サイズにすれば読みやすい♪」と思いつき
ここ何年か習慣にしているわけです。






これは正直、(楽譜を読もう!)という
気になりますネ(笑)
小さい音符は難しそうにみえるけど
音符がおおきいと「実際むずかしい曲」も
ラクな気持ちになり、じっくりと目にはいってきやすくなる。
拡大コピー楽譜、今回も1曲づつ
まだまだ読み込んでいきます。





音楽を弾くことは
「楽譜をとことん読み込む」ことに尽きる。
音楽家の誰もが口をそろえて言うこの言葉、



こんな言葉もあります。

「すべては、楽譜にかかれている。」



はたまた、とくに古典作品においては
音符は建築のようにかかれている。
という言いかたをする方もいらっしゃいます。




本番で「楽譜をみて弾く」
ソナタのスタイル。

「譜面台をたてない」
小品を弾くスタイル。
と、とかく舞台形式を大切にする
クラシック音楽の世界。




「稽古部屋」コンサート
今回は全曲、小品集なので
ヴァイオリンを弾くわたしは
譜面台をたてませんが、
スコアといって総譜をみているふみなさんは
譜面台を使用することになります。


一方、ピアノSoloのときは
ふみなさんは譜面台を使用しない。
いろいろと、細かく決められた形式にそって
舞台も形作られているんですネ。



この3か月、毎日
楽譜を読みつづけていると
先人の言葉「すべては楽譜にかかれている。」は
この言葉自体にすべてが集約されているように
思えてきます。



オリジナル曲を制作したり
映画音楽やさまざまなジャンルの音楽表現を
経験するたびに、じぶんの表現を磨くため
クラシックを土台としていきたい思いは年々つよくなりますが
それは「必要」というためだけでなく
クラシック音楽の普遍の美しさに
惹かれてやまないからです。






わたしたちをとりまく大自然が
矛盾なく、絶えることなく、
無限につづき拡がってゆくように、
音楽には、矛盾がありません。



この楽譜とむきあっていて何か解決できない難しさがあるとしたら、
メロディがうまく繋がらないのだとしたら、
自分のほうに、自分たちのほうに
矛盾がある。
それほどまでに、シンプル。
そこにますます惹かれてしまうのです。




そのせいか公演まえになると
いつもにまして自問自答がふえてきて(笑)
生活から正そうという気持ちもつよくなり
どことなく、
「すっと前をむく」姿勢になっていくんですネ。




今週、正確には5日まえ、
ピアニストふみなさんと、2回目のリハーサルを
終えてまいりました。
今回の期間、リハーサル前の「音出し」なる日を
設けたため、実際は一緒にプログラムを弾いたのは
これで3回目。




ここへきて
2人で音をとめ、一緒に楽譜をみなおす箇所も
コアに集約されてきました。


ひとつづつ解決して
それを繋げていく
繋がらなかったら、もう1度楽譜をよむ。
繋がったら、よりよい音に
より自然体にもどしていくため、さらに読みます。





そして、
stageで手放したい。




会場で、みんなで
音楽の喜びをわかちあいたい。




終わりなき音楽の旅を
歩いていることに
心から感謝します。



この旅の道筋で
みなさんに出逢えることにも
とっておきの感謝のきもちです。







よき日となりますように。



わたしたちの音が
みなさんに、届きますように。



Noriko.T◎NOTE 2022 11. 27

【 テンション! 】 2022 11.20


こんばんは。





今日は、NOTEの更新を
おそい時間に変更させていただき
「稽古部屋」コンサートへご来場くださるみなさんに
今日までに「地図とウェルカム動画」を
送り届けたい☆
とそちらを優先させていただいちゃいました。




わたくしNoriko.Tのわがままで
申し訳ありません。
夜の更新を待っていただいた方
いつも、ご愛読をありがとうございます。
今日も、間近になりつつある
コンサートの話題にからめて
綴っていきたいと思います。





さて☆彡
そうなのです!



すでにたくさんの方が
観てくださったようなのですが
★welcome「音楽家の稽古部屋」★動画を
数日まえ、YouTubeにUpいたしました。
メッセージもいただき、ありがとうございます。

https://youtu.be/c8Hsc5Ge_xg



こちらはコンサートに来ていただくまえに
リハーサルの臨場感からみなさんに
ささやかにお届けしていこうというものです。
また、まだご来場を迷っていらっしゃる方や
わたしたちの公演へお運びいただいたことのない
みなさんへも、雰囲気を知っていただいて
いつか足を運んでいただけるといいな、という
願いも込めています。





音声や、演奏はすべて
「11月14日」の初回リハーサルのダイジェスト。
2分40秒に集約しました。



このときの録音を
11月の2日「音出しけいこ」から
比較していくと
改善したこともある一方でまだまだ、



リズムの認識の甘さや
音色の相違、
音楽の命である「ま」
これらは、2人でつめていく課題のほう。


そして残りは
おのおのの課題のほう。
実は、ここをとことんつきつめていかないと
次のリハーサルでも、
次の段階へすすんでいかれないのですネ。


Noriko.Tの、もっか最重要課題ランク1は
「音の立ち上げ」。

いや。
もっかではない、
昔から、今も、この先ずっと続いていく課題。



ふわっと歌いたい
しんみり色をつけていきたい
ぐぐぐぅっっっと迫るためにふんばりたい
軽やかにおどけたい
端正に弾きたい



そういったあらゆる表現に
「音を立ち上げる」ことが求められ、
ヴァイオリニストたちは日々
このことに多くの時間をさいて練習しています。


音を立ち上げるのは
「左指」を立ち上げるだけの話ではありません。
「 Upする 」という、演奏するうえでの「大きな仕事」について
わたしは、ドイツにいるヴァイオリニスト、ナフム・エアリッヒ氏から
とても重要な、貴重なことをたくさん教わりました。







このNOTEでも以前のせたことがあるのですが
「60秒稽古法」といって、ひとつの音を
60秒間かけて息長く、弓を返さずに弾き切るようにする訓練
、(そういう有名な稽古法があるのですが)をしていくと
音の張りをもたせること必須→そのために、、、だんだんとですネ


★できるだけ上から左指の少ない面積で
★できるだけ弓の毛をつかわずに


まるで「ひとつの点」をとらえるように
音をキャッチしていかなければだめなんだ。と
気づくようになります。




先生たちからレッスンで「指を立ち上げなさい。」って
昔から何度も何度も口うるさい(失礼!☆)ほど
言われてきたのは、「このためかァ!」と
心から納得。





実際に、エアリッヒ先生のドイツ・カールスルーエ大学での
レッスン風景を毎日、朝から晩まで見学していると

「テンション!!」

「Keep UP!・・UP!・・・UP!!!!!」

10人のお弟子さんがいると
ひとり40分ほどのレッスンだとしても
のべ8時間、1日じゅうですネ、

みているわたしの耳にもこびりついて離れないほど
この単語ばかり、叫んでいらっしゃいました。

生徒が一瞬でも
弾きながら頭で別のことを考えたり
音楽以外のことに気をとられると、
先生ってすぐわかるんですよネ。




大きな体で床を踏み鳴らし、
すこし伸びたパーマヘアをぶんぶん振り回して
「テンション・・・!!!」
「KEEP UUUUUUP・・・!!」
と、いっそう声のトーンもボリュウームも
あがってゆくわけです。


この先生の姿は、同時に
「かたときも、気を抜いてはいけない。」
という、演奏中の私たちにとって、
もっとも大切なことを如実に伝えていると
思いました。




バレリーナが爪先立ちするように
ヴァイオリニストも
「指紋の薄皮1枚で」音をつかまえ
「爪のふちで弦のうえに立つ」くらいの
うすさで、音をキレイにキャッチできるように
日々稽古を重ねます。
その「最小」の音から、すこしづつ「サウンド」として鳴らし
伸ばしてゆく作業が、楽曲の練習。




一方で弓をUpするのは
もっとダイレクトに「肉体」に問いかけてゆく
ものかもしれません。

弓の重さに、ふらついて
動きが緩慢にならないために
「OPEN弦」といって
弦をおさえず、弓の動きだけべつにして
練習します。
エアリッヒ先生から
「Norikoは、Arm(右腕のつかいかた)について研究する必要がある。」
と当時いただいた言葉も
いまでも大事な道しるべにさせていただいています。



「稽古部屋動画」をみて
まだまだ、立ち上げていかなきゃ。
その思いを、いま一層つよくしています。



コンサートのまえは
この「向かうテンション」がより濃密になり
特別な感情で過ごしています。
寝ても覚めても、どこかのメロディにつて
「うたうアイディア」を探していますし、
練習法も新しいものをどんどん試してみる
冒険心にもあふれています。




そのすべてのじかんが
みなさんとご一緒できる「その日」に
繋がっていくと思うと、
楽しみもひとしおに感じます。



コンサートまえのNOTE更新は
来週が最後になりますので
きっと、より本番にちかい心境をみなさんに
お話できるのではと思っています。




「楽しみにしています。」
というメッセージをたくさんいただき
ありがとうございました。
みなさんのお気持ちや、もうすぐ
お会いできること、とても嬉しく思います。


あらためて感謝申し上げ、今夜は
NOTEをここまでにいたします♪




新しい週明けまもなく。





みなさん、
よき1週間をお過ごしくださいネ!




Noriko.T◎NOTE 2022 11. 20

【 コンサート道すがら 】2022 11.13

こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。


グラデーションを織り成す
秋の出立をみつけて
足をとめたいと思いながらも
つい歩み急いてしまうこの頃です。
みなさん、お元気ですか。




そんな折の、ある平日
横浜で1日過ごしてきました。
買いものと
少々の気晴らしもかねて。



すこしまえに
史奈さんと、稽古部屋コンサートの
衣装スタイルを相談していたのが
きっかけなんです。
お互いの空間イメージと、
色のイメージを打ち明けたり
擦りあわせたりして
ひとつの全体像が浮かんでくるのを
もうすこしでキャッチ!
する感じのところまできて




持ち寄りのなかで
おのずと定まるのを待つのもOK(笑)
けどひょっとして、
街にくりだせば「何かあるかも♪」
そういう期待の探索は楽しいですネ。




今回は、史奈さんの
だしてくれた色イメージが大ヒントになり
この日「元町・中華街」のshopで
それとマッチするお衣装をみつけまして嬉☆
みなさん、
楽しみにしていてくださいネ。






先日、プレ・リハ―サルの
風景をほんのいちぶ
動画でみていただきました。




スマートフォンで簡単に撮影したものの
PfもVnも音の立ち上がりが
どこにあるか判別できるのが
すごい。
高性能だなと、思いました。



実は、2つの楽器
「音になるシステム」が
全然ちがうため、「立ち上がるタイミング」
に、練習の始まりではまだ
時差が生じやすいんです。



シンプルにいえば
「鍵盤を叩く」ことと
「弦を弾く」ことの動作のちがいによるもの。



テンポ感を同じに感じているはずでも
この「動作の差」により
リハーサルの段階では
細かいところで、0.1秒ほどの誤差が
曲のあちこちに生じてしまう!



この誤差をきっちりと埋めていく作業が
リハーサルの本質なのかなと
Noriko.Tは考えています。





基本的に弦楽器のほうが
音が立ち上がるための
時間がかるといわれ
楽器も小さいこともあり
細かい音程や、
跳躍、移弦に立ち遅れないで
「食いついて」いく瞬発力を問われますネ。





そして、ピアニストさんは
その「違い」を加味しながら
ヴァイオリニストの背中にピッタリ
ついていく「アンサンブル力」を求められる。
できたら「音をつける」だけでなく
「ヴァイオリンを導いてもほしいし、
世界を一緒に拡げていきたい。」
つねづね、多くのヴァイオリニストが
抱く思いですが、
史奈さんはまさに、そういうピアニストさんです。




今回のプログラム、なんといっても
「中国の太鼓」や「スケルツォ・タランテラ」
テンポが速く、リズムが命
という作品が並んでいるので
「楽譜にかかれた実際のリズム」以外の応用に
いくつも変えて稽古必須!
ヴァイオリンでありながら
「叩くように弾く」奏法をたくさん
とりいれています。



さっきの「時差」の
話にからめていうと
「弓を叩くように弾こう」とすると
叩くために一度弓を持ちあげるので
「それが遅れないように!」


この二か月ですでに
メトロノームの電池は5個消費。
わが身に向かって「鬼のNoriko.T」となって
連日励んでおります。






練習のこととなると
書きだしたら止まらなくなってしまうので
今日はこのあたりに。


当日みなさんにお渡しする
「プログラムNOTE」も
2人で書き始めました。
今回は、一行詩とはいかないまでも
それに近い端的な表現で
みなさんに読んでいただき
あとは、演奏そのものでたっぷりと
堪能してほしいというのが
わたしたちの願いです。




ひとつひとつ、
こうして皆さんと
本番までの道のりを共有させていただけることを
とても嬉しく思います。




明日は
リハーサル。
今日もMy Violinと
根気よく(笑)



みなさん
よき日曜日の午後をお過ごしくださいネ!

今日Noriko.Tがお届けする1曲は
こちら。

秋山純監督の映画「ROOM109」のテーマ。
(すでに、サントラ音楽もリメイク済みで
映画はまだ未公開となっています。)
音楽はKOSENさん。ヴァイオリン・アドリヴは
Noriko.Tが自由に弾かせていただきました。


https://youtu.be/QB7qCIYl9q4

(↑こちらはリメイク前の非公開作品)

Noriko.T◎ NOTE 2022 11.13

【 ギフトの姿 】 2022 11 6

こんにちは。
Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




11月にはいり、
「年末」がみえてきました。
昨年のこの時期、「手鞠」を制作し終えた
ばかりだったことを思い返すと
ずいぶん早いナ、と。



1日のなかで
じかん間隔は長く感じるけれど
動画をひとつ作り終えるたびに
もう時節が移り変わっている。
は、はやい。。
そして時空間の感じかたは不思議!





そんな中、先週
史奈さんとの音出しが
始まりました。
今は来週あけからのリハーサルへむけ
それぞれ再び稽古を重ねています。



相手の音が聴こえてくるようになり
「相手が描いているイメージ」が
伝わってくると、音楽が一気にふくらみ
練習へのイメージも加速していくんです。

そういう意味からも
リハーサルの1回づつが大きい。
そして、その全てを手軽に「動画撮影」できてしまう
今の時代は、わたしたちは本当に恵まれています。





音楽専用の録音機と
スマホによる動画撮影をつかい
あらゆる方向から自分たちをみつめることができ
改善の必要性をいちはやく、目と耳でキャッチできる。
この大いなる恩恵を、フルに活かさない手はありません。

本番までは、
あとひと月近く。
あらゆる恵みに感謝しながら
ベストを尽くして過ごす毎日です。




さて☆
ここから、時は30年前へ
さかのぼります。



今から30年まえの3月、
わたしは武蔵野音楽大学音楽学部
器楽学科(主科ヴァイオリン)に合格しました。

4月に大学に入ると
それまで師事していた
菅原英洋先生門下へ入れていただく
ことができました。




入試への期間は
2年という短いものでしたが
この科に入る、ということは
これからの「人生を変える」ほどの
大きな意味をもつ出来事であり
「音楽への道」を歩んでゆく切符を
わたしはこうして手に入れたのでした。




当時、菅原先生と粕谷先生をはじめ、
ピアノ、和声、ソルフェージュなど
主科目以外のすべてを指導してくださった
片岡啓一先生
(わたしが高校2年生になった年に
千葉女子に赴任してこられました。)と
多大な善意のもと
わたしの歌をみてくださった菅原啓先生(英洋先生の奥様)
のお導きと、大きな支えによって
人生におけるこの一大事を乗り越えることができました。




ここですこしだけ
試験場シーンへと
タイムスリップ!





ヴァイオリンの課題曲
モーツァルトを弾き終えた2日後です。
最終日の「自由曲」を弾く前日に
わたしには「中休み」がありました。

そのなか休み日、菅原先生が
ひばりが丘のご自宅で
最後のレッスンをしてくださいました。




この日に先生からご自宅に呼ばれたのは
レッスンのほかに、実はもうひとつ
意味があったのです。


のちのち、すべての試験が終わってから
先生がお話してくださったのですが、
「モーツァルトの本番の出来」が
いつもより不安定だったため、
自分以外の審査員たちの点数にどう響いたか
ちょっと懸念していた、とのことでした。



自由曲を弾くのに
本番への最良のコンディションを整えるために
よく眠り、しっかり朝の食事をとってから
落ち着いて試験場へ迎えるよう
その日に、先生のご自宅に泊めてくださったのでした。



(わたしは、実技のどちらの試験も
2組目の2番目というはやい順番だったので)
朝、9時からスタートする試験のために、
千葉から江古田までくるために
朝4時に起きて、長く乗り継いでこなければならず
不憫に思った先生のお優しいお取り計らいでした。




最後にゆっくりとレッスンして
奥様の作ってくださったお料理を3人で
一緒に食べたあと、
温かいお風呂に入ると
「明日も、僕は審査員に入っているから
一緒に学校まで行きましょう。」





試験日の朝、江古田駅に先生と着いて
正門まで近づいてゆくと
またもや門のところに、
あのチューバ君が待ちかまえていました。
「僕、最終日も正門のところで
待ってますから・・!」と
2日前、試験後に足早に帰ろうとするわたしのうしろから
叫んでいたのを思い出しました。



わたしは、そこに目を向けず
先生とともに通り過ぎると
「じゃ、ここで僕は。
がんばってね。」

ベレー帽をかぶった先生はそう言い
笑顔で手をふってくださいました。





モーツァルト・ホールに
午前中の組として、20名ほどが集合。
客席にすわり、緊迫した表情で
みんなが順番をまちます。
8:30をすぎると、
1組目(3人づつ)が呼ばれていく。


2組目のわたしも
そろそろだと思い、
ふと、ホールの入り口をふりかえると
またしてもチューバ君が、出口に立ちはだかるようにして
わたしをじっと見ている姿が目にはいりました。
その姿はみなかったことにするように
わたしは正面に顔をもどすと
ひたすら呼ばれるのを待ちました。




今、思い返すと
このときの「彼の姿」がわたしに、かえって
つよい気持ちを奮起させてくれたかも
しれないという気がします。

何に集中しなければならないか
ということを、人間はたまに忘れてしまいますが
あのとき、まさにわたしも
そうなりかけていました。
彼の行いによって

苛立ちや、ストレスに終始ふりまわされて
いましたが、その「音楽以外のもの」に
心を持っていかれること自体が
気のゆるみだと、気づけたのは
この最終日この時でした。

「追い詰められた彼の姿」が逆に
わたしを追い込み、邪念を振りはらって
なんとしても、本番へ集中しなければと
向かわせてくれたからです。



「2組目の3人は、楽器をもってまえに出てください。
これから、直前の10分練習に移動します。」



いよいよ呼ばれ
スタッフの方のあとを、
3人で黙ってついていくときも、
彼は「あの・・!」とうしろから追いかけてきました。

そのあと、ひとりづつ
個室にはいり与えられた10分を音出ししている間も
わたしがそこから出て試験場へ入る寸前までも
彼はずっと追いかけてきました。
けれど、その姿はもうもはや
わたしに影響を与えることはありませんでした。






1992年、3月10日
夕刻 16時。
合格者の掲示板がはりだされ
「わああっつ」と
広場いったいに歓声があがります。
わたしの人生で、決して忘れることのできない
あの大きな歓声。


「高山典子」の名前が目に飛び込んできたとき
わたしはそこに、泣き崩れました。
現在ジャズ歌手の若生りえチャンが
この日、一緒についてきてくれました。
彼女も地面に崩れ落ちたわたしと一緒に、
たくさん泣いてくれてネ。
帰り道、2人でお祝いのあんみつを
食べて帰りました。




菅原先生がのちのち
自由曲の本番の状況について
「驚いたのなんのって・・
今まで、弾いたことないような
とんでもない速いテンポで弾きだしたから、
途中でとまるんじゃないかと思って、
僕はもう冷や汗をかいたよ。」と
おっしゃっていたのが、わたしの胸に残っている
とびきりの思い出。




先生の終始穏やかさ、優しさ、明るさと
ていねいかつ的確な采配に、どこまでも支えられた
わたしの「大学入試本番劇」でした。


みなさん、
長きにわたりNoriko.Tの
17歳・18歳「青春物語」を
読んでいただきありがとうございました。




菅原先生は、ご夫婦とも
現在は退官されて、お住まいも移されて
お静かに暮らしていらっしゃいます。
お二人の変わらない仲睦まじいご様子が
今でも目に浮かびますし、
長生きしてこれからも日本の弦楽器界、
音楽界の行方を見守っていてほしいと
思います。




今日は、また
PCがうなり始めた((笑)ため
このへんでいったん終わりますが☆


大学へ入ってからのこと
菅原先生のご指導から門下をうつり
アメリカのダヴィドヴィッチ先生に学んだり
ロシアのモスクワ音楽院より
日本へこられたグレゴリー・フェイギン先生の
門下で教えていただいたことなど
またいづれ、このNOTEで
お伝えしていきたいと思います。



それではみなさん、

よき日曜日の午後をお過ごしくださいネ!

