ドイツReportⅢ
★Kaiser Saalカイザーザール
エアリッヒ氏と彩子さんののコンサートを聴いた帰り★
ドイツ旅行記も、最終日◎
こうして、
短期間のヨーロッパ滞在を
くりかえすたび、
実感している思いがあります。
私たちは、日常のなかで
目の前の公演のための、
稽古やリハーサルそのものに追われて
ついつい大事なことを忘れそうになるけれど、
一緒に弾いている相手が
普段どんなことに目を向けているか、
どんな作品や、
どんなアーティストが好きなのか、
どんな演奏を心がけているのか
練習やリハーサルで気をつけていることは、
音楽や楽曲に対して、
どういう考えをもっているのか・・etc
とことん会話したり、
自分のそれを言葉で語ることは
ごくたまに、
そういう機会がもてることは、
慣れ親しんだ相手の
まだまだ奥底を知る大切なきっかけになるし、
相手の音をより生身に感じるための
エッセンスになるのだと。
今回の期間中も、
ピアニストの彩子さんと
一緒に生活するなか、
リハーサルやレッスンで
一緒に弾きながら、
ステージでご一緒しているだけでは
みえにくい、
音楽、そして仕事に対する姿勢そのもの、
理想への隔たりをうめていくための
緻密なプロセスを垣間見ることができて
ものすごい刺激を受けました。

★ピアニスト曽我彩子(そがあやこ)さん:公演後、とっておき彩子スマイル!
音楽は、生々しいもので
ステージだけみれば、そこは
「非日常の場」でしかないけれど、
それは、膨大な「日常」の積み重ね。
日本にいても、
海外にいても、
変わらず積み重ねること。
ルーティンワークが
後押しするもの。
そして、最後は
共演する相手へ
どこまで共感できるかだと
思っています。
2009年の、ソロリサイタルで
はじめて彩子さんにピアノをお願いしたとき、
期間中、それを心底学びました。
相手の意図することをすばやく汲んで
『どうぞ、そのままいらっしゃい!』と
両手を広げて待っていてくれるような
そんな懐の深さが、
彩子さんの演奏の最大の魅力。
あたりまえのことを、
彼女がピアノで弾くと、
温かくて、安堵に包まれるようで。
だから、
日本を出発する前から
彩子さんのピアノで
グリーグのソナタNo.1と、
ヴェニアウフスキーの
華麗なるポロネーズOp.21を
エアリッヒ氏に聴いてもらえること、
それは、もう心待ちにしていました◎
きのうのReportでもかいたように、
わたしは今回「枠外」で滞在していたので、
レッスンは、
学生さんたちの終わったあとの夕方に
時間を組み込んでいただいていました。
滞在もわたしだけが1週間、と短いため、
連続4日間の
みっちり強行スケジュール!
でも、1回1回、
インスピレーションの嵐が吹き荒れるほど、
エアリッヒのレッスンは、すごい
アイディアの宝庫でした◎

「ポロネーズ」は、
曲の華やかさを彩る、
テクニックのこつや、
それを、支える
全体のLineを、
よりシンプルに整理していくこと。
「ソナタ」は、
もっと根本的なことを
みつめなおすことに。
この作品は、
美しくまとめれば
それはそれで成り立ってしまう曲だし、
そういう方向に陥りやすい旋律でもある。
・
でも、グリーグがかいたものを再現するならば、、
ただ、美しいだけではない、
民族的な血の濃さを
厚みのある音色のなかから、
表現していかなければならない。
レガートのなかに
激しさを生み出してゆく奥深さに
触れました。
今までにないくらい
実りを感じることのできた
貴重な日々でした。
わたしはこの期間中、
帰国3日後に控えていた
ゆりちゃんたちとのレコーディングの
Programまで、
影響をうけて
どんどん自分のなかで
変わっていった。
素晴らしかったのは、
それをそのまま持って帰国したら、
ゆりちゃんも、みかちゃんも
瞬く間に
そこに一緒にのっかってくれたこと。

★練習につかっていた「シナゴク」
昔、ユダヤ人の集う場所だったそう。
・・・こうして、
わたしの2015年ヨーロッパの夏は、
充実の日々を終えました。
最後に、
16日、帰国前夜に聴いた
エアリッヒ氏と彩子さんのリサイタルは
圧巻のStageでした。
『ドイツの聴衆のなかで、
ひとりだけすごいクレイジーな拍手を
拍手を送ってくれてるのがみえて
それはもう、めだってめだっていて・・。
あれ、典子チャンでしょ(笑)』と
終わったあと、彩子さんから。
もっちろん!
そうですよ♪
NORIKO★TAKAYAMA