Noriko.T◎NOTE 2022 11 6

暗転と好転の狭まで 】 2022  10 30







こんにちは。
Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




数日、穏やかな晴天に恵まれて
散策日和でしたネ。
もう少して紅葉がすすんだら
鮮やかな色景も楽しみです。

さきほど
SNSとこちらのダイアリーにお知らせしたとおり
「スタジオ稽古集   Vフィールド」が完成しました。

今回、モノトーンに描く世界を作る
よい機会になりました。
ヴァイオリンの音は鳴っていないけれど
楽器のラインの美しさや、魅力も
あらためて知ってもらえてら嬉しいです。

今週は史奈さんとのリハーサル、、
のまえの「音だし稽古」が
いよいよ始まるんです。

音出し稽古。
これは、以前弾いたことのある作品の
3年という開きを加味して。。

ピアニストもヴァイオリニストも
音色、曲への解釈もそれぞれ進化しているでしょうから
リハのまえにワンクッション。
軽く一緒に弾いてみましょう!
というものです。

コンサートへむけた
本当の練習は
2人で音をだしてみてやっと、
始まるもの。
     /  by  Noriko.T

楽譜を読むことはひとりでもできる。
音楽的ラインを作っていくことは
一緒に考えていく作業。






音が立ちあがる仕組みとタイミング、
楽器のもつ特性を(ヴァイオリンは
長い音を伸ばしながら音量を大きくしていかれるけど
ピアノはそれができない、etc…)
理解し、いっしょに表現を深めていく期間ともいえます。

さてそして。いきなり話とびますが
今日の本題はずばり
「NorikoT18歳   大学入試本番」編!

ちなみにわたしが
武蔵野音楽大学を受けたときの
入試スケジュールはこちらのとおり!



_________________________

●1日目 筆記試験(国・英・楽典)

●2日目  小論文 ・面接

●3日目  課題曲(主科ヴァイオリン)モーツァルト

●4日目  新曲視聴 

●5日目    副科ピアノ(モーツァルト/ソナタ)

●6日目    コールユーブンゲン(歌)

●7日目     中休み

●最終日    自由曲(主科ヴァイオリン)メンデルスゾーン


___________________

    

音大の入試は
いわば「ひとりすつの試験」。




初日筆記のあと
翌日からは受験科目と、番号によって
個人スケジュールにふりわけられ

このように、
毎日一科目だけを受けに、
約1一週間、試験場へ通うことになります。

まずこの、初日筆記試験で
わたしは予想外の方向へ進んでしまいます。
今までのどの過去問題にも類をみないほど
難しかった音楽理論「楽典」の試験でつまずき、
しっかり解けた手応えのないまま
「なんとかギリギリ回答を終わらせ」ましたが
その時点で一度、呆然自失に。





いよいよこれから本当の試験が始まる、と
いうときわたしの脳裏にはじめて
「落ちるかもしれない。」という
底知れない恐怖がはっきりと浮かび上がってしまったのです。



実技のことばかり気をとられていた
わたしは、この初日の暗い落ち込みに
思いの外引きずられ、そのまま
全日程を進んでいってしまった わけなのですが、

さらにです。



そのブルーな気持ちが
よくない魔法をかけてしまったのか、
それとも不純な動機がきっかけで
音大をめざそうという私への、何かのギフトなのか

そのあと、つづけて今度は
大学入試という場であまり起こりそうにない
ある「出来事」までNoriko.Tは引き寄せてしまったのです。






いちおう。。かくまえに。
このお話はもう
年月もたち時効になっているでしょうから。
この場限定!とさせていただいて
打ち明けることにいたしますネ。



先述の「不出来の楽典」を受験し終えたあと
グッタリした面持ちで大学の正門をでようとしたとき
「あの。」と声をかけられたんです。

ふりむくと、
ひとりの男性(受験生らしき)が
わたしの顔をじっとみています。

「はい?」かなり、いぶかしげな顔で
答えるわたしに、その方は
「このまえ、会いましたよね。」と言うんですネ。






そう言われて懸命に思い出そうとしたら
あ、たしかに。

12月の冬休みのとき大学で行われた
入試前の「冬季講習会」。
菅原先生のレッスン室がみつけられず
遅刻しそうになったときです。
たまたま通りがかった人に訪ねたら
親切に教えてくださった。

「助かりました、ありがとうございます!」と、
ニコニコお礼をいった相手がその男性だったわけです。

「あ、あのときの、、。
その節はありがとうございました。」

 それだけ言い 
足早にあるきだしたら
その方も並んでピッタリついてくる
んですネ。

「また会いたいと思って、、。」



この言葉で
あぁ、受験生じゃないのかと
思ったんです。
がしかし、




「僕、チューバで受けているんです。」

「、、、。」

「  3浪してるんです。」
「、、、、。」

わたしが、
何も質問しないのに
そこまで彼は言って
そのあとは長い沈黙になりまして。




わたしの頭のなかはと言えば
さっきの楽典のことでいっぱいで。
はやく、一人になりたかった。

江古田駅がみえてきて
「じゃ、わたし電車に乗るので。」




やっと一人になり、気のせいか(笑)
さっきよりも大きな疲れを感じながら
深いため息とともに
(  3浪なんです。。)という言葉が蘇ってきて。





よけい気分が悪くなったわたしは
心をかきむしって忘れようと思いました。

ところが、翌日も
その翌日も
そのまた翌日も。
その人は正門でわたしの試験が終わるのを待っていました。
終わった試験のことと
明日の科目のことで
もう頭いっぱいいっぱいなところへ
。。。正門に必ず立っていて
とても不安気な顔で待っていらしゃる。
そして黙ってあとをついてくるのです。

これには、驚きを通り越し
「ちょっとちょっとぉ、、☆」

弦楽器部門と、管楽器の試験スケジュールは
時間区分がまるで違うし、
主科ヴァイオリンのなかでも
番号で午前午後に大きくふりわけられているのに
どうやってわたしを調べてるのかしらと思うと、
さすがのNoriko.Tも呆れてきまして、だんだん
ストレス→イライラ

(そんなことやってるから
アンタ 3浪人なのよ!)

、なんてネ。
いたいけな女子高生が
言えるわけもなく(笑)
いや、言ってやりたぁーい☆
と何度ここまで思ったか。
このNOTEでプンプン怒ったって仕方ないけど
(なんなのよ、もう!!!
何しにきてるのよー!!!
おかげで余計なストレス満タンよぉー-!!)←当時の叫び






笑って話しているのは
今だからでしてネ。
当時はわたしも、
このことで、うまく言えないけれど
心底「孤独な気持ち」になってしまいました。 




試験中は誰とも話ができず
こういった出来事を話せる友だちも
ましてや先生もそばにいないため、心が塞いで
世界でたったひとりぼっちになったような気持ちに。
暗い暗い試験週間でしたネ。




 そうしたなか、
主科ヴァイオリンは課題曲
「モーツァルト」の本番がまず終わりました。

暗雲吹き荒れた
このときの受験でしたが
そのなかにも一筋の光あり。
ホッと救われたことがあります。

菅原先生が
本番の試験審査員として
学内で選ばれていたことです。





6人の審査員が、
ズラリと横一列に並ぶ 物々しい試験場。

そのなかに
穏やかな先生の姿がいらっしゃることが
どれほどにありがたい幸運だったのか
神さまへの感謝しかありません。

課題曲から
最終日の自由曲へと、
Noriko.Tの一世一代の大勝負がすすむなか、
「先述の彼の行動」もまた、
どんどんそれを追いかけるようにエスカレートしていきました。

ではこのつづきは
また来週に!

今日の最後にお送りする曲は
もちろん。

新作「V Fieldフィールド」
https://youtu.be/7B8kgXi5KzE



今週もありがとうございました。

明日からもみなさんの
一週間があかるい日々となりますよう!


Noriko.T◎NOTE 2022 10.30

【 選曲の極意 】 2022 10 23






こんにちは。




Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。





昨日、制作中の
作品の撮影がひと段落しました。
当初オムニバス中として
作っていたものですが、
プラン変更、単体としてだすことにしたものです。
Noteを読んでくださっているみなさんだけに
先行打ち明けちゃいますが
今回、ヴァイオリンの「音」は入りません。






ご存じのとおり、2022年の年あけから
毎週に1度、「スタジオ稽古」を行っていまして。
そのたびに、写真や動画にとりこんで
SNSや本サイトでもみなさんに観ていただいているものですが
これは、ダンス鏡のまえで
気兼ねなくジャンプの練習や、弓を振り回すポージングなど
新しいうごきを考案する貴重タイムであるだけでなく
過去の作品のふりつけもさらに進化させていくための
今や欠かせないルーティンワークとなっています。
その「スタジオ練習」を演出化して
映像としてまとめたものが、今度の作品です。




なるべくシンプルに、を
モットーにしてますが
シンプルがもっとも難しい実はネ。(笑)
きたる公演の準備もあるため
急がずやっています。
(稽古部屋リハーサルが始動するまえの
完成をめざして・・)
どうぞ、楽しみにしていてくださいネ。



ところで
コンサート然り、制作もおなじく
曲えらびって、問われますネ。



どんな曲調をそろえるか。
特にコンサートの場は
この「選曲」いかんで
当日の雰囲気の流れに左右するといって
過言じゃありません。






メインで必ず盛り上げてくれる曲。
1番はじめに弾く曲。
今までのコンサートで人気だった曲、etc..
大きなポジションを占めるものが先に決まり
そのあいだにつなぎ的な1曲をいれたりしますが
12月の「稽古部屋コンサート」は、、、そう
60分の凝縮編。
凝縮なんですから
つまりは、全てがメイン級のプログラム!





そういう意味からしても
1曲ごとの「曲の個性」が華やかな
プログラミングになっていますから
楽しみなこと間違いなしです。
こうやってNoteに綴っていくたびに
自分でハードル上げていってる気がしなくもないですが
ともかく☆
毎回、曲でそろうまで時間をかけるのは
そうです。空間からしっかりと地固めするためですネ。




3年ぶりの自主公演再開。
幕あけ1曲目をフォーレの作品から選んだのは
彼が「サロンコンサートのための曲」をたくさんかいた人だったから。
サロン・ヴェーラ「舟」という意味のついた部屋で弾くのに
ピッタリな曲が彼の作品にはたくさんあると思いました。そのなかから
今回はヴァイオリンとピアノのためにかかれた「ロマンス」を
弾きます。詩的、叙情的なこの曲が
きっと再スタートのよき風を吹きこんでくれるとイメージして。






さて、前置きにしては長くなっちゃいました(笑)







そう、曲選び!のお話なんです今日は。
前述のNOTEで
Noriko.Tが高校3年にあがるまえ
当時の師匠、武蔵野音楽大学の菅原英洋先生が
わたしの入試本番で弾くための
課題曲と自由曲を選んでくださったのでした。





ここでいう「選曲」は、つまり
「戦略」をはらむもの。
1回きりの大勝負ですから。
Noriko.Tにどの曲を弾かせたら
運命の女神がほほ笑むのか。
菅原先生からすれば、それはもう「賭けにでる」ような
ご心境であったかもしれません。






課題曲は
Bach、Mozartなどの
古典作品から選ばなければならず
これは当時のNoriko.Tにはもっとも
「弾けない部類」にあたるものでした。




そこで、菅原先生は
これを消去法により選曲。
まずバッハは、論外。
長年の基礎を構築できていないためです。




もちろん、構築できていない時点で
どの曲も本来NGなわけですが
「無伴奏」という
ごまかしのいっさいきかない曲を
現時点はまだ手が出せないということで
バッハは、はじめに除外されました。




残るはモーツァルトですが
ヴァイオリン協奏曲の、3番、4番、5番のなかで
音色を作りこまないと弾けない「テクニック難の3番」をはずし、
つづいて「リズム表現の難しい4番」もはずされました。



こうしてモーツァルトは
残った、協奏曲No,5に決定。


一方、自由曲となった
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。
1楽章ではなく、菅原先生はあえて
あんなにもテンポの速い「3楽章のほう」でいきましょう
と。




なぜなら、ヴァイオリンの奏法では避けてとおれない
弦の跳躍(低い弦から急に高い弦の音域に飛ぶこと)
が、「速さの勢い」を利用できるから。
そして、指ならびが音階的で押さえやすいことから
1年間かけて何千回も練習していけば
身体に身についていく、とのご判断からでした。




また、この3楽章だけが
ほかの2つの楽章曲とちがい
底ぬけに明るい、ということも大きな意味が。
長期間にわたって気の遠くなるような練習回数を重ねても
心が沈まない明るいメロディであることが重要と。
ここにもしっかり全貌を見据えた先生の
お取り計らいがあったのです。

オーケストラ部引退時のNoriko.Tと親友さおりチャン(むかって右)


さおりチャンと今年のはじめ、新年会のときの1枚!



高校3年の5月、定期演奏会を終え
オーケストラ部を引退したわたしは
その後も、学校の授業が終わると音楽塔へまっすぐ運び
毎日、学校の門が閉められるまで
個室練習室で練習しました。








家へかえって、ひきつづき練習。
気がつくと夜中の12時もまわっていて
あともうちょっと、、とやっているうちに
きがつくと、夜明けに。
譜面台の足元で、制服姿のまま
床に大の字になって寝ているという毎朝。
立って弾いていたはずなのに、きちんと
弓と楽器は無意識にそろえて
自分の寝ているわきに置いてあるんです(笑)





夏休みになると
1日の練習時間は、9時間に。





武蔵野音楽大学で
受験生のために開催している
「夏期講習」があり、ここでははじめて
ヴァイオリン専攻を目指すほかの学校の人たちとも
顔を合わせたり、一緒にレッスンを受けるようになります。







自分以外の全ての人たちがもっと上手にみえ
「もっとがんばらなくちゃ。」と
こういった刺激をもらって帰ってくるわけですネ。







ところで。
本番とは
ある種の、ストーリー。
先のわからない物語のようなものだったりします。
なぜかと言うと、大抵のばあい
予期しない突拍子もないことが
「よりによって本番で」起こるのです。




家から出かけて
予定どおり会場へつき
予定どおりの時間に舞台に立って
予定したものを弾く
、、、と、そう何でも
うまく事は運ばないですよネ。



舞台で演じるために
たとえばその道半ばで、予定にない出来事が起きても
動じない、揺らがない精神と肉体を自ら磨いていくべし。
究極にいえば
「無我の境地」まで達していかなければならない、と
実感しているのは、正真正銘
Noriko.Tも、数々の本番で奇想天外のハプニングに
見舞われた経験からなのです。





その初のハプニングの洗礼を
わたしは、大学受験の本番で容赦なく受けることに
なりました。







さて。このあとNoriko.Tを待ち受けた
予想もしない出来事とは
いったいどんなことだったのでしょう!

お話のつづきは
次週をお楽しみに。




今日最後にお贈りするのは、
今や弾くのが大好きになった
バッハの作品。


バッハの無伴奏パルティータとソナタ
から、「ラルゴ」をNoriko.Tがシンセアレンジして
弾いた動画~Dear my Largo~です。

https://youtu.be/jOUW9SBjrsA



みなさん
本日も、よき日曜日をお過ごしくださいネ。


Noriko.T◎ Note 2022 10.23

【 恩師の、みていたもの 】 2022 10 15




こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。


12月4日稽古部屋コンサートの
お申し込みもいただき
重ねてありがとうございます。




今週は、ある楽譜を描き下ろしていました。
プログラムにはありませんが
史奈さんにピアノを弾いていただけることになり、、
弾くのが楽しみな一曲。みなさんも、
どうぞ楽しみにしていてくださいネ。

さて。ここ数回
連載のようになってます
Noriko.Tの懐かしき高校時代。

ここまで文字数多くなること
正直にいえば想定外でした!
けれど、、


とのプロセスも
略せないだけじゃなく
「 すべてはここが始まり 」と
再認識するきっかけに。

文字を綴るたびに
思いをあらたにしているのは
高校時代の恩師の影響力の大きさ、お言葉の力づよさ。
その粕谷先生のお話も終わりに近づいてきました。

ヴァイオリニストになる。
わたしが人生で初めて抱いた夢。
高校生活を送りながら

道すがらよちよちと手探りで歩んでいたさなか、
先生はすでに「音楽家になった高山典子」の姿を
その胸に描いてくださっていました。


生徒の未来を
信じる力をもった先生だからです。

そして、学校教育の現場で
わたしたち生徒ひとりひとりに対し
指導教員としてというより
ひとりの人間として「思うこと」を
語りかけてくださる先生でした。

「 音楽大学は、

入るよりも出たあとのほうが大変だとオレは思う。」

恩師の言葉はつねに、
今のもっと先をみていました。
その言葉ひとつひとつが
生徒の人生を一生支えるだけの力を持つのです。


先生が「そう言う」から
わたしはその「大変さ」を受け入れてこられたし、
これからだって
受け入れていく自分を信じることができる。

高校2年のある日、
部活が終わったあと
粕谷先生に音楽準備室に呼ばれたわたしは
厳しく叱られました。



二学期の中間テストの
成績学年最下位者のなかに
わたしの名前が入っていたことを
先生は重く静かに、わたしに告げて

「勉強することを、
おろそかにするようなら、部活はやめなさい。」と
穏やかな厳しい表情でおっしゃいました。




「音楽だけやっていれば、
ヴァイオリンだけやっていればいいという考えでは
先は、はっきり言って厳しい。」と。






大好きだった
憧れの先生に言われたこの一言は、
ほんとうに、ショックでしたネ。






「高校生であるうちは、
学校の授業でまずきちんと
学ぶことがあなたの義務なんだから。」






そのあたりまえのことを
練習の大変さに追われ
ついついあとまわしにしていた私に、
つづけて先生はこうも言いました。

「それは、実際大学を出て
音楽の道を進んだとしても同じこと。

、、、、やりたいことをやるためには、
やりたくないこともやらなければならない。」

●写真は。
粕谷先生を親う、わたしたちの代の卒業性たちで結成したオーケストラ






ふだん言葉の少ない先生から
あとにも先にも、この時一度だけ
一時間ほど準備室で叱られたわたしは
その日大泣きして学校から帰った記憶があります。

どうしてあんなにひどく泣いたのか、
今なら当時の自分の気持ちがちょっぴりわかる気します。

怒られたショックというより
自分を信じて応援してくれた先生を落胆させてしまった。
そのことにひどい後悔を感じたからにほかなりません。

その日から、期末テストまで
家でのヴァイオリン練習が終わると
毎晩、机のうえに
粕谷先生の「顔写真」の入った写真立てをたてて、
先生の満面の笑顔を励みにして 
もくもくと勉強に励みました。

写真だけでも
生徒のやる気をひきだすパワーは無限!
期末テストでは成績をとりもどしたのは言うまでもなく(笑)
こうしていろいろかきだしてみると




自分の姿ながら、、
女子高生の、いやNoriko.Tの?
憧れの先生へのまっしぐらな思いとは
いやはや(笑)

最後に、、
粕谷先生のその後のことを少しだけ
ここに記しておこうと思います。





県立千葉女子高校で10年教鞭をとられた先生は
その後「千葉県教育委員会」で指導主事を努められてから
ふたたび教育現場へ戻られました。
学校長として、4つの高等学校で指導された あと
なんとこんどは武蔵野音楽大学で、数年教鞭をとられました。
音楽教育を目指す、音大生たちへ向けられた授業の一環として。

そして現在。
粕谷先生は、ご自身の母校
東邦音楽大学の副学長に就任され
いまもなお、教育の現場で職務に励んでいらっしゃいます。



みなさん、長文お読みいただき
毎週ありがとうございます。






Noriko.T.の高校生活編は
次回でさいご。






3年の春さき、部活引退をむかえ
そのあとはまっしぐらに
音大受験本番の一年間へとひた走っていきます。


ちなみに
余談ですが


音大の受験は
主科のヴァイオリン以外に
ピアノ、歌、新曲の聴音、音楽理論、和声、英語、国語、論文、、
とたくさんの専門科目も受けなくてはならないのですが、




ある日、菅原先生のご自宅で
ヴァイオリンのレッスンを受けていたとき
ことの流れで
同大学で声楽の教授でいらした奥様のまえで、
「歌ってみなさい。」といわれたことがありまして。



そのあと、奥様が旦那さまに
「あの子の歌は、これからときどきわたしがみるわ。

、、あれじゃ、ヴァイオリンで奇跡的に受かっても、
歌で落とされるわょ!」と
つめ寄られたというエピソードがあります(笑)

ハイ。まさに、
まわりじゅうの先生がたをハラハラさせながら
幕をあけたNorilo.Tの受験本番。




3年生の日々はどんなだったか、
次週までゆっくりと
思い返してみることにします。



それでは最後に
肌寒くなってきて
キャンドルの欲しい季節となったいまにちなんで



今日はこの曲をお届けしますネ。

約2年まえの制作曲。
はじめて訪れた
音楽を愛する国チェコの写真とともに。

1月の最高に寒い冬の森を
レースのワンピースで半日
全力疾走した撮影の思い出話はまたいづれ!
「鐘ファンファレー」


それではみなさん
よき週末をお過ごしくださいネ!

Noriko.T◎NOTE 2022 10.15


【答えに辿りつくための稽古2022 10.9

こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いだき、
いつもありがとうございます。

急激な寒さに見舞われて
みなさん、体調崩されたりしていませんか。

わたくしNoriko.T
毎年、寒くなる時節の変わり目には
特に気をつけていることがありまして。

ひとつは、しっかりした食事を心がけることです。


根野菜やお肉をつかった料理を中心に
身体を温められるメニューを。

昔は身体が丈夫ではなかったので
コンサートのまえになると練習の疲労をため込んで
風邪をひく、みたいな悪循環を生んでしまい。

そんな経験から、
気温差によるダメージに揺るがない体力をつけるため
かなり気を配るようになったんてすネ。

今や、我が友人いわく

「健康オタクの、ノリコさん。」

このあだ名、ちょっと嬉しい☆
健康に気をつかっているイメージを持たれるのは、
よきことですネ!

もう、ひとつ
Noriko.Tこのシーズンの大原則は
「毎日、お風呂にはいること。」です。



、、といって実は1年365日、お湯をはったバスタブに入っているので
シーズン限定のお話ではありませんが☆

夏の冷房対策、冬は外気中に冷えて疲労した身体を
しっかり温めて「1日の体力をしっかり回復すべし。。!」
これをこまめに意識するようにするだけで、眠りもより深くなりますし
「 1日の働きによる疲労」を、たっぷり休むエネルギーへと
変換していくことも上手になります。






寝られないという悩みと長年無縁の理由は、
この食べることと入浴のおかげかな、と思うところです。

年末にむかう日々気忙しさとともに、
頭のなかもどんどん一杯になってきて
きもちの上でも余裕を失いがちなので、
「つい省きたくなるルーティン」こそていねいに時間をとりたいものです。

さて。
12/4音楽家の稽古部屋コンサートへ
たくさんのお申し込みやお問い合わせをいただきまして、
あらためてありがとうございます。

おかげさまで
14時からのステージは残りのお座席が、2席となりました。
みなさん、とても楽しみにしてくださっているお気持ちも
こちらまで伝わってきまして
メッセージをいただくたびにますます私たちも楽しみに、
そしてきもちの引き締まる毎日です。

本ウエブサイトでは常時Scheduleページにて。
Twitterでは、原則土曜日ごとに
残席情報や、いただいたご質問への回答などUpしております。
ぜひぜひ、のぞいてみてくださいネ。
本番まで、まだもう少しありますが
ひきつづき、よろしくお願いいたします。

さてさて。
いきなり時代ワープしちゃいます!

今日は
Noriko.T、高校3年生編。

高校2年生の秋、菅原先生門下の発表会で
大失敗の舞台をふんでからも
淡々と、菅原先生のもとでレッスンはつづきます。

その頃になると
エチュード本「練習曲」も簡単なものから。

テクニックと呼ばれる、
いわゆる「演奏技術」ですネ。
ひとつひとつ教わりはじめました。

まえのNote で
ヴァイオリンの「演奏技法」が限りなくあるお話しましたが、
わかりやすく言うと、「複数の基礎」が組み合わさって
成り立っているのが、テクニック。

●弓を飛ばすテクニックの前提
1   身体に力みない(このときは、とくにあごや首回り)
2  弓がまっすぐ弾けている
3  指を真上から押さえている

    ↑   この最低条件をクリアしていて    はじめて「弓を飛ばす」練習に    入れる

という感じ。

ほかには連続音符
重音
ピチカート弦をはじく
音の跳躍、、etc

かききれないほどの技法ありますが
菅原先生は、
わたしにまだ、どの演奏技法も満足にはできない現状だと
捉えていらっしゃいました。

その状況が、そうすぐには変わらないだろう、
とも考えていらっしゃいました。

楽器を弾くための指の長さが追いついていない、
というだけでも充分な理由です。

先述のとおり、
弦を押さえる骨格の長さや、手の筋肉量など
「何年も訓練を続けなければ手に入らない」ものは
どう計算してもじかんが足りない。



Noriko.Tの音楽大学受験は一年後に迫っていて
主課のヴァイオリンだけでも
「課題曲」「自由曲」の2曲を試験本番で弾かなくてはならないんです。
審査員の先生たちの、合格点をもらえるレベルにおいて!

さらに。もうひとつ。
菅原先生が頭をかかえていた
当時、発表会で明るみにでた
大きな問題がありました。

それはNorhlo.T.の
舞台で我を見失うほど
あがってしまうこと。

実際これについては
現在のわたくし自身の見解で、特筆の必要あり。
以下のようになります。

一般的に
本番で緊張から
身体がガタガタになりコントロールを失うことを
メンタルの弱さから
くるものだと考えるひとが多いのですが、


わたしは長年
この課題に向き合い、自分自身だけでなく
たくさんの生徒たちを教えてきたなか
得た答えは

メンタルではなく、
原因はボディにある。
日々ひたすら、楽器を弾く身体を作り込むべし!
             /By   Noriko.T



つまりは、本番で固くなった身体の緊張を
うまく外に放出していく呼吸のしかたや
身体のつかいかたを、ふだんの練習から
感覚としてつかんでおくことが大切という意味です。

そのためにも自分の身体をもっとよく知っていなければならない。
1本づつの指の長さの比率や、先端のかたちをはじめ
もっている身体条件、強み、弱点も、練習しながらすべて知り尽くしておく。
その稽古をつみあげる鍛錬というなかで
困難なことをやり遂げていくつよい精神力をも
育くんでいく、ということなんでしょうけど

当時、わたしはそこを勘違いして
「 まずは、メンタルを鍛えねば。」
というふうに考えてしまったのです。

この、初期の考えかたの方向性を間違ったことで
その先、正しい答えに辿りつくまでの十数年もの間
わたしはステージで、同じ失敗を 繰り返すことになりました。 

さて!
そこで話は受験にもどるわけですが、





受験は。
受験だけは
失敗するわけにはいきません。

菅原先生は
わたしが3年生にあがるまえの3月に入ったとき、
「来年の受験曲を、決めましょう。」と、
おっしゃいました。

レッスン室の大きな書籍扉をふたたび開け
膨大な曲数のなかから
Noriko.T が一年後に
大学受験の本番で弾くための曲を選んでくださいました。




先生が選んでくださったのは
課題曲の中から、
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番、一楽章

自由曲は、
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲3楽章





この2曲を、本番まで猛特訓の日々が
いよいよこの時から始まったのでした。。。!

みなさん、毎週長文お読みいただき
ありがとうございます。

来週は、ふたたび、
粕谷先生が登場します。
どうぞお楽しみに!

本日のさいご
Noriko.Tがみなさんにお贈りする曲はこちら




映画「ラヴェンダーの咲く庭で」より
ナイジェル・ヘス作曲の同タイトル。
演奏は、ホールバージョン。

PS。12/4のコンサートでは、この映画のなかでと
それからフィギュアスケートで広く知られた
もうひとつの曲、「ファンタジー」のほうを
弾きます。


https://youtu.be/YgS3e4H6gT8

それではみなさん
よき日曜日をお過ごしくださいネ!

Noriko.T◎NOTE 2022.10.9

【基礎を支える土台カラダ】2022.10.2

こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。




数日、穏やかな秋晴れとなり
この週末はお出かけなさっている方も
きっとたくさんいらっしゃるでしょう。



昨日から、
稽古部屋コンサートお申し込みが
いよいよ、スタートいたしました。
早速のお申し込み、お問合せなどいただきまして、
賑やかな1日となりました。

何といいましても!
ご連絡いただいた皆さんのお元気そうな様子なこと。
実はそれが1番嬉しかったりして(笑)
思わずひと安心のNoriko.Tでした。


 もっか史奈さんとのリハーサルが 
早くも楽しみなところ。
 来月のリハスタートまで ますますじっくりと弾き込んでいく つもりてす。 
みなさん、まだ2ヶ月先ですが どうぞ楽しみにしていてくださいネ!

さて。
本題へ。


ちょうどコンサートへ向けた
タイムリーな話も絡めたら面白いかナ、と思って

今日は、ヴァイオリニストの身体づくり編。
前NOTEからのつづき。

唐突ですが、
ヴァイオリンを専門的に弾いていくためには
なるべく早い子どものうちから習わせるべきだという定説は
とても理に叶ってると、今は正直、思います。

それは、楽器を身体ごと覚えるとか
指がまわるようになるためだけでなく
楽器を弾くための、あらゆる基礎を
「つよい骨格」が土台となり支えていくためです。

ピアノやチェロ、という楽器を弾く姿を
ちょっとイメージしてみると、、
鍵盤を弾く腕、弦を抑える腕が
自然なかたちで上からおさえにいきます。





それがヴァイオリンだとそうはいかない。
腕をひねっておいて
自分のとなりに立っている人の肩を
そのひねった腕のまま、トントンと叩いているようなものですネ!



その腕をキープしたまま、
指先は、力まないように軽やかに
指板のすみからすみまで
かけのぼったりかけおりたり。

そういった離れ技は
裏打ちされた基礎のチカラによって
できるようになっていきます。

超絶な基礎がまかりとおるための
身体を作っていくんですネ。

よくみれば人間の指はそれぞれ、
質感とか、長さが違いますネ。
もともと不均等なものを均一に整えていかなくちゃならない。



そのプロセスが
音程コントロールを可能にし
ヴィヴラートがかけられる筋肉を育てていきます。

ものすごく混雑した電車をちょっと想像してみてください。
まわりに押されてだんだん足をとられ
身体が浮いてくるほどですネ!(笑)

高い音になるほど
せまくなり弦の弾力のつよい反発を受けながら
となり同士の指が、押し合いへしあい・・
それでも指をきちんと立ち上げていく。
はりのある音を出すため
これぞ、ふんばる力です。

そういうわけですからほとんど例外なしに、
ヴァイオリニストの手は、
弦を抑える「左手の指」のほうが右手よりも、
1センチ〜2センチくらい長く伸びています。
骨格ごとスペシャルサイズなんです。



 左手のことを 語るだけで
本一冊かけてしまいそうですが 
弓手も同じく。です。 
見えない働きによって音の絶妙なバランスを支えていて

それを叶える強靱な身体を
小さなころから
身体が伸び盛りの柔らかいうちに作っていけば、
肉体的成長とともに高い演奏技術を
身につけていくことに
無理が生じません。




今現在は、
Noriko.Tも左指先が長いですし
楽器を弾くための身体がそれなりに伴っていますが
「17歳当時」は、当然
そのスペシャルサイズの手を持っていませんでした。



ヴァイオリンで受験を目指そうという子が
3歳から、地道な基礎練習を毎日毎日つづけてきて
ようやく難曲を弾きこなせる身体つきを得て
受験本番へと向かっているさなか、

Noriko.Tは、一般的な目線でみれば
「17歳にもなって、
まだ楽器を弾く条件に満たない身体で」と
いうことだったんだと思います。



菅原先生のご指導のもと
高校2年生の秋に、「発表会」のステージに立ったとき
その現実が、突きつけられることになりました。

何百回も、その日のために練習した「ラロのスペイン交響曲」でしたが
「この調子で、当日がんばりましよう。」と、
本番まえに先生にお言葉をいただいたのですが、

結果は・・
惨憺たるものでした。





本番で緊張したことにより頭はまっしろに。
カラダは、まるで他人のカラダと入れ替わったかと思うくらい、
いうことをきいてくれないと泣きそうだったことを
今でも覚えています。



コントロール以前の
硬直状態にステージのうえで陥ったわたしは
「何を弾いたか覚えていない」まま
スゴスゴと、壇上から降りてきました。

先生の門下生の誰もが、
ひとりひとりきちんと弾きおわっていくなか
ポツンと、ひとり。
このときは、本当に落ち込みました。

けれど、自分では青ざめていくような心境なのに、
まわりの生徒さんたちは、「よくあることよね。」
といったふうにさらりとおっしゃって
笑っているんです。

菅原先生も「よく健闘しましたね。」といった表情で
「また、がんばりましょう。」と。
にこにこ笑ってくださったことに
今おもうと救われていたかもしれません。
・・というより、先生はこのことを
当然予想していらした。
そのうえで、
こんなことは序の口。
まだまだ、これから。
という笑顔だったのでしょう。




(そうか。みんな初めはこうなんだ。
きっと私も、いつかはみんなと同じように
ステージで上手く弾けるようになる。)

  切り替え、早かったです(笑)

・・・結論からお話しますと、
Noriko.Tが確固たる基礎のシステムを理解しえたのは、
このあと、ずっと何年も先のことでした。

大学も卒業して、コンサート活動をしていても
なお、その答えを掴みきれないという
難題をずっと抱えていました。

高校生になっていて
肉体ができあがってから
基礎をスタートした難しさも
そこには確かにあったと思います。

もうひとつは
「目には見えない身体感覚」を教わることの
難しさです。

先生の目からみれば、
形のうえでは、生徒がきちんと弾いているようにみえても、
親指や、あご、弓手など、死角になっているところに力みがあったり、
下半身の土台が思わぬ不安定だったり、
見えないいたるところに「弾けない原因」が潜んでいる。

やっかいなのは、それが先生に見えていないだけでなく
生徒自身もわからないという点です。



そしてもうひとつは
学生時代に通用する基礎と
コンサートステージで活きる基礎は
まるでちがうこと。



基礎は
すべての表現技術を裏打ちしていくだけでなく
緊張して固くなる身体を
コントロール状態に戻していく土台要素にもなります。





何度も何度も実際のコンサートで失敗し、
そのたびに基礎の立て直しを図り、またもや失敗。
自分の基礎のどこに穴があるかが
この時はまだわからなかった。
もぐら叩きの状況でした。
もうやめたほうがいいのでは、と思うくらい
さらに数えきれないステージで失敗しつづけた経験のなかで
わたしは、その体感を掴んでいきました。





そして

ある日、
その瞬間はやってきたのです。

「これが、わたしの絶対的基礎だ。」と。
霧が晴れたみたいに
迷いが消えてなくなった。

「このままだと限界を迎える」という
長年抱いてきた危機感は、
そのときはじめて

「この基礎をこれからずっとやり続ければ、
わたしはこの先ずっと弾いていかれる。」
という確信に変わりました。
Nmriko.T  36歳になっていました。




みなさん、長文読んでいただき
ありがとうございます。



来週は、
いよいよ高校3年生。
菅原先生はどのような作戦で
Noriko.Tを受験の本番で
弾き切れるところまでもっていったのでしょう!
お楽しみに。

Noriko.T◎ NOTE 2022.10.2


【自尊心の生まれるとき】 2022.9.25




こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。

大雨につづく大雨にみまわれたこの一週間。
雨風が去るたびに、秋が色濃くなっていく風情を感じながらも。。
台風による直接的な影響はみなさん、大丈夫でしたか。










12月4日㈰
音楽家の稽古部屋コンサート情報。。!

もっか、11月のリハーサルへ向け
稽古を重ねております。

本サイトのスケジュールにフライヤ表が上がりました。
裏面も、まもなくですよ。
コンサートに向けてメッセージも載せました。
ぜひのぞいてみて下さい☆









さて☆

先週、
Noriko.Tが 菅原先生のご指導のもと
いよいよ「 音楽の道を歩きだした編 」を
読んでいただきました。





わたしの当時の恩師、
千葉女子高校の音楽指導教諭でいらした粕谷宏美先生と
武蔵野音楽大学の助教授でいらした菅原英洋先生。





このお二人のご縁も、これをきっかけとし
実は、そのあと驚くような展開へと発展していきました。

そのことをお話するためにも
いったん、Noriko.Tの高校生活へ!もどりますネ。

女子校生キラー
おば様キラー

当時そう呼ばれ、
女子生徒たちからも、
PTAのお母さま方からも、
はたまた卒業したOGのお偉い方々からも!
大変な人気を誇っていらしたのが粕谷宏美先生でした。




音楽家はまず姿勢がよいですネ。
先生は、低い美声も魅力的。
もともと声楽専門にやっていらした方で
穏やかでおおらかさの持ち主だったこともあり、
多くの女性がひと目でホロリとなってしまうわけです(断言☆)

そのなかのひとりが
高校1年生、Noriko.T。

入学してまもなく「ライバル多し!」をしっかり自覚
していたため、一歩でも先生に近づくため♡
迷わずオーケストラ部へ入部します。

(あたし、昔ヴァイオリンやってたことあるし。)





実際、その年
先生目当て!の多数希望者がふくれあがり
200人近い部員が入部したという。。
「当たり年」と呼ぶべきのでしょうか(笑)

とにかく、
すごい熱量の学年だったわけです。







そんな状況ですからますます
ライバル多し!危機感をつのらせたNoriko.T



、、、でも先生に近づけない。
だって1年生は、先生と距離が遠いんです(泣)
部長さんとか、パートリーダーさんみたいに、
音楽準備室に入れるようにならなきゃ。



県立千葉女子高校の校舎は4階建て。
一年生の教室は、その最上階にありました。

当時、授業と授業のあいだ10分休みのたびに
一階までかけおりて、離れた敷地にある「音楽塔」までいき、
音楽準備室のまわりをウロウロ。






先生が、何かの用事でおもむろに廊下へのドアを開けると
いつもそこにNoriko.Tが立っているわけです(笑)


こんにちは。
優しい低い声の先生が
笑顔で言ってくださるたびに
「きゃああぁ〜〜〜〜♡♡♡♡」
それはもう大変なことに(笑)






そのようにして平和な毎日を送りながら
その年も秋口になりました。
そしてある場面が訪れるのです。
Noriko.Tの運命を変える。。


(  その女子生徒は、昼休みになると
ひんぱんに音楽準備室にやってくる。
部員ではないと思う。。見慣れない顔なの。
部屋に入ったまま、先生と何を話しているのだろう。)←友人との会話☆

その女子生徒が
ネクタイの色から3年生であることをつきとめ!
さらにピアノで音楽大学を目指している
「受験生」であることがわかったのです。

希望の光が、みえてきました。
(あたし、昔ヴァイオリンやってたことあるし。)

そのあとの行動は実に早かったです(笑)
これこそ、恋の力の成せる業。







Noriko.Tついに堂々。。!
音楽準備室のドアをノックすることが叶ったのです。





いまこうしてNoteをかきながら
当時の先生のことをあらためて思い返すのですが

「こんにちは。、、、どうしたんだい?」

「あのぉう、、、、ちょっと相談したいことあるんですけど。」

ここから全てが始まったのは
ここから全てを始めることができたのは、




 わたしの当初拙い、思いつきでしか なかった「アイディア」を 
このときに、 先生のほうが
むしろ真剣な眼差しで、
しっかりと受け止めてくださったからだと思うのです。




言ってみれば
わたしより先生のほうがずっと、
わたしに対してよい姿勢だった。
わたしのウラのもくろみなど
お察しになっていらしたかはわかりませんが
「音大に行きたい。」という突飛な言葉に、教師として
じっと耳をかたむけてくださいました。

わたしの目に映った先生の真剣さが
会話が進むうち「わたしは、音大に行きたいんだ。」と
真剣な気持ちにぬりかえてしまった。
不思議だけれど、威圧ではありません。




先生は終始微笑みながら静かに、穏やかに、
「なんの楽器で受けたいの?」
「どこの大学を受けたいと思ってるの?」
「ご家族の方には相談しているの?」・・etc




たどたどしく 答えながらも
このときのNoriko.T
(なんて、優しい先生なんだろう。)と別の意味で
感動してしまっていました。



わたしの言葉を聞いてくださるだけで
それ以外大事なことは、全てご自身の背中で黙って示すような
はじめてお話した粕谷宏美先生はそういう方でした。


自分の意思をてらいなく
確信をもって話す生徒だ、と
「 先生が信じている姿」がそこにはありました。

のちに「自尊心」と呼ぶべき、
音楽家としてというより
人として生きていくうえで大切な
「自分への姿勢」を正してもらえた出来事だったと思います。




ちょっぴり余談ですが
現在Noriko.Tが制作シーンにおいて
自分で自分へのメモ書きに
「~です。」「~してあります。」
と丁寧語で記しておくのも
この自尊心を意識的に育てるライフワーク
と称してやっています。





「武蔵野音大を希望するのなら、
はやめに、武蔵野のヴァイオリンの先生について
レッスンを受けなくてはいけないね。」

先生はそう最後におっしゃって
わたしが師事するための先生を
探してくださることになりました。





先述のとおり、声楽がもともとご専門の粕谷先生には
当時、弦楽器の世界にはつてがありませんでしたから、
大学の事務方で働いていた知人の方のつてを頼って紹介してもらえた、
というのが菅原先生でした。

お二人の先生も、
その日わたしを挟んで
はじめてお会いしたことになります。








生徒のレッスンに公立学校の先生が
休日を返上して遠方まで付き添う「なんと教育熱心な素晴らしい先生」
と菅原先生が驚いていらしたことも記憶にあります。





「わたくしは、この子の在席している
オーケストラ部の顧問をやっております。

ほとんどの生徒が初心者で
ヴァイオリンを手にしています。
ぜひ、一度千葉のほうへもいらしていただき、
生徒たちのヴァイオリンを指導してやってもらえませんか。」

粕谷先生は、手土産を渡しながら
名刺を菅原先生に差し出し
菅原先生も快い笑顔で「ぜひ伺わせていただきます。」

この日、つまりは
Noriko.Tの音楽道へのスタートと同じくして


県立千葉女子高校オーケストラ部が
新たな一歩を踏み出したことになります。
それは歴史的といっていいほどの
出来事を意味していました。




はじめは菅原先生おひとりで
トレーナーとして講師へ。
やがて、菅原先生の友人の
ヴィオラ奏者、チェロ奏者、コントラバス、
大学の教授陣がつぎつぎと教えにきてくださるように。
さらなる繋がりで、管楽器のトレーナー、N響をはじめ
さまざまな在京オーケストラの先生がたが
つぎつぎと千葉女子高校へきてくださるようになりました。
粕谷先生は部活育成のため、ご自身の自費で
すべてをまかなっていらっしゃいました。
ご自身で指揮法も学び、熱心にオーケストラ指導に
音楽に対してご自身の情熱をすべてを注いでいらっしゃる姿は
高校教師の域を超えるものでした。








その熱意が実り、
弱小オーケストラ部のレッテルをぬりかえ
わずか3年後には、全国合奏合唱コンクールで優勝。
その後も連続 13年間という驚異的な記録で
全国優勝を果たした千葉女子高校オーケストラ部は
PTA父母会の尽力を集め後援会を設立。
海外への演奏旅行を実現します。
遠征先のドイツで、とあるコンサート会場で
またしても「運命の出逢い」がやってくるのです。




日本からやってきた200人以上の女子高校生たちの演奏に感動し、
あの指揮者のTeacherに声をかけたい!
と、ホールの楽屋にいる粕谷先生を訪ねた
とある人物。





なんと、
ドイツに在住していた
イスラエル人ヴァイオリニスト、
ナフム・エアリッヒ氏でした。








この両氏の出逢いが
のちのち、Noriko.Tと
エアリッヒ先生との出逢いに
繋がっていったことは言うまでもありません。


いまふりかえってみても
当時このような展開を
だれが想像できたでしょう。

人生とは、
人の出逢いとは
本当にすごいものです。

みなさん、
毎週長文を読んでくださりありがとうございます。

Noriko.Tの音楽道に端を発したこのストーリー、
もうすこし繋げさせてくださいネ。

次週は、
わたしのヴァイオリン初歩的練習をへて
1日9時間弾く「練習の鬼」になっていった
プロセスをお話したいです。

すっかり陽が暖かくなってきました☆


さいごに・・
本日の曲はこちら

みなさん、
よき日曜日の午後をお過ごしくださいネ。

Noriko.T◎NOTE 2022.9,25


【 土台は身体感覚 ! 】 2022 9.18

こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつも、ありがとうございます。

雨がこれから
・・と今朝かきはじめは
かいていたのですが
いよいよ雨足つよくなってきました。


台風が災害なくして
過ぎ去ってくれますように!







毎年このくらいの時期となると
年末までのコンサート順
プログラム優先順位!



なるものを、つけていって。
どの曲がどのくらい仕上がりに近づいているか
「現時点」をみつめていくんですネ。



見極める→プラン修正

芸術性を深め、
自問自答を深める季節

    by Noriko.T



とうとう、12月4日のプログラムが
出そろいました!
(スケジュールにUpしました☆)





ピアニスト、史奈さんと
これまで大切に温めてきた曲や
You Tubeコーナーから。
いつか弾きたいと秘めてきた作品など。
そして☆史奈さんのソロ曲も決定いたしました。

10月からのお申し込みもまもなく始まります。
どうぞみなさん、楽しみにしていてくださいネ。





さて、今日は。



先週からのつづき
Norilo.Tが、

17歳で本格的にヴァイオリンを学び始めた頃まで
時代をさかのぼってお話していきます。

思えば。



ヴァイオリンが、私に、
人生がどれほど奇跡に満ちたものであるかを
教えてくれました。




ヴァイオリンは
人生の失敗と挫折の壁は
打ち破る努力をつづける価値のあるものだと

今もわたしに教えつづけてくれています。



17歳当時のNoriko.T。

「あたしは、厳しい音楽の道をあえて選ぶ。
この道を歩いていく。」と、
言葉にはしていたものの
厳しさの本当の意味は理解できていなかったかも。





だけど事実。
その、恐れを知らない「無知」こそが
喜びいさんで伸びていく原動力の底辺を、
意外にも支えていたのでした。



先述のとおり
武蔵野音楽大学の菅原英洋先生に
厳しいお言葉をいただきながらも



わたしの頭に2年間のあいだ
「音大に落ちるかもしれない。」という考えが
一瞬でも、よぎったことはありませんでした。



楽天家の性分は、この頃から。
深刻な状況だと、
本人は思わなかったんですネ。





それどころか(ヴァイオリニストになった自分の姿)を毎日想像しては、、
にんまり♡

それまで夢にも思わなかった素晴らしい未来に、
期待の嬉しさいっぱい!
毎日夢をふくらませていました。




あれこれ考えるまえにまず手を動かすべし
by Noriko.T

これは今のわたしの制作スタンスで、
アイディアが浮かんでいなくてもどんどん作り始めることが
日頃のモットーなんですが、
この当時の経験というか「体感」が
自分のなかに記憶となり根ざしているような気がします。





そしてこのときの、
無邪気なひとりの女子高校生がつかんだ
最大の幸運とはなんといっても。

県立千葉女子高等学校の
当時音楽の教師、粕谷宏美先生。
(わたしの音楽への道へ進むきっかけとなった)


そして、わたしに
ゼロからヴァイオリンの基礎を
教えてくださった菅原英洋先生。

この「2人のよき師」に
巡り会えたことと言えるでしょう。






(  とんでもない子を預かってしまった。)

ひょっとして
菅原先生は、思っていらしたかも。



なぜ、この状況下でこの子は
音大に進みたいと思ったのだろう?
と、大きく首をかしげていらしたとしても当然ですもの。


☆わたしが大学生時代の菅原先生
(下写真も、先生の当時の軽井沢別荘にて)






菅原先生は東京フィルハーモニー交響楽団、
そのあとドイツに在住され
向こうのオーケストラで演奏されご帰国されてから
大学で教えていらっしゃいました。
ヴァイオリニストでありながら
その素晴らしさを誰もが絶賛するほどの
熱心な教育者でもありました。




できるだけ早く身体の柔らかい2〜3才児から
始めるのか望ましいとされる
ヴァイオリンの大人に教える難しさを
あらゆる先生独自のやり方に変えて。



「身体感覚」というものをまずはじめに、
徹底して教えてくださいました。



「僕がいいと言うまで、
曲を弾くのは禁止しますからね。」


そうおっしゃって、
基礎的な楽器のかまえ方 から。
鏡をみてフォームを学ぶ。

弓は重く難しいということで
鉛筆をもってレッスン。


千葉から、ひばりが丘まで電車で
毎週日曜日に、先生のもとに通い
ノートに鉛筆でかいてくださる
「手の正しいかたちイラスト」をみながら、
本体と弓をそれそれ別々にかまえていきます。



「鉛筆をもった手を
僕の腕にのせてごらん。」



わたしがのせると
先生がパッ!とご自身のうでを落とす。


わたしの手が空中に上がったまま
取り残されているのを
「僕の手が落ちるのと同時に
あなたの手もダランと落ちなければならない。
それが、力がぬけて重量をのせきった状態ということなんですよ。」



ひとつひとつの「身体感覚」を確認するように
教えていただきました。

理解できているかどうかときおり、
茶色がかった優しくも鋭い目で
わたしの目をじっと覗き込むようにして。


鉛筆を卒業するといよいよ長い弓へ。

元と、先、中央。
それぞれもったときの重さのバランスを体感。




ダウンホウ(下へ向けて弾く)とは
アップホウ(上へ向けて弾く)とは




弓の基本的な構造を理解したら、
いよいよ楽器本体をかまえて弦のうえで音をだす段階へ。

どの弦を弾いても
弓のどこで弾いても、
どのスピードで弾いても
弓と弦が90度に交わること。


ひたすら
ラー、ラー、ラー、ラー、
ミー、ミー、ミー、ミー、、、、






かるい鉛筆のときはやりやすかったものも

弾力の発生する弦のうえでは
気をつけて弓を弾こうとすると
身体のあちこちにまた力みが生じてきてしまう!






「大きな音が、出ないということは
身体のどこかに力が入っています。
雑音が交じるのも、力んでいる状態です。


楽器が自分の身体の一部になったと感じられるところまで、
力をとりのそいていきましよう。」





この目にはみえない
身体感覚を正しく覚えることが
すべての土台となるため


このときのレッスンは毎週、
おなじことをくりかえし確認しながら
先生の判断で慎重に進んでいきました。




弓圧を一定に保てるまで
ロングボウを繰り返すといよいよ、
「左指のおさえかた」へ!







「弦に対し、45度でおさえると
ほら僕の指をみてごらん。
どの指にも、おなじ方向に線が入ってる。
これが正しい角度ですよ。」


先生が自分の指をひっくりかえして見せてくださると、
すべての指先は、指板の色で真っ黒になっていました。


弦をおさえるたびに
指に力が入ってしまい
それをとりのぞいていきながらとうとう、
音階の本へ。





ページを開くと
本一冊まるまる音階一段ずつの五線がビッシリ

すべての調性を音階で弾けるようになるまで、
半年間かかりました。




「いよいよ、曲に入りましょう。」

先生にそう言われたときには、
高校2年生の夏休みになっていました。






「さて、どの曲からやるとしようかな。」

そうおっしゃって、
レッスン室にある背丈以上の大きな棚の扉を
先生があけると、そこにはライブラリ並の楽譜がずらり。






はじめて目にした光景に
目が釘付けになりました。




なんと限りない楽譜の冊数。。。!
これだけの曲を
これから自分も弾いていくんだと思うと、
途方もない道のりの景色です。




だけれど☆
それはともかく今こうして先生が
その数々のなかからわたしの弾く曲を選んでくださっている。






先生に「曲をもらう」ことの嬉しさ。

 クラシックの世界では こうした独特の 
「曲を与えられる」ことを 誰もが
喜びとして経験しています。




この曲は、あなたにはまだ早い。
この曲、そろそろ弾いてみたらどう?

といったふうに、
大学のレッスンのなかでも
「あなたには、この奏法にそろそろチャレンジしていい頃」と
太鼓判を押されたような気持ちでがんばれるからなんですネ。




菅原先生がわたしにはじめて 与えてくださった曲は、
ラロのスペイン交響曲。
交響曲と名のついたヴァイオリン・ソロの曲で
「一楽章」を宿題にいただきました。

「この曲を仕上げて、
秋に、僕の大学のクラスみんなで弾く発表会にでましょう。」

なんと、、いよいよ、ステージを体験できることに。。!



さて。
今日はひたすらに
ヴァイオリンの初歩稽古のあらましを
お話しつくしてしまいました。




こうしてあらためてふりかえると。







先生の根気の凄さ、
偉大さをあらためて思わずにはいられません。
いづれ本当の志が、わたしのなかに芽生えることを
信じてくださった先生が
諦めないでくださったことが
そのさきの全てへ繋がる可能性を育んだのです。






このときの先生の手ほどきがなければ
わたしのヴァイオリニスト生命は
道半ばで早くも限界を迎えていたでしよう。



まさに、どの師匠に師事したかで
生徒のその後の運命は大きく変わってしまう
といって過言じゃない。



多くのクラシック演奏家が
自身のプロフィールに
師事した師匠の名前の記載を欠かさないことの
真髄がここにあります。




★菅原門下生たち(Noriko.T大学2年のとき。先生の隣ですネ)



「これから退屈な練習ばかりですがついてこられますか?」

高校教師の粕谷先生に連れられて
菅原先生のお宅にはじめておとずれたとき
深い茶色い目をした先生に尋ねられ
「はい!大丈夫です。」


と元気に答えていた
Noriko.Tのほうはといえば、、



実際、この地味で退屈な練習を
毎日毎日、飽きることなくわたしが続けられていたのは
「練習を、毎日学校で」行っていたからでした。





音楽を志すことを決めたばかりの
1番だいじな時期。




音楽とヴァイオリンに関する全て。
楽器を学ぶ姿勢と、
ヴァイオリンが、歌そのものだということを
菅原先生に教わりました。


それと同時に
音楽家を目指すためにほんとうに大切なこと、
学ばなければならないことを、高校時代のうちにまず
音楽室で、粕谷先生から学んだのです。





みなさん、長文毎週
読んでくださりありがとうございます!
次週は、再び学校の話へ戻りますよ☆

古き懐かしき写真も
また発掘予定。
乞うご期待です☆


みなさん
よき日曜日の午後を!


最後にNoriko.Tより
「亜麻色の髪の乙女/ドビュッシー」
ピアノは、日下部史奈さん。


https://youtu.be/dS2pjzE2rtk

Noriko.T◎NOTE 2022.9.18

【上手くなりたいなら恋が近道】 2022.9.11

こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。





すっかり秋空の出で立ち。
つい半月まえは、朝がたハトの鳴き声で
目を覚ますなんて、のどかな日もありましたが
いつのまに鈴虫の涼しげな声に変り
これまた風情を感じますネ。


みなさん
どんな週末お過ごしですか。





きょうは、芸術の秋と称される
このシーズンの別の呼び名
「恋の季節」にちなんで。



「上手くなりたいなら恋が近道!」




音楽大学時代、わたしたち音大生が
常日頃から、教授先生方に
伝え聴いていた、このお言葉から。



「あなた、恋してないでしょう。

どんどん恋しなさい。
そうすればすぐに上達するわよ。」



わたしが音大の学生寮に住んでいた時
同じ部屋のピアノ科の先輩が
レッスンで先生にそう言われたと。
1日が終わり、練習を終えて
部屋にもどってきた夜のこと。
恋人もいないし、急に言われたって・・
と真剣に悩んでいたことを
つい懐かしく思い出してしまいました。

↑ 懐かしき大学3年時、わたしの過ごしていた寮部屋、先輩と★



歌心=恋心

ということなんでしょうか。




昔の思い出もさることながら
現在どっぷり音楽の世界に身をおき、
Noriko.T思うところ

「上手くなりたいなら、恋が近道。」
は、たしかかも。





恋のなせる業。
そのエネルギーの大きさたるや。


ましてや
音楽と恋愛は切っても切り離せない
といって過言でない。



なぜなら、わたしたちの知る
ほとんどの有名曲が「恋」をきっかけに
作られたものだから。

ベートーヴェンの「エリーゼのために」。
エルガーの「愛の挨拶」。
クライスラーの「愛の悲しみ」


昔の偉大なる芸術家たちはみな、
自分の内なる恋心を言葉にするかわりに
楽譜に音符として,思いの丈を書き連ねてきました。




ハートに訴える旋律。
感情を揺さぶる音楽表現。




それが現代まで生きつづけ
「名曲」と謳われるほどに愛され、
人々の胸を感動のうちに魅了しつづけて
いるのです。



ベートーヴェンの「不滅の恋人」宛ての
ラブレターは亡きあと発見されてから
今現在もなお、多くの研究家が
それが誰に宛てて書かれたものなのか
謎の解明が期待されている魅力の秘話ですし、
モーツァルトの自由奔放すぎる恋愛観も
ブラームスとクララ・シューマンの
「禁断の愛」もあまりにも有名なお話。





彼らの音楽を紐解き、
理解を深めて表現するためだったら
演奏家自身だって恋のひとつやふたつや3つ・・
恋愛して味わえる夢見心地や、片思いの苦悩、
言い尽くせない感情をもたらす「恋愛事情」に
貪欲でなくてはネ。




いきなり時代飛びますが
わたしの知る偉大な音楽家たちも
貪欲なのか、正直すぎるというのか
枠にとらわれない恋心に忠実に?
結婚3回・・はふつうで、8回目にして
ようやく落ち着いた(笑)という方もいらっしゃるほど。





どこまでも心のまま突き進んでゆく
その「情熱」こそが、いってみれば
音楽の命の源なのかもしれません。



何度もうなづける事実
「恋のなせる業、そのエネルギーの大きさたるや」
なのです。




そして恋は確実に
モチベーションに繋がります。



名手といわれる
男性ヴァイオリニストの我が友人も
「うまくなりたい。
だって女の子たちにモテたい。
恰好いいと思われたい!」
と惜しげなく、本音を明かしています(笑)




かく言うNoriko.Tだって
つい先日のTwitterで
ヴァイオリニストを目指したのは
高校時代の音楽教師とお話をするきっかけを
得るためだった、とうちあけて
その不純すぎる動機に
フォロワーの皆さんが驚いていらっしゃいました。

★むかって一番右のジーンズ姿がわたし
そのとなりが、いつもおなじみの友人さおりチャン。

★むかって左から2番目が、わたし。


これはわたしの
ある友人の言葉だけれど


「だけど、エネルギーは
同じでしょ。

小さい頃から、音楽家を目指して
英才教育をうけてずっと地道にやってきた人も
Norikoさんみたいに、学校の先生に憧れて
先生に少しでも近づくために
必死で練習に打ち込むのも
目指すエネルギーは同じってことよね。」

ハイ。
そのとうりです。
と言わせていただきます。


恋はきっかけとなり
やがて本物の原動力になります。(断言☆)



わたしの場合
恋というより憧れだったわけですけれど
入り口は「不純」そのものだったけれど



動機を一瞬にして
「音楽への本気」へ転換して
その後、音楽大学へ進み
それはそれは多くの壁にぶつかりながらも
(いまだって、ぶつかり中!)
現在こうして音楽道を歩きつづける
ことができています。




17歳のときにはまだ
ヴァイオリンで曲を弾くのはおろか
楽器や弓を正しくかまえることも
音程をとることもままならなかったのは当然で




子どもの時代習っていたときは
スケール(音階練習)をしたことも
ありませんでしたし、
エチュード=練習曲だという
言葉の意味すらしらなかったのです。

★高校2年時、授業以外はずっと音楽室でこうやって遊んでいました。




「とっさの思いつき」で
「音大受験の相談というこじつけ」で
先生と話す理由ができた♡
と喜んでいたわたしは


もうまもなく
高校2年生になろうとしていました。


まだ降った雪の溶けきらず寒さが身にしみる
3月のはじめ。





「音楽大学を受験したいです!」
といって自分のもとへやってきた
当時のわたしのヴァイオリンをはじめて聴いた、
武蔵野音楽大学のヴァイオリニスト菅原英洋先生は
文字どおり、絶句していらっしゃいました。





1~2分程度の
簡単な小さな曲を弾いたのですが
それを聴いて、先生は数分沈黙し
しばし考え込んでから


「ところで、スケールは勉強したことが
ありますか?」
「エチュードを練習していますか?」



とお尋ねになり、
先ほどの「ありさま」というわけでした。




「これから2年間で、現役で音楽大学に
入るのはちょっと難しいかもしれません。」



菅原先生が
はっきり言われたのも当然でした。


ゼロから、スタートしましょう。
弓をまっすぐに弾けるようになるところから
始めましょう。





日曜日のその日
オーケストラ部の顧問教員として
つきそって来てくださったのが
先述のわたしの憧れの的だった
千葉女子高校の音楽教師、
粕谷宏美先生でした。
(宏美先生というお名前、男性では珍しいですネ。)
お写真で、先生のDandyぶりが
伝わるかしら♡

↑★当時の、粕谷宏美先生(鮮明じゃなくてごめんなさい。)



ひばりが丘にある
菅原先生のご自宅のレッスン室で
こんな重苦しい空気が
大人たちの間に立ち込めるなか
わたしひとり「ハイ!がんばります。」
と元気に即答。




わたしは、ヴァイオリニストになる。
20代のうちに、ソロリサイタルをまず開こう。




と、このとき決めていました。



恋は原動力のお話は
次週へつづきます。




このあと、
2年後に、Noriko.Tが
武蔵野音楽大学にほんとうに合格してしまい
そしてそのあとも
背中を押されるように開けていった
不思議な運命の道のりの一端を
お話していきたいと思います。





それではみなさん。
今日Noriko.Tがお贈りする曲は
こちら。

映画「ラヴェンダーの咲く庭で」より。
愛と喜びに溢れたメロディ
お楽しみください。

https://youtu.be/OR-PH335uIc




今日も
よき日曜日をお過ごしくださいますよう!


Noriko.T◎NOTE 2022 9.11

【ヴァイオリニスト60秒間の稽古法】 2022 9.4

こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。





突然ですがみなさん。


世界中の楽器のなかで
最も難しいのがヴァイオリンだと
言われているのをご存じですか?




緻密で細かい計算を駆使して
音をコントロールしていく
弦楽器のなかでも
サイズが小さなヴァイオリン
難しいといわれるのもナットクです。




ヴァイオリン弾きは
職人の手仕事と呼ばれるほど。




楽器本体と弓を自由に操り
高度なテクニックだけでなく
ハイセンスとバランス感覚を磨くべく
日々精進。。。。




ヴァイオリニストたちが
一生むきあって飽き足らない
いわゆる「練習法・稽古法」が
そこには限りなくあります。




名ヴァイオリニストたちの
著書による「演奏技法についての解説本」
ともなると、ぶあつくて上下巻と、
もうまるで古来から伝わる秘伝の書籍みたいな
風格なんです。




Noriko.Tもときどき
技法に悩んでpageを開いては
カラダの使い方、腕のうごきへの考え方など
「辞書のように」してよみかえし
本から知恵を授けてもらっています。





ヴァイオリニストたちが行っている
有名な稽古法があって




→「 弓のもとから先までを
ロングボウで60秒間かけて弾く。」


つまり最も小さな音量で
60秒途切れることなく
弾き切るというもの。



音にグラデーション(幅)を
もたせるための必衰稽古ですが
これがほんとう、難しい。


蚊の鳴くような、ひもじい音なら
60秒もたせるのも可能だけど
そういう音の話ではありませんからネ。
「小さくても芯のある音」に
していく修練が求められる。




60秒かたときも気をぬかず
なめらかに弓が進んでゆくよう
カラダの基軸から、弓手の肩もとから
指先までを、弓の重量バランスのなかで
コントロール!



この稽古法は
「これができるようになれば
どんなヴァイオリンテクニックも
弾けるようになる。」といわれています。

Noriko.Tは
15年まえは40秒しか弓を
音をもたせることができませんでした。


この15年で
50秒まできたので
60秒完遂への希望あり。



そしてこの稽古は
わたしのもっとも苦手な
演奏表現を支える手助けにも
なってくれました。



それというのは
「柔らかくて、優しい音」をだすこと。





「ノリコさんの音、
超、心に刺さります。」

「音にキレがある!」

と言われることはあっても


「優しくて甘い音
うっとりしちゃいました。」とは
コメントをいただいたことなかった。



それじゃあ、ダメだと。


だってヴァイオリンですもの。




世界でもっとも
細やかな表情を表せる楽器だと
いわれているのに
「そういった音は出せません。」
って言いたくない。



冒険好きと
どこか意地も土台となり



「息ながいフレージングを持続させ
ヴィヴラートをかけるさい指の圧で
音がつぶれないように」




お腹をつかって
全身でふんばって
歌いあげていく。


優しい風が撫でてゆくような
音を弦から紡いで。



そうして
弾いた曲が
「 Bird  /Noriko.T 」



鳥がゆっくりと飛び立ち
空のうえから風景を旅してゆく世界。


抒情的なメロディに投影して。




「さわやかな秋晴れの空を感じるような」
と視聴者のかたがコメントくださったように、



空を飛びながら
鳥が眺めてまわる風景を、


出逢いと経験のなか
成長していく少女の人生観に重ね
叙情的なメロディに表現したこの曲は




それまでの
Noriko.Tの壁を
うちやぶるきっかけとなりました。





ここで培った感覚を
さらに広げたいと、そのあとも
「息の長い音を、弓を折りかえさず
持続させる」稽古をつんで

その年の秋の終わり、
「手毬てまり」の
あの冒頭シーンが生まれました。


https://youtu.be/8DDuoqkTnkM




「荒野をさえぎって吹く風の如く。」


本来は縦笛で吹くメロディーを
ヴァイオリンの技法で。


「手毬の世界観を三行詩であらわす」
というものでした。





わたしの毎日考えている、


ヴァイオリンという楽器で
あらゆるものを自由に表現したい
欲求は年々ふくらんでいきます。






わたしたちの日常が
いつもどんなところにも
ファンタジーで溢れていて


「ありふれた」ところに
夢がたくさん隠れていること
思い出したくて。


Noriko.T◎NOTE  2022.9.4

【ドイツ片田舎
   朝の食風景から】 2022.8.28

こんにちは

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。

今朝は暗く
ご近所さんの家々も
軒先の外灯が照らされたまま。
何とも静まりかえった雨の日曜日です。


こんな日はみなさん、
どう過ごしていらっしゃるでしょうか。




Noriko.Tの今朝は
いつもより濃いめのcoffeeを
入れるところからスタート。



夏がすぎ
ここへきて朝の食卓も様変わりです。




トーストとフルーツジャム
目玉焼きに温野菜。
にぎやか(笑)




今日のcoffeeカップ。


ランチョンマットとフォーク。


長く使い古した食器類を
ただ並べるたけなんだけど
胸が踊るこの不思議。



トーストの焼色を見ながら
この時期決まって思いだす
懐かしき風景とは・・

今日は、
ピアニスト曽我彩子さんのお話。

ある風景とは
彼女とともに滞在した夏の終わり、
Bad−Sobernheim(ベードゾーベルンハイム)
ホームステイでのこと!


この素敵なお庭は
ドイツの南片田舎にある
カリー&インガ夫妻の別荘宅。


毎朝、朝食をいたたいていたときの
シーンから懐かしき一枚。

彩子さんとは幾度か
日本からドイツへ一緒に旅し、
現地のイスラエル人ヴァイオリニスト、
ナフム エアリッヒ氏のもとでともに過ごしました。



わたしの友人であり、師匠でもあるエアリッヒ氏が、
前述のGrand Concertのため来日していた折
彼に、素晴らしいピアニストとしての
彩子さんをご紹介したのがきっかけ。

私たち2人で一緒に、
エアリッヒ氏の本拠地てある現地へ招いていただき
わたしはリサイタルの曲をみていただいたり、
現地で様々なアーティストの音楽に触れて貴重なときを過ごしました。



彩子さん自身はというと
長いイギリス留学をへて
古典クラシックへの幅広い見識とステージ経験をフルに活かせる方



世界中からアーティストの集まる
現地での芸術祭で
エアリッヒ氏のリサイタルの公式ピアニストを努めました。


クラシックの本場。

その現地を踏むことは言葉にしきれない、というか
そこへ行った人にしかわからない
感慨の深さがあるんですネ。

「自分か携えている音楽」の
生れ出づる地へ辿りついた、というのが近いかな。



きのうまで、日本の自宅で弾いていた
ベートーヴェンの作品が

まるで違う楽譜に
本当の、本来の楽譜に見えてくる。




彩子さんと、ベートーヴェンのソナタや
ほかの小品ををいくつか弾き
エアリッヒ先生にアドバイスをいただきながら、


朝、晩は一緒に、
昼間はそれぞれ自分たちの時間を過ごす。
現地で暮らしながら
作品の故郷や背景そのものを肌ごと感じていくのですネ。



「典子ちゃん、
好きなように、自由に弾いてネ。」

彩子さんが笑顔で言ってくださるのが
この言葉。

楽器をかまえたわたしの心を
一瞬で軽くしてくれる魔法の言葉です。





古典を弾くときにはそうならないよう気をつけていますが
わたしの音楽表現が 
メトロノームできっちりあわせた4拍ずつではなく、
4小節、または8小節ごとのフレージングとしての
テンポで捉えているため

『テンポ感を越えて数小節流れるように進んだあと
フレーズの尾尻でゆっくりためて、
全体的なテンポに収まる 。』
といった演奏表現をして、

ごくたまにピアニストさんから
わかりにくいと、言われてしまうこともあるのですが、



「とうぞ、ご自由に!」

彩子さんのピアニストとしての包容力ここにありです。




言葉で説明せずとも
どう弾きたいのか、とう弾こうとしているのか
察知してくれるピアニストのことを
ヴァイオリニストは、ぜったい手放しません(断言☆)




わたしの描くスケッチを
先回りしてあたかも導くように
ピアノの打鍵で、音楽のまぐちを拡げてくれる
稀有なピアニストさん。


ひとことで「弾きやすい!」のデス。



当然、かのエアリッヒ氏もわざわざ、
日本からリサイタルのため呼び寄せ、
彼女を手放さないわけですネ。




彩子さんとは、
その後もエアリッヒ氏の結婚パーティに
一緒に招待していただき日本から再びドイツへ。



ひと晩中楽しんで踊りつづける盛大な夜や
森に囲まれた美しい建物のなかで
愛を誓いあうエアリッヒ先生と奥様の幸せなお姿を目におさめ
かかえきれないほどの楽しき思いに
帰りの飛行機は2人ともグッタリ(笑)




彼女と日本では、数えきれないほど
コンサートで一緒に弾いていただいています。
どちらかが稽古で手を痛めている期間
精神的にかばいあったり、
ままならない環境のなかで弾かなければならない苦境を
一緒に乗り越えたりなんてときも。
語りつくせぬ経験をわかちあえていること
幸せなかぎりです。


苦楽をともに
音楽家同士の旅はこれからも続くでしょう。



そのとき一度しか経験できないこと、
共有する「無二の時」が
ピアニストとヴァイオリニストの絆を深めてくれるのだとしたら




この先も、またきっと
新しくて人生を彩るような美しい瞬間が訪れる。




そのとき隣に立っている
ピアニストさんと、

あくなき探求に費やせる
幸せを感じながら。




今日のNoteラストは
わたしたちの友であり、
つねに刺激を与えつづけてくれる師匠が
年明け1番に送ってくださった動画を
ご紹介したいです。



ヴァイオリニスト
ナフム・エアリッヒ氏の
2022年サンクトペテルブルクでの演奏。


たっぷりお届けします。


https://youtu.be/ovVEx2M-82M



みなさん
よき8月最後の週末を!

Noriko.T◎NOTE 2022.8.28


【ステージは最高の・・・】2022.8.21


こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。


いつになく、どよんと重たい
天気がつづきますネ。
そろそろ衣替え考えてる方も
いらっしゃるでしょうか。





今日はNoriko.Tの
合言葉とも呼ぶべき
「ステージは最高の○○」
について語ります。





ところで
外気の変化をいち早く知るのは
我が家では、My Violin。

梅雨の時期に
若干、ゆるみがちだった
弓の毛がすこぅしづつ張ってきて
楽器本体のいわゆる「箱」も
鳴りやすくなる。


これからもっと
空気が乾いてくると
響きも増してきます。



まさに弦楽器大喜びの
秋冬シーズンの到来!



Noriko.Tも、この時期になると
YouTubeスケジュールと
コンサートの予定を調整して。。
と、「大忙し」の装いを
見せたいところなんですが。




諸事情ありまして
各公演なるものは
年内見送ることになりました。




が。
すべて無し、
みなさんと会えないまま
2022年を幕引き。
というのも寂しすぎるので(泣)




ごくごくささやかに
弾かせていただく会を
催します!



12月4日(日)と
はっきり日にち決定いたしました。。!
西池袋の閑静な街の一角にある
ステキなサロン空間にて。
明るいクラシックと映画音楽の60分。



YouTubeの、あの「音楽家の稽古部屋」シリーズで
おなじみのピアニスト
日下部史奈さんと一緒にお届けいたします。




14時~
16時~


の2回(同プログラム)を予定。
詳しくは、今後スケジュールにて
あげていきますネ。


ぜひぜひこの機会に
みなさんにお越しいただいて
ひととき、ご一緒しましょう。。!




ということで。さて

ここで今まで
オリジナルのことばかり
お話してきましたが。




みなさんご周知くださっているように
Noriko.Tのバックボーンは
クラシック。



3歳からヴァイオリンを手にしたものの
1度は手を放し。
17歳になって、再び。


そこから本格的に
Violinの道を目指すようになって
30数年以上。
数々の紆余曲折ありますが
こうして現在に至ります。

音楽家のおわりなき旅は
あまりにも長く
たかだか30年なんて
もちろん

まだまだ「ひよこからトサカを得たくらいの」
ものョ。
と自負しておりますが。


これはおそらく
どの職業につかれている人も
同じと思いますが
「音楽家」も等しく



たったひとりじゃ
なんにも、できない。



今までそれなり
まとまった年月、
素晴らしき師匠たちを筆頭に
先輩友人たち、そして!

「共演」のミュージシャン面々の
多大お力添えのお世話になってまいりました。




「ステージは最高の出逢いの場」


そう言い切れるだけの
個性あふれる音楽家たちが、
紹介したいひとがたくさんいます。





そこで今回は。



先述のピアニスト、
日下部史奈さんのこと
お話していきたいです。





LIVE会場で、または画面上
知っていても
ピアノを弾いていないときの
彼女の素顔ってみたことないですものネ。
声を聞いたこともないでしょう。





彼女の素顔を
実はわたしもよく知りません。



なぜならわたしたちは
正真正銘、ステージから
おつきあいが始まったんですから♡




6年まえ、あるコンサートを聴きにいったとき
舞台で歌のひとと共演している彼女をみて
音と、お姿に「いいなぁ。」と。。



端正で温かみのある音色と
舞台上で自分を律する姿勢にひとめぼれでした。



終了後、
さっそくその場で知人にお願いして
紹介していただいたのが
史奈さんとの出会いだったのです。




自分にはない要素を
たくさん持っているところに
持っていそうなところに、
つよく惹かれたんですネ。






学生時代からの繋がりなどプロセスをふまずに
いきなり見ず知らずのヴァイオリニストから
「共演」の話をもちかけられたわけですから
しかも、わたしたちは20歳ほども
離れていることもあって




当時、彼女はとても恐縮したような面持ちで
でもしっかりした口調で「ぜひやらせてください。」と
言ってくれたのです。






少々話がそれますが
2006年から5年間のあいだ
わたしが主催しプロデュースしていた
(私自身も出演していました。)
Grand Concertでご一緒していた
日本を代表するヴァイオリニスト、
豊嶋泰嗣さんが当時このように
おっしゃっていたことがあります。

Grand Concert in Tokyo2007
inトッパンホール


『音楽家は、演奏中
たとえどんなに多くの人数で共演していても
その瞬間は孤独の中に立っている。』




馴れ合いのなかでは
到底いい音楽を作りあげていくことは
できない、ということを
豊嶋さんのお言葉は端的に語っています。


そして、
礼儀礼節を重んじるクラシック音楽の世界では
多くの演奏家が、この考えを重要視しています。



折り目正しさをもって
出逢う。。ところから始まり
リハーサルの短い期間から
本番がおわるまでの全ての「究極の瞬間」を
ともにできる相手は、なかなか容易くは
みつからないといって過言じゃありません。

かの世界的カルテットのメンバーは
世界各地で公演を長年にわたり行っていますが
メンバー同士の私語は1度も交わしたことがない、
という話を聞いたことがあります。
遠征先のホテルでの朝の食事も
1人づつ別べつのテーブルで黙々と食べているのだとか。
そこまでいくと凄まじいとしか
言いようがありません。






史奈さんと、この6年で
さまざまなステージをふみ作品を掘り下げながら、
期間中は一緒に食事をし
ご家族のみなさんとも仲良くさせていただいていますし
お互いの家への行き来も多々あります。





それでも
彼女の「折り目正しさ」は変わらないし
お互い楽器を手にした瞬間から
頭が切り替わる。

2015年La Canzone Da more(雑司ヶ谷音楽堂)

2021年松本記念会館





そしてわたしたちの
いい意味でいうところの
「距離感」はずっと変わらないままです。




彼女は本当のラフな表情や
くだけた話しぶりを
きっとご家族や親しい友人のまえでは
みせているのでしょう。


でも共演者のNoriko.Tとともにいるときは
「ピアニスト日下部史奈」としての
姿勢で立っているのです。




そうしてくれる。
そうでいてくれる。


史奈さんの確固たる姿勢が
わたしが今でも
彼女を尊敬する理由です。




演奏技術とか
お互い呼吸があう
といった、あとからついてくるもの。





それよりも
長年一緒に苦楽をともにしながら
必要な距離をたもち
音楽に意識を向けきる。
そのスタンスに自分たちを律していくことが
できる関係かどうかで
そうですネ、出逢ってすぐの「分かれ道」は
そこなのかナ、と
つねづね思います。




初めての共演から
6年たった今でも「彼女の本当の素顔は知らない。」
と胸をはって言えるのは
そういう意味です。





ピアニストと
ヴァイオリニストの
切っても切れない関係には
たくさんのエピソードが
存在します。



その数々のなかから
また次週もお話したいと思っているので
みなさん、どうぞ楽しみにしていてくださいネ!







今日お贈りする曲は
日下部史奈さんと
ステキなカフェレストランの中にある
サロン空間で弾かせていただいた
「美しきロスマリン
カンタービレ」

2曲つづけて。
異なる衣装と
そして史奈さんの。。
貴重な(笑)あふれるスマイル映像にも
ご注目!



https://youtu.be/rH2o4ce0ons

さいごにNoriko.Tより。

みなさん、よき日曜日を!

Noriko.T◎NOTE 2022.8.21


【きゅうりの話】 2022.8.14

こんにちは!


お盆休みはあいにくのお天気。
みなさん、お元気ですか。



いきなり自分の話ですが
10日ほどまえ
食材を買いにいったさきのスーパーで
お野菜がおウマさんになった姿の
「お盆セット」が売られているのを
横目に帰宅。


よくよく思いかえしてみたら
手塩にかけて育ててきた
ピカリたちがぶじ巣立ってからも



習わしと称した「祈願」をこめた
家中の大掃除を行い
子を見守る親の面もちで
ピカリたちの人気度の「成り行き」を見守り


お世話になっている皆々様へ
作品完成のお知らせと
暑中お見舞いと
ご挨拶だけのつもりが
ついつい余談に会話も弾み
愉しいセッションタイムを謳歌したあとは
これまでで類をみない長文のNOTEを綴り
宣伝用の「ショート動画」をtweet。
など。


などなどなど。


・・・・そうこうしているうちに
先ほどのスーパーの「おウマさんセット」の
話にもどるんですが


気づいて
机のカレンダーをみてみたら
お盆期間はなんとまっしろの余白。



(どこか遠出のプランでも
考えておけばよかったナ。)と
思いつつも
そうこうしている間に
嵐とともにお盆がやってきて
しまったのデス。



ちまたは
市船の甲子園ニュースで
大盛りあがりだけれど
我が家にはテレビというものが
ないし。

たまにはダランダランと
自宅Offを過ごしてみるのもよいかと
余白プラン
Now onスタート♪



・・・こんどこそ
スーパーの話。


毎日課の買いもので
1番お気に入りのスーパーにて
たいそう立派なイボイボのついた
胡瓜のやまを発見。

「緑」コーナーみたくなっている
圧倒的存在感につよくひっぱられ
あとさき考えず5本手にとる。


手にしたきゅうりの
ダイレクトな「緑パワー」に
ほだされるようにして
お次のコーナーで
ズッキーニちゃんを2本。


帰宅しテーブルに並べてみて
「緑の山」をまえに
これはさっそくお料理に走るしかない♪
と即行動を開始。


すりおろし器を
ひさしぶりに出しました。



ひたすら
胡瓜 & ズッキーニちゃんを
すりおろし。
ついでにちょっぴりガーリックも
すりおろし。

コンソメや豆乳の
絶妙なコラボが加わり
ジャガイモならぬ、
胡瓜仕立ての美味しい
冷製ポタージュのできあがり。



いただく直前
オリーブオイルをたらしてみたら
かつてみたことのない
キレイな色に変身。


どこかの高級フレンチレストランの
テーブルのうえでしか見られないはずの
美しきポタージュの色に出逢ってしまったわたしは
感嘆し、あらためて
スーパーの緑コーナーを胸にうかべ
感謝したのでした。



さかのぼってみれば。


胡瓜やナスがおウマさんになった
あの「お盆セット」から
すべては始まっていたのだし。

物事の流れというもの。


瞬間、自発の感性が訴えるものへ
素直にあるべきという。


普遍の心理も
あらためて再認識。


勢いづいたところで
お次はチキンを買い足し
チキンと胡瓜の丸焼きを
作りました。



数々の野菜焼きを
作ってきたなかでも
この胡瓜丸焼き
(あらく太くきって、焼くだけ)
なんて類をみない美味しさなのかしら♡
と、またしても感嘆を深め


お盆はこうしてひたすら
新たな発見にいそしみ
胡瓜とズッキーニに教えてもらった
新たな境地をかみしめる
Noriko.Tです。



スーパーの一角でおこった
新たな出逢い。



予期せぬできごとって
こんなふうに突如現れる♪

密かによろこび
まっしろなカレンダーも
悪くないナと思いにいたる。


良きお盆
過ごさせてもらっています。
神さまありがとう。


ちなみに
きのうのラタトゥイユも
よき味でした。


好きな野菜やベーコンを
トマト缶と煮込むことで
トマトソースのできあがり。
しかも便利。


パスタやオムライスにかけたり
スープのなかで
お肉を煮こむこともできる
すぐれもの。




最後に
Noriko.Tからの
ポイントアドバイスは
「味見をしない」こと。



煮込み料理の最高の楽しみは
お野菜の出汁やスパイスたちの
絶妙なコラボマッチングを
いただく瞬間に味わう、
これにつきますネ
(断言☆)




そうこう
かいていたら
あら♡なんと♡
お空が
晴れてきてる♪


こうなったら
今日は外にでてみようかしら。


みなさんは
どんなお盆をお過ごしなのかナ。
どうぞよき時間をネ。

今日はちょっぴり
なつかしの
「My Staying at Home」
お届けしながら。

Have a nice day!

https://youtu.be/noacbt0aC2A



Noriko.T◎NOTE 2022.8.14

【新作Carnivalの話】 2022.8.7


こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。



一週間まえに、新作Carnivalが完成してから
たくさんの方にご感想やメッセージを
いただきました。



制作のプロセスを
一緒に追いかけていただきながら
皆さんが完成を心待ちに待ち望んでいてくださったことが
とても嬉しかった。
あらためて、心より感謝いたします。



まだご覧になっていない方も
この週末や、お盆休みにぜひ
ゆっくりと楽しんでくださいネ。

いただいたご感想の中で
今回は「映像」について
関心を寄せてくださっているお声が
多かったことも、うれしい出来事のひとつ。




数えきれない「かくし味」によって支えられている
厚いサウンドや、映像がたちあがるまでの秘話も
今後のノートでたくさん綴っていこうと
思いますので楽しみにしていてくださいネ。



「Carnival / Noriko.T」は
大人たちに贈るおとぎ話の
ファンタジーです。

「徹夜で語り明かす面白話」に
なぞらえた意味を
この作品にはさまざまな形で込めています。




赤い満月や、
最後の一瞬だけ姿をみせる、
生まれ変わった光の女王。

ミラの国を闇から救うために
奮闘したピカリたち。


そして最後に砂と化すまで
ミラの国を闇のなかに閉じ込め
支配しつづけていた、夜の女王シーラと
その支配下に踊りつづける黒子たち。




闇と光を司るそれぞれの女王が
同一人物だというStoryを
おとぎ話の姿で。スペクタクルに
「短い動画スタイル」として
どこまで表現できるのかは、
音楽はもとより、映像の力によると。






そう早々と自覚したうえで
「音楽を活かすための、映像のうごき。」
「映像のうごきを活かすための、音楽。」





双方の制作を
7月31日完成の当日まで
同時進行で手を加えていくという
今までとまったく異なるやり方で
Carnivalは完成しました。






カーニバル(謝肉祭)。




この言葉にはもともと
みなさんもご周知のように
長くて古い歴史と、人々の慣習の意味が
存在しています。



また、慣習のなかにも人々に根ざした
「今を生きる喜びを謳歌する」という
願いが生きています。






もともと謝肉祭は
キリスト教の節制期間と呼ばれる
【節制期間・・・飲食や行動をつつしみ、心身を清めて
イースターを迎える準備をする。】
四旬節に先立ち、肉断ちをするまえに
盛大なお祭り騒ぎをする、というのが
元来の姿。





月の満ち欠けによって
イースターも四旬節の期間も決められ
昔から人々が「天の顔色」をみながら
自分たちの大事な行事をとり決めていたことも



自然界との共生を
文化的な形として表してきたことも
すべては「自然界への感謝」を意味し





カーニバルは
みんなで祝祭として
その喜びを最大に楽しむ場だったのです。





今現在、世界各地で行われているカーニバルは
特徴も特色もさまざまで
「仮装パレード」といった色合いのものが多いようですが
Noriko.Tも制作にあたっては
世界各国のカーニバル衣装や、民族衣装の本などもみてまわり
その見事な作りや鮮やかな色彩とともに
それを身に纏った人々の、
地に足のついた尊厳に満ちた表情、命の輝きを感じる肌の色に
それはもうときめいて、心が躍る日々でした。





時間を忘れてこれほどまでに
ワクワクと魅入ってしまう
この感覚久しいナと、思ったりもしました。




実は古くからのカーニバルには
「カーニバルは無礼講!」という
ひとつ大きなテーマが生きていると
言われています。





それはふだん
人々が背負っている義務や
社会的な役割、日常のすべてから
自由になるということ。




その日ばかりは
ご主人がお手伝いさんになり、
お手伝いさんがご主人になり、
無礼講を楽しむ。
想像しただけで、文化的な楽しみ方ですよネ。





本当のアイデンティティを隠して
違う人物になる。
仮装スタイルの起源は
そういった奥深いところにあります。




カーニバルの華やかさ、
さまざまな意味深いStory性には
わたし自身が、制作過程のなかで
どんどん惹かれていく日々でした。




動画としてだけでは
とても表しきれない、とも思いました。
いつか舞台作品として、
もっと大きな世界観に育てたい。





その思いをつよくして
「舞台」の先駆けとなれれば
と希望を抱きながら
動画「Carnival」を描いたので
みなさんに、その思いも受けとっていただけると
よいなぁと思っています。





ときは、
8月も半ばへ
さしかかろうというところ。





一瞬の輝きと言い表して
過言ではないほど、短い夏の
真っさかりです。





そして濃い季節。





夏は濃くて、鮮やかで
それでいて私たちがつかのま立ち止まり、
故人に思いを馳せたり、
子供たちが目いっぱい遊んだり
その姿をみてわたしたち大人も
懐かしい子ども時代が蘇ったりする
そんな、とうとい季節でもあります。





今は、世の中が厳しいですネ。
自国で、隣国で起きている悲劇的な出来事に
みんな心を痛めている。
そういう毎日が、もう何年も続いています。






心を囚われて
「楽しむこと」を忘れてしまうし
楽しむことが不謹慎なのではとさえ
思ってしまうことがあります。





そんな時代こそ、
心から楽しむこと、
楽しみを見つけることは
「必要大よ♡」とつよく推奨したいのが
Noriko.Tの本音です。





哀しきことばかりに
目を向けているあいだに
太陽の1番暑い空の色も
空を舞う美しい色をした蝶々も
この夏だけのかけがえのない日々は
一瞬でとおり過ぎていっちゃいます!





わたしたちの意識や
心を向けるさきのエネルギーが
今現在の目の前の出来事を引き起こしたり
引き寄せたりしているというのならば、




わたしたちは、みんなで
自分の心にもっとたくさんの喜びを与え
心が喜ぶ何かをみつけていくことを
生きていくうえの責務にすることは必要。





それは楽しい努力で
故人へ伝えることのできる
最高の感謝のかたちだと
わたしは信じています。




皆さんの
残りの夏がより濃くて
目いっぱいの楽しい季節で
ありますように!

◎YouTube  /Carnival 

Noriko.T◎NOTE 2022.8.7


【暮らしとリズム】2022.7.23



こんにちは。


Norikoチャンネルをご愛聴くださり
いつもありがとうございます。




秩序
律動
調子


今日は「リズム」のこと
お話させてくださいネ!





「リズム」表現。
音楽家たるものの
永遠の課題なり。



と、今まで位置づけていた
Noriko.Tですが
実際リズムというものについて
これは音楽をやる者だけの
話ではないナ。と
近ごろ思い始めたところです。





話が少々それますが
今年の年明けから
舞台を作っていくための準備が
具体的にスタートしました。



ダンサーの皆さんと
ダンスパフォーマンスを
はじめとする演出をかけた
Violinist、Noriko.Tの
ショー舞台を何年かかっても
作り上げたい。



そのための
作品づくりと合わせて
演奏表現を磨くのはもちろん
踊るように演奏するシーンの
パフォーマンスを上げるため


毎日の身体作りと
ダンスだけの稽古も
1日の中にしっかりと組み込むように
なりました。





5月からは
その「Noriko.Tワールド」を
よりみなさんに知っていただくため
Noteもスタート。




たくさんの「新しい時間」が
生活に加わりました。
それで、心機一転
朝早起き生活にシフトチェンジしたんですネ。





結論から言いますと
「とてもよき変化」を得ました。







気づいたのは
暮らし=リズム





正直今まで、早く起きる日もあれば
遅く寝た翌朝は時間をずらしたり、
フレキシブルさを大切にしていた
ところもあったのだけど
それも十分満喫し終えて。
こんどは「規則正しさ」にフォーカスしてみようかという
心の変化もあったと思います。







早起きに変えるのと同時に


のんびりしたり
リラックスして過ごすじかんを
1日のどこにあればいいかナ。




↑コレが、とても重要なので☆


そのことを初めに考えて。
そうしたら




わたしは、朝1番に
のんびり過ごすのがよいみたい。

音楽の流れにすこし似てる。




『 秩序に満ちてゆっくりと動き出す。
   動きがだんだん活発に激しくなって
    マックスを迎える
      しだいに収まって静寂へ帰っていきます。』
                  by Noriko.T







このリズムを日中感じていると
自然の摂理も、より体感しますネ。




わたしの1日は
楽器を手にとるところまで
プロセスがあって。


前日の稽古から
疲労を残さないために
食事や睡眠が大切なのはもちろん



カラダを目覚めさせたり
頭がよく回るように

(Violinがうまく弾けない1番の原因は
指がまわらないのではなく、
頭がまわっていないのです☆) by Noriko.T

楽器を弾くための「身体を作ること」に
多くのじかんを割きます。






だから1日のリズムを
大事にすることがモノを言うと
今さらながら気づきましたし



実際の制作シーンでも
音楽に活きるリズムを作りだす
よき土台となっていくのだろうと思います。

シンセサイザーで
さまざまなサウンドを弾いていく収録を
はじめた当初、1番難しいと思ったのが
リズムの最たる命である「打楽器」のサウンド。



何度も録りなおすうち
しまいには頭をカラッポ
無の境地にならざるを得なかったり
鍵盤を規則ただしく
同じ圧力で弾きつづける
まるで「瞑想」シーンのようなことに(笑)
なっていたりしました。
(今でもそうだけど)





0.1秒でもズレる
ということをなくすため
何を変えたらいいんだろうと。




作品づくりに欠かせない
リズム感覚の甘さに
その時初めて気づき




ヴァイオリンの長い弓を
細かに扱っている自分が
こんなにまで
リズムを正しく捉えられてないなんて(汗)
愕然となり





その時からずっと
「リズム」というものについて
深く考える日々でしたので






そういう意味でも今回
早起きがもたらしてくれたものは
「とてもよき変化」でした。






新作のCarnivalも
リズムを多用していて
音楽の世界観を支える重要な柱に
なっているので
音楽のほうもあとすこし手をいれて
活きた作品として皆さんにもうすぐ
お届けしたいと思っています。





これからもひきつづき
Noriko.Tチャンネルの世界を
楽しんでくださいネ。




本日、お贈りする曲はこちら。


1年まに制作した
Silent Rhapsody幻想狂詩曲。
サイレント・ラプソディ。




https://youtu.be/egEFHS8Vw6c


暑さももどってきました☆
みなさん、
よき週末をお過ごしくださいネ!

Noriko.T◎NOTE 2022.7.23


【ひとり撮影のカラクリ】2022.7.17


こんにちは。


今朝は7:00に雨音で
目が覚めました。


実は昔から、目覚まし時計の音で
起きるのが苦手なんですネ。

スヤスヤといい気もち、夢心地のところを
「ハイ!終了です!」
って現実にもどされるあの感覚が
どうにも(笑)


それなら朝陽あさひで
自然と目が開くのが
カラダにも気分にもよさそう。




ということで、
毎晩カーテンを半分あけて
寝るのですが
コレは「寝起きを快適に」
してくれる魔法ですネ。





食と並んで
睡眠も、ただ休むだけでなく
カラダを地に横たえて
大地エネルギーをたっぷりと
取りこんでいきたいですから




お天道様の
あるがままの姿と沿える意味でも
この魔法はつかいたい(笑)



アラームの音より
太陽の光に誘われるように

あ。今朝のようにたまに例外ありますが(笑)
雨の音に包まれるように
ベッドのうえに起きあがれるのは
朝1番に感じられる幸せな瞬間です。

みなさんも
試してみてくださいネ。




先日、新作Carnivalの
撮影を終えてきました。

3回にわけて行って、しかも
1回に半日以上の
時間をつかった長丁場。





そこで収めてきたたくさんの映像を
これから編集にかかるので
まだ先はつづくけれど
楽曲制作 →撮影 → 編集の
2段階まできたこと、素直に喜んでいます☆
サイトやTwitterで、
見守ってくださっているみなさん
ありがとうございます。






いつもと同様に今回も遂行しました
「ひとり撮影」。
ちょっぴり板についてきました。





今や世の中、これほどまでに
自撮りスタイルがあたりまえになり
自撮りテクをみなさん駆使していらっしゃるので
わたしNoriko.Tが今さらここに
かくまでもない知識ですけれど




自分の顔をできるだけ美しく撮るのは大事!
(なるべくならスマートに笑)
モチベーションもあがりますしネ☆

自撮りする最適な角度というのがあって、
顔の正面にまずスマホをもってきて
そこから斜め上45度の角度にもちあげて
撮影すると、「自撮り写真」はキレイに撮れますネ。




反対に、下から
自分の顔をとると
実際の顔よりも「二重あご」にみえたり
顔の印象も実際より老けたように
映ってしまうのでNGです。





そんな知識を応用しながら
Noriko.Tの動画では
「音楽と一体」できる映像を
なるべくならたくさんとりこみたい。
をあたまに入れて





さきほどの「45度斜め上」法則を
応用して、正面、左サイド、右サイド、
フェイス、ボディのアップ、そして全体像、

もし可能なら、写真ではあまりNGですが
映像は床からも(ライヴ感や臨場感を出しやすいので)
とります。






ひとり撮影のよさは
創作シーンではたくさんありますネ。
「実際うつしてみないと」「ふたを開けるまで」
わからないことが多いですから。





試しをチェックしたり
立ち位置を変えるのも
じぶんの頭のなかでパッと考えて
黙々と変えていかれるのは
集中をキープしやすい。




あたまの中に音楽のシーンが
浮かんでいて、あとどんな「絵」が欲しいか
クルクルと考えながら
(この先は、もうはぶいて、あとはこっちやる。)
みたいな、臨機応変も手早くすすみやすい。



それに
ずべて自分でチェックできるので
できるだけ理想の絵がとれているか
カメラ映り問題ないかしら??
(  ↑ ↑ ↑ これは重要!!笑)




ひとことで言えば
動きやすいですネ。




そのかわり、広いスタジオの中
ヴァイオリンを弾きながら荒れ狂う火の女王様を、
お花をもってピョンピョン飛び回るピカリチャンを、
三脚のうえのスマホさんが追いかけてくれるわけじゃないので
たくさんの角度から、それぞれ撮りわけていくことに。
おのずとテイク数が増えていきます。







とある日の、とある角度から☆
とるときの巻☆

①自分のカラダのまうえから
カメラがみおろすようにセッティング


椅子をいくつも積みかさねていって
その1番うえにスマホセットした三脚をおく。
(はじめに、動画ボタンをおしておかないと
悲惨なことに!)


②立ち位置にたってパフォーマンス
楽器をひく、クルクルまわる、花をもってジャンプ!



③カメラチェック



④OKなら、さつえい開始!





簡単な手順ですが、
ヴァイオリンは汚れた手や
ウェットティッシュのようなもので
ふいた手では持てないので
この手順をふむたび
③のあと、いったん手を洗う。のが
Noriko.Tの撮影シーンのポイント◎




Carnivalでは
2人の女王の姿と
まわりの立役者をすべて演じたので
9人ぶんと言える撮影を行いました。






すべて同じ分量にせず、
たくさんつかう「人物像」にテイク数をさいて。
3回の撮影で、トータル約80テイク。
(いつもは、2回撮影で60テイクくらい。)




ひとつのシーンに
だいたい3分~8分かけて。



難しいところは(念のため)
何度か同じパフォーマンスをたてつづけに
くりかえして撮っていました。
(カメラチェックをいちいちやるよりも
パフォーマンスをくりかえして向上させるほうを優先。)







YouTubeを始めたころは、
内カメラで撮影すると
画面がぼやける、ということ知らず
3時間かけて撮影したものが
なにひとつ使えなかった・・なんてことも
あったんです( ノД`)泣




失敗のかずかず。



楽観主義をほこるNoriko.Tですが
何かをやろうとするとき、
始めからうまくいったことなんて
ひとつもない(言い切る自信アリ)
でも、あきらめるという選択以外にも
「試せる方法」がかぎりなくあるなら
すべてやってみたい。


諦めのわるさ。とも呼びます。
もはやこれ自体、誇りになりつつあるといって
過言じゃありません。





でもそうやって手にしていったものは
簡単には崩れません。
そもそもヴァイオリンを弾くこと自体
無数の失敗を重ねなければ
前にすすめないんですもの。




そんなわけで、
それはもう公開できないほどの
派手な失敗シーンを重ねながら
Carnivalの撮影をぶじに終えてまいりました。






7月末には
完成してみなさんにお届けしたい☆


その思いでこのあとも
ひきつづき制作続行してまいりますので
どうぞ楽しみにしていてくださいネ。





外は雨があがって
すこし曇りぎみだけれど
風が吹いてきて過ごしやすい日曜日。






今日、お贈りする曲はこちら。
Noriko.Tの
オリジナルとアレンジだけを集約した
「Noriko TAKAYAMAダイジェスト」

https://youtu.be/HpGWxcAXb48




みなさん、
よき週末をお過ごしくださいネ。

Noriko.T◎NOTE 2022.7.17


【普遍的よきもの】  2022.7.10

こんにちは。

今朝はどんより曇り天。
静かな日曜日の朝を迎えています。



Norikoチャンネルをご愛聴くださり
いつもありがとうございます。




以前、チャンネルを開設して
いくつかオリジナルをUpしていった
ある頃に
「自粛生活がこうして長引いている今
外出も厳しく、日々の現実のみ
想像力も乏しくなりがちのところ、
Norikoさんの音楽を通じては
世界中どこへでも羽ばたいて旅することができます。」と
言っていただいたことがあります。




そのお言葉自体にとても喜びを感じましたし
音楽の力というか、可能性の大きさを
わたし自身もあらためて思いました。




Violinという楽器の
多彩で豊かな表現力を
もっと自由に拡げてみたい!




オールドファッションを突き詰めていく
クラシックを学んだからこそ
自分の中にふつふつ芽生えた思い。





既存のものをアレンジしたり
必要にせまられて曲を作ったりするのと違い
ゼロから「新しい世界」を立ち上げるのが
ライフワークになり始め、
みなさんからも「Norikoさんの世界」と
言い表していただくことが増えました。

そういうなかで
昔の「引きこもって」曲を作っていた感覚から
今はスタンスもだいぶ変化してきていると
自分の目線からも見ています。








もともと好奇心旺盛を
自負しているNoriko.Tですが
「ひとつのそれ」により深く細かく
好奇の心を向ける習慣になり。
それが全体ベクトルを引きあげようとする
意識にストレートに繋がっているみたいなんです。






「普遍的なよきもの」というのが
じぶんの合言葉になっているくらい
毎日聴いても、何度聴いても、新たな発見、新たな感動を
もたらす世界を作りたい、がため
大切にしていることは
「自分の感覚を日々あたらしくする。」というものです。







センスを磨く、ということに
類似するのかナ。

アイディアと呼ぶなら
それはもう毎日浴びるほど
胸に浮かぶのです。
でも、そのほとんどは使えません。






その瞬間「いいネ!」と
自分の胸が高鳴っても
翌日またみてみると、もう
新鮮さを感じない。
すでに、古びたという感覚。






そういうものを
毎日捨てて削ぎ落していくのが
ほとんど「曲作り」の作業。といって
過言ではありません。




モーツアルトの名曲があります。
何千回聴いても、何万回聴いても
飽きることがなく
何世紀たってもすたれるどころか
今この時代にあってますます
その輝きを増しているとさえ感じるのですが




その「新鮮さ」を求めるハートこそ
音楽家を自負するのなら!
つねづね耕していたいと思うのですネ。




そんなわけで
いまも制作進行中の
Carnivalしかり
です。




・・・もうネ。

毎日捨てています。
この短い期間のなかに
連続で断捨離を行っているようなものです。





全体像が音に
なってきてから
数百回は聴いていて
聴いているNoriko自身、
毎朝起きて、ヘッドフォンをつけて
昨日までの仕上がりを聴いたときに
「・・・うん。
いけるネ。」と
思ったらOKサイン。
「ちょっと古いネ。野暮ったいネ。」と
少しでも感じたらボツ。
というふうに




午前のおわりに
午前のはじまりに
ヴァイオリンの収録のあとに
その日制作ひと段落したあとに





どんな瞬間に聴いても
「うん、いけるネ。」と
うなづける「新しい表現」を
追い求める毎日です。






さきほどの
いただいたお言葉からも
うかがえるように





世界的なパンデミックを経験して
世の中全体が「不自由さ」を体感したこともあり
音楽がもたらしてくれる精神的な自由を得る感覚は
より大切になりました。
わたしもそれを肌で再確認しています。





Norikoチャンネルの世界は
聴いてくださるみなさんの豊かな感性と
それを表現してくださる言葉の中で生き、
作品が、息吹いている。
その喜びがもっと先の作品をも
作り出していく原動力なんだと。
そんな風にも思っています。







この喜びに感謝して
これからも素晴らしい音楽に触れていきたいし
みなさんと、この喜びを一緒に共有していきたい
今日こんにちのNoriko.Tです。






最後に
今日お届けするのは
クラシックの名曲から。




イタリアの
作曲家、鬼才のヴァイオリニスト
ニコロ・パガニーニ作曲。
「 カンタービレ 」。




ピアニスト
日下部史奈さんの
ステキなお宅の稽古場にて
弾かせていただいたときの録音です。






みなさん
ステキな日曜日をお過ごしください☆

Noriko.T◎NOTE 2022.7.10

【 暑いさかりこそ大切にしたいこと】 2022.7.3

こんにちは。



Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。




今年も、はや7月!
気がつけば、凄まじい猛暑真っ只中。。
みなさん、夏バテなどしてませんか?



・・・といいながら
わたしも実は先週
だるい気分になったり
食欲がおちこみそうになり
「これは、リフレッシュ対策を遂行せねば♪」
もっかプラン推進中のNoriko.Tです。




暑さで頭がボンヤリしていること
朝なんかは、よくありますネ(笑)

今朝は起きて
coffeeをいれたあと
気分がシャキッとしてくるまで
PCのまえでカップの湯気を眺めて
涼んでおりました。


新作「Carnival」の
制作にはいってから
ひと月以上がたちました。

その前のスタジオ稽古期間も
いれると、ほぼひと月半。
アリの一歩づつと呼ぶべき制作Diaryを
サイトやTweetに綴りながら




ありがたいことに
みなさんからエールをいただき
おかげさまで毎日モチベーションを
Keeo UPしながら
制作を進めることができています。
みなさん、あらためて
いつもありがとうございます。







曲の全体像がだんだん形となり
いま現在のわたしの頭の中では
できかけ「Carnival」のサウンドが
毎日鳴り響いている状態なのですが




撮影も同様にすすみ
自分のなかに「早く形にしたーい!」
という気持ちがつよくなってきて
そういう段階でつい・・
ヴァイオリンの譜面か、シンセか、
机のうえにはりついたまま
寝食を忘れちゃいそうに。。
なりマス。





ところが、寝ることと
食べることは、後回しにしないほうが
どうも、よいみたいだなァ。。と
年々実感ふえてきまして



それでさっきのお話に
もどるんですが
「この暑さでもできるだけ快適に
寝たり食事するコンディションを
作っていこう~☆」と
リフレッシュ対策を推進しているわけなんです。





睡眠学習っていう言葉を
むかし聞いたことありますが
「学習」と呼べるかわからないけど
寝ているまに「問題解決」してくれるできごとは
多々経験あり。です。





制作はアイディアに行き詰まることも
たくさんあります。
ひとつのパズルがどうしても見つけられず
よい考えが浮かぶまでつい悶々と過ごしてしまうのですが


Noriko.Tの実感によると
ギリギリまで考えたあとは
答えを急がずに
寝てしまうのが1番みたいです☆





起きたときには
たいてい「よい考え」が
ひらめいていて
そこからまた一気に前へ進みだす
不思議な解決能力が寝ることによって
働いているみたいなんです。



人間は寝ているときが
もっとも機能的に頭を働かせているのかなァと
つねづね人体の神秘性なるものを
感じずにはいられません。



壁にぶつかるまでの全てを
やりきっておいて
「ひとつ」だけ答えのでない課題を
残しておいて眠る。という方法も
そういう意味で多用しています。






それから食事のこと。
これを大切に思うのは
制作だけでなく、毎日の稽古や
日々の精神状態にかなり影響しているなァと
実感があるからなんですよネ。





栄養がかたよると
イライラしたり、
なんの理由もなく不安になったり
そういうことってある気がします。



そう。わたしで言えば
ただでさえ「創作」なんていう
不安定な作業に連日とり組んでいるのに!
これ以上不安にかられたら困ります(笑)

というわけで
ごはんだけでもしっかり食べておかなきゃ☆






暑さリフレッシュ対策の観点から
いいますと♪


「暑い夏は、無理しない」
のがNoriko.Tの
ゆるい(笑)掟てです。



1年365日フルーツを食べない日は
ないわたしですが
夏は、朝起きると何より先に
フルーツをいただきます。

体がフルーツを求めている☆
天然の甘味で元気になるのと
水分も一緒にとれるので。




この時期の朝は
それと飲みものだけ。



今朝はcoffeeをいれましたが
すっきりした紅茶に変えて
香りでリフレッシュするのもいいですネ
(わたしはミントティが大好き!)






お料理するときも
食欲をたすけてくれる
「香り」をこのさい頼りにしちゃう。


ガーリックやパクチーは
いやおうなしに「食欲増進」してくれるので
たいへんお世話になっています。




そしてなんといっても2日おきくらいに
いただくのが「アボガドさん」。
アボガドは、果物だということ
みなさんご存じですか?


栄養価が高く、水分がとても多いので
重宝の材料です。
パンケーキにのせたり、
サラダ、生春巻き、ディップとしていただく
ワカモレなど、アボガドさんの活躍は素晴らしく
わたしNoriko.Tの健康を支えているのは
アボガドさんだといっても
過言ではありません。





油をつかった料理に
手がでないときは
「ルッコラの葉とサーモン」のサラダ。



ごまの香りがするルッコラは
柔らかい葉っぱで食べやすく、
お魚にもよくあいます。

体によいオリーブオイルと
バルサミコ酢をあわせて、お醤油をちょっとたらして
すりごまをたっぷりいれたドレッシングを
作って一緒にいただくと
手軽で美味しい食事があっという間にできあがり♪





食事のことを綴ろうと思うと
ついつい話がとまらなくなっちゃうので
また別の機会にあらためたいと
思いますが、




あとひとつ。
よく食べ、よく眠るために
だいじなこと。






それは
体を動かすことなのかナと。


このところ「Carnival」撮影のために
ヴァイオリンのほかに
ダンスも(ふだんも少なからずやってますが)
とくに時間をさいて踊っていたら
もう、お腹すいてネ。

先日は久しぶりに
ごはんをお釜にたくさん炊きました(笑)




適度なつかれは
ぐっすり眠るのに
必要なもの。





そんなわけで
「制作」というライフワークから
今日もさまざまなことを学び吸収しております。





いま少々
わたしの部屋からみえる空は
曇りがかっているみたいですが
coffeeがきいてきて
だいぶ朝の頭もスッキリしてきました。





さいごに◎

今日、お贈りする曲はこちら。


かの有名なポンセの
「エストレリータ」。
ヴァイオリンとギターアレンジ(シンセ)は
Noriko.T☆



 https://youtu.be/1boUobHaENQ




みなさん、どうぞ
よき週末をお過ごしくださいネ!



Noriko.T◎NOTE 2022.7.3


【秘密のかくし味】 2022.6.25

こんにちは。

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます。


今朝はひさしぶりに
気持ちのいい青空。。!
さきほど外にでて
たっぷり空気を吸い込んできました(笑)




ここのところ
なかなかお天気のすぐれない日が
続いていましたものネ。

陽がさしてくれないと
家のなかもなんとなく薄暗くて
気持ちがあがらないときも
あったりします。



わたしNoriko.Tも
今より以前はもっと
季節によって、日々の天の色によって、
ど~んと落ち込んだり


雨が降ると
なぜかベッドにもぐったまま
雨の音をひたすら聴いていたくなったり
自分というものが、天候にずいぶん
左右されていたなァと
自覚しております・・。






そんなさなか、ひょんなこと。

1年半まえに制作した作品に
キャンドルを使いまして
それがきっかけで
キャンドルなるものを趣味で
買い集めるようになってから
少々変わってきました。

ちなみに
本当の火を炊くと
かたときも目を離せず
落ち着かないので(笑)

正確には「キャンドルライト」です。

バリ島雑貨店でよく見かける
カラー色のホルダーもよいですネ。



いろいろな色が
はめ込んで作られているので
ゆれる灯りとともにほのかに美しく
思いのほかココロを
落ち着かせてくれます。


北欧インテリアが近年
雑誌などで特集されているように
寒くて日照時間の短いのが常時の北国では
温かい演出を日常生活に
とりこむ工夫がたくさん。





ハウス型のホワイトホルダーは
今や日本でもメジャーに。

少しづつ集めて
小さな街並みをリビングに作って
一つ一つのハウスを灯すのが
Noriko.Tの憧れでもあります。





灯りにゆれる
小さな街並みを眺めながら
本を読んだり、coffeeをいただいたり
好きな映画を楽しめて
想像しただけでも
贅沢なひとときになりそうな予感!





毎日変わる環境や
外気の影響を受けて
ときどき迷走したくなるのは
わたしたち人間の自然な姿。




そういう自分を
外から眺めて楽しむくらいの
余裕はもっていたいナと
思っているNoriko.Tです。





お話変わりますが
先日、作品を聴いてくださっている方が
「不思議なことに、聴くときによって
感じ方が違う、感性はつねに変化しているのだな
と思います。」とおっしゃっていました。


ありがたいお言葉を
ありがとうございます。




ところで実はこのこと、
作っている本人でさえ
体感している出来事なのです。




ちなみにわたしは
制作プロセス上、
耳に優しいちょっぴりよい
ヘッドフォンを使用して
曲を聴くのですが



自分がとりこんだ
さまざまなサウンドが
曲のあちらこちらにちりばめられていて
ある時は全てが鮮明に聴こえるし、
ある時はこんな音もいれてたんだっけ?
と今さらビックリ、
「かくし味、わかっちゃった♪」
みたいな感じでしょうかネ。

お料理と同じで
コンソメだけだと少々足りないから
味の素もちょっぴり足す。



ビーフシチュー煮込むときに
いちばん最後の仕上げに
鍋のなかにパルメザンチーズを
ちょっぴりふると
コクがでてグッと美味しくなる♡



そういう「かくし味」は
実際の味として認知されないけど
絶妙な味わいの効果あり◎

話がもどって
Noriko.Tのオリジナルには
曲調の変化が多いこともあり
平均で100~300種類のサウンドが
ちりばめられています。



主旋律としてきこえる
メロディサウンドよりも
ほとんど聞こえないけど
「何か裏で鳴ってますネー」と
うわさされる小さきものが
たくさん存在しています。





シンセサイザーには
「鐘」というカテゴリだけで
7種類もの音色のちがうサウンドが
入っているし、打楽器音といったら
無数にあります。



太鼓と柔らかいほうのシンバル音を
重ねることで
深みのある新しい打楽器の音を
作り出すこともできるんです!





となると◎
つい触ってみたくなる
性分ですからネ(笑)



けれどひとつ大事なのは。


たくさん入れればいい
というものではなく。


お弁当箱つめこみすぎると
ごちゃごちゃして見た目だけで
美味しさ半減しちゃう。





そこで、ともかく。
実際つかう音が決まるまで
それはそれはもう、
数えきれないサウンドを弾いてみて
吟味しております。




遊び心をフルに
活かせるじかん、といって
過言じゃありません。




それも不思議。
数日まえはそれほど好きじゃなかった音が
「今日は、なんかよいナ。」とか
思うんですよ。



ほんとう、人間の感覚とは
こんなにも揺れ動き、
日々入れ替わっていくものなのかと
あらためて感じ入る
今日こんにちのNoriko.Tです。

わ♡
こうしてNOTEかいているまに
どんどんさっきよりも
明るくなってきました。

最後に
本日Noriko.Tから
お贈りする曲はこちらです。

「BIRD」  /Noriko.T

https://youtu.be/Ejz_ZkbLw7E



今日のみなさんにも
お心に響くサウンドとの
よき出逢いがありますように!



Noriko.T◎NOTE 2022.6.25





【撮影は表現を肥やすツール】2022.6.19


Norikoチャンネルを
ご愛聴いただき
いつもありがとうございます!






この私も実は毎日、
各種YouTubeさんの配信による
恩恵を授かっていまして
m(__)m

かなり好みに偏っていますが♡


●ヴァイオリニストたちの綴る
楽しい日記ブログ、いろいろ
●練習メニュー工夫法、いろいろ


そして!

●イツァーク・パールマンと
ヒラリー・ハーン。

最高に好きなヴァイオリニスト。
それぞれのコンサートシーンは
毎日夢中で観ています。
じかん忘れます。。。




ほかにも。

「お料理レシピ」「魔法のメイク法」
「ダンス」etc…



友だちから
情報を教えてもらっては
動画巡りの日々ですネ。


その道に長けたみなさんの動画は
どれもほんとう、素敵です。
なにより、ためになります☆




これが動画制作には
本当に大事なことですネ。

Norikoチャンネルの世界も
ためになる・・でなくても
「活力になる!」
「癒しに」と言ってもらえる作品


そして、これこそNoriko.Tが
こにに込めた願い

「夢をみられる」場所でありたいと
つねづね思います。

ちょっと話飛びます。
今、全国ロードショーで上映中の
映画「20歳のソウル」が各地で
大きな話題となっていますネ。
(私も、近日3度目の鑑賞予定です。)



秋山純監督とはとても長いおつきあいで
わたし自身も大変お世話になっているので
このサイト(Diary)でもたびたび
監督に登場していただいてますが、


以前、ふと監督が

「 ノリちゃんの動画、
あれどうやって、、誰が撮影してるの?」
と訊ねられたので



「自撮りです。」
とお答えしたら
それはもう、大変に
驚かれていらっしゃいました。





。。そうなのです!

Noriko.Tのオリジナル曲は
すべての曲を
自分自身で撮影しております。


この「キホン自撮り」スタンスを
守るのには、それなりの
理由があるんです。

●「風の森」  /Noriko.T(2022年収録)
https://youtu.be/7RjsUoxynQQ




先月Upした「風の森」は
「ヴァイオリンの即興演奏」を
もとに構成していますが


○演奏シーン。   はもちろん
○スカートワルツ歩き(Noriko.Tが名付けた・(笑))
○木の上からカメラがのぞいてるシーン
○手かざし
○ひたすら森を歩くシーン
○足もと密着♡
○たくさん出てくる風に揺れる森風景
など。


2か月間、2つの森に通いつめ
じぶんで撮影いたしました!




さきほどの秋山監督に
話がもどりますが、


撮影が始まったばかりのころ
(ちょうど3月の終わり)
監督のお誕生日祝いの会があったんですネ。


わたしも少しばかり
お邪魔させていただいて
みなさんと一緒にお祝いさせていただきまして。



その日がちょうど
翌日撮影を控えていたときで。
「これは一大チャンス♪」と。




「早朝に山の斜面上で撮影するんですが
コツはないでしょうか?」と
相談させていただいたんですネ。

そして、いろいろと
野外で撮影するための手法。。
伝授していただきました!


ちょっぴり話がそれますが
秋山監督の撮影法は
これがまたかなり独特のスタイルを
お持ちの方で、
「リハ―サルなし」。
「考えるじかん、与えない」。


つまり、つねに
演者の究極の感性を
大切に考えていらっしゃる、
ということなんです。

ですから、秋山チームの
撮影に呼ばれる人はみんな
演者も、撮影チームの方たちも
そこをよく理解して撮影現場に向かっています。







「撮影」
わたし自身も
この言葉を、音楽人生のさなかで
これほどまでに口にするとは
昔は想像もしていませんでした。
人生、何がどうなるか
つくづくわかりませんネ。




でも、この経験値をふんだことで
わたしの音楽表現に
もたらされた意識変革は
ただならぬ大きさでした。。!




ひとつ例えば。

仕上がった動画のほうがダイナミックすぎて
そのためヴァイオリンの演奏表現が小さく感じ
「音の収録」だけやりなおし。
となります。

絵は、目にみえるものなので
「表したもの」が音とバランスよいか
バロメータであり、刺激剤にも。




初期の頃の動画は
そうやってみてみると
若干、しちゃんかちゃんですネ(笑)
アンバランス。




けど、それだからこそ
(動画制作、つづける。決定!)
と思えたんです。
足を1歩、いれちゃったんだから
何かをつかみとりたい。




なおかつ。
その心がまえでやるのなら
「撮影そのもの」も自分の手で。





世界一アナログ人間だったはずの
Noriko.Tはこうして
「アナログ脱皮」を果たしていったのです。




さて。しかしですネ。



原則自撮り撮影でも、
「さすがに、どうしても」
というときもあります。やはりネ。





そういうときだけは
その箇所を録っていただくため
すこしの時間、お願いすることもあります。





さきほどの「風の森」

じつは2か所だけ、
自撮りでないぶぶんがあったのですが
みなさん、どこのシーンがそうなのか
わかりますでしょうか?





正解は☆


●Noriko.Tが
外を歩きだして
背の高い木々のあいだを
かきわけて入っていくところの
10秒間



●黄色い花に囲まれて
踊っているところの
10数秒間。



でした。
つまり。




「カメラが背中を追いかけてくる」のだけは
今のところ不可能なんです。
自撮りではネ。


逆にこれができるようになっちゃったら
最強ですネ(笑)





そんなわけで
どんな想像を絶する手をつかって
撮影しているかのお話は
まだまだエピソードあり♡




べつの機会にまた
楽しみにしていてくださいネ!




Noriko.T◎Note. 2022.6.19





【雨の日散策のススメ】2022.6.12

Norikoチャンネルをご愛聴いただき
いつもありがとうございます!

つい数日前、ある方が
「ヘッドフォンで聴くと、別世界に行けますね。」
とおっしゃってくださいました。





ズバリ。
実はそうなのです。

ここで基本的にお伝えしておきますと・・
わたしは、その人それぞれ一番好きな方法で
聴いていただくのがBest!と思っていて
「こうやって聴いてネ。」と言わないことにしています。






でも、ここだけの話♪♪♪
Noriko.Tのオリジナル曲は
ヘッドフォンで聴いていただくと
その世界観の真ん中に佇んでいるように

PCや、スマポ画面から聴くのとは
まるで違う立体的な印象を
楽しんでいただけちゃいます。

「 ライヴ会場で聴いているみたいな雰囲気」と
いうのがピッタリかナ。



ただ先ほどもお伝えしたように
それぞれのお好きな聴きかたがありますから
無理せずご自分の好きなかたちで
Norikoチャンネルの世界を楽しんでくださいネ!



先日は、「HAYAMA」の制作秘話、
みなさん、読んでくださりありがとうございました・・!

この話を知ったあとたくさんの方が、またあらためて
「HAYAMA」を聴きなおしてくださり、ご感想もいただきました。
重ねてありがとうございます。m(_ _)m



わたしNoriko.Tも。
日頃、ほかの作曲家の制作された好きな曲を
夢中でくりかえし聴いて。
そしてしばらく時がたち、
再びくりかえして聴いたりしていますが、、

魅力のある曲は何回聴いても
新鮮で新しいサウンドに聴こえるんですよネ。
不思議だぁ。。☆

聴くたびに新しい魅力が上乗せされる!

もらえるエネルギーも同時にふくらんでいく!
これはもう手放せない(笑)



Noriko.Tの作品も
みなさんにとってそういう曲でありたいと思います。

これからも乞うご期待!です。




さて。
それはそうといよいよ梅雨に入りましたネ。

雨女、そして雨好きを公言しているだけでなく
Noriko.Tのもっか大切なひとときの一部。

それは森の散策です。
全身にお日さまをいっぱい浴びて
風のいい匂いをたくさん体にとりこめる
晴れの日散策ももちろん素敵なんだけれど

スペシャルは雨の日の散策◎



みんな雨ふると
外に出たがらないでしょう。
でも、ホントは雨の日こそ。。
森を歩くと、最高の癒やしを与えてもらえます。
少数派の特権(笑)




わたしの感じるいちばんの宝ものは、
雨のなかの静寂。

大きな大きな木々に覆われた森の中では、
カサに落ちる雨音がとても静かに、
ココロを落ち着かせてくれます。



そのあとは。。
いろいろな声や音が、
静かに入ってきます。




美しい小鳥のさえずりとか
葉っぱが揺れる音、
虫がどこかで飛んでいる音、
そばの川の水が流れる音。。
ほんとう、いろいろ。




ココロをなだめてくれる音はたいてい、
日常から離れた場所に存在している。
そんな気がしますネ。




自然環境がそのまま残された大公園や
自然公園が知られざる辺りにも意外とあるのも驚き。
なんて恵まれたことだろうと
しみじみ思っている今日こんにちのNoriko.Tです。





ぜひみなさんも、
雨の森散歩、試してみてくださいネ。


最後に、今日の曲はこちら★
『静寂よ、ここに降り立ち』
        /Noriko.T
https://youtu.be/hnjFAZYhe3o

Noriko.T◎Note 2022.6.12





   ●
    

       ●

    

【HAYAMAの制作秘話】2022.6.2


   Norikoチャンネルを愛聴くださり
いつもありがとうございます。。!


「典子さんの、オリジナルやっぱり好きです。」
と言っていただくことが
以前よりも増えてきました。

それでも今はまだ
曲数圧倒的に少ないのでもっともっと作って
みんなにNorikoチャンネルの世界を楽しんでほしいと
思っている今日こんにちのNoriko.Tです。

以前までのことを
すこしお話しますと、


 Noriko.T 公演出演と 
その舞台用の制作曲を オファーいただく

              ↓
制作した作品を舞台公演で弾く
                ↓

公演終了後は、
作品はデータとしてPCに収めらる。

という流れが定着していました。


つまり作品そこで
お蔵入りなんですネ。

ライヴはつぎつぎ、、と
新しいものへ進んでいくので
わたしもお蔵にしまった曲のことを
ふりかえることがありませんでした。

ところが、そこに
世界的パンデミックによる「ステイホーム」期間が発生。。!
2年前に起きたその状況は、
わたしと、そのお蔵入りしてきた作品たちにとっても
思いもよらない事件となったのです。

飲食できない。

外出できない。

人と会えない。

この三重苦よりも
「 コンサートができない。」


これは、世の音楽家たちにとって
生きるなといわれているのに等しいといって
過言ではありません。

たちまち、配信ブームになりました。


わたしだって
うかうかしていられません。
波乱人生に生まれついたNoriko.T
メラリ。。炎のなかで立ち上がった。

のだけれども。

ここである問題が
立ちはだかります。

それはNorilo.Tが
「世界一」を誇るアナログ人間だということ!

PCは打てます。
「ウエブサイトやって
できるようになったもん。」

ということで
もともと楽天家の性質をフルに活かした
Norilo.Tの制作活動がスタートしました。

わたしのオリジナルは
ヴァイオリン以外はシンセサイザーで
音を作っていますが
PCの打ち込みはやっていません。




「 手弾きで作ろう、楽しいナ♡ 」

奮い立つ歌をかけ声に、
シンセサイザーの小さくて軽い鍵盤を
とにかく猛練習の日々がはじまります。

それが第一曲め

「HAYAMA」海はただ黙せり
の制作始まりのシーンでした。

それもいきなり
ヴァイオリンつかわない(笑)

だけど。
そして。
鍵盤のみ。

それはつまり、、、
はじめから終わりまで、「とおしで弾ける」まで
やっていたら一年先までUpできない!


そこで楽天家Noriko.Tは
作戦をかんがえました。



「 とおして弾けないなら
ちょびっとずつでOK! 」

というわけで、
はじめに、6分間の空白を録音器のなかに作り
(サイズを大きめにしておくのには理由が。。)


つぎに曲を
ばらばらに切り刻む。
楽譜に/  /  /
こうやって。


「ここまでなら、
うん♡ つなげて弾ける。」
という感じで。



あたまからスタートして
4小節くらいづつ
つづきを付け足していくんです。
どんどん曲がつながっていきます。

当時は、Mixingは
未経験でとりいれていませんでした。


つぎのパートを弾くときは
曲のはじめからヘッドホンで聴いていって
「その箇所」がきたら鍵盤を弾いて、
つづきとしてつけたされる、、という。



文字どおり
世界一アナログなやり方で
進行していきます。


テンポ速いところは
もっと弾けないので
さらに細かくして
3〜4日かけて数小節を録りきる。

「HAYAMA」海は黙せり  は、
演奏時間5分ほど
譜面にして4ページほどですが、

覚えているかぎりでは
20パートくらいにわけて弾き
収録をはじめてからひと月半かかって完成しました。



録音に要した時間は毎日3時間〜8時間。
テイク数は、350回を超えました。

ご想像していただけるとわかりますが
毎回、ヘッドフォンで録音済みの
曲の頭から聴いていって
「今日の箇所」をひいて付け足すとき

ちょっとでも、
出遅れ、
出早い、
前とのテンポちがい、
タッチミス、
音色が描いたものと違う
間合いのとりかた野暮ったい、、
表現がイメージに追いついていない


そのたびに
録りなおしになります。

気をとりなおし
「もう一度頭から」
をひたすらくりかえしていました。



切りばり方式の重ね録り。
王道ではない作り方でやる。
それはOK。

でもみんながそれを聴いたときに、
まるで全曲弾き通したみたいに
聴こえないのなら、
そのチャレンジはやめたほうがいい。

そう自分を追い込んで
まるで何かに取り憑かれた人みたいに
毎日没頭しました。


それとは別にネ。
「ミキシング急務!」
早くできるようにならなくちゃ。。
と、この頃いつも思っていました。

ヴァイオリンの入らない作品自体にも、
音楽ショーの幕間の世界をひきたてる
たいじな役目があります。

この曲の構想のようなものは
そのさらに3年まえに話がさかのぼります。


当時、撮影のために
ふらりと訪れた葉山の海。


格別な景観でした。

その気高い美しさに
ただ吸いこまれるように惹きつけられ、
心を奪われてしまいました。

                                    ・



帰宅してすぐシンセをとりだし
即興的に、弾きなぐるようにして
メインのメロディを当時録音しておいた、
そのメロディをもとに
楽譜にかきおろしたのが
「HAYAMA」なのです。

You Tubeとしてあげるまえ
もう一度、その風景写真をとるために
現地へ撮影にもいきました。

その日は朝から、壮絶雨ふりの歓迎をうけ
雨女を自負するNorilo.T
制作モードいよいよ盛り上がっていくんだ☆

と、内心燃える思い &  決意を
したためたことを覚えています。

実際の音楽ショーでは
全曲とおして弾く姿を
みなさんにお見せしたい。。!

そうも決意して。
この曲を今日も
鍵盤で稽古しつづけている
わたしです。



Noriiko.T☆Note◎  2022.6.2




【  Noriko.Tよりご挨拶  】2022.5.26



nonnonスペースこと☆
Noriko.Tウェブサイトをご愛読くださり
いつもありがとうございます。



2014年からスタートしたこのサイトも
気がつけば、8年目を迎えていました。
わたしの活動の記録はほとんど
日々のTweetとこのサイトのみで綴っていまして
いづれかを、またはどちらも
追いかけてくださっているみなさんに
この場で厚く感謝もうしあげます。




それにしても
なんという劇的な8年間でしょう。

・・と思いはしたものの。
よくよく思い返してみれば
わたしの人生今までのどんな瞬間も
劇的そのものでした。
ぼんやり退屈している暇なんて
かたときもなかったような。







さらに考えてみれば
『今』が、人生でもっとも地に足をつけ文字どおり
「音楽づけ」の毎日を送っているわけですから
かつて音楽を志したばかりの頃描いた
「音楽で目覚め、音楽に眠る、
朝から晩まで音楽のことを考える生活を送りたい。」
というささやかな夢を、自分なり形にしながら
いってみれば人生最大激動なる
「音楽道」を歩いていることになります。

音楽道を、「いばらの道」と
表現される方もいらっっしゃいますが・・
1日1日の彩いろどりが
常時、変貌してゆく様を生きる
まるで七変化の世界に佇むようなこの生き方を、
わたし自身は得がたい宝だと思っています。



そして。そうであるならば
この感謝と喜びを
胸の内だけでなくもっと外がわに放っていかなくちゃ、
との思いを秘めている今日こんにちの
Noriko.T です。








音楽家の日常生活はいってみれば
ひとりひとりかなり違います。


(・・と予想しています☆)




朝はやタイプ
完全夜タイプ
毎日フレキシブルタイプ
etc。。
アーティストの数だけ「暮らしかた」が
あって、ミュージシャンの場合は
その生活はすべてが公演準備やリハーサル
制作や本公演のスケジュールを中心としたうえで
ほかの時間も組みたてられている
、と言って過言ではありません。



そういうなか
今のわたしが1番大切にしていることは
「ふつうの暮らし」のサイクルを守ること。



朝起きて夜は寝る。
基本ですネ。。





必要なくても
1日に1度は外へでる。





食事はできるだけ
自分で料理する。





ごくごく普通のことばかりです◎

でも、これが意外と
簡単ではありません。
実際のわたしも、年間365日のうち
なかなか難しいときもあります。




ひと昔まえは
ほんとう、ひどくて(笑)
毎日家から一歩もでずに
ひきこもって曲を作っている
「世捨て人」みたいな生活を
送っていたこともありました。



でもそういうとき
たびたびココロに
思い出す「お言葉」があって。




高校生だったとき
音楽を志すことを決めたばかりで
毎日学校でヴァイオリンの稽古に
奮闘するわたしをみて
恩師である音楽の粕谷宏美先生が当時おっしゃった
このお言葉がわたしの意識を変えてくれたのです。




””  音楽家は、どうしても視野が狭くなる。

同じ世界のもの同士で固まって
世の中がみえにくくなる。


だからできるだけ自分から外へでて
音楽以外の世界へも目をむけるようにするといいよ  ””





当時のわたしには
ピンときていませんでしたが
こうしていざ音楽中心の生活のなかで
先生のおっしゃった言葉の
とても大切な意味が実感として
胸にひびくようになりました。



日々の稽古や制作のプロセスが
自己の内面とむきあい続ける作業なだけに
引きこもったまま居心地のよさを
覚えてしまうのですが
そのルーティンから意識的にぬけだして
外がわへ目を向けようと思うようになりました。




ライヴも、広いコンサートホールより
至近距離でお客さまと対話できるような
空間をだいじにしたいと思い始めたのも
それがきっかけだったと思います。



お客さまの息遣いが
感じとれるようなライヴ空間では
演奏のまあいや呼吸も
自然とお客さまにより添うように
弾くことができます。


それは弾いていて
とても心地よいものでした。







ふだんの暮らしと
そこに息づくココロの調和を
謳うたっていきたい。


このころひっそりと
芽生えた気持ちだったかもしれません。


公演でオリジナルの作曲を求められ
そういう思いのなかで制作した曲を
弾くようになりました。



詩うたというものは
コンサートのときだけ
「そこにあるもの」ではないように思えて。




ふだんの暮らしのなかに
生きてわたしたちのココロに
存在しつづけている。
そう思えた瞬間がありました。


その姿を紡いでいきたい。
その詩そのものを
作品に投影していかれたら。





できるだけ「ふつうの暮らし」を
大切に、社会性調和のとれた
生活リズムをこわさないように
わたしが心がけている理由はそこにあります。






・・とこうしてみると
わたしを世捨て人から脱皮させて
「日常生活」のサイクルへもどすように
促してくれたのも・・
まさに音楽の力ですネ(笑)






Noriko.T☆Note◎2022 5/26
































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